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人魚姫編7(キモオタ「ティンカーベル殿!おとぎ話の世界に行きますぞwww」六冊目)

シリーズ
キモオタとティンクの旅立ち編
シンデレラ編
裸の王様編
泣いた赤鬼編
マッチ売りの少女編
桃太郎編
○○○○○○とアラビアンナイト編
人魚姫編1
人魚姫編2
人魚姫編3
人魚姫編4
人魚姫編5
人魚姫編6
人魚姫編7



766: ◆oBwZbn5S8kKC 2015/06/07(日)22:23:41 ID:ffb

人魚姫(人魚王ボイス)「もう一度言う!今まで襲撃された人魚は全部私が殺したんだ!人間は本当は全然悪くないんだよ、国王の私が国をまとめるために人間に罪をなすりつけたんだから!」

人魚王「おのれ……!違う!皆の者騙されるな…!この声は……」ゲホゲホ

人魚姫(人魚王ボイス)「これが全ての真相なんだ!人間は私達人魚の事を知りすらしない!それを良いことに人間に憎しみの感情が向くように仕向けて偽物の平和を手に入れたんだ!」

人魚王「クッ…鬼との戦いで消耗してしまったか…民衆へ届くほどの声を張り上げる事が出来ぬ…!」ギリッ

人魚姫「そりゃあさ、わたしだってチョー嫌嫌だったけどレッスンはさせられてんだし、声量には自信あんだよね」ヘラヘラ

人魚王「兵器としての精度を高めようとした事が仇となったか……」ギリッ

人魚姫「結局サボってばっかだったけどさ、戦った後でボロボロの親父の声に勝てるくらいにはでかい声だせるっての」ヘラヘラ

ザワザワ ザワザワ ザワザワ ザワザワ

「に、人魚を殺していたのは人間じゃなかっただって!?」
「それどころか本当の犯人は国王様!?国王は国民を自ら殺していたってのか!?」
「おいおい!いくらなんでもそんなこと……えっ、人間はどうなるんだ?あいつらは悪くないってのか!?」
「いや、でも国王様が自ら仰っていたぞ!?これ…どうなるんだこれ!?」

ザワザワ ザワザワ ザワザワ ザワザワ

髪の短い人魚「望んだ方法では無かったけど、国民たちに真実を伝える事は出来た……でも人魚姫、あなた一体どうやって国王の声を…?」

人魚姫「友達に貰ったんだよ、チョークだったかな?声を自在に変えられる道具?でも出涸らしみたいなもんだから少ししか使えないってさ。でも十分っしょ、親父の声で真実を告げられたんだしさ」

髪の短い人魚「陸にはこのような不思議な道具が……しかし、まだ終わっていません。本当の説得はここからです」

人魚姫「うん、大変なのはこっから。わかってたけど…みんな混乱しちゃてるっぽいしね」
767: ◆oBwZbn5S8kKC 2015/06/07(日)22:26:00 ID:ffb

人魚王「混乱するに決まっているだろう…!何が魔法具だ、何が声の変わるチョークだバカバカしい…貴様がしたことは平和を踏みにじる行為だとわからんのか…!」ギロリ

人魚姫「平和を踏みにじる?なんないでしょそんな事。あんたが皆を騙してたって事を教えただけじゃん、本当の事を教えて何が悪いっての?」

人魚王「馬鹿者め、何度も言わせるな……真実は重要ではない!見ろ、貴様が真実を告げた結果を!大勢の民衆が混乱している、やがてそれは怒りや恐怖に変わる…!無益な人魚同士の争いがまた始まる!」

ザワザワ ザワザワ

人魚王「貴様は青臭い正義感を振り回し、国民を苦しめているに過ぎん!自らのエゴで平和を乱す逆賊め…私が築き上げた国をよくも…!」ギリッ

人魚姫「あーもう!なんとでもいいえばいいじゃん!どーせわたしは不良娘だからさ。でも私は人間も人魚もみんな幸せにするよ、あんたみたいな偽物の平和じゃなくて本物を手に入れるから」

人魚王「平和に本物も偽物も無いのだ、どのような手段を使ってでも手に入れてしまえばそれに違いなど存在しない…!」

人魚姫「もういい…あんた黙っててよ!国民のみんなはあんたが立派な王だって思ってくれてたってのにさ、その気持ちを踏みにじってんのは誰なわけ?あんたっしょ!?」

髪の短い人魚「人魚姫、今は王と言い争う時ではありません。あとは私が皆さんに説明します、あなたにはまだすべき事があるのだから落ち着きなさい」スッ

人魚姫「……わかった、このままじゃみんな混乱したままだもんね」

髪の短い人魚「ええ、真実を知る私達が国民を導かなければ、この国に未来はありません。そして…兵長、もしも暴動が起きてしまった際は私達よりも、国民の安全を優先してください」

人魚兵長「し、しかし……これだけの数の国民が暴徒と化せば……」

髪の短い人魚「お父様の側に居ながらその嘘に長年気がつかなかった私の責任です。それよりも巻き込まれた国民が怪我などせぬよう、お願いします」

人魚兵長「は、はい…お任せください、姫様…!」

人魚王「愚かな…また無意味な争いが人魚同士で行われるだけだ…人間を唯一の敵としていればいいものを…私が、私が唯一正しいというのに…」ブツブツ


768: ◆oBwZbn5S8kKC 2015/06/07(日)22:28:03 ID:ffb

ザワザワ ザワザワ ザワザワ

「こんな時に王達は何をもめているんだ…?この騒ぎで何話しているのか聞こえないが…」
「そんな事どうだってかまわねぇよ!俺達は王に騙されてたって事は事実なんだ、俺達が恨む相手は人間じゃあなかったんだ!」
「俺達はずっと騙されてた!無関係な人間をだしに使われて…あいつの良いように操られていたんだ!」
「うちの娘を殺したのも国王だったんだ…!それを国の為と称して…許せない!」

ザワザワ ザワザワ ザワザワ

髪の短い人魚「真実はみなさんお聞きの通りです。国王は長きにわたる南北の海域間の争いを鎮めるため、そして人魚同士の争いを無くすため…自ら罪のない人魚を殺し、それを人間の仕業とすることで……」

髪の短い人魚「私達の怒りや恨みを人間へと向けさせました。そして、私達姉妹をディーヴァとして海上へ送り出し人間を襲撃させることでその憎しみを少しずつ晴らさせているように見せかけていたのです」

髪の短い人魚「私達が過ごしていた平和な日々は大きな犠牲と国王の虚言によって覆われていたのです。平和のため国民の為とはいえ……国民の平和の為に国民が嘆く事などあってはなりません。そしてそれに気が付けなかった私達も…同罪です」

髪の短い人魚「いくら交流がないとはいえ、比の無い人間を巻き込み無関係な人間を殺すなど……悪魔の所業です」

髪の短い人魚「お父様……いいえ、前王。あなたは国を守る者として……それ以前に、人魚として失格です!」キッ

人魚王「兵器風情が……好き勝手いいおって……!」ギリッ

ザワザワ ザワザワ ザワザワ

髪の短い人魚「兵長、前王を牢へ。決して取り逃がさないよう、そしてどんな言葉であっても耳を貸さないように」

兵長「はい!かしこまりました!」ビシッ


769: ◆oBwZbn5S8kKC 2015/06/07(日)22:30:54 ID:ffb

髪の短い人魚「…前王、私はあなたに依存し過ぎていたようです。私は今でもあなたが自分自身の為でなく、国民の幸せの為に行動したのだと信じています」

人魚王「貴様、自らの意思で私を王座から引きずり下ろしたというのに勝手な事を……!」

髪の短い人魚「……私には国民を蔑ろにするあなたのやり方が許せません。ですがあなたが獄中で心の底から改心し、もう誰も悲しむことのないそんな国にするために再び王座に就き……今度こそ本当の意味で国民を守るために私に命令を下してくださるのを私は心の隅で願っています」

髪の短い人魚「ですから、獄中でどうか……御自分と向き合ってください。私は王族としてあなたを許せませんが……娘として、優しい心を取り戻される事を願っています、お父様」

人魚王「……おい、兵長。さっさと牢へと案内せよ、出来損ないの兵器の声が傷に障るのだ」

人魚兵長「は、はい。案内いたします」

人魚王「こうなれば私が投獄される事は逃れられん。だが、貴様等のような甘い考えで国を建て直せるなどと思うな」

人魚王「貴様等がどのような政策を立ち上げるのか、そして国民に見捨てられどのように国が崩れていくのか……貴様がこの選択を後悔する様を、獄中から見させてもらうとしよう」フンッ

スゥーッ

人魚姫「姉ちゃん、もうほっとけばいいのに……あいつ改心なんか絶対しないって」

髪の短い人魚「そうはいきません、国民を騙していた事は許せませんが……あんな王でも私のお父様なんですから」

ザワザワ ザワザワ

「しかし…あいつが王を辞めちまったら誰が王をやるんだ!?」
「そりゃあ……長女の姫様だろ?前王には息子がいないし王妃様ももう随分昔に……」
「姫様ー!そこんところどうなってんですかー!」
「新しい王には姫様がなってくれるんですよねー?」
「姫様が国王……つまり女王様か……女王様か……」

ザワザワ ザワザワ ザワザワ


770: ◆oBwZbn5S8kKC 2015/06/07(日)22:33:22 ID:ffb

髪の短い人魚「す、少し待ってください皆さん…!王を牢に入れた以上、確かに次の王が必要です……そしてその役目を担うべきは立場上、私です。ですが……」

髪の短い人魚「前王のやってきた事は先ほどお伝えしたとおりです。前王は罪のない国民や人間達を利用していたんです!そして私もその娘、そして王族なんですよ!?」

髪の短い人魚「国民を騙す王族がいてはいけない、国民を傷つける王族なんていない方がいい。国民の皆さんも今回の件で私達王族に失望しているはずです!あなた方の家族や恋人や友人を殺していたのは王族なんですよ!?」

髪の短い人魚「それなのに何故、私を王にと言ってくださるんですか?」

声のでかい国民「何故…って、姫様はやりたくないんですか?国王になるのは本意ではないと?」

髪の短い人魚「いいえ、私は前王の過ちを繰り返さないよう…持てる力を全て使って国を盛りたてて行くべきだと思います。今、この国をまとめるものがだれもいなければ…私の好きなこの国も皆さんもバラバラになってしまいます」

髪の短い人魚「それは…悲しいです。私は今まで国を無くすのが、国民の皆さんを失うのが嫌でディーヴァとして戦ってきたのです。ディーヴァとしての役割を失ったとしても王になれば皆さんを守れます、だから私は……」

髪の短い人魚「私は王になりたい。でもそれは皆さんが許してくださればの話です、裏切り者の父を持つ姫など王に相応しくないと仰るのでしたら私は…!」

声のでかい国民「姫様が王に相応しくなかったら誰が相応しいんですかー、そうだろ?」ハハハ

「そうですよ姫さまー!何言ってんすかー!姫様はずっと俺達の為に歌ってくれてたじゃないっすか!」
「人間が悪くなかったとしても、私達の為に姫様が戦ってくれたのは事実だものね」
「姫様はいつも傷だらけで俺達の仇を取ってくれてたじゃないか!いや、実際は敵じゃなかったけども」
「どっちにしろ姫様が私達国民の為に行動できる方だってのはみんな知ってるんですよー!」

髪の短い人魚「皆さん…!」ポロポロ

人魚姫「まぁ、そうだよねー。姉ちゃんは誤解だったとはいっても皆の為に人間と戦い続けてきたんだもん、みんなの事を思う気持ちは誰より強いっしょ」


771: ◆oBwZbn5S8kKC 2015/06/07(日)22:36:33 ID:ffb

ワーワー ヒメサマー

執事魚「……前王の虚言が判明し、人間が敵でないと解り姫様の苦労は無駄な物になってしまったと嘆いておりましたが……」

執事魚「無駄ではなかった……姫様が国民を思う気持ちは、少しも無駄ではなかった……!」ポロポロ

髪の短い人魚「私は…私は新たな王として皆さんの気持ちに必ず応えて見せます!争いのない平和な国に…必ず!」

ワーワー パチパチパチ

髪の短い人魚「ですが…まずすべき事があります」

髪の短い人魚「まずは前王の行いにケジメをつける為、被害者の遺族の方々には後ほど私が出向き……改めて謝罪に伺います。そして私には他にも謝罪すべき相手が存在します」

髪の短い人魚「私が殺してしまった、罪のない人間達です。海底を治める王として、私は陸へ赴き…人間への謝罪を行います」

ザワザワ ザワザワ

「そ、そりゃあ道理だけど……」
「俺達には人間を襲う正当な理由が無くなったんだ。のこのこ出て行っても大丈夫かな、俺達は人間にとってはただの襲撃者だってのに……」
「馬鹿!姫様を前にそんな言い方があるかよ!」
「でも、人間を殺したのは事実だ。その上で、人間と関係を持つってのは……ちょっとなぁ」
「悪いとは思うけど、黙っておいた方が……」


772: ◆oBwZbn5S8kKC 2015/06/07(日)22:38:07 ID:ffb

ザワザワ ザワザワ

髪の短い人魚「皆さんの不安はよくわかります」

髪の短い人魚「私も少し前までは共存など不可能と思いました、正直に申しますと今も人間にこの事を明かすのは……非常に恐ろしいです。どんな言い訳をしたところで私は人殺し。そこに正義も何もない……」

髪の短い人魚「ですが、私の妹……人魚姫は人間と交流を持ち、そして彼女は人間と人魚がきっと共存することができるとそう信じています」

髪の短い人魚「私は妹を信じてみるつもりです。ですから、皆さんにもどうか人魚姫を信じてもらいたいのです」

髪の短い人魚「全ての責任は私が負います。ですから私達人魚は……人間との交流に踏み出します、いつか来る共に笑いあえる日を信じて」

ザワザワ ザワザワ ザワザワ

人魚姫「姉ちゃん、あんなに共存は難しいって言ってたのに…協力してくれるって事で良いんだよね?」

髪の短い人魚「ええ、今でも難しいとは思っているけれど…今回の件、私はあなたの言葉にもう少し耳を傾けるべきだったもの。もっと妹の事を信用しなくてはね」フフッ

人魚姫「姉ちゃんが協力してくれるならさ、難しいなんてことないって!むしろ余裕だって」ヘラヘラ

髪の短い人魚「さぁここからは…あなたの仕事。皆さんに存分に教えて差し上げて」

髪の短い人魚「あなたが人間とどれだけ楽しい時間を過ごしたかをね」フフッ

人魚姫「うん、まかせて。それだったらどれだけ時間があっても話し足りないぐらいからさ!」ヘラヘラ


773: ◆oBwZbn5S8kKC 2015/06/07(日)22:39:43 ID:ffb

人魚姫「えっと、じゃあ私はみんなに人間がどんな種族なのかを、私が共存できるって信じてる理由を話すかんね!」

ワーワー パチパチ

人魚姫「皆が不安に思うのも解るけどさ、でも人間は本当は悪くないからさ!私の友達みたいに良い人もたくさんいるって事、今からチョーいっぱい話してあげっからちゃんと聞いてよー?」ニコニコ

髪の短い人魚「人魚姫!皆さまの前でそんな喋り方ではいけないとさっき言ったはずですよ!」ヒソヒソ

人魚姫「やばっ……えーっと……」

「人魚姫様ー!普段通りの喋り方でいいですよー!」ヘラヘラ
「俺達は本当の人間がどういう種族か知らないんだ、でも人魚姫様は知ってるんでしょー?」
「教えてくださいよ、私達に本当の人間がどういう種族なのかを!」

人魚姫「うん!みんながああやって言ってくれてんだから、堅苦しくなくてもいいっしょ?」ヘラヘラ

髪の短い人魚「……好きになさい」ハァー

人魚姫「オッケー!じゃあ早速話していこっかなー」ヘラヘラ

・・・

髪の短い人魚「……不思議なものです」

執事魚「と、言いますと?」

髪の短い人魚「昨日までは人間を憎んでいた人魚が、今は揃って人魚姫の話を聞いている。あの子の、人間との交流の話をね」

執事魚「実際の所、人間が犯した悪事の数々は全て前王の虚言でしたからね。非のない人間を逆恨みし続けるような輩はこの国にはいませんよ」


774: ◆oBwZbn5S8kKC 2015/06/07(日)22:41:44 ID:ffb

髪の短い人魚「運命というのはどう転がるかわからないものですね」

髪の短い人魚「信じていた王の言葉は偽りで、感じていた幸せは偽物で、私が憎んでいた敵に罪はなく、正義と思っていた歌声に正義は宿っていなかった」

髪の短い人魚「全てが偽物で塗り固められていて、それが真実だと知った時……もうこの国を失ってしまうかとも思いましたが」

髪の短い人魚「国民たちは私を信頼してくれ、そして国の復興を信じてついてきてくれる」

髪の短い人魚「そして人魚たちにわずかに残る人間への不信や不安を取り除くのが、国民の前で礼儀も形式も一切無視して楽しそうに話すあの人魚姫……」

髪の短い人魚「私や父に逆らい、自分の好きなよう自由に生きていた人魚姫が…この海底に希望をもたらしてくれる」

髪の短い人魚「こんな光景を見ることになるなんて、昨日までは思いもしませんでした」

執事魚「そうですね。でも確かに人魚姫様の演説は…いえ、あれを演説と言っていいのか疑問ですが、でもあのように楽しそうに話す人魚姫様を見ていると……」

執事魚「不思議と、人間とも手を結べるのではないかと信じてしまいますね」

髪の短い人魚「歌を口ずさみ大勢の心を魅了し、言葉を口にすることで大衆の心を動かす……彼女こそが本当の意味でのディーヴァ、人魚の歌姫なのかもしれません」フフッ

執事魚「ははっ、確かにそうかもしれませんね……ん?」

シュゥゥゥ コポコポコポ

執事魚「人魚姫様の体から気泡が……?」

髪の短い人魚「……あれがあの子の言っていた、泡になる呪い……王子との結婚が叶わなくなったから……」


775: ◆oBwZbn5S8kKC 2015/06/07(日)22:44:35 ID:ffb

人魚姫「でねー!だからー人間は本当はー」イキイキ

ワーワー イイゾビンギョヒメサマー

髪の短い人魚「人魚姫、演説はもう十分よ。中断なさい」ヒソヒソ

人魚姫「は?今良いところなんだけど?みんなもわたしの話ちゃんと聞いてくれてるしさ」

シュゥゥゥ コポコポコポ

髪の短い人魚「気が付いていないのね…あなたにはおそらくもう、呪いの効果が出始めている。まだ少しだけど気泡が上がってるもの」ヒソヒソ

人魚姫「もう……かぁ、早すぎっしょー……」シュゥゥゥ

髪の短い人魚「今はまだ気泡程度だけど、突然あなたが泡になって消えたら国民たちは大混乱です。それに…あの二人と約束しているのではないの?」ヒソヒソ

人魚姫「うん、泡になる前にもう一度あの海岸で会う約束。演説が終わったら行くって話してたんだけどさ」ヒソヒソ

髪の短い人魚「それならあとは私に任せて、あなたは行きなさい。間に合わなければ後悔してしまうわよ」

人魚姫「…ごめん、ありがと。じゃあ後は姉ちゃんに任せる」スッ

ザワザワ ザワザワ

人魚姫「ってことでさ、わたしの話は終わりにすんね!私達は人間に酷いことしたけど絶対いつか仲良くできるよう姉ちゃんは頑張ると思うからさ。姉ちゃんの事よろしくね!」ニコッ

ワーワー パチパチパチ

人魚姫「じゃあ、わたしもう行くね。あの親父が何か企んできても相手にしちゃダメだかんね?この国は姉ちゃんにかかってんだからさ」シュゥゥゥ

髪の短い人魚「ええ、あなたが安心できるような国を作るわ。いつになるかは分からないけれど、人間との関係も良くしていく。だから、心配しなくて平気よ人魚姫」

人魚姫「うん、姉ちゃんがそういうなら大丈夫っしょ!じゃあね!」ヘラヘラ

スィー


776: ◆oBwZbn5S8kKC 2015/06/07(日)22:47:03 ID:ffb

海中

スィー

シュゥゥゥゥ ゴポゴポゴポ

人魚姫「……ちょーっと急がなきゃマジやばいかも」

ゴポゴポゴポ

人魚姫「海底の国は姉ちゃんがちゃんとまとめてくれる、みんなわたしの話ちゃんと聞いてくれたし」

ゴポゴポゴポ

人魚姫「陸の上の事は王子がちゃんとしてくれるっしょ、だからわたしはもう出来る事はちゃんとやった、あとは共存が叶う事を願うだけ」

人魚姫「でも、あの二人には……赤ずきんと赤鬼にはちゃんと言わなきゃダメっしょ、二人にあえてよかったってね」

ゴポゴポゴポ

人魚姫「例え王子と結ばれなくても、泡になって消えても……わたしは悲しい事なんてなにも無い」

人魚姫「思い切り恋をして、優しくて厳しい姉ちゃんや、異種族の友達や、話を聞いてくれるみんながいて……わたしの願いは残されたみんなが紡いでくれる……こんな嬉しい事ってないっしょ」ニコニコ

ゴポゴポゴポ ゴポゴポゴポゴポ スゥゥ

人魚姫「……っ!尾びれが…消えて……!これじゃあ、進めない…!」

ゴポゴポゴポ


777: ◆oBwZbn5S8kKC 2015/06/07(日)22:47:44 ID:ffb

人魚姫「……ダメだ、もう海上にはどうやっても間に合わない……だったら、せめて二人だけには伝えなきゃ」グッ

ラーラーラララー

人魚姫「わたしは何かを恨んで泣きながら消えたりなんかしてないって、笑って歌いながら消えていったって…!」シュゥゥ ゴポゴポゴポ

ラーラーラララーラーラーラララー

ゴポゴポゴポ

ラララーラーララー

ゴポゴポゴポ


ラーラーラー

ゴポゴポゴポ

コポコポコポ…

ラーラー



コポンッ


778: ◆oBwZbn5S8kKC 2015/06/07(日)22:50:29 ID:ffb

海岸

ザザーンザザーン

赤ずきん「人魚姫、うまくいっているのかしらね」

赤鬼「あいつなら問題ないだろう、姉も協力してくれそうだったから心配いらないだろうさ」

赤ずきん「そうは言っても心配よ、人魚姫が多くの民衆を前に演説するところなんて想像つかないもの」

赤鬼「そりゃあ違いねぇな」ガハハ

鬼神『解せぬ……』

赤鬼「ん?何だ解せぬって」

鬼神『小娘が人魚の娘に与えた魔法具の事だ。鬼ヶ島であのアリスという娘が吐き捨てた出涸らしを密かに拾っていたのは知っていたが、なぜこんな事に使う?』

赤鬼「そりゃあ人魚王が罪を認めなかったとき、王の声が出せれば民衆も納得するからだろ。少々ずるい手だが、そうも言ってられないだろう」

鬼神『そんな事を話してるんじゃねぇ。あのチョークを使えばドロシーとかいう小娘に一矢報いることもできたはずだ、小娘の目的はドロシーへの仇打ちなのだからな。ならば何故このような事に貴重な魔法具を使う?』

鬼神『貴重な道具を無駄にしてまで、あの人魚の娘の願いをかなえる価値があるとは俺には思えん。理解不能だ』

赤ずきん「どうしたのかしら?」

赤鬼「鬼神が言ってるんだよ。ドロシーを倒すのに使えたかもしれないのにここで人魚姫にチョークをやったのは理解できないってな」


779: ◆oBwZbn5S8kKC 2015/06/07(日)22:52:00 ID:ffb

赤ずきん「それで友達が幸せになれるなら理由は十分でしょう?」

赤ずきん「仇を討つ事も私には大切な事だけど、人魚姫の幸せだって大切。復讐にだけ生きていたら見えないものもあるのよ、鬼神」

赤鬼「……だそうだ」

鬼神『解ったような口を……不愉快な小娘よ』

赤鬼「お前の復讐だって自分の無念を晴らすんじゃなく仲間の無念の気持ちを酌んでのもんだろ?だったら少しは理解できるところがあるんじゃねぇか?」

鬼神『この鬼神が人間の小娘と解り合う事などあり得ねぇな。だが、人間もまた感情に左右されやすい生き物だ…そういった感情を持っている事を知る事は奴らの駆逐に役立つかもしれん』

赤鬼「素直じゃ無い奴だ、理解できる所もあるって素直に言えば良いじゃねぇか」ガハハ

鬼神『相変わらず呑気な男だ、俺にあれだけ身体を乗っ取られておきながら…だが少々頭の抜けている方が俺にとって都合のいい事は確かだがな』

……ラーラララーララー

赤鬼「…今、微かだがあいつの歌が聞こえなかったか?」

赤ずきん「ええ、聞こえた……演説が終わったらここに来る手はずなのに、その道中に歌……もしかして、人魚姫は……」



海底の魔女「察しの良い小娘だ、あの娘はここへ向かっていたようだが…今頃泡となって消えただろう」クックックッ

赤鬼「お前は海底の魔女……何故お前が人間の姿で陸にいるんだ!」

ドロシー「ドロシーちゃんと仲間達もいまーす♪」ヒョコッ

赤ずきん「あなた達は手を組んでいるのだったかしら…そろいも揃って私達の所へ来るなんて、何の用事かしらね?」キッ


780: ◆oBwZbn5S8kKC 2015/06/07(日)22:54:21 ID:ffb

海底の魔女「そう睨むもんじゃない、泡になる事はあの小娘も承知の上。私は何も契約違反などしていないのだから、逆恨みはよしてくれ」

赤ずきん「別にあなたを恨むつもりはないわ。でも私達にも手を貸し、人魚王にも手を貸し、そしてドロシー達にも手を貸すなんて随分とお行儀の良い事をしていると思ってね」

海底の魔女「そりゃあそうだ、本来魔法というのは無償でばらまく様な代物じゃあない。貴様等の肩を持つ魔女が居ると聞いたぞ、確か【シンデレラ】の魔法使いがそうとか…そいつがむしろ少数派なのだ、他人の為に無償で魔法を行使するとは奇特な奴だ」

海底の魔女「魔法とは人智を超えた力、悪魔的な能力だ。だから行使には特殊な技術や素質が必要なのさ、それを素質無き者が得ようとするならば相応の対価が必要なのは当然」

海底の魔女「対価さえ支払ってもらえれば私は誰にだって魔法を引き渡すさ。渡した魔法がどう使われるかには興味がない、善悪などという定義の曖昧な物を気にしていてもしょうがあるまい」

赤ずきん「別にあなたのやり方を否定するつもりはないわよ、ただドロシーの肩を持つなら…残念だけど私はもうあなたのお客さんにはなれそうにないわね」

海底の魔女「ああそうかい、ご勝手に。お前のマスケットと頭巾はぜひとも手に入れたかったが……それはドロシーがお前を殺した時に譲ってもらうとしようかね」

赤鬼「そりゃあ無理な皮算用だ、諦めたほうがいいんじゃねぇか?」

海底の魔女「ふふっ、口の減らない奴らだよ。だがお前達に用事があるのは私じゃあないのさ、そうだなドロシー?」

ドロシー「そうそう!これでめでたく人魚姫が泡になったわけですよ、このおとぎ話は一応は消えずに済みました!拍手ー!」パチパチパチ

赤鬼「そんな事を言うためだけに来たってのか?」

ドロシー「んー…まぁなんていうか、直球なんだけどあんた達をイジメに来たってところかな……まぁ、ぶっちゃけて言うとさキレてるわけですよ、ドロシーちゃんは」

ドロシー「最初この世界であんた達見かけたときさー、人魚姫かおとぎ話かどっちか決めさせてあんた達にドーンと精神ダメージぶつけてやろうって思ってたのにさー。結局のところさ、なにこの結末?」

ドロシー「おとぎ話は消えない。人魚姫は消えたけど……なんつーかさ、一部始終見てたけどあいつ全然自分の事不幸だなんて思ってないじゃん?あんた達どころか誰を恨まずに消えてったし」

ドロシー「私が期待してたのは人魚の事も王子の事もあんたたちの事もぜーんぶ恨んで憎んで悲しみの中であいつが泡になる事だったんだよ?そもそもこれってそういうおとぎ話じゃん」

ドロシー「その方があんた達のダメージもでかいでしょ?でも、それがこんな結果じゃあさーいろいろ頑張った意味無いってのー」

赤ずきん「あら、自分の思い通りにならなかったってから愚痴を言いに来たのね。あれだけ大口叩いて私達を挑発したのに?」フフッ

ドロシー「あー、私に対抗して挑発とかすんのやめた方がいいよ。さっきも言ったっしょ?」


ドロシー「ドロシーちゃんはヘラヘラしてるけどさ、内心ブチキレてんの。いいよ、乗ってあげてもさ。そのやっすい挑発に」カツンカツン


781: ◆oBwZbn5S8kKC 2015/06/07(日)22:57:45 ID:ffb

ブリキ「おい、落ち着け…まだ機会はいつだってあるだろう」

ドロシー「……あー、ごめん。大人げなかった!大人はすぐに暴力振るったりしない、これ豆知識だよーん」テヘペロ

ドロシー「というかそもそもの話がさ……私が嫌いな物って意味不明な精神論とか巧妙な嘘なんだよねー」

赤ずきん「それが今の状況とどういう関係があるのかしら?」

ドロシー「関係ありすぎるってー、そもそも精神論とかってさ詐欺の一種だと思うわけ!」

ドロシー「ありもしない見えもしない物をさもあるように言ったりさ。これこれこういう努力をしたからなになにを得ました、でもそれは目に見えないものですって……詐欺以外の何物でも無いじゃん?宝探しに出たらさ、最終的にこの旅で手に入れた仲間が最高の宝だとかいわれちゃう感じ?」

ドロシー「私の友達がいい例だよ、詐欺師に騙されかけたからね。勇気が欲しいです、あなたは仲間の為に頑張れたから勇気があります。知識が欲しいです、あなたは仲間の為によく考えて動けたので知恵があります。
心が欲しいです、あなたは仲間の為に涙を流せたので心があります……うん、そっか、でさ、それをまず見せてよ、現物をさ。ってなるでしょ?」

赤ずきん「それで、あなたは結局何が言いたいのかしら?」

ドロシー「さからさー、私はあいつが気にいらないわけ。人魚姫の考えってこういう事でしょ?王子の事は諦めたけど王子はきっと共存の為に頑張ってくれる。
人魚は人間と仲良くなれる、なぜなら私の仲間達は良い人ばかりだからきっと共存できる、私は出来ることを頑張った!みんなも協力してくれる!だから私は幸せ!消えても悔いはない!」

ドロシー「うんうん、そっか、で?なんでそうなんの?だから結果を形にしろって言ってんだよ、お前はオズのおっさんかよってなるじゃん?」

ドロシー「共存できた証も平和になった証拠もないのに、幸せそうに消えるとか馬鹿なの?そんなくだらない精神論やら感情論でさ、勝手に幸せ気分になられてもさー?困るわけじゃん?」

赤鬼「何がダメなんだ、いいじゃねぇか仲間を信じてあとを任せたって。形に残らなくてもそこに確かに存在するもんはあるだろう、あいつが幸せに思っているなら…」

ドロシー「根拠も証拠も無いのに幸せだって思いこまれてさ、こっちはいい迷惑だよ。せっかく絶望する人魚姫や赤ずきんと赤鬼が見れると思ったのに、バカバカしいったら無いよねー」ヘラヘラ

赤ずきん「…話にならないわね、結局あなたは思い通りにいかなかったのが悔しいだけじゃないの」

ドロシー「何とでもどーぞ!あっちの玩具が楽しくないならこっちの玩具で遊ぶだけだからさ、結局あんたは私には勝てないんだしー?」クスクス


782: ◆oBwZbn5S8kKC 2015/06/07(日)23:00:20 ID:ffb

赤ずきん「そうね、まだあなたには勝てないわ」

ドロシー「いつかは勝てるみたいな言い方じゃーん?そーいうのは倒してから言ってよ、さぁさぁどうする?マスケット使う?それとも鬼神になる?」クスクス

赤ずきん「決まっているでしょう、逃げるのよ」

赤鬼「まぁ、だろうな…あっちには魔女もいるし数の時点でもう不利だ」

ドロシー「言うと思ったけど逃がさないよー?赤ずきんと赤鬼を遠ざけさえすれば、世界移動できないもんね?キモオタとティンクの時も同じふうに分断したっけ…一人しか世界移動できない奴らの共通の弱点だよねぇ」クスクス

ファサッ バサバサバサ

赤鬼「うおっ!赤ずきんとの間に茨が生い茂りやがった…!鬼神に使ったって言う魔法具か…!」

赤ずきん「急ぐわよ、赤鬼。あなたに触れてなきゃ世界移動はできない、回り込んですぐにでも……!」ダダッ

ドロシー「そんなの許すならわざわざ魔法具使ったりしないって、根っこから植物を生み出すだけがこの灰の魔法じゃないって気付きなよー」ケラケラ

ファサッファサー

赤鬼「空中に撒かれた灰が一瞬で無数の花びらに…!?まずい、視界が覆われちまって…どこだ赤ずきん!」

ドロシー「これなんだったっけ、ああ確か桜吹雪?まぁこんな感じで、灰を撒いて直接花びらを生み出すこともできるわけ!植物だったら見境なく生成できる…この魔法具は本当いろいろできてドロシーちゃんの最近のトレンドなんですわー」ファサーファサー

赤ずきん「世界移動するには赤鬼に触れてなきゃ……でも闇雲に動くのも危険、こうしている間にも次の手が来る…!」

ドロシー「さぁブリキにライオン!あんた達は目が見えなくったって気配で察知出来るでしょ?あ、かかしは今回後方支援ねー?海底の魔女は今回は見学しててー」ニヤニヤ


783: ◆oBwZbn5S8kKC 2015/06/07(日)23:03:07 ID:ffb

ブリキ「気は進まないがな…だが頼まれた以上はやってやろう」ググッ

ライオン「ね、ねぇねぇ僕どっちにいけばいい?出来れば死なない方がいいんだけど…鬼神さんが怖いから赤ずきんちゃんの方で良い?あっ、でももしブリキが……」オドオド

ブリキ「ライオンは赤ずきんの方を頼む…殺さないようにな」

ファサファサー

赤ずきん「赤鬼!無理に動かないで、今は撤退は諦めてあいつらの攻撃に集中しましょう!隙を見て逃げるのよ!」ググッ

赤鬼「ああ!視界を金棒で切り開くか…?いや、赤ずきんとの距離感がわからない以上闇雲に動いてあいつを殴っちまったりしたらまずい…!」

ドロシー「うんうん、私も花びらであいつらの表情見ること出来ないけど、辛そうな声聞けるだけでもちょーっとは気持ちが落ち着くよー!これなら赤ずきん達が苦しむ姿見ればヒーリング効果が期待できるっぽい」ケラケラ



???『……あー、これひどくない?赤ずきんも赤鬼も困ってんじゃん』

赤ずきん「……っ!?」

???『ちょっとよく聞いてほしいんですけどー?まず赤ずきんはねそのまま真後ろに走ってって、赤鬼はそのまま右に五歩くらい歩いてそっからまっすぐ右ってとこかなー?』

赤鬼「ああ……わかった……というかお前……!」ニッ

赤ずきん「忘れていたわ……あなたは消えても存在自体が無になるわけじゃなかったわね…!」フフッ

???『とりあえずそーいうのは後にした方がいいっぽいんじゃない?とりあえず逃げる方が先っしょ?』ヘラヘラ


784: ◆oBwZbn5S8kKC 2015/06/07(日)23:04:55 ID:ffb

タッタッタッタッ

ブリキ「……どういうことだ」

ライオン「あ、あれ……?な、なんで……?」

ドロシー「んー?ブリキにライオン、どうかしたー?」

ライオン「あ、赤ずきんちゃんがね?まっすぐ走りだしたんだけど……なんかね、その先に赤鬼さんが向かってる!」

ドロシー「はぁ?二人とも花びらで視界が奪われてるんだよ?そんなわけないじゃん?」

ライオン「で、でも本当だよ!見えてるみたいに走ってるよ!それか、誰かがお互いの居るところを教えてくれてるとかそんな感じの動き方で……」

ドロシー「……っ」

ドロシー「あー、はいはい……忘れてた、あいつ消滅したわけでも死んだわけでもなかったなー……ドロシーちゃんのうっかりミスですねこれはー」

かかし「うっかりミス…?どういう事だ何が起きていル?説明してくレ!」

ドロシー「おとぎ話【人魚姫】で人魚姫は泡になった後さー、そのまま消えてなくなるわけでも死んだわけでもないんだったじゃん?かかしも覚えてるでしょ?元々の内容をさー」

かかし「確か、人魚姫は泡になった後に空気の精霊になるんだったナ…!しかシ、だとしてもあいつらが精霊と会話できるってのはおかしいだロ!?」

海底の魔女「ははっ、なかなか運に恵まれている奴らだな……私があいつらに渡したのは人魚姫に声を与える魔法じゃない、人魚姫の思念をあの二人に送れる魔法だ」

海底の魔女「口が無かろうが姿が見え無かろうがあいつが精霊になろうが、そこに存在さえしていればその魔法は生きてる。あいつらには目に見えない空気の精霊が道案内してくれているというわけか」クックックッ

海底の魔女「どうするドロシー?あいつに掛けた思念伝達の魔法を解除するか?もちろん、相応の対価は頂くがな?」

ドロシー「やめとく、どーせお高いしもう手遅れっぽいし。あー……つくづくイライラさせる奴だなぁ人魚姫はぁ…!」ガリガリガリ


785: ◆oBwZbn5S8kKC 2015/06/07(日)23:07:55 ID:ffb

ライオン「ど、どうする!?もう合流しちゃったよ!?」

ドロシー「…じゃあもういいや、戻っておいでライオン。ブリキもお疲れー、二人にこんなところで怪我させるのもやだしねー」


ブンブンブオンッ バサァァー

赤鬼「さぁて、これでようやく視界が広くなったぞ…!」

赤ずきん「ええ、もうしばらく花を見るのは勘弁願いたいわね」

ドロシー「金棒で花びらを振り散らしての登場かー、かっこいいじゃん赤鬼ー!」ヒューヒュー

赤鬼「随分と厄介な魔法具だ、鬼神も少しは苦戦したんじゃねぇか?」

鬼神『無駄口を叩くな、あの小娘に集中していろ』

ドロシー「で?逃げなくてもいいわけ?私としてはさ、今さいっこーにイライラしてるから相手してやってもいいよ?死ぬけどさ、お前達」カツンカツン

赤ずきん「…私はまだ子供だけれど、鬼ヶ島であなたが出会った私よりは成長してる」

ドロシー「んー?…何が言いたいのかな?ドロシーちゃんには解りかねますケド」

赤ずきん「そのままの意味よ、私は一人じゃないと知ったし強くなる方法を間違えていたとも知った……焦りすぎていた事もね」

赤ずきん「だから私は焦らない。今はあなたと戦わない。あなたを倒すという目的を達するには大きな回り道になってしまうけれど。この回り道は…花を摘むための寄り道じゃない」

赤ずきん「あなたを確実に倒すための回り道よ。だから、いずれあなたは出会う事になる」

ドロシー「誰とかな?寄り道して食い殺される哀れな赤ずきんちゃんにかな?」クスクス

赤ずきん「いいえ、私の武器が何か忘れたの?私の武器はマスケット、言わば私は狼を根絶やしにする狩人……」



赤ずきん「それならあなたはさしずめ、満腹に気分を良くしているオオカミね。せいぜいお腹に石を詰められないようになさいね」フフッ


786: ◆oBwZbn5S8kKC 2015/06/07(日)23:10:58 ID:ffb

ドロシー「お前に腹を裂かれるほど私は間抜けじゃないし、くだらない問答をいつまでも続けられるほど私は我慢強くないけどね…!」カツンカツン

赤鬼「おい、もう良いだろう?あいつの気迫……本物だぞ?」

赤ずきん「付き合わせて悪かったわ、行きましょう」

ドロシー「あれだけ好き放題言ってサヨナラってちょーっと虫がよすぎるよ赤ずきんちゃーん?」クスクス

ヒュッ

ズダーンッ

ドロシー「あははぁ!当てる気ないの?今の威嚇射撃でしょ!そんな手加減してていいのかなぁ!」ビュオッ

赤ずきん「言いたい事だけ言って逃げるなんて少しずるいけれど…今言った通りよ、今は戦うつもりがない」ガチャッ

ドロシー「あんたにそのつもりが無くてもさ!私にはあんたをぶち殺すつもり大ありなんだよね……!」カツンカツン

ドロシー「なんで私におとぎ話消された雑魚ずきんちゃんがさぁ、私を出し抜こうとかしてんの?わたしさぁ、そういうのさぁ……」


ドロシー「詐欺師と同じくらい大っ嫌いなんだよね!!」ビュオッ
赤ずきん「ずきんよずきん、私達を……の世界へ連れて行って頂戴…!」

ビュオッ
ヒュン

海底の魔女「……ギリギリの所だったが、逃げられてしまったな?」

ドロシー「……」ギリッ

ブリキ「もう終いだ、アリスの所へ行こう。な?」

ドロシー「……解った」ガジガジ

ライオン「そ、そうだよ。今回は別に赤ずきんちゃん達を倒すのが目的じゃないから大丈夫だよ!ね!元気出してよドロシーちゃ……」

かかし「ライオン、やめておケ……ドロシーが爪を噛んでル。知っているだロ?ああなったらもう駄目だ、手がつけられないくらいの不機嫌ダ」

ライオン「……うん、でも心配だよ」ショボン

ドロシー「……」ガジガジ


787: ◆oBwZbn5S8kKC 2015/06/07(日)23:14:07 ID:ffb

今日はここまでです

ちょっとわかりにくいとこ補足
泡と消え、空気の精霊になった人魚姫は誰にもその姿を見ることができません
けれど海底の魔女の魔法で二人は人魚姫の気持ちを受け取ることができます

人魚姫編 次回最終話予定です


791: 名無しさん@おーぷん 2015/06/07(日)23:42:26 ID:9kH

乙です
思ったより悲壮感無くて安心した


792: 名無しさん@おーぷん 2015/06/07(日)23:45:12 ID:GCX

上手いよなぁ、マッチ売りと同じようにしないってのが。パターンがあって面白い


796: 名無しさん@おーぷん 2015/06/08(月)07:36:48 ID:eEy

登場タイトルまとめ

ピーターパン→消滅
シンデレラ→無事
裸の王様→無事
王様の耳はロバの耳→消滅
こびとの靴屋→無事
泣いた赤鬼→無事
赤ずきん→消滅
一寸法師→消滅
かぐや姫→無事
舌切り雀→不明
蛙の王子→無事
石のスープ→無事
わらしべ長者→無事
桃太郎→無事
マッチ売りの少女→無事
眠り姫→無事
人魚姫→赤コンビいまここ
おやゆび姫→無事
幸福な王子→無事
青い鳥→不明
オズの魔法使い→消滅
不思議の国のアリス→無事(ミチルが代役)
ハーメルンの笛吹き男→消滅
狼と七匹のこやぎ→消滅
雪の女王→無事
アラビアンナイト→無事
ラプンツェル→無事
三匹のくま→消滅
三匹のこぶた→不明
船乗りシンドバッドの冒険→無事
アリババと40人の盗賊→無事
ヌレンナハール姫と美しい魔女→無事
アラジンと魔法のランプ→無事(強力な結界有り)
三枚のお札→無事
ヘンゼルとグレーテル→不明
かもとりごんべえ→無事
???(ヘンゼルが救ったおとぎ話)→無事
金太郎→無事
ジャックと豆の木→無事
卑怯なコウモリ→無事
みにくいアヒルの子→不明
ブレーメンの音楽隊→無事
力太郎→不明
花咲か爺さん→不明
セロ弾きのゴーシュ→不明


812: ◆oBwZbn5S8kKC 2015/06/14(日)22:46:59 ID:UFH


シンデレラの世界 町はずれ

ヒュンッ

赤ずきん「……間一髪、だったわね」スタッ

赤鬼「あぁ、もう一歩遅れていればドロシーの攻撃をまともに受けていた。だがこうして無事に逃げられたんだ、まずは一安心だな」ガハハ

人魚姫の声『でもさー、あの娘めっちゃキレてたよ?なんか不思議な魔法使ってたし追いかけてくるんじゃない?」』

赤ずきん「それは大丈夫でしょう。おそらく私達がどの世界に逃げたか解らなかったでしょうし…」

赤鬼「あの怒りようじゃあ、逃げた先が解ってるなら迷わず追いかけてくるだろうからな」

赤ずきん「彼女も世界移動の手段を持っている、来ないという事はそういう事よ。ドロシー達にも目的はあるのだから私達だけに固執できないでしょうしね」

人魚姫の声『ふーん?なんか良くわかんないけど……とりあえず大丈夫って感じ?』

赤ずきん「とりあえずはね。それにこの世界なら万が一何か起きても協力を頼める王妃と魔法使いがいるもの」

人魚姫の声『二人の友達がいるって事かー、どんな友達なわけ?人間の友達?それとも鬼ー?』ヘラヘラ

赤ずきん「人間よ。優しくて綺麗なシンデレラという名前の王妃がいてね。彼女は駆ければ騎馬よりも速いし跳ねれば屋根より高く跳ねるのよ」フフッ

人魚姫の声『は?なにそれ!?人間じゃないじゃん!っていうかわたしを騙してるんじゃない?からかおうっていう作戦っしょ?』

赤ずきん「事実よ、あなたを騙す事に何の意味があるのかしら」クスクス

赤鬼「人魚姫、魔法具だ魔法具。シンデレラはガラスの靴っていう脚力が跳ね上がる魔法具を持ってるんだよ」ガハハ

人魚姫の声『もー、まぎらわしいんですけど!赤ずきんの言い方だと普通に出来るみたいな言い方だったじゃーん!』ヘラヘラ

赤ずきん「あら、そんなつもりはなかったのだけどね」クスクス


813: ◆oBwZbn5S8kKC 2015/06/14(日)22:48:53 ID:UFH

赤鬼「しかし、驚いたぞ人魚姫!すっかり消えちまったとばかり思ってたが、またこうして話せるとはな!」ガハハ

人魚姫の声『あははっ、一番びっくりしてんのは私だけどねー?私って泡になって消えるはずじゃん?あの魔法使いが魔法失敗したとかそーいうことなの?』

赤ずきん「そうじゃないわ、覚えてる?あなたが声を失ったとき、私達に思念を伝えられる魔法を掛けてもらったでしょう?」

赤鬼「そうだったな、確かおしゃべり裸王くんを対価にしたんだったか。オイラ達じゃあ人魚姫の声を取り返す対価は用意できなかったからな」

赤ずきん「そうよ。人魚姫は呪いで泡になって消えたけど……命を失ったわけじゃない、元々のおとぎ話の筋書き通り空気の精霊になったのよ。だから姿は誰にも見えない、誰にもあなたの声を聞く事も出来ないけれどね」

人魚姫の声『ふーん?わたしにはちゃんと二人が見えるし声も聞こえるからあんまり実感ないけどさ』

赤ずきん「そうね、私たちには見えなくてもあなたは確かにそこに居る。だからあなたの伝えたい言葉は私達に伝わるのよ」

人魚姫の声『んー?難しい事とかよくわかんないけどさ、姿が見えなくなってもわたしはここにいるしさ、二人に私の声が聞こえる。これは現実なわけじゃん?』

人魚姫の声『だったらもうすっごく嬉しい事っしょ!本当なら二人と話なんかできないのに、わたしってさマジでラッキーだよねー?』ヘラヘラ

赤ずきん「ラッキーという表現は……正しいのかしら?微妙に間違っている気もするけれど」

赤鬼「細かい事は良いだろう、なんにしろ嬉しい事には変わりねぇってことだ!オイラも嬉しいぞ!」ガハハ

赤ずきん「まぁ、それは私もだけどね」フフッ

人魚姫の声『あははっ、でも普通は死んじゃったら生きてる人と話なんかできないもんなのにさ、わたしだけちょっとズルいかもしんないけど』ヘラヘラ

赤鬼「ガハハ、お前は別に死んだってわけじゃねぇんだから気にする事じゃねぇさ。ところで人魚姫、人魚の国のイザコザは解決したのか?実はそれが気がかりでな…」

人魚姫の声『そっかそっか、バタバタしてて言う暇なかったしね、えっとねー……』

・・・


814: ◆oBwZbn5S8kKC 2015/06/14(日)22:50:50 ID:UFH

・・・

赤ずきん「……なるほどね、人魚王は投獄されて新たな王はお姉さんが務めるのね」

人魚姫の声『そうそう、姉ちゃんならまぁなんとかなるかなって思ってる。ちょこっとだけ心配もあっけどねー』

赤鬼「しかし、人魚王は投獄か……てっきり処刑されるもんだと思ってたがな」

人魚姫の声『うーん、わたしは無理だって言ったけど姉ちゃんは心のどっかでまだあの親父の事信じてるんだろうね、改心するって思ってるみたい』

赤ずきん「どうなのかしら、あの王が改心……?」

人魚姫の声『私は、無理だと思ってるけどね。あいつのやった事が悪い事って思っててもやっぱり親父の事好きなのかなー?…それが原因で面倒な事にならなきゃいいけどさ』

赤鬼「まぁ例え面倒な事になったとしても、それも新しい王への試練ってもんだろう」

赤鬼「王になると宣言してすぐに完璧な王になんかされないさ、人魚王への処遇に不満を持つ奴らが居るならそれに対応して処遇を見直すのもお前の姉の仕事だろうな」

人魚姫の声『まあさ、一筋縄ではいかないと思うけど…姉ちゃんならなんとか解決できるっしょ、うん、わたしは信じてる』

赤ずきん「ところで人魚姫、あなたはどうするつもりなの?」

人魚姫の声『どうするって?なにが?』

赤ずきん「あなたまで巻き込んでこの世界へ来たけれど、すぐにでもあなたが居た世界へ戻る?ドロシー達もあそこに長居はしないでしょうし、戻りたいのならいつだって送り届けるけれど」

人魚姫の声『あー、そのことなんだけどさー』




人魚姫の声『わたしも赤ずきん達の旅について行こうかなって思うんだけどさ…どーかな?』


815: ◆oBwZbn5S8kKC 2015/06/14(日)22:52:56 ID:UFH

赤ずきん「あなたが…私達の旅に?」

人魚姫の声『そうそう!今の私は空気の精霊だからさ、いろいろ二人の役に立てると思うんだよねー?』

赤ずきん「確かに、さっきはあなたのおかげで危機を脱したものね。それに視界が悪い場所でもあなたの誘導があれば私のマスケットは敵を撃ち抜く事が出来るかも…」

人魚姫の声『そうっしょ?わたしマジで二人の応援したいんだよね!二人はわたしのこといろいろ助けてくれて夢を応援してくれたじゃん?だからさ、今度はこっちの番ってわけ!二人の手伝いなんだってするかんね!』ヘラヘラ

赤鬼「嬉しい事を言ってくれるじゃないか…なぁ、そう思わないか赤ずきん?」

赤ずきん「ええ、だけど……私は少し不安ね」

人魚姫の声『えーっ?なに?わたしが二人の足を引っ張るとか思ってんの?』

赤ずきん「違うわよ。あなたと一緒に旅ができるのなら戦力的にも助かるし、一緒に旅が出来る事は私にとってもとても嬉しい事よ。でも、やっぱり危険よ」

赤ずきん「あなたの姿は私達にも見えないのだし、はぐれたら探しようがないもの。今の私ではあなたを守りながら戦うなんてできない…だから無責任に一緒に旅をしたいなんて私には…言えない」

人魚姫の声『なんかもー硬いよねー赤ずきんは。わたしは別に守ってなんて言わないっての、もっと軽く考えれば良いじゃーん』

赤ずきん「軽くというけどね、あなたは人魚として死ななかったから空気の精霊になったけれど不死身というわけではないのでしょう?何が起きるかわからない旅なのだから軽々しい決断をするのは……」

赤鬼「お前の考えも理解できるから軽く考えろとは言わないけどな…オイラは賛成だぞ?大変な旅だが大勢の方がいいじゃねぇか」ガハハ

人魚姫の声『なんかさー、そこまで拒否られるとへこむんですけど?』

赤ずきん「拒否じゃないのよ、私だってあなたと一緒に居たい。それとは別に危険だという話をしているの。さっきのドロシーとの戦いだって王との戦いだって私達は劣勢だったのよ?友達を危険にさらすのは…」

人魚姫の声『じゃあ聴き方変えるよ。もしかして、赤ずきんはわたしの事嫌いなわけ?』ニヤニヤ

赤ずきん「……っ」

人魚姫の声『ねぇねぇ、どうなわけー?』ニヤニヤ

赤ずきん「そういう質問はずるいんじゃないかしら…?」


816: ◆oBwZbn5S8kKC 2015/06/14(日)22:54:55 ID:UFH

赤ずきん「…わかったわ、私が気を張れば済むだけだもの」

赤鬼「深く考えるな赤ずきん、もしも何かあったらその時全力で対処すりゃあいいだけだ。ドロシーとの戦いは一先ず脱したんだから、肩の力を抜けばいい」ガハハ

赤ずきん「あなた達はもう少し肩の力を入れた方がいいと思うわよ?……まぁ、でもそうね。大変な旅になるけれど、私達と一緒に行きましょう、人魚姫」ニコッ

人魚姫の声『うんうん!それじゃあ決定ね!よーっし、わたしマジでやっちゃうかんね?赤ずきんの目標も赤鬼の夢もまとめて手伝っちゃうかんね!』ヒューッ

赤鬼「ガハハ、姿が見えなくなっても賑やかな所は変わらねぇな!オイラ達も四人旅、賑やかな奴がいた方が楽しいもんな」ガハハ

鬼神『待て青二才。俺を数に入れるんじゃねぇ』ゴゴゴ

赤鬼「いいじゃねぇか。今まではお前を厄介な奴だと思っていたところもあったがな、今回はお前と話す機会も多かったしオイラにとっちゃお前だって旅の仲間さ」

鬼神『……くだらん』フンッ

赤鬼「素直じゃねぇなぁ…」ガハハ

赤ずきん「あなたと鬼神の間にも変化があった…と思ってもいいのかしら?」

赤鬼「少なくともオイラは良い方に変化があったと思ってるけどな、今回の旅は…いろいろと考えさせられる事が多かったが得たものも多かった」

赤ずきん「そうね、魔法具に必要な『人魚姫の鱗』は手に入ったし【人魚姫】のおとぎ話も消えなかった。それに賑やかで素敵な友達が出来た。それと、私は自分を見つめ直す事も出来たし、あなたと同じで私にとっても実りのある旅だったわ」


817: ◆oBwZbn5S8kKC 2015/06/14(日)22:56:37 ID:UFH

赤鬼「おう、だが旅はこれからも続くんだ。オイラと赤ずきんと鬼神と人魚姫の旅がな、ここらで気合い入れ直さないとな」ガハハ

赤ずきん「そうね……魔法使いに魔法具を作ってもらわなきゃいけないし、次のおとぎ話にも行かなければいけない。突然別人のようにおとなしくなったドロシーの事も気になるしね」

赤鬼「ああ、やる事はしこたまあるからな…だがまぁ、人魚姫が旅の仲間に加わった事を祝うくらいの時間はある、今日はひとつ祝いの席を設けようじゃねぇか」ガハハ

赤ずきん「少し悠長な気もするけど…けれどそういう気持ちの余裕も必要かもね」

人魚姫の声『えっなになに?パーティーすんの?わたし食べたり飲んだり出来ないけど、楽しい雰囲気になんのは良い事じゃん!賛成賛成!』ヘラヘラ

赤鬼「そうだな、楽しい事は良い事だ!どんな時でも全力の本気でやってたらいざって言う時体がもたないからな!」ガハハ

赤ずきん「そうね、でもその前に…私には行かなければいけないところがあるのよ」

人魚姫の声『なになに?なんか用事なわけ?』

赤ずきん「今回、少し頼らせてもらった人が居てね…だから雪の女王にお礼と報告を済ませておきたいのよ。大丈夫、すぐに戻るわ」

赤鬼「一人で行くのか?なんだったらオイラ達も行くぞ?お前、雪の女王の事少し苦手じゃなかったか?」

赤ずきん「あの子供好きなところはね…でも平気よ、一人で大丈夫。心配しないで」

赤鬼「そりゃあいいが…裸王のとこでは一悶着あったから心配だな…」


818: ◆oBwZbn5S8kKC 2015/06/14(日)22:58:18 ID:UFH

人魚姫の声『赤鬼、そういうときはこうやって言えばいいんじゃね?ねぇ赤ずきんはわたし達と一緒に行きたくないって事なわけ?もしかして赤ずきんはわたし達の事嫌いなわけ?ってさ』ニヤニヤ

赤ずきん「あなたねぇ…そのセリフ使えば私が絶対断れないとでも思ってるの…?」キッ

人魚姫の声『あはは、思ってるけどー?赤ずきんはそういうところ素直になれないかんねー』ヘラヘラ

赤ずきん「……」

赤鬼「こらこら人魚姫、あんまりからかってやるなよ。赤ずきんが大丈夫って言うならオイラ達が心配するのも変な話だ、今回はお前一人で……」

赤ずきん「私は人魚姫の事も、赤鬼の事も好きよ」フイッ

赤ずきん「…でも女王の所へは一人で行くわね」スタスタ


人魚姫『あー、いっちゃったねー。でもよかったじゃん、わたし達の事好きだってさ』ヘラヘラ

赤鬼「おいおい、少しからかい過ぎじゃないか?あいつも変な意地張って律儀に答えなくてもいいだろうに…」

人魚姫の声『変な意地ー?私にはそうは見えなかったんですけどー?』

赤鬼「そうか?お前がからかい過ぎるから意地になって答えたんじゃないのか?」

人魚姫の声『わたしにはさ、言いたいけど言えない事をわたしがからかった事をうまく利用して口に出したように見えたけどね』クスクス

赤鬼「よくわからんが、照れ隠しというかそういうもんか…?」

人魚姫の声『そんなとこかなー……でもあれさぁ、言った後に逃げるように行っちゃうのはずるくない?』ヘラヘラ

人魚姫の声『わたし達もだよって言ったげたかったのにさー、まぁこれからはいつだって一緒だしいつでも言えっから今度でもいーけどさ』クスクス


819: ◆oBwZbn5S8kKC 2015/06/14(日)22:59:37 ID:UFH

雪の女王の世界 雪の女王の宮殿

ビュオオオオォォォォ

赤ずきん(…本当に、人魚姫には困ったものね。あんな風にからかってくるんだもの)

赤ずきん(でも、彼女と旅ができるのは素直にうれしいし、今回の旅は…とても得るものが多い旅だった)

赤ずきん(私の弱い部分…精神的な弱さや視野の狭さ、焦りや見当違いな強さの定義。そして私が強くなるために気がつかなければいけないもの……私の武器、私の強み、今の私には仲間がいる事……)

赤ずきん(今回の旅でそれに気がついた。いいえ、気がつかせてくれたのは他でもない……雪の女王。雪の女王のおかげで私はもっと、もっと強くなれる)

赤ずきん(一言お礼を言いたい。それに【人魚姫】のおとぎ話の行方について相談に乗ってもらったのだし、その報告もしなければね)

コンコンッ

……ガチャッ

カイ「おう…誰かと思えば、赤ずきんじゃねぇか。どうした?」

赤ずきん「連絡もせずに訪ねてごめんなさい。この間、雪の女王に相談に乗ってもらった件がひと段落ついたから報告に来たのだけど」

カイ「そりゃあご苦労な事だが、女王は何日か前から出かけていていつ帰ってくるかはわからねぇんだ」

赤ずきん「それは残念ね…タイミングが悪かったかしら」

カイ「何か伝言があれば聞いてやるけど?まぁこんなところで立ち話もなんだ、入れよ。つっても宮殿の中も寒いけどな、温かい茶ぐらい出してやるぜ?」

赤ずきん「ありがとう。でも遠慮しておくわね、また日をあらためて……でも、確かここには書庫があったかしら…?」

カイ「書庫がどうかしたか?あるぜ、あいつが収集した小難しいのやら子供向けの絵本やらいろんな本が並ぶ立派な奴がな」

赤ずきん「ねぇ、カイ。ひとつお願いしてもいいかしら?」


820: ◆oBwZbn5S8kKC 2015/06/14(日)23:01:14 ID:UFH

雪の女王の宮殿 書庫

ズラーッ

赤ずきん「これは…圧巻ね。物凄い数の書物……」

カイ「なかなかのもんだろ?まぁ俺にとってはベタベタしてきて鬱陶しい女王でも相当な魔法の使い手だからな、知識量は凄まじいぜ。ここにはこの世界以外のおとぎ話や現実世界から仕入れた書物もあるらしいからな」

赤ずきん「現実世界の書物って…雪の女王は頻繁に現実世界へ行っているの?」

カイ「さぁな、だが最近は行ってないんじゃないか?以前はグレーテル達に読んでやる本をよく買いに行ってたけどな」

赤ずきん「グレーテル…確か、ヘンゼルとグレーテルもここに住んでいたのだったわね」

カイ「ああ、女王から聞いたのか…少し前までは五人でここに暮らしてたんだ」

赤ずきん「それが今ではあなたと女王…少し寂しいんじゃない?」

カイ「どーだかな、最近は例の件で客人も多くてな。お前のような奴が入れ替わり立ち替わり来るからおちおち読書もできねぇ。ほら、おとぎ話の絵本はこの辺りの棚だな…最近は誰も使ってないだろうから少し埃っぽいかもしれねぇが」

赤ずきん「他の本棚はキチンと本が収められているのに、この本棚は随分と隙間が目立つわね…これってやっぱり…」

カイ「ああ、お前の想像どおりさ。この棚の本は全て現実世界から買って来た絵本、現実世界でそのおとぎ話が消えればここの絵本も消えていく。昔はお前の絵本【赤ずきん】もあったような気がするが…」

赤ずきん「今は無いわね、当然だけど…」ボソッ

カイ「…さて、俺は読書の続きでもするか。その辺りで適当に本を読んでるから、用事がすんだら声を掛けてくれ」

赤ずきん「ええ、ありがとう。助かったわ、カイ」ニコッ


821: ◆oBwZbn5S8kKC 2015/06/14(日)23:04:29 ID:UFH

赤ずきん「確かに少し埃っぽい……ここにあるのは全て子供向けの絵本だから、ヘンゼル達が居なくなってから誰も触れていないのかしら…?」

赤ずきん「【人魚姫】の絵本は……これね」スッ

赤ずきん「良かった…この本が消えていないという事は【人魚姫】のおとぎ話は無事ということ。彼女が空気の精霊になって物語は結末を迎えたから、もう消えてしまう事はないわね。内容を確認して、それから戻りましょうか」

・・・

人魚姫

ある海の底には平和な人魚の国がありました
その国の王には六人の美しい娘がいました、末娘の人魚姫は一番美しい歌声を持っていました

人魚姫は不思議な歌声を持っていましたが不思議な歌を歌うのは好きではありませんでした
なぜなら人魚は昔から人間に酷い事をされたと聞かされていましたが、姉達が人間への仕返しの為に不思議な歌を使っていたからです
人魚姫はいつか人間と仲良くなれたらいいなと思っていました

ある日、人魚姫には人間の友達ができました。赤頭巾という娘、そして鬼という種族の赤鬼とも仲良くなりました。
友達と過ごすうちに人間と仲良くしたいという気持ちは強くなり、人魚姫の15歳の誕生日、人魚姫は船に乗っていた王子様を好きになりました
しかし、人間が嫌いな姉はその船を襲ってしまいました。船は沈んでしまいますが、人魚姫と赤頭巾、赤鬼達は一生懸命乗客を助けました
人魚姫は沈んでしまいそうになっていた王子様を助けて海岸まで運びました。

そのせいで人魚の国は大騒ぎ、人魚姫は人魚の追ってから逃げるため…そして大好きな王子様の為に魔女に頼んで美しい声と足を引き換えにしました、それも王子と結婚できないと泡になってしまうという呪いでした
人魚姫はまるで人間のようになりましたが喋る事ができません。船の乗客を助けたお礼にお城に招かれましたが、王子様に真実を伝える事ができません

そこにはあの日海岸に王子を運んだあとに王子様を介抱してくれた娘がいました。そのおさげ髪の娘は人魚姫の代わりに真実を王子に伝えました。
王子様は大喜び、人魚姫と王子様はすぐに仲良くなり愛し合いました。


822: ◆oBwZbn5S8kKC 2015/06/14(日)23:04:39 ID:UFH

しかし、おもしろくないのは人魚の王様でした。王様は自分が人魚を殺したのにそれを人間のせいにして、自分の国を平和にしていたのです
不思議な歌の力を持つ人魚姫が人間と仲良くしては王様は都合が悪いのです、でも王様がそんな事をしているとはだれも知りません
王様は人間から人魚姫を取り戻すといって人間達を襲うつもりでいました。

けれど一番上のお姉さんが人魚姫に人魚の国で起こっている事をそっと教えました。王様につかまれば酷い事をされるに違いない、だから人魚になって帰ってきて欲しいと言って、魔女に美しい髪の毛と交換した魔法の短剣を渡しました
その短剣で王子を刺せば、人魚姫は人魚に戻れます。でも人魚姫はそうしませんでした。王子の大切な国を守るために赤頭巾と赤鬼と一緒に、人魚の王様を追い払ったのです

しかし、人魚の王様のしていた悪い事が全てばれてしまい、このままでは人魚の国は平和ではなくなってしまいます
人魚姫の願い事は人間と人魚が平和に暮らすことだったので、人魚の国が無くなってしまうのも人間を誤解したままなのも悲しい事でした。けれど人魚の国を幸せにするためには人魚姫は王子と結婚せず国へ戻らなければなりませんでした
考えた末、人魚姫は王子との結婚をあきらめました
自分がもっと幸せになるよりも大好きな王子様や人魚のみんなが幸せになる方が人魚姫にとって嬉しい事でした

海底でみんなを説得した後、人魚姫は友達の二人にあうために海を泳いでいました
けれど人魚姫の体はどんどん消えていき、やがて泡になって消えてしまいました

でも人魚姫は悲しくありませんでした。みんなが仲良くなれると、みんなが幸せになれると信じていたからです。

心優しい恋する人魚は、みんなの幸せを願って泡になり
やがて空気の精霊となって空へと昇って行きました



おしまい

・・・


823: ◆oBwZbn5S8kKC 2015/06/14(日)23:05:51 ID:UFH

赤ずきん「王子に恋した人魚姫が足を得て…そのあとの展開は変わったけれど、解魔の短剣も使わず、自らの選択とはいえ恋やぶれ…空気の精霊になってしまう」

赤ずきん「自分の恋心よりも大好きな王子や皆の幸せを願って身を引く悲恋の物語……」

赤ずきん「……人魚姫が幸せか不幸せか、それこそ読む人の見方で変わってくるけれど。きっと彼女は後悔なんてしていないんでしょうね」

赤ずきん「…全てが終わったら、もう一度人魚姫と一緒にあの世界へ行かなければね。その時、あの世界がどうなっているかわからないけれど……」

赤ずきん「人魚姫が望む未来になっている事を、私はただ願うだけね」スッ

赤ずきん「さぁ、確認も済ませたしカイにお礼を言って帰りましょうか」フイッ

ポツンッ

赤ずきん「あの本棚……なにかしら、ひとつだけ少し小さくて……あの本棚だけガラス扉が付いてる、貴重な書物や魔法書の類かしら」

スタスタ

赤ずきん「全て童話ね、知っているおとぎ話のタイトルがいくつか並んでいるけれど……特別な本なのかしら?」キィッ

スッ

赤ずきん「古そうな本なのに状態がすごく良いわね、すごく年代物のようにも新品のようにも見えるもの」ペラペラペラ


少女の古びたかごにはたくさんのマッチが入っていました。しかし、一日中売り歩いてもそれを買ってくれる人はおろか、銅貨の一枚を恵んでくれる人さえいませんでした。
疲れ果て、お腹を空かせた少女は寒さにぶるぶると震えながらマッチを売り続けました。みすぼらしいその少女に手を差し伸べる者は一人もいませんでした。


赤ずきん「このおとぎ話…【マッチ売りの少女】だけど、この本……おかしいわ」


824: ◆oBwZbn5S8kKC 2015/06/14(日)23:07:35 ID:UFH

――少女は一人でマッチを売り……

――凍えるような寒さの中マッチ売りの少女は一人でマッチを擦り……

――少女はただ一人で永遠の眠りに……

赤ずきん「何故かしら、この本にはキモオタが登場してない……」

赤ずきん「ティンクの話だと【マッチ売りの少女】はキモオタ達の干渉によって本来は登場しないはずの登場人物『キモータ』が出てくるはずなのに……」

赤ずきん「もしかして、この本棚の本は何か特別な魔法でもかけられているのかしら……?」

・裸の王様
・雪の女王
・人魚姫

赤ずきん「もしかして、【人魚姫】も【裸の王様】も……」スッ

赤ずきん「……」ペラペラペラ ペラペラペラ

赤ずきん「やっぱりこの本棚のおとぎ話は、キモオタや私達が干渉する以前の元々の内容になってる……【人魚姫】は王子と恋が実っていないし【裸の王様】にもキモータもティンクも登場しない……他の本はどうなのかしら?」チラッ

赤ずきん「……いいえ、やめましょう。勝手に本棚をあさるなんて無作法だったわ、明らかに特別な本棚だもの。この事は次の機会にでも女王に聞いてみようかしらね」スッ

トサッ

赤ずきん「いけない、大切な本を落として汚しでもしたら女王に悪いものね。キチンと棚に戻して……」スッ


――私の半生をこの自伝に記し、愛する女王へ贈る。


赤ずきん「……自伝?この本だけはおとぎ話では無いみたいね、署名は……」

赤ずきん「ハンス・クリスチャン・アンデルセン……?」


825: ◆oBwZbn5S8kKC 2015/06/14(日)23:08:54 ID:UFH

カイ「俺達のおとぎ話【雪の女王】の作者だ、現実世界の童話作家」スッ

赤ずきん「カイ…」

カイ「言い忘れたんで戻ってきたが遅かったな。その本棚には触れない方が良いぞ、最悪の場合…宮殿の前に氷像が立つだろうからな、赤い頭巾娘の」

赤ずきん「ごめんなさいね、無作法とは分かっていたけれど…どうにも気になってしまって」

カイ「忠告を忘れた俺にも責任がある。まぁ黙ってりゃあ平気だろ。お前も余計な事はあいつに言うなよ?」

赤ずきん「ええ。でも、このハンス・クリスチャン・アンデルセンという人物……おとぎ話の作者と言ったわね?」

カイ「何も不思議な事は無いだろう?俺もお前も他の奴らだっておとぎ話の世界の住人、現実世界の人間が作り出した物語の登場人物だ」

カイ「民話なんかだと…例えばお前の知り合いの桃太郎みたいに特定の作者が居ないおとぎ話もあるが、多くのおとぎ話に作者は居るもんだ。俺にも、お前にもな」

赤ずきん「それはそうでしょうけど、あまり意識して考えたことなんかなかったわ。私のおばあちゃんは数え切れないほどのおとぎ話を教えてくれたけど作者までは聞いていなかったから」

カイ「それが普通だな、俺達が生きていく上で特に必要がない情報だ。誰が俺達の事を書いたかなんてな」

赤ずきん「でも、雪の女王はそうは思っていないという事よね?どうやらこの棚の本は全てそのアンデルセンの書いたおとぎ話だもの」

カイ「女王は俺達に会う前の事をあまり話さないけどな、それでもアンデルセンを特別なものと考えてるのは解るぜ」

カイ「現にこの本棚にはアンデルセンの童話が全て収められている、一遍も漏らさずにだ。しかも、全て初版の本を揃えて状態を維持させる魔法を掛けてるからな」

赤ずきん「状態を維持する魔法…だからこの本の内容は、私達が干渉する以前のものなのね」

カイ「そうだな。まぁ流石の女王でもおとぎ話本来の流れを…世界の時流れのような膨大な力に干渉することはできないんだろうが」


826: ◆oBwZbn5S8kKC 2015/06/14(日)23:10:43 ID:UFH

カイ「お前も知ってんだろうが、おとぎ話は現実世界の人間に忘れられると消滅する。だが消滅していないおとぎ話も元々の内容をそのまま残してるってのは少ないらしいぜ」

赤ずきん「残っているおとぎ話も内容が変わっているものがあるという事でしょう?」

カイ「ああ、良くも悪くも内容が変化していくってのはよくあることだ。おとぎ話の世界の緩やかな時間の流れと違って、現実世界では長い年月が過ぎてるんだからな」

カイ「時代の変化や環境の違いで内容が少しずつ変わっていくなんて珍しい事じゃない。今の時代じゃこの表現は残酷だ、この展開は子供に悪影響だっつってな」

赤ずきん「その程度じゃあ消滅なんかしないのね。私達が干渉することで内容に変化が表れてもすぐ消滅するわけじゃないものね…どこまでの改変が許されるか、難しいところだけど」

カイ「もっとも許容範囲を越えた改編をすれば消えちまう。話の展開に必要な人物や道具を殺して壊したりな…今、アリスやドロシーがしてまわってるのがそれだ」

赤ずきん「女王はそんなふうにおとぎ話の内容が変わったり消えてしまう事が嫌で、そんな魔法をこの本に掛けたのかしら?」

カイ「少し違うだろ、そうだったら全てのおとぎ話の本に魔法をかける。現実世界の時代の流れによる改変、消滅を防ぐための改変は仕方ないと納得した上でこの本棚にだけ魔法をかけてんだからな」

カイ「雪の女王はアンデルセンの書いた童話だけは作者が書いたそのままの形で残しておきたいんだろ。せめて、自分の手元にだけでも」

赤ずきん「自分のおとぎ話を作り出した作者だから?」

カイ「さぁな、特別な理由や感情があるのかもしれねぇけど俺は知らねぇな。ただあいつがこの棚の本を読んでいるときはなんつーか寂しそうだ」

赤ずきん「あの女王が寂しそうにするなんて事あるのね…」

カイ「まぁ、人前ではしねぇけどな。あいつはおとぎ話の世界でも屈指の魔力の保有者、名前の通りいつだって雪のように冷たく静かだ。でも俺達には意外と感情豊かだぜ、特に女の子供の可愛がり具合が尋常じゃねぇんだ」ハァー

カイ「グレーテルもあいつも四六時中ベタベタされていたからな。しかも甘いんだよ、グレーテルがねだるとすぐに菓子をやるんだぜ?あいつがそんなだから一時期グレーテルは飯をまともに食わずに菓子ばっかり食いやがってな…特別扱いが過ぎるんだ」

赤ずきん「フフッ…あなた、口は悪いけれど雪の女王が好きなのね。グレーテルにやきもちを焼いてるんでしょう?」フフッ


827: ◆oBwZbn5S8kKC 2015/06/14(日)23:13:04 ID:UFH

カイ「はぁ?なわけねぇだろ馬鹿か、何かあるたびに頭を撫で回してくるし何かなくても抱きつくんだぞ?うっとうしく思ってんだよ、俺は」チッ

赤ずきん「あらそう、それは失礼な事を言ったわね」フフッ

カイ「とにかく、女王は自分の作者とおとぎ話を特別に思ってるってことは確かだってことだ」

赤ずきん「雪の女王は今回の件に協力してくれるのを子供たちを救うためと言っていたけれど、アンデルセンのおとぎ話を消したくないからという気持ちもあるのかもしれないわね」

カイ「かもな、だがあいつがおとぎ話の世界全体を救うために頑張ってんのは一番近くに居る俺がよく知ってる。お前達の事も相当気に掛けてるんだぞ?感謝しろなんて言わねぇけどな、頭撫でさせてやれば喜ぶぜあいつ」フフッ

赤ずきん「…考えておくわ」

カイ「それとアンデルセンの書いたおとぎ話は覚えておいて損はないぜ。あいつはアンデルセン童話の仲間に優先的に協力を呼び掛けてるところがあるからな、特に【親指姫】と【みにくいあひるの子】の主人公はかなり協力的だ、お前達の力にもなってくれるだろうさ」

赤ずきん「【裸の王様】も本棚にあったわね、だからあの世界に居たのね」

カイ「そういう事だな。まぁ、マッチ売りや人魚姫や【赤い靴】のカーレン…死を迎えたり消えちまう結末のおとぎ話には声をかけてないみたいだけどな」

赤ずきん「それにしても…偶然かしらね?この棚にあるおとぎ話のほとんどを私は知っている」

カイ「アンデルセンは現実世界で屈指の童話作家らしいから、その作品も人気が高いみたいだぜ。人気があれば多くの人に知られているし簡単に忘れられないから消える事もない、ドロシー達みたいな例外がいなければの話だけどな」

赤ずきん「この宮殿に来ると今まで考えた事もなかった事に気づかされるわね。雪の女王の助言もだけど、現実世界の作者の事もおとぎ話の人気や知名度なんてそんなに気にしていなかったから」

カイ「だが、まぁ…人気や知名度ならそのへんのおとぎ話が束になっても敵わないような奴がいるけどな。それが今回の元凶の一人だってんだから、人気があるってのも考え物だぜ」

赤ずきん「それ…どっちの事を言っているのかしら?」

カイ「両方だな、あいつらのおとぎ話は世界的な知名度も人気も段違いだと、女王が言っていたぜ。ドロシー達のおとぎ話【オズの魔法使い】そして……」

赤ずきん「アリスのおとぎ話…【不思議の国のアリス】ね」

カイ「もしかすると、そこんところにあいつらが悪さしてる理由があるかもな」


828: ◆oBwZbn5S8kKC 2015/06/14(日)23:15:25 ID:UFH

赤ずきん「悪さをしている理由ねぇ…これだけ大ごとにしてまでやり遂げようというのだから相当な事でしょうけど…」

カイ「あいつらだって考えがあって行動してんだ、その行動が俺達にとっては悪なだけであいつらにとっちゃあ正当な理由があるつもりかもしれねぇからな」

赤ずきん「……確かにブリキのきこりは言っていたわね。ドロシーを救うためだとか……その為になりふり構わず行動されちゃこっちは迷惑だけどね」

カイ「だったらそれを教えてやめさせる役が必要だと女王は考えてるみたいだな。あいつが救おうとしてるのは被害を受けた子供だけじゃねぇんだ」

赤ずきん「……彼女達にも理由がある、だから悪事を認めろなんて言われても私は従えないわよ。それが雪の女王の言葉でもね」

カイ「そんなつもりは俺にも女王にもねぇさ。ただ、俺やヘンゼル達を叱るときでも必ず俺達の言い分は聞いてくれた。あいつらのやってることは子供の悪戯にしちゃあ度を超えてるが……」

カイ「それでもあいつらを見捨てるつもりはないんだろ」

赤ずきん「……」

カイ「安心しろ、子供に甘いとはいっても罪に対する罰はキチンと与えるだろうぜ。それに関しちゃ俺にもヘンゼルにもグレーテルにもあいつにも甘くなかったからな」

赤ずきん「屈指の魔力の持ち主相手に悪さしようっていうあなた達の根性も大概だけど…どんなお仕置きなのかしら?」

カイ「……氷系のお仕置きだ、とだけ教えてやる。詳しく語らせるのは勘弁しろ」フイッ

赤ずきん「なんだか女王とあなた達の暮らしに少し興味が出てきたわ。雪の女王への第一印象は最悪だったけれど……『雪の女王』なんて呼ばれるわりには随分と人間味があるのね」フフッ

カイ「そうじゃなけりゃあ、ヘンゼル達も女王にあそこまで懐かねぇよ。あいつの名は性格や人となりから来てるもんじゃねぇしな」

赤ずきん「あら、あなたは懐いてないみたいな口ぶりね?」フフッ

カイ「当然だろ、俺は懐いてないからな。おらっ用事が済んだなら書庫のカギ閉めるぞ。ったく……」


・・・


829: ◆oBwZbn5S8kKC 2015/06/14(日)23:17:52 ID:UFH

ピノキオの世界

・・・

・・・

・・・

青い鳥「アリスさん!あの木偶人形、さっきと同じ攻撃をするつもりですよ!」

ピノキオ「解っていたって簡単には避けられないよ!僕がつく嘘からは…!」ピョーン

青い鳥「身軽な奴…!本当に彼は人形なのか…!」

ピノキオ「そうだよ、僕はただの人形だよ。でも安心していいよ、女の子には優しくってお父さんに教わったからね…僕は『絶対に女の子に攻撃をしたりしない』!」ニュッ

ヒュオッ ゴシャアッ

青い鳥「どうなってるんだ彼の鼻は!煉瓦の壁を打ち抜くなんて、避けるしかないじゃないか」バサバサッ

アリス「やれやれ…まだボクは何もしていないというのに随分と手荒い歓迎をするんだね」

ピノキオ「でもこれからするつもりなんだよね?だから僕に近づいたんだ」スタッ

アリス「へぇ、随分と詳しいねピノキオ。誰から聞いたのかな?」

ピノキオ「ごめんね、教えちゃダメなんだ。君はいろんなおとぎ話を壊して魔法具を奪ってるんだって教わったからね」

アリス「なんだか、随分と余計な事をしてくれてる人がいるみたいだね」

ゼペット「この【ピノキオ】の世界へ魔法具を求めてきたという事は…当然、ピノキオを狙っているんじゃろ?そうはさせんぞ、ワシの大切な息子じゃからな」

アリス「ふぅ、ゴーテルといい君といい…ボクは我が子想いの老人とは相性が良くないみたいだ、いつもいつも警戒されてしまう。もっと容易く騙されてくれればやり易いんだけどな」クスクス

ピノキオ「そうはいかないよ、せっかくあの人が教えてくれたんだ。僕達のおとぎ話を消滅させようなんてさせない、僕は『このおとぎ話が消えても良いと思ってる』からね!」

ヒュバッ ゴシャアァ


830: ◆oBwZbn5S8kKC 2015/06/14(日)23:20:20 ID:UFH

青い鳥「あぁっ、アリスさん!大丈夫ですか!」

アリス「平気だよ。少し落ち着こうか青い鳥、落ち着いたらボクに教えてくれるかい?」

青い鳥「は、はぁ…なにをですか?」バサバサ

アリス「君が焦っている理由をだよ。まさか、あんな人形如きにボク達が負けると思ってるわけがないだろう?ほら、大きくなる方だ、これを食べてゼペットを襲ってくれ」シュッ

青い鳥「ま、まぁそうですよね!良く考えたらそうですよね、僕達が負ける訳がないですね。解りました!」モグモグ ムクムク

青い鳥「むむぅ…!いつもながら力がみなぎるようです…!今の僕ならロック鳥なんて目じゃないですね!」ゴゴゴッ

ピノキオ「あれがあの人が言ってたアリスの大きくなるキノコ…!でも父さんは僕が守るっ!僕は『青い鳥を伸びる鼻で打ち抜かn」

アリス「無駄だよ、ボクには君を呼び寄せる笛がある……これを使えば君はボクのものだ」スチャッ

ゼペット「……娘さん、随分と今まで楽をしてきたみたいじゃな」

アリス「……どういう意味だい?」

ゼペット「そのままの意味じゃよ。魔法具に頼ってばかり、そんなじゃから……」

アリス「青い鳥、構わなくて良いから襲ってしまおう。どうせ老人の戯言だ」

青い鳥「ええ、わかりました!ざぁ、ゼペットじいさん僕の鍵爪を味わってもらおう!」ビューッ

ゼペット「青い鳥さんよ、いいのかい?娘さんから離れても。お主の主人であるあの娘……ピノキオに夢中で気が付いておらんのではないか?」


ガサッ


シンプルトン「へっへぇー!待ち伏せしていたかいがあったってもんだぜぇー!」ヒョコッ

アリス「……っ!」

ゼペット「自分がこの道におびき出されている事も、じきに身動きが取れなくなる事もな」


831: ◆oBwZbn5S8kKC 2015/06/14(日)23:22:59 ID:UFH

アリス「ボクに触れるんじゃない……っ!」バッ

シンプルトン「無駄だアリスちゃん、俺から逃げる事は決してできねぇ!姫様が笑いでもしない限りな!」グッ

グイッ

アリス「誰だ君は…!【ピノキオ】の登場人物じゃないね?まさか…ボクがピノキオを狙うと予測してこの世界に…!」

シンプルトン「俺のおとぎ話は完結しててな、もうどこへ行くにも自由だ。少し人助けをしようってね…ああ、人形助けになるのか?」ハハッ

シンプルトン「どちらにしろ君の手は悪い手だ、少し俺のガチョウを撫でてもらおうじゃないか」サワッ

ピタッ

金のガチョウ「優しく頼みますよ?わたくしはその辺のショボイ鳥とは訳が違うのですからね?」ゴールデン

アリス「【金のガチョウ】……触れたものを拘束する鳥だったね、それなら主人公のシンプルトンだな、君は」

シンプルトン「おお、知っていてくれてうれしいねぇ。俺よりもこの金のガチョウの方が有名でちょっと嫉妬してたんだぜぇ?」

シンプルトン「どちらにしろ、君はもう悪さはできないぜ。両手がふさがっているからなぁ。おっと、青い鳥はもうちょっと上空飛んで居ろ、アリスちゃんは人質だ」

青い鳥「…くっ!」バサバサ

アリス「やれやれ…こんなか弱い少女を寄ってたかって苛めて、楽しいのかいお兄さん?」

シンプルトン「楽しかないさ、でもアリスちゃんの悪さのせいで皆が困ってるなら助けないとな、どんな時でも人には優しく仲良くだ。争いの火種を生むような事はするんじゃない、それだけのことだぜ?」

アリス「……ふぅ、わかった降参だ。両手が使えないんじゃあ何もできない、ボクのポケットにはもっと素敵なものが入っていたんだけどね」


832: ◆oBwZbn5S8kKC 2015/06/14(日)23:25:30 ID:UFH

ゼペット「魔法具に頼り過ぎているからそうなるんじゃよ、じゃからワシらが君を誘導している事にもシンプルトン君がワシらの為に潜んでくれている事にも気がつかない。いつもと違ってワシらが君を知っていたのも大きかったようじゃな?」

ピノキオ「でも作戦通りいってよかったね、お父さん。シンプルトンさんもありがとうね、これで僕のおとぎ話は消えずに済むよ!」

シンプルトン「まぁ良かったぜ、アリスちゃんを怪我させずに捕まえられてな。ピノキオもゼペットさんも俺も無事だ、ガチョウもな」

アリス「……どうしてだい?」

ゼペット「あれだけ悪さをすれば耳にも入るさ。アリスとドロシーという娘がおとぎ話を消そうとしている、魔法具を狙っている。だから警戒するように。とな、じゃからワシらは緊急時に備えて居たんじゃよ」

ピノキオ「鼻を伸ばして戦う練習も、手伝いに来てくれたシンプルトンさんとの作戦会議もいっぱい頑張ったからね」

アリス「ああ、そういう事か…少し派手に動きすぎたな、ボクは」

シンプルトン「命までは取らないから安心しな、でもやっちまった悪さには責任を取らなきゃいけねぇなアリスちゃん」

アリス「ああ、反省しているよ。シンプルトン、ボクはどうなる?拷問でもされるのかい?」

シンプルトン「よしよし、反省したな?そうやってちゃんと自分の行いを悔いる事が出来るなら雪の女王もお前を酷く咎めたりしないさ」

アリス「……そうか、ありがとうシンプルトン」





アリス「君が『抜け作』で助かったよ」ニコッ


833: ◆oBwZbn5S8kKC 2015/06/14(日)23:34:38 ID:UFH

シンプルトン「こいつ……反省なんかしてないだと……!」ババッ

アリス「聞こえているだろう?さぁ行け、娘を殺されたくないならね」

シュシュッ

ピノキオ「あっ!あの子のポケットからねずみが…!」

チョロチョロ

金のガチョウ「う、うわぁ!シンプルトン!わたくしの体に汚らわしいネズミが!は、はやく追い払って!早く!」

親ねずみ「……すまない、ガチョウ君。私も嫁入り前の娘を人質に取られては逆らえない…!」グイグイッ


金のガチョウ「や、やめろ!汚らしいねずみがわたくしのくちばしに物を突っ込むのは……!」モグモグ ゴクン

シュルシュルシュル

シンプルトン「くそっ…!俺のガチョウが…みるみる小さくなっちまう!」

アリス「ボクの両手を拘束するには…もう大きさが足りないね?これならねずみの力でもボクの手から引き離せるかな?」クスクス

ゼペット「小さくなる方のキノコか…!ピノキオ!シンプルトン君!ワシらの作戦は失敗じゃ!ここは逃げるんじゃ……!」

青い鳥「おっと、もう人質はいないからね。君達は魔法具を持っていない、怖いものなんて無いね!ピノキオにも嘘はつかせないよ?」バサバサー

ギャアアァァー

アリス「魔法具に頼ってるなんてひどい言いがかりだ、ゼペット。ボクはなんだって利用するよ?魔法具だろうと人間だろうと動物だろうと何だろうとね」

グワアアァァァ

アリス「もう聞こえていないか、あんな怪鳥に襲われたら余裕もないかな。おーい、青い鳥、ピノキオはバラバラにしないように頼むよ」

青い鳥「あっ、わかりました!じゃあ食事も済ませておくので少し待っていてください」バサバサ

アリス「さぁ、思わぬところで新しい魔法具が手に入った。でも、始末する奴が増えてしまったな」

アリス「雪の女王……屈指の魔力を誇る彼女を捕まえるには何が必要か…雪、雪には炎…かな?炎の魔法具か……大丈夫だ、難しいことはない」

アリス「もうすぐ叶う、私達の……いや、僕達の願い。だからボクは君のために頑張る」



アリス「ルイス……君の望む世界はもう目の前だ、だから少しだけ待っていてくれるかい?」


834: ◆oBwZbn5S8kKC 2015/06/14(日)23:35:38 ID:UFH


・・・

今回の旅で一回り成長した赤ずきんと赤鬼
新たな仲間の人魚姫、そして着々と力を蓄える鬼神…そして、ドロシーを救うためというブリキの言葉
最大の協力者である雪の女王とは自らの作者へどのような思いを抱くのか
赤ずきん達の旅は続きます。

人魚姫編 おしまい


835: ◆oBwZbn5S8kKC 2015/06/14(日)23:37:45 ID:UFH

今日はここまでです。そして人魚姫編おしまい。
レスや支援毎回有り難く読んでる。もうちょっと書く時間欲しいけど、なんとか今回も終わりまでこれた。ありがとね。

人魚王の処遇については納得のいかない人も多いかもしれないけど
どうしても姉ちゃんに人魚王処刑できるとは思えなかったからこの結果にした。多分、後で苦労はしてると思う
人魚姫の世界がどうなったかは、全ての旅が終わってから書く予定です。


次回は『ヘンゼルとグレーテル。とある消滅したおとぎ話編』

キモオタとティンク、あと有名どころの新キャラも登場予定
メイン回で書き足らなかったので髪がすごく長い娘を個人的に贔屓する予定です

では次回もよろしくー


837: 名無しさん@おーぷん 2015/06/14(日)23:41:51 ID:Kkx

面白かったです!楽しませてもらいました。段々現実世界とリンクしてきましたね…
ところで、次回はいつ頃になる予定でしょう?もし未定ならやると決まったらここにURLを貼ってくれたりしてくれるのでしょうか?初めてリアタイで見たためそういう知識が乏しくて…


845: 名無しさん@おーぷん 2015/06/15(月)23:57:33 ID:h0p

登場タイトルまとめ
ピーターパン→消滅
シンデレラ→無事
裸の王様→無事
王様の耳はロバの耳→消滅
こびとの靴屋→無事
泣いた赤鬼→無事
赤ずきん→消滅
一寸法師→消滅
かぐや姫→無事
舌切り雀→不明
蛙の王子→無事
石のスープ→無事
わらしべ長者→無事
桃太郎→無事
マッチ売りの少女→無事
眠り姫→無事
人魚姫→赤コンビいまここ
おやゆび姫→無事
幸福な王子→無事
青い鳥→不明
オズの魔法使い→消滅
不思議の国のアリス→無事(ミチルが代役)
ハーメルンの笛吹き男→消滅
狼と七匹のこやぎ→消滅
雪の女王→無事
アラビアンナイト→無事
ラプンツェル→無事
三匹のくま→消滅
三匹のこぶた→不明
船乗りシンドバッドの冒険→無事
アリババと40人の盗賊→無事
ヌレンナハール姫と美しい魔女→無事
アラジンと魔法のランプ→無事(強力な結界有り)
三枚のお札→無事
ヘンゼルとグレーテル→不明
かもとりごんべえ→無事
???(ヘンゼルが救ったおとぎ話)→無事
金太郎→無事
ジャックと豆の木→無事
卑怯なコウモリ→無事
みにくいアヒルの子→不明
ブレーメンの音楽隊→無事
力太郎→不明
花咲か爺さん→不明
セロ弾きのゴーシュ→不明
赤い靴→不明
ピノキオ→消滅?
金のガチョウ→無事
ねずみの嫁入り→不明


848: 名無しさん@おーぷん 2015/06/16(火)01:23:36 ID:hFq

乙!
相変わらず先が気になる面白さだった


849: 名無しさん@おーぷん 2015/06/16(火)02:09:10 ID:6eO

乙!
人魚姫篇が完結したばかりなのに早く続きが読みたい
期待して待っとく


852: 名無しさん@おーぷん 2015/06/16(火)12:25:46 ID:9Lc

乙でしたー!
本当に引き込まれます
続きが気になるー


853: 名無しさん@おーぷん 2015/06/16(火)12:50:23 ID:Qli

氷系のお仕置きか…(ゴクリ)






キモオタ「ティンカーベル殿!おとぎ話の世界に行きますぞwww」六冊目
http://hayabusa.open2ch.net/test/read.cgi/news4vip/1424001836/
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