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人魚姫編5(キモオタ「ティンカーベル殿!おとぎ話の世界に行きますぞwww」六冊目)

シリーズ
キモオタとティンクの旅立ち編
シンデレラ編
裸の王様編
泣いた赤鬼編
マッチ売りの少女編
桃太郎編
○○○○○○とアラビアンナイト編
人魚姫編1
人魚姫編2
人魚姫編3
人魚姫編4
人魚姫編5
人魚姫編6
人魚姫編7





579: ◆oBwZbn5S8kKC 2015/05/03(日)23:05:16 ID:m3j

赤鬼「人魚姫の姉が……あいつに会いたがってるだと?」

執事魚「はい、海底は今大騒ぎでして…どうにか姉上様の想いを人魚姫様へ伝えたいのですが他に頼める方が居ないのです!」

執事魚「カモメ達に伝言を頼もうにも相手にして貰えず……そこで人間ではないあなたを思い出して…わずかな可能性にかけて海岸を探してまわっていたんです!一度あなたを殺そうとした私にはこんな事をお願いする資格などないのですが…どうか、どうか!」ペコペコ

鬼神『…オイ青二才。ワカッテイルダロウナ?コヤツハ先日、我々ヲ亡キ者ニシヨウトシタノダゾ。ヨモヤ信用シヨウナドト考エテハオランナ?』

赤鬼「詳しく話を聞かせてくれ。だが…人魚姫はお前達海底の奴らから逃れるために陸へ上がったんだ。だからあいつに伝えるかどうかは話を聞いてから決める、それでもいいな?」

鬼神『……貴様ッ』ギリッ

赤鬼「…それは向こうも承知の上だろう、それでもオイラ達に頼らないといけないほど切羽詰まってんだ。他意はないんじゃないか」ボソッ

鬼神『……ドコマデモ甘イヤツメ』チッ

執事魚「はい…!実は人魚姫様が失踪されて海底は大騒ぎでして、特に海底の王である人魚王様が…」

・・・
・・

580: ◆oBwZbn5S8kKC 2015/05/03(日)23:07:46 ID:m3j

・・・

執事魚「……と言うわけです。今お話ししたように、人魚王様は激昂されて、人魚姫様を連れ戻すためにこの町に攻め込むとおっしゃっています」

赤鬼「なんでだ……お前等は何故人魚姫の好きにさせてやらねぇんだ…!兵器にするためだと言ったが、あいつは物じゃねぇんだぞ!?ふざけてやがる!」グッ

執事魚「……」

赤鬼「……あいつが持つ人間を操る歌声が必要だから、そこまでしてあいつを連れ戻しに来るのか?お前達は…!」ギリッ

執事魚「に、人魚王様のお考えはそのようです。でもそれはディーヴァとしての能力を評価しての行動です。ですが、姫様は…姉上様は違います!」

執事魚「このままでは人魚姫様は人魚王様に拘束されてしまいます。そうならないよう…少しでも人魚王様の怒りを静めるため人魚姫様に人魚に戻って欲しいとお考えなんです!」

赤鬼「例え人魚になったとしても、あいつはもう陸には上がれねぇんだ。最悪な事態は逃れられたとしても、あいつは幸せにはなれねぇ。違うか?」

執事魚「それは……」

赤鬼「……」

執事魚「どうか、人魚姫様にお話だけでもお伝えしてもらえませんか…」

赤鬼「……」

赤鬼「海底の奴らが町を襲うってのはあいつにも教えておかねぇといけねぇ…一応、あいつの耳には入れておく」

執事魚「ありがとうございます!私は一時間ほど後に姫様ともう一度ここに来ます。もしも、会っていただけるのでしたらここへ……」

赤鬼「伝えるだけは伝えておく…。あいつが会うというなら連れてくるが拒否するならオイラもここには来ない。それでいいか?」スクッ

執事魚「は、はい!ありがとうございます…!」


581: ◆oBwZbn5S8kKC 2015/05/03(日)23:09:22 ID:m3j

城 客室(人魚姫の部屋)

赤鬼(海底の奴らは…人魚の王は兵器として人魚姫を必要としている。戻れば王に拘束されて完全に兵器として扱われると執事魚は言っていた)

赤鬼(執事魚の言葉を信用するなら、人魚姫の姉は…あいつを人魚に戻すことで王の怒りを静めようという腹だ…それで人魚姫が受ける罰が少しでも軽くなればと言うことらしい)

赤鬼(しかし、いくら罰が軽減されても…海底に戻ったところでどう転んでもあいつが幸せになれる未来は無いだろう)

赤鬼(ただでさえ、ドロシーの干渉でこのままだとおとぎ話か人魚姫を失うってのに…いや、愚痴をこぼしても仕方ねぇ)

赤鬼(海底の軍が攻めいれば町が危ない…なにかしらの手をうたねぇとな…)

コンコンッ

赤鬼「人魚姫。赤鬼だ、遅い時間にすまんが話がある。入っても構わないか?」

人魚姫『あっ、赤鬼?オッケー、今ちょー暇だったんだよねー。ちょうど良かったし』ヘラヘラ

ガチャッ

赤鬼「邪魔するぞ。一人か…王子は一緒じゃないのか?」

人魚姫『事故の原因や船の不備探し?そーゆうので忙しいみたいなんだよねー…夕飯は一緒に食べたんだけどさ、それからすぐに仕事に行ったし。そんであたしはマジで暇すぎてアクセ作ってたんだけどね』ヘラヘラ

赤鬼「忙しいんだな王子は…なかなか個人的なことに時間を割くこともできないか」


582: ◆oBwZbn5S8kKC 2015/05/03(日)23:11:00 ID:m3j

人魚姫『つーか赤鬼はどうしたわけ?なんか話があるって言ってたけどさ、急ぐ話?』

赤鬼「……実はな、さっき海岸でお前の姉の使いに会ったんだ」

人魚姫『あー、よく赤鬼に姿を見せられたねあいつ。どーせあたしのこと探してたんでしょ?それで、どーしたの?』

赤鬼「そいつが言うにはお前の姉がお前に会いたいと言っているらしい。だから連れてきてくれないかと、そう言われた」

人魚姫『姉ちゃんかぁ…まぁ、確かに黙って出て来ちゃったけどさー、でもどうせ私のこと説教するつもりなんでしょ?会うのはちょっとなー』

赤鬼「聞くところによると海底ではお前の父親がさぞかし怒っているようだ、お前が姿を消したことにな」

人魚姫『まーそうだろね、あいつにとってあたしの歌声は大切な兵器だから、娘が消えた事じゃなくて兵器を失ったことに怒ってるんでしょ。ザマーミロっての、もうあいつの大切な兵器は無い!あたしはもう歌えないかんね!』ヘラヘラ

赤鬼「だがなぁ…どうやら、お前の父親は諦めていないみたいだぞ」

人魚姫『は?どう言うこと?』

赤鬼「人魚王は…お前を取り戻すためにこの町を襲うつもりらしい」

人魚姫『はっ…?なにそれ……!!この町を…なんで!?』バンッ


583: ◆oBwZbn5S8kKC 2015/05/03(日)23:15:05 ID:m3j

赤鬼「執事魚の話だと人魚の王は海底の魔女に依頼して一時的に兵士達を人間化するつもりらしい。それにどうやらお前の声も宝物と引き替えに手に入れたようなんだ」

赤鬼「あとはお前を連れ戻せばいいという状態みてぇだな」

人魚姫『……あの魔女!あたしを助けたりあいつに声を渡したりどっちの味方だっての!』イライラ

赤鬼「おそらくどっちでもねぇんだろう、お前と契約して声が貰えるならお前を助けるし国王と契約して宝物が手にはいるならお前の声は手放す、あの魔女にとっちゃあ魔法は自分が利益を得るための道具に過ぎねぇんだろう」

赤鬼「魔女にもいろいろいるんだ。貧しい娘に善意で魔法をかける魔女もいれば、利益優先で魔法を売り物にする魔女もいる。だが今重要なのは魔女がどうあるべきかじゃねぇ…人魚の軍が攻めてくるのを黙ってみていられねぇぞって事だ」

人魚姫『当たり前っしょ!この町を攻めるとか……絶対にそんなことさせない、絶対止めるに決まってんだから!』

赤鬼「そうだな。だが、どうする…?宿に行ったが赤ずきんはどっか行っちまってる。オイラからあいつに連絡する方法がねぇからとりあえずは共通の友人に伝言を頼んで置いたが…オイラと赤ずきんだけじゃあ対応しきれるかどうか…軍の規模もわからねぇんだ」

人魚姫『軍の規模自体は赤鬼達じゃ倒しきれないほど大きいけど、すべての兵士を陸へ派遣するなんてできないと思うんだよねー…でもあたしにもどれくらいの兵士が攻めてくるかわかんない、でも……』

人魚姫『でも、王子には協力を頼めない。人魚の軍が攻めてくるなんてそんな事言えないっしょ、人魚と人間の関係悪くなるじゃん』

赤鬼「それはそうだが……ならどうするつもりだ?」

人魚姫『少しでも向こうの情報を掴んでやろう、だからあたしが姉ちゃんに会って情報を聞き出す。そんで親父達は町に入らせない、海岸で食い止めて…失敗させる!それしかないでしょ!』

赤鬼「そうだな…どの道、オイラ達だけで食い止めるしかねぇんだ。時間は無ぇ、しっかり準備して迎え撃たねぇとな」

人魚姫『うん、襲撃計画なんて無かったことにしてやんだから!』


584: ◆oBwZbn5S8kKC 2015/05/03(日)23:17:30 ID:m3j

一時間後 海岸

ザザーン ザザーン

人魚姫『担いでくれてサンキューね。ここでいいよ、降ろしてくれる?』

赤鬼「おう、わかった。執事魚が言うにはここにお前の姉を連れてくるという事だったが…」トサッ

ザバザバ

執事魚「あぁ、人魚姫様…!お待ちしてました!お姉さまは大変心配なさって…なんと変わり果てたお姿に…!」

人魚姫『っていうかさ、姉ちゃんは?あたしは姉ちゃんと話すためにここにきたんだけど?』

ザバァ

髪の短い人魚「…本当に人間の姿になってしまったのね、人魚姫」フラフラ

人魚姫『姉ちゃん…!何それ…そんなにアザだらけで…全身キズだらけで…それでここまで泳いできたの!?それにその髪……!』

髪の短い人魚「魔女の言うとおりなのね。あなたは声を差し出した。、私にはあなたの言葉が届かない。なんて事を…そこまでして人間になりたかったなんて……でも、今の私にはあなたを責める事なんて出来ないわ」

人魚姫『赤鬼!お願い…!』バッ

赤鬼「ああ。なぁ、聞かせてくれるか?お前の執事の話だと人魚の王が町を襲うつもりらしいが…」

髪の短い人魚「あなたには人魚姫の言葉が届くのね……いいわ、答えましょう。お父様は夜明けにこの海岸から陸へと上がり町を襲う計画を立てています」


585: ◆oBwZbn5S8kKC 2015/05/03(日)23:23:20 ID:m3j

髪の短い人魚「目的は…人魚姫の奪還」

赤鬼「人魚の王は人魚姫の声を手に入れたんだったな、あとはこいつが居れば……」

人魚姫『あたしという兵器が取り戻せるってことね。あたしを連れ戻すために関係ない人間まで攻撃するつもりとか……マジ最悪だよあの親父!』イライラ

髪の短い人魚「お父様ははっきりと口にされました…人魚姫は兵器であると。人魚姫は以前、お父様はディーヴァの事を兵器としてしか見ていないと言っていましたが、その通りだったのです」

髪の短い人魚「それなのに私はあなたを咎め…国民を守るという立派な使命の裏に隠されたお父様の真意に気が付けなかった…今更こんなことを言っても仕方ないけれど…」

人魚姫『本当だよ……もっと早くあいつの真意に気付けたら姉ちゃんはそんなキズだらけにならなくてもよかったんじゃん!人間を殺す事だって…!』

髪の短い人魚「どちらにしてもこのままではあなたはお父様に連れ戻される。そうすればもうお父様はあなたを自由にはしません、人魚に戻して尾ビレに重しを打ち込み、兵器として扱うと仰ってましたから…それはあまりに不憫です。ですから捕まる前に自ら戻るんです、海底へと」

赤鬼「尾ビレに重し…オイラ達で言うなら足枷をはめられるようなもんか。なんで実の娘にそんな事を……!」

人魚姫『あたしは戻らない……折角来てくれた姉ちゃんには悪いけど絶対に戻るつもりは……!』フルフル

髪の短い人魚「もしかしたら…人魚姫がきちんとお父様に謝れば、そこまでの罰は受けなくても良いかも知れません。そこで…これをあなたに受け取って欲しいの」カチャッ

人魚姫『なにこれ、短剣…?』


586: ◆oBwZbn5S8kKC 2015/05/03(日)23:25:24 ID:m3j

髪の短い人魚「解魔の短剣。生物にかけられた魔法を解く事が出来る魔法具です」

人魚姫『ちょ、ちょっと待ってよ!これどうしたの!?こんなの王宮には無かった筈じゃん!もしかして姉ちゃんの髪が短いのって…!』

赤鬼「魔女に譲ってもらったんだな?お前の長かった髪の毛と引き替えに」

髪の短い人魚「察しがいいのね。この解魔の短剣は私の髪の毛と引き替えに魔女から手に入れたものです。私があなたに姉として出来ることはもうこれだけしかないのよ」

人魚姫『なんで!?子供の時言ってたじゃん!長くて綺麗な髪の毛は姉ちゃんの自慢だったんでしょ!?それを手放してまで…!』

髪の短い人魚「人魚姫、これであなたにかけられた魔法を……人間になる魔法を解きなさい。そして人魚に戻り、お父様に謝罪すれば多少の温情は頂けるはずです…」

赤鬼「待ってくれ、この短剣…使うには更に犠牲が必要なんじゃねぇか?」

髪の短い人魚「…解魔の短剣は魔力を分解する作用を血液に与える事で効果を表すと魔女が言っていました、ただしその血液は解魔の対象となる人物が強い想いを感じている者の血液であることが条件」

人魚姫『えっと…?ねぇ、赤鬼どーいう事?よくわかんないんだけど』

赤鬼「つまりだな……魔法を解くにはそいつにとって大切な奴の血液が必要って事だ、そうだろう?」

髪の短い人魚「その通り。人魚姫が人間になってまで想いを告げたいと思った王子ならその条件が満たせる。つまり、この短剣で王子を刺してその血を浴びれば人魚姫の魔法は解ける」

人魚姫『はっ……?あたしに王子を刺せって言うの!?その短剣で!?』


587: ◆oBwZbn5S8kKC 2015/05/03(日)23:28:10 ID:m3j

髪の短い人魚「そうよ、人魚姫。きっと今の私の血液では効果はないでしょう…そこの彼や赤いずきんの娘でもあなたの魔法は解けるかもしれませんが、王子を殺したとなれば先の国家船襲撃妨害への謝罪にもなるでしょう」

髪の短い人魚「王子を解魔の短剣で刺し殺せば、あなたは人魚に戻れる上にお父様へ誠意の伝わる謝罪が出来る…だから」

人魚姫『……姉ちゃん、私のために髪の毛犠牲にしてくれたのは嬉しいよ。でも、あたしには無理。王子を刺し殺すなんて、マジで無理だよ。できない』フルフル

髪の短い人魚「無理だと言ってるの…?どうして?このままだとお父様はこの町を襲撃し、王子も命を失う!だったらその前にあなたが王子を殺すんです、それであなたの受ける罰が少しでも軽くなるなら…」

人魚姫『自分が酷い目に遭うのが嫌だからって、大好きな人を傷つけたりしたら…死ぬまで後悔するっしょ。大好きなアクセ作りもきっとつまらなくなるし、人魚と人間が共存するっていう夢はもう絶対に叶わない。それってもう死んでるのと一緒じゃん』

赤鬼「……」

髪の短い人魚「……あなたの声は私には届かないけれど、わかるわ。王子を殺すつもりは一切無いのね。例え自分が酷い目にあっても」

人魚姫『そのつもりもないよ、あたしは赤鬼達と一緒にあいつの邪魔をする、町は襲わせない』

赤鬼「そういう事だ。お前等の軍が攻めてきても、オイラ達が食い止める」

髪の短い人魚「……私には妹を救うことすら出来ないのね」

人魚姫『姉ちゃん……』

髪の短い人魚「あなたの気持ちは分かったわ……先ほども言いましたが、夜明け前にこの海岸からお父様は侵攻を開始します。連れ立つ兵士は多くはありません、20人ほどでしょうか。人間に攻撃するための兵ではありませんから」

髪の短い人魚「その代わり、私も同行します。人間を眠らせる……兵器として」


588: ◆oBwZbn5S8kKC 2015/05/03(日)23:31:14 ID:m3j

人魚姫『ちょ、なんで!?もうあいつがディーヴァを兵器としてしか見てないって解ったじゃん!なんでまだ姉ちゃんがでるの?訳わかんない!』

髪の短い人魚「理解できないという顔ね…確かにお父様はディーヴァを兵器扱いしています、けれど私が歌うことをやめたら人魚の民が辛い思いをすることもあるでしょう。襲撃に失敗して今まで以上に人魚に被害が及んだら…?」

髪の短い人魚「そう考えたら私は歌うしかない。例えお父様に兵器だと思われていても、私が歌で国民を守れることに代わりないのよ」

赤鬼「……だったら、なぜだ?お前はあくまで海底の国側に味方する。なら何故襲撃時刻や規模を人魚姫に教えたんだ?」

髪の短い人魚「どうやら私の説得では妹を救うことは出来そうにないの。ならもう妹を助ける方法はあなた達がお父様を倒すしかない、私に出来る手助けはこれだけ」

人魚姫『……』

髪の短い人魚「けれど私はお父様側の人魚。あなたがお父様を敵に回すのであれば次に会うときはもう…私はあなたのお姉ちゃんでは居られない」

髪の短い人魚「あなたの大切な人を襲う、憎むべき人魚になってしまう」


589: ◆oBwZbn5S8kKC 2015/05/03(日)23:33:34 ID:m3j

人魚姫『姉ちゃん…!姉ちゃんはいつも説教ばっかりだからウザく思う事もあったけど、あたしは姉ちゃんの事…!』

髪の短い人魚「無駄になってしまったけれど、その短剣は持っていなさい…私はもう戻ります。襲撃前にあなたに会ったなどとお父様に知れたら大変ですからね」スッ

髪の短い人魚「鬼…でしたね、私の妹を助けられるのはもうあなた達しか居ないの。こんなことが言えた立場ではないけれど、頼むわね」

赤鬼「…わかった、こいつを不幸にはしない。絶対にな」

髪の短い人魚「お願いね。それじゃあね人魚姫、さようなら」

ザブンッ

人魚姫『……姉ちゃん』ジワッ


590: ◆oBwZbn5S8kKC 2015/05/03(日)23:35:41 ID:m3j

人魚姫『……』ポケーッ

鬼神『ナニヲ腑抜ケテイルノダ、アノ娘……猶予ハナイノダ、人魚共ヲ迎エ撃ツノダロウ?ソノ根回シヲスベキダ』

赤鬼「まぁ、しばらくそっとしてやろう」

鬼神『人間ナドニナルカラコノヨウナ結果トナルノダ、自業自得トイウモノダ』

赤鬼「そんな言い方をするなよ。しかしこの海岸から襲撃してくるってのは好都合だな、この道を守りきれば他に道はないから町へは進めない。20人なら赤ずきんも居ればなんとかなるか…?」

鬼神『ソノ程度、我ナラバヒトヒネリヨ。ドウダ?ココハ我二任セテミルトイウノハ?』ニヤッ

赤鬼「そうそうお前の力を借りれねぇよ、身体を貸せば貸すほどオイラはお前を制御しきれなくなるんだろう?」

鬼神『ソノトウリダ、ソレガ狙イダカラナ。ダガ…勝テルカ?マタ瀕死ノ貴様ノシリヌグイヲスルノハ断ルゾ』

赤鬼「魔法で人間になったとしても特別強くなるわけでもないだろう。むしろ問題は歌だな…」

鬼神『人間共ヲ眠ラセルトイウ歌カ』

赤鬼「一人二人兵士を取り逃がしても町には警備隊がいる。大きな問題にはならないだろう、だが歌を歌われて人間を眠らされたら八方塞がりだ。人魚姫は今声を失っているんだ桃太郎達の時のようにはいかない」

赤鬼「何か対策を考えないといけねぇが…どうしたもんか。歌への対策もだが人魚姫のこともある、考えることが多すぎるな……だがやるしかねぇ…!」

鬼神『……』


591: ◆oBwZbn5S8kKC 2015/05/03(日)23:38:18 ID:m3j

海底 珊瑚で出来た王宮

執事魚「人魚姫様……どうなりますかね、あの鬼は本当に国王様に勝てるつもりでしょうか?」

髪の短い人魚「どうでしょうか…ですが私にはそれを祈るしかありません……」

執事魚「だ、大丈夫ですよ!きっと人魚姫様は大丈夫ですよ!だから元気出してください姫様」

髪の短い人魚「…それならいいんですが」

スッ

人魚王「…なるほどな、聞かせてもらった。襲撃前夜に何処に出掛けているかと思えば…」ギロリ

髪の短い人魚「お、お父様…!」

執事魚「ちちち、違うんです!これはその…」

ガシッ

人魚王「アレに作戦の内容を漏らしたのだな…?余計なことを…!兵器などに感情を持つからこんな事になるのだ」ブンッ

ゴガァ

髪の短い人魚「うぐっ……!」ゲホゲホ

人魚王「動きを拘束するのは貴様が先だったな。従順な兵器だからと自由を与えたのが間違いだったわ」ガシッ

髪の短い人魚「は、離して…くださ…」ガクッ

執事魚「ひ、姫様!」

人魚王「まぁいい、魔女が言うには鬼とかいう種族と銃を使う娘が居るんだったな…だが私には魔女から手に入れた薬がある、鬼とかいう種族がどんなに怪力であろうと遅るるにたりんわ」クックック


592: ◆oBwZbn5S8kKC 2015/05/03(日)23:40:41 ID:m3j

今日はここまで 連休中にもうちょい進めたい(願望)

次回 vs人魚王

人魚姫編 次回に続きます


594: 名無しさん@おーぷん 2015/05/04(月)09:07:28 ID:eM0

>>1さん乙です!
更新ありがとうございます…

頑固な人魚王をどうやって改心させるのか楽しみです


597: 名無しさん@おーぷん 2015/05/05(火)09:51:55 ID:BDz

人魚王には神聖なる裸王ラリアットを受ける権利をさずけたい


599: 名無しさん@おーぷん 2015/05/06(水)15:47:13 ID:Pz9

あくまで推測なんだけど>>1ってジョジョ好き?
所々
~じゃあないか
があって気になった。俺はこの口調好きだから悪くは思わないけど


>>599
その口調好きでよく使うけどジョジョ意識はしてないよ
でもジョジョも好きだ


602: ◆oBwZbn5S8kKC 2015/05/06(水)22:34:17 ID:leL

数時間後 海岸

ザザーン ザザーン

人魚姫『……スゥスゥ』

鬼神『何故コノ娘ハ気ヲ抜イテ眠ッテイルノダ……?数時間後ニハ海底カラ襲撃者ガヤッテクルトイウノニ、油断シテイルトシカ思エヌ』フンッ

赤鬼「人魚姫は足で歩くことに馴れていないからな、疲れているんだろう。夜明けまでしばらく時間がある、そのときに起こせばいいだろう」

鬼神『……フンッ、コノ娘ハ戦エヌノダゾ?足手マトイニナル前ニ城ヘオイテクレバヨイノダ』

赤鬼「そうもいかねぇよ、王子に人魚姫を匿ってくれなんて言えば海底から人魚が襲撃に来ることも言わないといけないだろ?人魚姫はそれを望んでない、種族間の関係が悪化すると思ってるからな」

赤鬼「どちらにしろ、もう夜明けまで数時間。赤ずきんはまだ来ないし海底の奴らをオイラが一人で退けねぇとなぁ…」

鬼神『ディーヴァトイウ輩ガ操ル奇怪ナ歌…対策ハアルノダロウナ?ソノ輩ヲドウニカセネバ貴様ハ不利ニナルノダゾ』

赤鬼「考えてはみたんだがなぁ。歌われる前に他の兵士を全部倒す……しかねぇかな?」

鬼神『……戯レガ過ギルゾ小僧、ソレハ対策トハ呼ベヌ代物ダ』


603: ◆oBwZbn5S8kKC 2015/05/06(水)22:36:27 ID:leL

赤鬼「いや、だが実際他に対策が思いつかねぇ。住人全員に耳栓を配るわけにもいかねぇんだ、歌われる前に先手を打ってとにかく歌わせない。それが最上の方法に見えるんだがなぁ…」

鬼神『一人デソノ作戦ヲ実行スルノハアマリニ無謀、他ノ策ヲ練ルベキダ』

赤鬼「他の策って言ってもな……この歌声のせいでキモオタ達を頼ることも出来ねぇし、赤ずきんが間に合ったとしても結局はこの歌をどうにかしねぇと……」

鬼神『単純ナコトニ思エルガナ…?オソラクアレモ呪術ノ一種ナノダ……コノ世界デハ魔法ト呼ブノダッタカ?ドチラニシロ本質ハ同ジ』

赤鬼「魔法…確かにあの不思議な能力はまるで魔法みたいだが、歌うことで効果を発揮する魔法なんてあるのか?」

鬼神『呪術・魔法ト言エド…ソノ手法ハ千差万別。言霊ヲ媒介トスル呪術、術札ヲ媒介トスル呪術、アノ赤イ頭巾ノ娘ノヨウニ物質ヲ媒介トスル呪術…呪術ヲ扱ウ方法ニモイクツカアル』

鬼神『ディーヴァトカイウ人魚ノ場合、呪術ヲ行使スル手段ガ歌声ダトイウダケ。本質ガ同ジナラバ妨害スル方法モ……』

赤鬼「……ちょ、ちょっと待ってくれ」

鬼神『ドウシタ青二才、我ガ呪術ニ詳シイ事ガ不思議カ?』

赤鬼「ああ、お前は腕力一辺倒だと思ってたんだが」

鬼神『不思議ナ事デハアルマイ。我ハ呪術ニヨッテ鬼ノ憎悪スル感情ヲ源ニ生ミ出サレタノダカラナ。トハイエ我ガ呪術ヲ行使デキルワケデハナイ、モシ可能ナラバ人間ノ町ナド早々ニ焼キ払ッテオルワ』クックック


604: ◆oBwZbn5S8kKC 2015/05/06(水)22:38:40 ID:leL

赤鬼「確かにそうか…だが、なんでオイラにそんなことを教えてくれるんだ?オイラは確かに助かるがお前にとって人魚の襲撃は人間を苦しめるいい機会だ…むしろ向こうに味方するんじゃないかと思ったが」

鬼神『貴様ノ死ハ我ノ死ダト何度モ言ッテイルダロウ。貴様ガ人間ナドニ肩入レスルカラ我ハ苦労シテイルノダ…コノ愚カ者メ。ダガシカシ…別ノ理由モアル』

赤鬼「……別の理由?」

鬼神『……コノ人魚ノ娘ガドウナロウト我ノ知ッタ事デハナイ。ダガ人魚ノ王ガコノ娘ヲ兵器同然ノ扱イヲスルトイウノハ…少々気二入ラン』

赤鬼「おおっ、つまり人魚姫が可哀想だって事だな?なんだお前にもそんな感情があるんだな!」ガハハ

鬼神『都合ノ良イ解釈ヲスルナ、ダカラ貴様ハ青二才ナノダ』フンッ

赤鬼「いや、だってお前…人魚の王があいつを兵器扱いするのが気に入らないんだろ?」

鬼神『……人間共ニ捕ラエラレタ鬼ハ角ヲモガレタリ見世物二サレ虐ゲラレル、ソレハ弱イ女子供ノ鬼ノ場合ダ。ダガ成人シタ大人ノ鬼モ捕ラエラレル事ハアッタ。無論、数ハ多クナカッタガ』

赤鬼「……いや、だが大人の鬼なんてそうそう捕まるものなのか?」

鬼神『ソコガ人間ノ卑劣ナ所ヨ。貴様ハ赤イ頭巾ノ娘ガ敵二捕ラエラレ…ソノ命ヲ救イタケレバ人間ノ集落ヲ潰セト言イワレタラドウスル?断レバ頭巾ノ娘ハ殺サレル』

赤鬼「それは……どうするんだろうな、オイラは…想像も出来ねぇ」

鬼神『カツテソノヨウナ選択ヲ強イラレタ鬼モイタノダ。女子供ヲ人質ニトラレ破壊ヲ命ジラレル…人間ノ中ニハ鬼ヲ破壊ノ道具トシテ扱ウ輩モ居タノダ』

赤鬼「……」


605: ◆oBwZbn5S8kKC 2015/05/06(水)22:40:54 ID:leL

鬼神『強靱ナ肉体、驚異的ナ腕力。人間ヲ自在ニ操ル歌。優レタ能力ヲ持ツ者ヲ道具ノヨウニ扱ウ輩ハ種族問ワズ存在スル。我ヲ構成スル憎悪ニハソノヨウナ扱イヲ受ケタ者ノ無念モ含マレル』

鬼神『ソノセイカ人魚ノ王ノ行動ニハ虫酸ガ走ルノダ』フンッ

赤鬼「なぁ鬼神、お前は…鬼の人間に対する憎悪から生み出されたんだよな?」

鬼神『何ヲ今更、ソウダト言ッタダロウ。コノ腹ノ底カラ湧キ上ガル憎シミハ人間共ニ虐ゲラレタ無数ノ鬼達ノ憎悪。コノ憎シミヲ払ウニハ人間共ヲ駆逐スルホカナイノダ…!』

赤鬼「…お前が大勢の鬼の憎しみを抱えているってぇなら、同じようにその鬼達が憎しみを抱く原因となった虐げられた辛い記憶や苦しみも背負ってるんじゃねぇのか?」

鬼神『……』

赤鬼「…そうなんだろ?お前は憎悪にかられて人間を駆逐するなんて口にしているが本当は根っからの悪なんかじゃないんだろう…?」

鬼神『……貴様ノ都合ノイイヨウニ物事ヲ解釈スル癖、死ヲ招クゾ』

赤鬼「……」

鬼神『貴様ノ言ウ様ニ、我ハ数々ノ憎悪ノ感情ヲ抱エ、ソレト同様ニ無念ノ想イヤ辛辣ナ過去ノ記憶モ抱エテイル』

鬼神『ダガソレハ人間共ヲ駆逐スルタメノ糧ニスギヌ。貴様ガ期待シテイルヨウナ、我ヲ善ナル鬼ニヘト導ク為ノ代物デハナイ。我ハ復讐ニ利用デキルナラバ悪鬼モ殺ス、貴様ノ肉体モ奪ウ。善ナル鬼?フンッ、冗談デハナイワ』

赤鬼「お前がそう言うのなら、オイラは無理にお前を変えようとはしねぇが……」

鬼神『当然ダ、我ハ神ナル鬼…鬼神ダ。青二才ノ講釈デ易々ト目的ヲ見失ウ我デハナイ』


606: ◆oBwZbn5S8kKC 2015/05/06(水)22:42:45 ID:leL

赤鬼「でもオイラも諦めないからな」

鬼神『……ムッ?』

赤鬼「決めたぞ。お前がオイラの身体を乗っ取って人間を殺すのを諦めて無いように、オイラもお前が人間を憎しみ続けるのを止める。今は無理でも諦めねぇぞ」

鬼神『馬鹿ガ、我ハ憎悪ノ塊。貴様ガ止メヨウトシテイルノハ無数ノ鬼ノ憎悪。思イ上ガルノモ大概ニセヨ』

赤鬼「思い上がっちゃいねぇさ。オイラの夢は全ての鬼と人間の共存だ、その道を変わらず突き進むだけだ」

鬼神『愚カナ、ソノ鬼ニ我モ含ンデイルトデモ言ウツモリカ?』

赤鬼「そうだ、鬼神だろうが鬼は鬼。何もおかしいことはないだろ?」

鬼神『ガッハッハッハ!愚ノ極ミ!アマリニ無謀!貴様、トンダ青二才ダト思ッテイタガ……ドウヤラ真ノ大馬鹿者ヨ!』グワハハハ

赤鬼「オイラはそうは思わねぇけどな?お前にも憎悪意外の感情があるってわかったんだ、だったらもうオイラにとっちゃお前は普通の鬼と大差ないさ」

鬼神『…舐メラレタモノヨ。ダガ貴様ハ人魚ノ娘ノ行ク末ニモ悩ンデイタダロウ。ソノ答モ出テ無イトイウノニ…自ラヤルベキコトヲ増ヤシ、己ノ首ヲ締メテドウスルノダ』クックック


607: ◆oBwZbn5S8kKC 2015/05/06(水)22:47:09 ID:leL

赤鬼「それなんだが……少し気がついたことがある」

鬼神『ホウ…?コノ短時間デカ?クックック、サゾカシ立派ナ浅知恵ナノデアロウナ?言ッテミルガイイ』クックック

赤鬼「お前は言っていたよな、死ぬってのがどういう事か分からないと人魚姫を幸せには出来ないって」

鬼神『ソウダ、デハ理解出来タノカ?死トハナンナノカ』

赤鬼「人魚姫は姉に言っていた、自分が酷い目に遭うのが嫌で王子を傷つけたりしたら死ぬまで後悔する。何をしてもその後悔を背負うから、そんな人生は死んだことと同じだってな」

赤鬼「鬼神、お前が言いたいのは…この事だろ?消えない後悔を背負えば生きていても死んでいる事と同じ。だから逆に例え死んでも消えたとしても…後悔を残さないこと、無念を残さないことこそが大切だって、それがお前の考えなんだろう?」

鬼神『答エル義理ナド無イガ……アエテ教エテヤルナラバ、ソレデハ不完全ダナ』

鬼神『生キテイク上デ後悔シナイ者ナド存在シナイ…ダガ命尽キル時、コノ世ニ未練ヤ無念ヲ残サヌ事ハ可能ダ』

鬼神『具体的ニ言ウナラバ生キタ証トデモ言オウカ。命ヲ失ワヌ生物ハ存在シナイ、ダガ…死シテ尚、生キ続ケルモノガアル』

鬼神『強キ意志。アルイハ強キ想イ。ソレハ肉体ガ朽チヨウトモ消エルコトハナイ…云ワバ生キタ証』

鬼神『貴様デモ理解出来ルヨウニ言ウナラバ…マッチヲ売ル娘ガ良イ例ダ。アノ娘ハ子供達の幸セヲ願ッタガ、ソレヲ叶エラレズ命ヲ失ッタ。シカシ死シテ尚人間共ニ影響ヲ与エ…現実世界ノ人間共ノ精神ヲ育ンデイルトイウデハナイガ』

鬼神『死シテモソノ者ノ強キ想イハ生キ続ケテイルノダ。生キタ証ガ残リ続ケル、コレコソガ真ノ幸セトイウモノデアロウ』


609: ◆oBwZbn5S8kKC 2015/05/06(水)22:49:04 ID:leL

鬼神『モットモ我ハ人間ヲ憎悪スル鬼神。マッチヲ売ル娘ノ想イナド興味ハナイガナ。ダガ貴様デモ理解ハ出来タデアロウ?』

赤鬼「キモオタ達が選択した答えと同じ、それがお前の考えって事か……」

鬼神『アノ豚ト同類ノヨウナイイカタハ不愉快ダガ……ソウダ。ソシテ人間共ニ殺サレタ鬼モ様々ナ目標ヤ夢ヲ持ッテイタ、ダガ志半バデ殺サレ…ソノ意思ヤ想イハ残ルコトナク命尽キタ』

鬼神『生キタ証サエ残ラヌ、残ルハ憎悪ノミ。コノヨウナ不幸ナ事ガアリエルカ?ダカラコソ我ハソノ無念ヲ晴ラスベク人間共ヲ駆逐スルノダ』

赤鬼「うーむ……そういわれちまうと、お前の行動も正しいのか……?いや、しかし無関係の人間を巻き込むのはまた別の問題だしなぁ…。いや、とにかく聞かせて貰えて助かった。ありがとうな、鬼神」ガハハ

鬼神『フンッ……我ハ人魚ノ王ガ気ニ食ワンカラ助言シタダケノコト…ソレニ貴様ニ恩ヲ売ッテオクノモ悪クナイト思ッタダケダ。我ガ善意デ貴様ニ協シテイルナドト思ウナ』フンッ

赤鬼「だが、オイラが人魚姫に何をしてやれるかはわかったようなきがするぞ、お前のおかげだな」ガハハ

鬼神『フンッ……精々、海底ノ輩ニ殺サレヌ様……ムッ?』

赤鬼「どうした?」

鬼神『ドウヤラ無駄話ハココマデノヨウダナ……』

ザバザバザバザバー

赤鬼「沖から複数の人影…!もう襲撃に来やがったのか!?まだ夜明けまで随分とあるぞ!?」バッ


610: ◆oBwZbn5S8kKC 2015/05/06(水)22:51:12 ID:leL

鬼神『海底デ何カ起キタノカモ知レヌガ……最早、覚悟ヲ決メルシカアルマイ』

赤鬼「おい!人魚姫、起きろ!あいつらが攻めて来やがったぞ!」ユサユサ

人魚姫『もう…?ちょっと早くない?まだ夜明けじゃないじゃん…!』クシクシ

ザバザバザバー

赤鬼「だがそうも言ってられねぇ!赤ずきんも間に合わなかった、ここはオイラが一人で相手する!」

人魚姫『わかった…!邪魔になんないようにするから、ゴメンけどお願い!あいつ等を町に近づけないで!』

ザバザバ

赤鬼「おう、じゃあ…気合い入れてやらねぇとな…!」ググッ

ザバザバ ザバー


人魚王「……やれやれ、ようやく海岸までたどり着いたか。この足は泳ぐには随分と不便な代物だ」フウー

赤鬼「お前が…人魚の王、人魚王だな…?」

人魚王「如何にも。貴様はアレの仲間だな?魔女が言っていた……鬼とか言う種族の」

赤鬼「させねぇぞ…!人魚姫を連れて行かせはしねぇ!お前等の襲撃はオイラが食い止めてやる!」ググッ

人魚王「鬼というのは強靱な肉体を持つ種族だったな……だが貴様の対策も万全だ、恐れることなど無い。あぁ、だが襲撃というのは少し違うな……」



人魚王「これは我等による一方的な侵略だ。見せてみろ、鬼という種族がどれほどの実力を持つのか」


612: ◆oBwZbn5S8kKC 2015/05/06(水)22:55:02 ID:leL

人魚王「さぁ配置に付け我が兵達よ!この鬼にはディーヴァの歌声は通用しないらしい。貴様等の仕事はあの鬼を捕らえることだ」

ザバァザバァザバァ

人魚兵達「「「了解しました、国王様」」」ビシッ

人魚姫『人魚の兵士…!あいつもだけどみんな人間になってる…!あたしを連れ戻すためだからって……あの魔女にどれだけの対価支払ったんだっての…!』

鬼神『ドウヤラ、兵ノ数ハ事前ノ情報通リ二十前後。武器ハ主ニ槍トイウワケカ…』

赤鬼「金棒だと少し不利な間合いだ……迂闊に近寄れないな」

人魚王「どうした?攻めてこないのか?貴様の武器は近接戦では滅法強いらしいが、中距離からの攻撃にはどうだ?それもこの人数相手だ」

鬼神『赤鬼、貴様ノ情報ハ筒抜ケノヨウダゾ。確カニ槍相手ダト分ガ悪イ』

赤鬼「だがいつまでもこうしている訳にもいかねぇぞ……」

人魚王「なるほど、外見の豪快さと違い随分と冷静なようだな。貴様のようなタイプは挑発にも応じなそうだ……おい、アレを連れてこい」

人魚兵「ハッ!承知しました!」スッ

人魚王「よく聞け。貴様の自分勝手な行動で我々は大迷惑だ、王宮は前例の無いほどの騒ぎとなり……魔女へ支払う対価のせいで宝物庫は空、これらは私の望んだ結果ではない」

人魚姫『…うっさい!勝手なのはあんたの方っしょ!あたしは戻んないし歌わないかんね!』イライラ

人魚王「反省している様子は無しか。何やら吠えている様だが、聞こえぬ。……だが、すぐに貴様は勝手な行動を悔いることになる」

人魚王「おい、私の兵器をここに寄越せ」クイッ

ドサッ

髪の短い人魚「……」ゼェゼェ


613: ◆oBwZbn5S8kKC 2015/05/06(水)22:58:15 ID:leL

人魚王「見ての通り尾ビレには鋼を打ち込んだ、一人では泳ぐことすらままならぬ。両腕には鎖だ、首に鎖などを巻いて万一歌えぬ等ということになればそれこそこコレの価値は無くなるからな」クックック

人魚姫『ひどすぎっしょ……!姉ちゃん!!今助けるかんね!』ダッ

赤鬼「待て!近づくな!お前まで捕まっちまうぞ…!」グイッ

人魚姫『だって!赤鬼にも見えるっしょ!?姉ちゃんの体見てよ!酷いなんてもんじゃないじゃん!』ギリッ

人魚王「お前を奪還する上で…これには余計な感情が多すぎる。これは当然の措置だ、兵器の暴走を許すなどあってはならぬからな」

人魚姫『ふざっけんな!姉ちゃんを離せっての!』ギリッ

人魚王「コレはよりにもよって作戦を貴様等に漏らした。予定を早めたのもそのせいだ……コレのおかげで計画に狂いが生じたのだ、それを私は望んでいない」

人魚王「全く、嘆かわしい…姉妹揃って私の役に立てぬどころか邪魔をするのだからな!」シュッ

ゴッ

髪の短い人魚「……ゲホッ、ゼェゼェ……」ゲホゲホ

人魚姫『姉ちゃん!』

赤鬼「やめろ!なんでそこまでする必要があるんだ!そいつはお前の娘だろう!」

人魚王「違うな、これは私の所有する兵器だ。貴様の隣に居るそれと同様にな」

鬼神『……』フンッ

赤鬼「どういう神経してやがんだ…!」ギリッ

人魚姫「お願い…赤鬼!あいつを…あいつを殴ってよ!じゃなきゃあたしが殴る…!そうでもしなきゃ、姉ちゃんが…かわいそうっしょ……」


614: ◆oBwZbn5S8kKC 2015/05/06(水)23:00:48 ID:leL

人魚姫「これを見ても状況が理解できないのか?私はこの町を侵略するために対したことをする必要はないのだ」

人魚王「なぜなら、これは出来の悪い兵器だが、町の人間共を眠らせることは出来るからだ。人間共を眠らせればその生殺与奪は私にゆだねられる。お前達にはそれを止めるすべがない……もっともこれを殺す度胸を持っていれば別だが」

人魚王「解るか、鬼。私は貴様さえ捕らえてしまえばいいのだ。だが貴様はこれの歌声を止める事、大勢の兵士を相手にする事、その兵器を守る事を同時にせねばならぬ……無理な話だ。諦めてそれをこちらに寄越せ」

人魚姫『こいつ……っ!なんでこんなのがあたしの父親なんだろ、マジ最悪……!』

人魚王「その最高の能力を持つ兵器が我が手に戻れば、この町はおろか全世界を支配することすら可能…!迷うことなどないだろう、さぁ早くその兵器をこちらへ寄越せ」

赤鬼「悪いが……オイラはお前に渡す兵器なんか持ち合わせていねぇんだ」

人魚王「……ほう?」

赤鬼「オイラの隣にはちょっと騒がしい友達が一人居るだけだ。そしてこいつに手を出そうってなら……」

赤鬼「手加減は無しだ。でもいいのか?慣れてない足じゃあ逃げられねぇかもしれないぞ?」ガハハ

人魚王「…なるほど、鬼というのは感情に流されて状況判断が出来ぬほど知能が低いということか」

人魚王「従順ならば捕らえて兵にすることも考えたが……やめだ。お前等、あの鬼を殺してしまえ。さっさと殺して本来の目的へ移るぞ」スッ

ウオオォォォ!!


615: ◆oBwZbn5S8kKC 2015/05/06(水)23:03:22 ID:leL

ワアアァァァァ

赤鬼「槍を持った兵士を一度に20人相手か…」

赤鬼「さて…オイラ一人で何処までやれるか…!」ググッ

シュッ

人魚兵「国王様のご命令だ!この異種族め……覚悟しろ!」シュオッ

ビュッ

赤鬼「うおっ……やっぱり槍は不利か、間合いの外から攻撃して来やがる…!だが……!」ビュオッ

ゴシャアァ ベキベキッ

人魚兵「何っ…!槍をへし折るだと!?」

赤鬼「こっちは金棒だからな、避けちまった槍をへし折るなんざ容易いんだ。それにそんな単調な突きじゃあ、ただの棒きれを振り回してるのとかわらねぇぞ!」ビュオッ

人魚王「愚か者共、個々で攻撃をするな。多方から一斉に攻勢に移れ!」

ビュオッビュオビュオ

赤鬼「っと……!一人一人は大したことねぇが、やっぱり数で来られると凌ぐので精一杯だな……避けるのは容易いがこう囲まれちまったら反撃もなかなか……!」ビュオッ

ビュオビュオッ ガキーン

人魚王「やはり兵力差があってはいくら怪力自慢と言えど呆気ないものだな。そのまま押せ!反撃の隙を与えるな!」

ウオォォォウオオォォォ!!



???「もう、あなたは少し目を離すとすぐに無茶をするんだから……」ガチャッ


ズダーン ズダーン


赤鬼「やっとか…!遅かったな、待っていたぞ…!」ニッ

赤ずきん「ええ、おまたせ。遅れて到着してしまったから……今回ばかりは文句が言えないわね」フフッ


616: ◆oBwZbn5S8kKC 2015/05/06(水)23:04:43 ID:leL

ズダーン ズダーン

人魚兵「うおっ…!なんだ、援軍か…!」バッ

赤鬼「おいおい…!よそ見してちゃあ危ねぇぞ!それに援軍なんて大層なもんじゃねぇ、ありゃあただの友達だ!」ビュッ

ビュオッ

人魚兵「ぐああぁっ!」ドサッ

人魚王「ほう……あれが魔女の言っていた銃を操る頭巾の娘か」

スタッ

赤ずきん「悪かったわね、赤鬼。随分と待たせてしまったわ」ガチャッ

赤鬼「いいや、助かる!だが話は後だ、そのまま援護頼むぞ…!」ググッ

赤ずきん「任せて頂戴、あなたは間合いに入った敵をなぎ払いなさい。それ以外の奴らは私が牽制しておくから」ガチャッ

ズダーン ズダーン

人魚王「……なんだと?急にあの鬼の動きが向上した……いや、あの娘の攻撃によって鬼の攻撃が効率的に行えるようになっているのか……」

人魚王「なかなか侮れん奴等と言うことか…だが、未だ勝機はこちらにある」ニヤリ


617: ◆oBwZbn5S8kKC 2015/05/06(水)23:11:30 ID:leL

ビュオッ ブオォン! ズダーンズダーン

人魚兵「うぐぅ…遠距離からの攻撃など……卑怯者め……」ドサッ

赤ずきん「あら、卑怯なんて心外ね?大勢で赤鬼を取り囲んでいたあなた達に言われる筋合いはないわよ?」フフッ

ズダーン ズダーン

人魚兵「うぐっ……」ドサッ

人魚王「随分とやられたか…だが兵など捨て駒にすぎん。むしろ、貴様等は不利に陥っていると気がつかないのか?その頭巾の娘にはディーヴァの歌声が有効なんだぞ?」

赤鬼「そうだ、やべぇじゃねぇか……っ!」

赤ずきん「何を言うと思えば……あなた、他人を見くびりすぎじゃないかしら?私が何の対策も取っていないと思っているの?」フフッ

人魚王「ほう……?ディーヴァの歌に対策をしてきたと?面白いジョークだな」

赤ずきん「ジョーク?フフッ、残念だけどこれから始まるのは笑えるような舞台じゃないわよ?」クスクス

人魚姫『舞台……?赤ずきん一体何を……』

赤ずきん「簡単な事よ、聞いたら眠る歌なら聞かなければいい。あるいは……それを聞こえなくすれば、眠ることはないわよね?」


618: ◆oBwZbn5S8kKC 2015/05/06(水)23:20:40 ID:leL

人魚王「構うな、歌え。あんなものはハッタリに過ぎん。お前が歌声をあげればはっきりすることだ」グイッ

髪の短い人魚「……わかりました」スゥッ

赤鬼「おい、大丈夫なのか!?」ビュオッ

人魚姫『歌を聞こえなくするって……どうするつもりなわけ?』

赤ずきん「私は種族間の確執の黒幕に目星をつけていたから……あの王が人魚姫を取り戻しに来ることも、眠りの歌声を使ってくることも予想できたわ」

赤ずきん「だから、彼らに協力を頼んだのよ。少しばかり手間取ってしまったけれどね」

赤鬼「彼等……?一体誰に協力して貰ったんだ?」

赤ずきん「さぁ、少し静かにして彼等の演奏を聴きましょうか。そうでないと彼等がヘソを曲げてしまうから。それじゃあお願いね、あなた達の演奏をこの王達に聞かせてやって頂戴!できるだけの大音量でね」

ガサガサ

???「おぉ!こりゃあ、随分とギャラリーがいるみたいじゃよ!ブルッヒヒン!うむ、喉の調子もいいみたいじゃな」

???「しかし、我々にもようやく演奏のオファーが来るとは!実に喜ばしい!ワンダフル!」

???「でも欲を言えばもう少し大きなステージが良かったニャン」

???「オファーが来るだけでもケッコーな話さ、あの娘に感謝しなけりゃ」

人魚王「陸地の動物共か……?何をするつもりだ?」



赤ずきん「そう身構えなくてもいいわよ、楽しい楽しい動物達の演奏会が始まるだけだから」フフッ


619: ◆oBwZbn5S8kKC 2015/05/06(水)23:25:00 ID:leL

今日はここまでです!
一個一個レス返せてないけどありがたく読んでます!これからも付き合ってくれると嬉しい

一応表記は人魚王人魚兵だけどここにいる人魚は姉ちゃん以外はみんな足あります

人魚姫編 次回に続きます


620: 名無しさん@おーぷん 2015/05/06(水)23:27:31 ID:S8E


奴らがやってきた…!
音楽の「才」にあふれた者たちが…!


622: 名無しさん@おーぷん 2015/05/07(木)00:38:40 ID:FBl

>>1さん乙です!
次回はバトルの続きと赤ずきんちゃんの回想シーンですね…
次回も楽しみにしてます!


625: 名無しさん@おーぷん 2015/05/08(金)00:40:02 ID:SIP

乙!
ツンデレ鬼神に萌えたw
そして、奴等が来たか、そうきたか!!


626: 名無しさん@おーぷん 2015/05/08(金)08:03:12 ID:Svi

なるほど、そう来たか!
ヤバいヤバい、熱くなってきた!!


629: ◆oBwZbn5S8kKC 2015/05/10(日)22:30:15 ID:MpY

人魚王「無力な娘が私にそのような口を利くな。いい加減に耳障りだ…おい、何をしている早くあの娘を黙らせろ」ギロリ

髪の短い人魚「は、はいっ…お父様……では、歌います……」ヨロヨロ

???「おや、人魚の娘さんはもう歌うみたいじゃぞ?みんな準備は万端じゃな?若い者には負けておれんぞ!」

???「もちろんだとも。しかし、あの人魚の娘さん腕に鎖やらなんやら巻いて派手だなぁ…ヘビィメタルって奴だろうか?」

???「ビジュアル系かもしれないニャン!」

???「どっちにしろ僕たちは自分の音楽をやるだケッコー」

髪の短い人魚「……スゥッ」

人魚姫『赤ずきん、来るよ…!』

赤ずきん「平気よ、心配しないで。それより赤鬼、彼等が歌ってるときはマスケット使わない約束だから。悪いけどあまり援護は出来ないわよ?」スッ

赤鬼「おう、分かった…!」ググッ ビュオン

髪の短い人魚「アアー…「ブルルンヒヒーン!ワンワンッニャオニャオコケコケッコー♪」

髪の短い人魚「…アー「バウワウワンワンコケッコケッコニャオニャオブルブルルッ♪」

髪の短い人魚「ア「ニャンニャンブルルンコケコケッコケコッコワオンワオン♪」

髪の短い人魚「なんてこと…私の歌が…かき消さ「コケコックックニャオニャオバウバウワオンブルヒヒーン♪」

赤ずきん「この対処法で…問題ないみたいね」ホッ

人魚王「どういう事だ……何故、何故あの娘は眠らない……!」ギリッ


630: ◆oBwZbn5S8kKC 2015/05/10(日)22:32:34 ID:MpY

赤ずきん「だから言ったでしょう。それにこんなすてきな演奏してもらってるのに眠ったら失礼だものね?」フフッ

鬼神『騒音ヲ利用シ、歌声ニ乗セタ呪術ノ行使ヲ妨害スル…単純ダガ有効ナ手法ダ』

赤鬼「よしっ!あいつの歌声を封じることが出来たなら町への被害は抑えられるぞ!」ググッ

人魚王「おい、妹が向こうにいるからといって手を抜くんじゃあないぞ……?」ギロリ

髪の短い人魚「と、とんでもありません…精一杯歌っています!ただ、あの動物達の鳴き声があまりに大きくて……!」

???「コケケ!声量には自信あるコケ!」

人魚王「なるほどな……ディーヴァの歌声をかき消すために動物の鳴き声か……雑魚なりによく考えたと誉めてやろう。だが、いつまでも遊んでいるんじゃない。わかっているな?」

髪の短い人魚「も、申し訳ありませんお父様……しかしディーヴァの歌声はそれを聞いた人間に作用するので。雑音が入ってしまっては……近づいて歌えばなんとかなるでしょうが……」

人魚王「チッ…このような馬鹿馬鹿しい作戦で…騒がしいだけの鳴き声でディーヴァの歌声を封じるとは……貴様等は何者だ?単なる獣ではあるまい?」

???「そういえばメンバー紹介してなかったじゃあないか、これは失礼した。みんな、メンバー紹介に移るよ」スッ

???「わかったにゃん!それじゃあ早速、イカれたメンバーを紹介するニャン!」


631: ◆oBwZbn5S8kKC 2015/05/10(日)22:34:09 ID:MpY

ロバ「ブレーメンへ導く者!皆のリーダー!ボーカル担当、ROBA!」ヒヒーン

イヌ「昔は羊を追い、今は夢を追う男!ボーカル担当、INU!」ワオンッ

ネコ「グループの紅一点!魅惑のセクシーボイス!ボーカル担当、NEKO!」ニャーン

ニワトリ「夜明けは僕の独壇場!ボーカル担当、ON-DORI!」コケコッコー

ロバ「四匹あわせて……!」

イヌ「……ちょっと待ってくれ。考えてみたら我々にはグループ名がないんだ」

ネコ「そうだったニャン…!これじゃあ締まらないニャン!」アタフタ

ニワトリ「こんな事じゃせっかくのライブなのに次に繋がらない…!ケッコーまずいよこりゃあ」ワタワタ

赤ずきん「……もうあなた達のおとぎ話のタイトルにしたら?」

ロバ「うむ、赤ずきんちゃんの案を採用しよう。では改めて……四匹あわせて……!」



四匹「「「「ブレーメンの音楽隊!!」」」」テテーン


632: ◆oBwZbn5S8kKC 2015/05/10(日)22:35:53 ID:MpY

人魚王「私はこのようなふざけた輩に邪魔されているのか…!おい、兵士共!早々にこの畜生共を蹴散らせ!」ギリッ

ウオォォォ!

イヌ「なんと、演奏者に襲いかかるなんて今日のオーディエンスは随分と熱狂的だね」トコトコトコ

ネコ「ライブでファンが暴徒と化すのもある種のステイタスだニャン!」

ニワトリ「だが今日のライブは赤ずきんちゃん達にとっては戦いでもあるらしい、そのあたりは協力してあげないとね」

赤ずきん「ええ、兵達は私と赤鬼で始末するからあなた達はあの人魚に歌わせないようにして頂戴。それと、人魚姫を守ってくれると嬉しいわね」ガチャッ

ロバ「うんうん、任せたまえ。演奏会はこれからだ、楽しまなきゃあね。ほら、声を失った人魚のお嬢さんは僕の背中にどうぞ、とっておきの特等席だ」スッ

人魚姫『オッケー、ありがと!でも随分とおじいちゃんロバみたいだけど大丈夫?あたしそんなに重くないはずだけど、しんどくない?』ストッ

ロバ「んん?もしかして重くないかと気にしているのかね?年老いてもお嬢さんを乗せて走るくらいは訳ないさ」ハッハッハ

人魚兵「クソォ!こんな年老いた動物共に遅れをとるわけにはいかない…!姫様を返せッ!」シュバッ

ガキィィンッ

赤鬼「そいつは音楽家なんだろ?戦えねぇ奴を狙うなんざ男らしくねぇなぁ…オイラが相手になるぞ!さぁ、反撃といこうじゃねぇか!」ビュオンビュオン

人魚王「調子づきおって……兵共!死ぬ気で応戦しろ!お前もだ、絶えず歌い続けろ……このようなふざけた奴等に苦戦するなど私は望んでいない」ギリッ


633: ◆oBwZbn5S8kKC 2015/05/10(日)22:37:20 ID:MpY

人魚兵「うおぉぉ!動物共を狙え!姫様の歌さえ使えれば…!」

シュガッ

ロバ「おっとと、危ない危ない。みんな、ここらでしっとりしたバラードでも奏でよう、どうも今日の観客は怒りっぽくていけない」トコトコトコ

ニワトリ「そうだね、最近の若いのはどうも落ち着きがないから。もっと落ち着いた曲を聴くべきかもしれないね」コケコケー

人魚兵「そっちの動物は任せた!俺はこっちの奴等をやる……くそ!なんてすばしっこいんだ!」シュババ

ネコ「伊達に長年猫やってないニャン!お望みなら顔面にサイン入れてあげるニャン!」ヒラリ バリバリ

イヌ「演奏だけでなくパフォーマンスを織り交ぜた『魅せる音楽』…!堪能してもらおうじゃあないか」スタタタタ

ワーワー ギャオギャオ ザワザワ

人魚王「初の陸地での戦闘に加えて獣や銃など戦い慣れていない相手、兵共の統率が乱れている…」チッ

ズダーン ズダーン

人魚兵「ぐああぁっ!」ズサー

ビュオンビュオン ドシャアー

人魚兵「クッ……人魚王様、奴等は想像以上の実力です!ここはお逃げください……!」ヨロッ

人魚王「案ずるなたわけが……兵も残りわずか、少々見くびっていたようだ。よもや魔女から得た秘薬を使うほかあるまい」ゴソッ


634: ◆oBwZbn5S8kKC 2015/05/10(日)22:38:39 ID:MpY

赤ずきん「あと数人…兵さえ始末しきればあとは王だけね」スタッ

ズダーン ズダーン

ススッ

人魚兵「すばしっこい獣も駄目、鬼という種族は強すぎる…だったらこの子供を先に始末してやる…!背後からなら銃だろうが関係ねぇ…!」シュッ

ビュオオン ドシャアー

人魚兵「うぐ……」バタッ

赤鬼「すまねぇが子供って言わないでやってくれ、こいつ気にしちまうからな」チラッ

赤ずきん「あら、いいのよ。もう私はそれに関して気にしないことにしたから」フイッ

赤鬼「ん?そうなのか?」

赤ずきん「今回の一件で自分が子供なのは認めざるを得なかったもの……」

赤鬼「お前、もしかしてまだ気にして…」

赤ずきん「そうじゃないわ。私はね…あなたのような腕力も体力も強い身体も持ってない。けれどそれらはドロシーを倒すために絶対に必要だと思ってた。だけどそうじゃないって解ったの」


635: ◆oBwZbn5S8kKC 2015/05/10(日)22:40:15 ID:MpY

赤ずきん「腕力も強い身体も無いけれど、私には狩人さんに貰ったマスケットもおばあちゃんに貰ったずきんもある。それにおばあちゃんに聞かせて貰ったたくさんのおとぎ話…たくさんの世界の存在を私は知っている」

赤ずきん「たくさんあるおとぎ話のどの世界に誰が居て…その人にどんな事ができて、どんな風に苦難を解決してきたかを知ってる。そして、このずきんはその世界を行き来する能力を持っている」

赤ずきん「その能力を使えば、私は様々な世界に住むおとぎ話の世界の住人に力を借りることが出来る。始めから私は一人なんかじゃなかった、ただ強くあろうとして意地を張っていたから誰にも頼らず、そして頼れずにいた…けれどそれももうおしまい」

赤ずきん「ドロシーを倒すために、私が赤鬼のようになる必要なんて無いってわかったもの。私の武器はこのマスケットとずきん、そして様々なおとぎ話の知識……それで私は世界を救える、おばあちゃん達の仇を討てる」グッ

赤鬼「うむ…そうだな、オイラはオイラ。お前はお前で良いんだ」

赤ずきん「えぇ…もう私は持っていない物を数えて嘆いたりしないわ。だから、赤鬼…あなたには…その、これからも私と一緒に旅を続けてほしいの…もう、弱音を吐いたりしないから」

赤鬼「ガッハッハ、当たり前だ!改めて言うような事でもねぇさ。オイラはお前と別々に旅をする事なんざ端っから考えちゃいねぇんだ」ガハハ

赤ずきん「そう、それなら……私の取り越し苦労だったわね」フイッ

ネコ「赤ずきんちゃん、そっぽ向いてるけどなんだか嬉しそうニャン。何か良いことあったニャン?」トコトコトコ

赤ずきん「……何でもないわ」スッ

赤ずきん「ただ、友達がいつも通り優しかった。それだけの事よ」フフッ


636: ◆oBwZbn5S8kKC 2015/05/10(日)22:43:01 ID:MpY

赤鬼「さぁてと、敵も数えるほどだ。早いところ人魚の王を捕まえて…人魚姫の事は諦めさせねぇとな!」ビュオ

人魚姫『1…2…3人!うん、この数ならマジでなんとかなるかもしんない!ううん、絶対いけるっしょ!』

ロバ「観客が減ってしまうのは反対じゃが……あの人魚の娘さん、怪我でもしてるのか存分に歌えていないんじゃよ。歌うのをやめさせて医者に見せた方が良さそうじゃ」トコトコトコ

赤ずきん「それじゃあたたみかけましょう、もたもたしていたら夜が明けてしまうわ。一気に攻めて、人魚王に降参させなければね」ガチャッ





ドロシー「そー簡単にいくかなー?」クスクス

人魚姫『あれ?あの子……なんでこんな所にいんの……?』

赤ずきん「……ロバ、あいつを人魚姫に近づかせないで」ガチャッ
らしい

ロバ「うむ、任せるんじゃ」トコトコトコ

赤鬼「お前は……どこから現れやがった!またオイラ達の邪魔をしようってのか?」グッ

ドロシー「まぁまぁ、そんなのどうでもいいじゃーん!私は何もしないからさ、ただの見学でーす!つーかさ、折角アンタ達が仲違いすると思って夜更かしまでして見てたのに仲直りしちゃうとかつまらな過ぎぃー」ブーブー

赤ずきん「どうせ、昼間からずっと私達を見張っていたんでしょう?随分と良い趣味をしてるじゃない」

ドロシー「誉めてくれてサンキュー!おかげであんたのモノマネレパートリーが増えたよ!『ふぇぇー、ひとりだと寂しいよ赤鬼ぃー!なでなでしてよぉー!ふえぇぇー!』ほらほら、激似!」クスクス

赤ずきん「あら……?私はそんなに情けなかったかしら?気がつかなかったわね」

ドロシー「あら、なんか挑発に乗ってこないね?そんなじゃあドロシーちゃんはつまんないなー!いつもみたいに顔真っ赤にして反論してよぉー」ケラケラ

赤ずきん「悪いわね、もうあんたの挑発なんか無視することに決めたのよ」

ドロシー「あっそ、まぁいいよ。つーかさー、人魚の王様ー!魔女に秘薬貰ったんでしょー?あれ早く使いなよー!このままじゃこいつら勝っちゃうよ?そんなのつまんなすぎぃー」


637: ◆oBwZbn5S8kKC 2015/05/10(日)22:44:44 ID:MpY

人魚王「なんだあの小娘は…?何故私が魔女から秘薬を受け取ったことを知っているのだ……」

赤鬼「秘薬…?あの王、奥の手を隠してやがるのか……」ググッ

ドロシー「奥の手っていうか、赤鬼対策?王様、早くしなよー」クスクス

赤ずきん「赤鬼、何が起こるかわからないわ…用心しましょう」

人魚王「何者だあの娘、王たる私になんと無礼な…!あのような娘に言われずとも私は初めから使うつもりだ。さぁ鬼対策の秘薬…今こそその能力を見せろ…!」ゴクゴクゴク

ドロシー「よしよし、ちゃんと飲んでるねー。海底の魔女に作って貰ったスペシャルな魔法薬♪ごめんね赤ずきん、折角仲直りしたみたいだけどもう赤鬼ともお別れかもねー?」クスクス

赤ずきん「さっき聞いていなかった?あなたのくだらない挑発にはもう…」

ドロシー「挑発?違うって、事実だよん♪さてさて、ちゃんとできてるか観察観察ー」クスクス

赤ずきん「赤鬼の対策……なにか特別な能力が身につく薬かしら……?それとも鬼の攻撃を無力化する薬……?」ガチャッ

赤鬼「何するつもりかわからねぇが…何か起きる前にビビっても仕方ないさ、今はあの王が薬でどんな事になってるのか見極める方が先だ」ググッ

人魚姫『でも、あれ……なんかヤバい感じしない?あいつ…なんか様子おかしいし…』

ドドドドド

人魚王「……ほう…これがあの鬼を滅する為の力か……!」ゴゴゴゴゴ


638: ◆oBwZbn5S8kKC 2015/05/10(日)22:46:33 ID:MpY

人魚王「身体に力がみなぎる…!底から沸き上がってくるこの力を抑えきれん程にな……!フハハハ!」ゴゴゴゴゴ

人魚兵「こ、国王様?一体、なにが起きたのですか……?」ドヨドヨ

人魚王「残る兵は3人か……貴様等は陸地での戦闘に関しては雑魚以下。もはや用済みだが……新たな力を試すくらいはできよう」

シュババ バキッバキッベキッ

人魚兵達「」バタッ

赤鬼「腕を一振りしただけで…首をへし折っただと!?」

人魚王「ほう……なかなかいい具合だ。この怪力ならば、あの鬼と同格……いや、それ以上に渡り合える……!」

赤ずきん「鬼をも超える程の……怪力」

ドロシー「おー、なかなかいい感じに仕上がってるじゃん!さすがは魔法薬作りに定評のある魔女だよねー」ケラケラ

赤ずきん「……これで納得がいったわ、何故あなた達がこのおとぎ話に姿を現したか」キッ

ドロシー「そう睨まないでよー!嬉しくなっちゃうからさ、アンタ達の思い通りにいかなくするのって楽しいもんねぇ」クスクス


639: ◆oBwZbn5S8kKC 2015/05/10(日)22:50:19 ID:MpY

赤ずきん「【シンデレラ】の魔法使いが私達に協力してくれているように、あんた達は海底の魔女に協力して貰っている……いいえ、正確には海底の魔女と取引をしているという所かしら?」

ドロシー「あはは、察しがいいじゃん。私達は不良少女だからさ、善人の魔女は協力してくれないんだよね。だから海底の魔女に頼んだんだよん♪あの魔女、対価さえ支払えばどんな相手でも協力してくれるからねー♪」

赤鬼「あの魔女に……オイラの対策として怪力になる魔法薬を作らせたのか」

ドロシー「正確には全員分の…ってところかな?」クスクス

赤ずきん「全員分ってまさか……」

ドロシー「なんだかさ、雪の女王が嗅ぎまわってるみたいだし…アンタ達と戦うのに毎回魔法具使ってられないしさ!だから作ってもらったってわけ」

ドロシー「キモオタ、シンデレラ、裸王に桃太郎、ラプンツェル…その他にも沢山ね、それぞれの対策になる魔法薬を頼んでるってわけ♪もちろん、赤ずきんがお漏らししちゃうような激ヤバな魔法薬もあるからお楽しみにー♪」ケラケラ

赤ずきん「戦いに備えて新たな魔法具を作る……考えることは同じってわけね……」

ドロシー「ほらほら、お話ししてる場合じゃないよん?今、人魚の王が纏ってるのはただの怪力じゃないんだからさぁ?」

ドロシー「赤鬼と同じ国に伝わる鬼退治のおとぎ話……その怪力で鬼をねじ伏せる主人公と同じ怪力なんだってさ。確かそいつ垢で出来てるんだっけ、さすがのドロシーちゃんもドン引きだぁー!」ケラケラ

ドロシー「そだなー、あえて名前を付けるなら……魔法薬『力太郎』ってところかな?」クスクス


640: ◆oBwZbn5S8kKC 2015/05/10(日)22:53:13 ID:MpY

ドロシー「じゃあ私はちょっと離れたところで観戦しますか!じゃあね、次会うときは赤ずきんちゃん1人旅になっちゃう?クスクス、バイバーイ」スタスタ

赤ずきん「……いいわ、腹は立つけれど放っておきましょう」

赤鬼「それより今は人魚王だ、あの怪力は鬼退治した主人公の能力ってわけか…どういうおとぎ話かわかるか?赤ずきん」

赤ずきん「【力太郎】……あなたの国のおとぎ話である【桃太郎】と同じく、数奇な生まれの主人公が悪鬼をねじ伏せるおとぎ話よ。ただ、桃太郎は刀を手に剣技で鬼に挑んだけれど、力太郎はその無双の怪力で鬼に挑んだの」

赤ずきん「もしもドロシーが言うとおり、人魚王が力太郎と同様の怪力を得たのだとしたら……赤鬼の腕力では叶わないかもしれない」

人魚王「ぶつぶつと相談しているが……掛かってこないのか、鬼よ」

赤鬼「つまり、オイラじゃあ適わないほどの怪力を持ってるって訳か……」

人魚王「来ないのならこちらから仕掛けさせて貰うぞ……!」ゴゴゴゴゴ

タタッ

赤鬼「赤ずきん、援護射撃頼む。ブレーメンの奴等も王に近づけないように頼む」グイッ

赤ずきん「任せなさい。隙間を縫って撃ち込むから、あなたは自由に動いて頂戴、必ず人魚姫と町をあの王から守るわよ」

人魚姫『赤鬼…あたしは二人の言ってることよくわかんないけど、無理しなくていいかんね?…赤鬼がもしヤバい事になっちゃうなら、あたしがあいつに…』

赤鬼「おいおい、そりゃあ駄目だ。お前があの王に屈したらどうなる?町も王子も無事じゃいられねぇんだぞ?」

人魚姫『そうだけどさ…死ぬとかなしだかんね?』

赤鬼「そんなつもりねぇから安心しろ。じゃあ行かせてもらおうか…!オイラだってそうそう簡単にやられるわけにはいかねぇんだ!」


641: ◆oBwZbn5S8kKC 2015/05/10(日)23:13:35 ID:QlB

人魚王「フフッ、この怪力を前にして怖じ気付かぬ気概は誉めてやろう」

赤鬼「……」ジリッ

人魚王「迂闊に近寄れぬといった所か。賢明な判断だ、貴様は私の間合いに入ってはいけないのだからな、さぁ怯えろ…歌の効かぬ貴様は目障りだ、ここで消しておく」クックック

赤鬼「そうですかとはならねぇな、それにお前が思っているほど怯えちゃいないさ。それより今はどうやってお前に一撃くれてやろうかと思ってるんだ、オイラの友達はあんたのせいで辛い思いをしたわけだからな」

人魚王「あぁ、アレの事か…私の所有物に友情を感じ事もあろうに私に因縁を付けてくるとはとんだ迷惑だな」

赤鬼「王族には何人か知り合いがいるが……お前のようなゲスな王は初めてだ、兵達もなるべく気絶ですむようにと思ってたんだが……お前がそのつもりならお前だけはそうもいかねぇみてぇだ」

人魚王「ふん、ゲスだと?結構だ。国王とは国を守るものだ、時には突拍子のない行動も求められる。常に下々の者に理解できる行動だけを取れるわけではないのでな」クックック

鬼神『……青二才、奴ニ人間共ヲ恨ム理由ヲ聞キダセ』

赤鬼「なんだよ、いきなりどうした?今更こいつにそんな事を聞いても…」

鬼神『黙ッテ我ノ指示ニ従エ……奴ハドウニモ不信ダ』

赤鬼「不信ってなんだ?気になることでもあるのか」

鬼神『我ハ憎悪ノ感情ニ敏感ダト以前話シタナ。ダガ、奴カラ微塵モ感ジヌノダ』

赤鬼「微塵も感じない……?」

鬼神『ウム、奴ハ人魚王。本来ナラバ人間ヘノ憎悪ハ沸キ立ッテイルハズダ。娘ノ話ダト人魚ハ人間ニナイガシロニサレテイルノダカラナ』

鬼神『シカシ、奴カラハ人間ヘノ憎悪ヲ一切感ジヌノダ。オカシナハナシダロウ』


642: ◆oBwZbn5S8kKC 2015/05/10(日)23:16:26 ID:QlB

今日はここまでです。

ブレーメンやっぱり有名なのねw

人魚姫編次回に続きます


644: 名無しさん@おーぷん 2015/05/10(日)23:56:21 ID:aCC

乙ー
今日もドロシーちゃん鬼畜でした。


647: 名無しさん@おーぷん 2015/05/11(月)22:43:52 ID:G8N

>>1さん乙です!毎度えげつないドロシーちゃん…

どうにかして出し抜けないのか…と思っちゃいました

次回赤鬼がどうなるのか?更新楽しみにしています!!


648: 名無しさん@おーぷん 2015/05/12(火)08:24:59 ID:5S8

んん~、ワクワクするな~楽しみに待っているぜぃ!
鬼神はエフェクトのかかった鈴木瑞穂で再生っと


649: 名無しさん@おーぷん 2015/05/12(火)12:55:46 ID:zAx

ぬこのビジュアル系発言にワロタwww


652: 名無しさん@おーぷん 2015/05/15(金)07:06:18 ID:LOK

乙!
もうアレだな、ゲス王はワンピのホーディみたいだなwww


>>652
うん、ホーディっぽい所は大いにある。行為とか強化薬とかね
根本的なところはまぁ真逆なんだけど


656: ◆oBwZbn5S8kKC 2015/05/17(日)22:53:54 ID:YS4

赤鬼「確かにおかしな話だ……人魚は人間に深い憎しみを持っているはずだろ。それは人間が人魚を襲うからだと」

鬼神『ウム、先程ノ兵士達モ、ディーヴァト呼バレル人魚モ…例外無ク人間ヘノ憎シミヲ纏ッテイタ』

鬼神『復讐心、ソシテ憎悪…ソレラガ溢レテイタ。イクラ平静ヲ装オウトモ我ハ見抜ケル。ダガシカシ……アノ人魚王ニハ人間ヘノ一切ノ憎シミヲ感ジヌ』

赤鬼「どういうことだ……?」

鬼神『…恐ラク、アノ者……イヤ、先ズハ避ケヨ』

シュバッ

人魚王「鬼と言うのは随分と独り言の多い種族のようだな」ヒュオッ

バシュッ

赤鬼「っと…危ねぇ危ねぇ。これが鬼をも越える怪力か、集中しねぇと怪我じゃすまねぇか…!」スッ

人魚姫『赤鬼!ぶつぶつ言ってたら危ないって!なんでこんな時に独り言なんか言ってんだろ…』

赤ずきん「あれは独り言じゃあないわよ……鬼神にそそのかされてなければいいけど」ボソッ

人魚王「避けたか、だがそこは既に私の間合いだぞ?」バッ

ゴシュッ

赤鬼「うおっ…!なんて拳圧だ…あんなもん食らっちまったらただじゃすまねぇ…!」スッ


657: ◆oBwZbn5S8kKC 2015/05/17(日)22:55:31 ID:YS4

人魚王「強さ故の油断か慢心か…こうも容易く敵を懐に入れるとはな」ススッ

赤鬼 「いいや、これでいい。お前の間合いの中だって事はオイラの金棒が届く距離にお前は居るんだ。だったら少なくとも、オイラを無視して人魚姫や赤ずきんを狙えねぇだろ!」

人魚王「この期に及んで仲間の心配か?言っただろう、目障りな貴様は消しておくと。それとも、驚異の怪力を得た私を力勝負で倒せると思っているのか?」

赤鬼「さぁな。やってみねぇことにはわからねぇが……確実なのはオイラが倒されちまったら、赤ずきんや人魚姫が危険だって事だ!」ブンッ

ビュオッ ガシッ

人魚王「怪力というのは便利なものだ、攻撃を避ける必要も耐える必要もない。こうして武器を受け止めてやればいいのだからな」ガシッ

赤鬼「ぐおっ…!金棒の一撃を避けるどころか掴んできやがった…!」グググッ

人魚王「それを奪えば貴様は丸腰というわけだ。この金棒……しばし借りるぞ?」グイッ

赤鬼「なんて力だこいつ……!」ググッ

ズダーン ズダーン

人魚王「……あの小娘、余計な真似を」ギロッ

赤ずきん「よそ見をしている場合?あなたにどんな怪力が備わっているとしても、目の前にいるのは鬼。痛い目をみても知らないわよ?」

赤鬼「ああ、なめてもらっちゃあ困るぞ!ぬおおおっ!」ビュオン

ガシッ

人魚王「少し不意を突かれたが、私の方が強い力を持っていることは変わらぬ」スッ

赤鬼「ぬぬっ…正攻法では一撃与えるのは難しいか…!」


658: ◆oBwZbn5S8kKC 2015/05/17(日)22:57:13 ID:YS4

人魚王「しかし解せぬ。なぜあれの為にここまでやる?」

人魚王「あれの歌声は人間を操る。私にとっては無くてはならぬ兵器、故に多大な犠牲を払ってまで回収に来たのだ」

人魚王「だが貴様等は違う。獣を集め歌を封じてまで我らを迎え撃とうとし、私が貴様を上回る力を手にしたと知っていながら向かってきたりと…あれを助けることで貴様等にどのようなメリットが存在する?」ビュオッ

スッ ズダンズダーン

赤鬼「オイラも赤ずきんも損得であいつの友達やってねぇんでな」ググッ

ブオンッ

人魚王「尚更理解できんな。あれから歌声を取り上げればただの人魚、歌声を失ったあれに利用価値など無い。そのうえで何故助け何故庇う?その行為に自らを危険にさらす価値があるのか?」スッ

赤鬼「ああ、大いにある!オイラはあいつが海に帰りたくねぇってならお前等を追い払う!ディーヴァになりたくねぇってなら、ならなくて良いように手助けしてやる!」ガシッ

赤鬼「友達が悩んでたら手を貸すって決めてんだオイラは!かつて親友がそうしてくれたようにな!だから損得なんざ知った事じゃねぇんだ!」ブォン

人魚王「若さ故か、まったく世界というものが見えていない」

スッ

人魚王「若造にひとつ教えてやろう。なんらかの目標を持って生きる以上…何かを成し遂げようとすれば必ず犠牲が必要になる」


659: ◆oBwZbn5S8kKC 2015/05/17(日)22:58:37 ID:YS4

人魚王「そうなれば愛だの恋だの友情などというくだらない感情は障害にしかならない。時に冷酷でなければ……」ググッ

ガシッ

赤鬼「ぐぅっ…!しまった…!」ガシッ

人魚王「何かを成し遂げるなど不可能だ」ギリギリギリ

赤ずきん「いけない…!赤鬼!振り払いなさい!」ダダッ ガチャッ

人魚姫『赤鬼…!ちょっと、私を赤鬼の所まで運んで!赤鬼がピンチなのにほっとけないっしょ!お願い、マジで頼むって!』バシバシ

ロバ「あの青年の所へ行けと言っているのだろうがそれは出来ないよ娘さん。彼等はあの王から君を守るために戦っている、それに水を差すってのはよくない」トコトコトコ

人魚姫『でも、赤鬼が捕まったのに何も出来ないとか……!』

赤鬼「ぐお……離しやがれ……!」ゲホゲホ

人魚王「貴様等はあれを救うなどと言っていたが、到底無理な話だ。私と貴様等には目的に対する覚悟の差がありすぎる」ギリギリギリ

赤鬼「ぐぐ……赤ずきん、人魚姫を連れて……この場から離れ……」ググッ


660: ◆oBwZbn5S8kKC 2015/05/17(日)22:59:57 ID:YS4

人魚王「都合が良すぎるのだ貴様等は。あれも救う、そして仲間も救いたい…故に容易く遠距離攻撃というアドバンテージすら放棄する。甘いとは思わぬか?ずきんの娘よ」ギロッ

ガチャッ

赤ずきん「赤鬼を離しなさい。この距離なら、いくらあなたが力自慢でもその腕を吹き飛ばすくらいはできるわよ?」

人魚王「ほう、ならばやめておけ。私が手にしている『盾』にでも当たれば大変だ、貴様も仲間が弾け飛ぶ様は見たくあるまい」

赤ずきん「……人魚姫を兵器扱いしたと思えば、今度は赤鬼を盾呼ばわりなのね」ガチャッ

人魚王「利用できるものはなんであろうと利用する。私は常にそうやって全て解決してきた、そして今後もだ」

人魚姫『もう我慢できない!あいつ今度は赤鬼の事も道具みたいに言って…!マジで許せない!』タッタッタッ

ロバ「こ、これお嬢さん。待ちなさい!」トコトコトコ

人魚姫『ちょっと親父!あんたいい加減にしろっての、姉ちゃんをボロボロになるまで利用した次は赤鬼を盾にするって?いいから私の友達を離せっての!』キッ

人魚王「聞こえぬと解って尚、感情を抑えられぬか。何を喚いている?不服か?私がこの鬼を利用することが」

赤ずきん「……そうやってあなたは様々なものを利用してきたのね」

赤ずきん「人魚の歌声を兵器として扱い、兵士達の命も容易く散らせ、私の攻撃を防ぐために赤鬼を利用する……そうやって人間のことも利用したのでしょう?海底の国の繁栄のために」

人魚王「ほう…国の繁栄のために私が人間を利用したと?」


661: ◆oBwZbn5S8kKC 2015/05/17(日)23:01:43 ID:YS4

人魚姫『あいつが人間を利用ってどゆこと…?っていうか悪い人間が不老不死のために人魚を捕まえてんでしょ?利用してるのは悪い人間の方じゃないの?』

赤ずきん「あなたには言っていなかったけれど、この世界の人間は誰ひとりとして人魚の存在を信じていなかったわ。誰もあなた達の存在を知らなかった」

人魚姫『は?なんで…?人魚の存在を知らないなら、捕まえることなんか思いつかないんじゃないの?』

髪の短い人魚「……デタラメを言うのはやめなさい……人間が人魚の存在を知らない?……ならどうして人魚は人間に襲われ続けてるの?」ゼェゼェ

髪の短い人魚「人間共はその罪すら認めないつもり……?私たちの仲間は数えられないほど命を失っているのに……あなたたち人間の手によって……!」

赤ずきん「人魚が襲撃されたのは事実でしょうけど、人間がその犯人とは限らない…いいえ、犯人は人間ではないわ」

人魚王「面白いことを言う娘だ。ならば貴様は真の犯人は誰だと考える?」

赤ずきん「一人だけいるじゃない。人間以外で人魚の存在を知っていて、人魚を襲う事が出来て、そして人魚を襲うことで利益を得られる人物」

人魚王「……馬鹿馬鹿しい……魚でも獣でも災害でもないなら……人魚を襲えるような種族は人間しか存在しない……」

赤ずきん「……人魚が人魚を襲った、としたら?」

人魚姫『はっ!?人魚が仲間を襲ったって事?いくらなんでもそんなことないっしょ!』

赤ずきん「そうかしら?聞いてみればはっきりするんじゃない?それともシラを切り通す?ねぇ、人魚王。どうなのかしら?」

人魚王「……」


662: ◆oBwZbn5S8kKC 2015/05/17(日)23:03:58 ID:YS4

赤鬼「なんだと……お前は、こいつが人魚襲撃の犯人だと言うのか…?」

赤ずきん「ええ、人魚を襲撃していたのは人間じゃない。人魚を統べる王、あなたよ人魚王」

人魚姫『えっ!?ちょ、マジでちょっと待って…!あいつが?何のために!?そりゃさ、人魚なら泳ぎは得意だし簡単に人魚襲えるだろうけど……』

髪の短い人魚「……あろう事か人間共の罪をお父様に着せようとするなんて…!お父様は国民達のために平和で豊かな国を作る事を一番に考えておられます、それを……許せない……!」

赤ずきん「……どうなの、人魚王?」

赤ずきん「あなたなら人魚を襲うことが出来る、それに人魚を襲う意味だってあるはず。娘を物としてしか見ていないようなあなたなら…同種族を殺すことも容易いんじゃないかしら?」

クハハ……

人魚王「クハハハッハッハッハ!小娘、私が全ての黒幕だと?」

赤ずきん「……」

人魚王「私が自らの国民を殺し、その罪を人間に着せたとお前は言うのだな?」

髪の短い人魚「お、お父様!あの様な小娘の言葉など聞く必要ありません、ただのでたらめです!」

人魚王「クハハハッ!いいだろう、小娘風情がよく真相にたどり着いたものだ。褒美代わりだ、認めてやろうではないか…!」



人魚王「人魚を…我が国の民を殺していたのは人間ではない、私だ」


663: ◆oBwZbn5S8kKC 2015/05/17(日)23:05:29 ID:YS4

人魚姫『……えっ!?はぁ!?』

髪の短い人魚「お、お父様…!?」

赤鬼「そういうことだったか……!」

赤ずきん「あら、随分と容易く認めたわね…少し予想外よ」

髪の短い人魚「私には信じられません…!お父様がそんな事…お父様には国民を手に掛ける理由なんてないではないですか…!」

人魚王「理由がない?私は国の繁栄のためならば、国民を守る為ならば手段など選ばん、人間だろうが鬼だろうが国民であろうが殺す」

赤ずきん「赤鬼が言っていたものね、共通の敵が存在することで人魚達は団結していると。人魚同士の争いを止め、人魚の襲撃を人間のせいにすることで怒りの矛先を人間に向けさせる。それをあなたは意図的に行った」

人魚王「そうだ、圧倒的な憎しみが同じ敵に向けば……人魚同士の争いは消える、そうすれば我々の国は平和に近づく。人間に姿を見せてはいけないという古来からの掟がある以上、自ら人間に近づく人魚は稀だ。本来ならば真相が表にでることもないはずだったがな」

赤ずきん「国民を守るために国民を殺す……どうかしているわ」

人魚王「少数の国民を殺す事で国が栄え、人魚同士のいさかいが無くなるのならば安すぎる犠牲だ。それで殺した人魚の何千倍もの人魚が幸福になるならばな」

人魚王「何かを得るには相応の犠牲が必要だ。いくつかの人魚の命、人間との関係、ディーヴァの自由…それを失えば人魚の王国は栄え、争いもなく多くの人魚が幸せになれる。ならば迷うことなどない」

人魚王「国の繁栄と多くの人魚の幸福を求めること、それは私の王としての勤めだからな」


664: ◆oBwZbn5S8kKC 2015/05/17(日)23:07:39 ID:YS4

赤ずきん「そんなものは詭弁よ。失うものがなくても、得られるものはある。私は知っているもの」

人魚王「いいや違う、だが貴様には理解できぬだろう。何もかも救おうなどと考えているような未熟者ではな」

髪の短い人魚「……全ては真実、お父様はわずかとは言え……平和のためとは言え……国民を手に掛けたんですね……!」

髪の短い人魚「申し訳ありません、お父様。この事は……全ての国民に伝えます、伝えなければなりません!ですからどうか……どうか罪を償っていただきたく思います……!」

人魚王「愚か者、これは罪ではない。それにそのような事を許すわけなかろう。私が何故、真実を口にしたと思うのだ?」

人魚王「ここで真相を語ったところで海底に伝わることがないからだ。戦いの後、ここには無数の兵と鬼、獣、頭巾の娘、鋼を撃ち込まれた人魚の死骸が横たわるのだからな」グイッ

ギリギリギリ

赤鬼「ぐあ……息が……」ゼェゼェ

人魚姫『赤鬼……!こいつ、離せって言ってんでしょ!』ダダッ

赤ずきん「待ちなさい、人魚王の目的はあなたよ。赤鬼を苦しめているのはそのための餌。近寄っては駄目よ」

人魚王「察しが良すぎるというのも考え物だな、だがそろそろ始末を付けようではないか」ググッ

赤鬼「ぐおぉ……!」ギリギリギリ

人魚姫『赤ずきん!あんたならなんとか出来るっしょ!マジでなんとかしなきゃ赤鬼やばいよ!』ユサユサ

赤ずきん「赤鬼……あなたの力ではどうやっても逃れられそうにないのね?」ガチャッ

赤鬼「情けねぇ事だが無理だ……流石は鬼退治を可能にする怪力……これ以上はあらがえそうもねぇ…!ここは……一か八か、賭けるしかねぇぞ……」ギリギリギリ

赤ずきん「……」フゥー

人魚王「ほう?何か秘策でもあるのか?見せてみろ、それで私を倒せるというのならな」クハハ


665: ◆oBwZbn5S8kKC 2015/05/17(日)23:08:37 ID:YS4

赤ずきん「赤鬼……あなたの思惑は理解したけれど」ガチャッ

タッタッタッ

髪の短い人魚「あの娘……お父様達の方へ……!お気をつけくださいお父様!」

人魚王「ほう、極限まで近寄って狙いを定めるつもりか?私が持つ『盾』を忘れたか?」グイッ

タッタッタッ

人魚姫『ダメ…!あいつ、赤鬼を盾にして赤ずきんの攻撃をふせぐつもりじゃん…!』

タッタッタッ スタッ

赤ずきん「言っておくけれど、私は納得していないから」ガチャッ

赤鬼「……ああ、だが平気だ。あいつならこの場も何とかしてくれるだろう」

赤ずきん「そのあとが怖いの。痛いわよ、我慢なさい」スッ

ズダーン

赤鬼「ぐっ……っ!」ドサァー

人魚姫『赤ずきん!?ちょ、なんで赤鬼撃ってんの!?』

人魚王「ほう、仲間が殺されるならば…苦しまぬようせめてとどめは自分でという事か?」


666: ◆oBwZbn5S8kKC 2015/05/17(日)23:11:21 ID:YS4

赤鬼「……」ドサッ

人魚王「気を失ったか……まぁいい、これで私に楯突くことも無かろう。次は貴様だ、ずきんの娘よ」

赤ずきん「離れるわよ、人魚姫。今のあなたは人間だから、危険よ」タッタッタッ

人魚姫『それってどういう…?ってそうじゃないじゃん!なんで赤鬼を……』

赤ずきん「いいから、逃げるのよ。今は出来るだけ赤鬼から距離をとっておきなさい」タッタッタッ

人魚姫『赤鬼?はっ?追いかけてくるのは親父のほうっしょ?』タッタッタッ

人魚王「逃がさぬ、真実を知るものは一人としてこの海岸から逃さん。そして私の兵器よ、貴様を守るものは消えた。おとなしく我が手に戻れ」

人魚姫『……』

人魚姫『……ごめん、やっぱ駄目だ。我慢できないっしょ…!なんであいつが悪いのに逃げるのかわかんないし、聞こえなくても怒鳴ってやりたい事もあるしさ』スッ

赤ずきん「人魚姫…!」

人魚王「ほう、観念したか?」

人魚姫『うっさい!あんたが自分の目的のために人魚を殺さなかったら……人間に対する憎しみを植え付けなかったら、きっと人魚と人間は仲良くできてたんだよ!』

人魚姫『姉ちゃん達が人間を殺す必要も無かった!きっとたくさんの人魚は大勢の人間と共存できて…協力してどっちの種族も幸せで、船が沈むこともなくて、王子が苦労する必要もなくて…!』

人魚姫『私は…歌声にも家柄にも縛られず、王子と恋をすることだって出来たはず!自分の声で気持ちを伝えることだってできたはずなんだ!』

人魚姫『あんたは人魚の幸せのためなんて言ってるけど、ただの押し付けじゃん!あんたが居なけりゃ…人魚はもっと広い世界をみれたのに!』


人魚王「……学習せぬ兵器よ。自分は危害を加えられるとでも思っているのだろうが……歌声さえ響かせられればあとはどうなろうが構わぬのだぞ?」


667: ◆oBwZbn5S8kKC 2015/05/17(日)23:14:23 ID:YS4

人魚姫『やってみろっての!あんたの思う通りにはもうさせないんだからね!』

人魚王「何を言っているか解らずとも、兵器に楯突かれるのはどうも気分が悪いものだな…喉に影響のない部分から潰しておくか…」

赤ずきん「離れなさい人魚姫!」

人魚姫『……っ!』

人魚王「腕か、足を潰す程度なら歌声に影響はあるまい。だが叫びすぎて喉を枯らせてはつまらない、耐えてみせよ我が兵器よ」スッ

ガシッ

人魚王「なんだ…腕が動かぬ…!背後から押さえつけられているような……!」ハッ


鬼神赤鬼「ようやく外に出られたってぇのに、獲物が人間モドキってんじゃあやる気も出ねぇな」ガシッ


人魚王「貴様さっき気を失ったばかりでは……いや、黒い皮膚……別の個体の鬼か…!」ギリッ

鬼神赤鬼「ったく、青二才が気を失っている間は共存だのなんだの眠てぇ事を言う奴がいねぇと思ったんだがな。小僧といい人魚の娘といい反吐が出る輩が多くて嫌になっちまう」

人魚王「こやつ…我が力を持ってしても腕を微動だにすることができぬ…なんという怪力だ…!貴様等の切り札というわけか!この様な兵器じみた鬼を隠していたとは……」

赤ずきん「……」フゥー

鬼神赤鬼「おい、俺をあいつ等のしもべのように言うんじゃねぇ。モドキと言えど殺すぞ」ギロリ


668: ◆oBwZbn5S8kKC 2015/05/17(日)23:16:21 ID:YS4

ガシッ

鬼神赤鬼「丁度良い、貴様の事は少々気に食わなかったところだ。少し遊んでやる」シュガッ

ガシッ

人魚王「は、速い…!そしてなんだこの腕力は……!!」ウググッ

人魚姫『さっきまで赤鬼を圧倒してたあいつを簡単に捕まえた…!なんなのあれ……赤鬼じゃ、ないよね?』

赤ずきん「……ええ、断じてね。それと、あれは私たちの味方というわけでもないから注意なさい」

人魚王「くっ……もう少しで兵器の奪還に成功する、貴様のような得体の知れない輩に好きにされてたまるか…!」グググッ

鬼神赤鬼「ほう、掴んだ腕を振り払うとは、まだそんな余力があったとはな。その薬はなかなか侮れないようだ。だが……」

人魚王「今度はこちらから行くぞ、鬼よ!赤かろうと黒かろうと鬼は鬼!我が怪力の前に沈め!」シュッ

鬼神赤鬼「自惚れるな。小賢しい呪術で鬼を越えし腕力を手に入れたようだが……」シュバッ

ゴガァ

人魚王「がはっ……!」ゲホォ

鬼神赤鬼「貴様が相手にしているのは神と呼ばれる鬼。対峙することすら恐れ多い行為であると知れ」


669: ◆oBwZbn5S8kKC 2015/05/17(日)23:17:31 ID:YS4

人魚王「なぜだ……あの薬ならば鬼を越えることができるはず……」ボタボタ

シュババ ドゴォ

鬼神赤鬼「貴様の人間を利用するという考えは興味深かったがな、だが鬼神に喧嘩を売るのは感心しねぇな。だが俺はこう見えて寛大だ」ヒュヒュッ

ドゴォ バキィ

鬼神赤鬼「貴様のような雑魚だろうと、喧嘩を売ってきた以上は高値で買い取ってやろう」シュババ

ゴガガガガッ

鬼神赤鬼「買値は…そうだな、貴様の四肢を潰すというのはでどうだ?」

バキッ ゴシャァ

人魚王「げふぁ…ハァハァ……ゼェゼェ……」

人魚王(手も足も出ぬ……もはや、声も……)

人魚王(何故だ……私は間違っていない。国を守るため、民を守るため……私はなんだって利用してきた)

人魚王(それが……何故、こんな所で……!私は……!)

人魚王(……)

人魚王(私は間違っていない。私は……正しいのだ!私こそ正しき王の姿なのだ…!)

・・・
・・


670: ◆oBwZbn5S8kKC 2015/05/17(日)23:21:33 ID:YS4

人魚姫の世界 ずっと昔 海底 珊瑚で出来た王宮

若き日の人魚王(以下、人魚王子)「……また、南北の海域で対立か」フゥー

側近「はい…北の海域の人魚と南の海域の人魚での争いは収まりそうにありません」

人魚王子「同じ国民だというのに、同じ人魚だというのに住む海域が違うだけでなぜこうも争いが無くならないのだ…!」

側近「海は広いですからね、海域によって環境も文化も違います。始まりはきっとそんな些細なことでしょうが……」

人魚王子「だがもはや無視できる規模ではない……国王は見て見ぬ振りをする始末。私が争いを無くさねば……」

側近「人魚王子様……」

人魚王子「私はゆくゆくは王になる男、この国の民の幸せは私が叶えるべきものだ。なんとしても、どんな事をしてでも平和な国を手に入れる!」


671: ◆oBwZbn5S8kKC 2015/05/17(日)23:24:53 ID:YS4

・・・

ワーワー ざわざわ ワーワー

人魚王子「……何故だ……何故、人魚同士の争いが絶えない……」ブツブツ

側近「王子……」

人魚王子「お互いに罵り傷つけあうこんな事になんの意味がある……我々人魚はもっと平和に暮らせるはずだ……何故、何故だ……なぜ争いが……何故平和な世界が訪れない……」ブツブツ

人魚王子「なりふり構っていられない、なんとかせねば……なんとかせねば……何を捨ててでも……」ブツブツ

側近「種族を同じくしても心が離れているのでしょう……なにか、南北の人魚の心を一つにする手段があれば……」

人魚王子「心を一つにする手段……心を一つに……例えば同じ目標、同じ願い……同じ敵……」ブツブツ

側近「お、王子?」

人魚王子「ある……あるぞ!人魚同士の争いを無くす策が……」

側近「……と言いますとどのような?」

人魚王子「陸に住むという人間を利用するんだ。あいつらが人魚を襲ったという情報を流布しろ、共通の敵を持てば人魚はきっと団結できる」

側近「し、しかし、実際の被害もないというのに…」

人魚王子「私が殺す。手頃な人魚を数人な……そうだな、人間が人魚を襲うのは不老不死に効果があるという噂を信じているという事にしろ、いいな」

側近「……」


672: ◆oBwZbn5S8kKC 2015/05/17(日)23:27:24 ID:YS4

・・・
・・


「人間は人魚を襲う極悪種族だ!」

「もう何日も帰ってこないうちの娘も人間に襲われたに違いない!」

「人間を許すな!人魚同士団結して奴等を殺せ!」

「殺せ!殺せ!人間を許すな!」



人魚王子「どうやら、うまく言っているようだ。何人かの人魚を殺すだけでこれほどの成果が生まれるとは…!素晴らしい!やはり何かを得るには代償が必要……!あれだけの人魚を犠牲にしただけでこの結果はすばらしい」

側近「しかし……これはあまりにも……」

人魚王子「我が国が平和に一歩近づいたのだ、喜べ」

側近「……」

人魚王「だが襲われる人魚が居なくなってはまた争いが起きるかも知れないからな……口止めを兼ねて貴様には我が国の礎になって貰おう」スラッ

側近「……っ!」

ズブリッ


673: ◆oBwZbn5S8kKC 2015/05/17(日)23:34:55 ID:YS4

人魚王子「邪魔なものは消し、利用できるものは利用する……全ては国の繁栄、国民の幸せの為だ…!フハハハハ!」

・・・

それから時は流れ 十数年前

・・・

部下「国王様!六人目のお子さま、無事に生まれたようです!おめでとうございます!」

人魚王「当然……女だな?」

部下「えっ、はい、かわいらしい姫様です!よくお泣きになって母子ともに…」

人魚王「そのような事はどうでも良い。王族の娘ならば歌声を持っているだろう、その特性を教えろ。産婆は産声から判断できるのだ、当然伝え聞いているな?」

部下「は、はい!確か、人間を操れる歌声であると……産婆もこのような歌声は初めてだと……」

人魚王「……ほう、次の兵器は人間を操れると……!」ガタッ

人魚王「遂に、遂に手に入れた!この兵器が育てば……人間共を消し去れば領土の拡大が出来る、更なる繁栄が約束される!」フハハハハ


674: ◆oBwZbn5S8kKC 2015/05/17(日)23:48:05 ID:YS4

そして現在

・・・
・・


人魚王「……たしは……ない……」

鬼神赤鬼「あぁ?なんだって?聞こえねぇぞ?」

人魚王「私は間違ってなどいない……!」

人魚王「実際、私の策で人魚は団結し平和は手に入ったのだ!これ以上に何がある!人間を憎んで何の問題がある!」

人魚王「共存?笑わせるな、同じ種族ですらいさかいが起きるというのに別の種族と共存だと?」

人魚王「全く持って不可能だ!つまり、私の策は……私の王としての行動は間違ってなど……」

シュッ ドゴォ

人魚王「げは……っ!」ドサッ


鬼神赤鬼「共存が馬鹿馬鹿しいというのには同意だがな……貴様の行動が正しいか間違ってたかなんざでかい声で喚くもんじゃねぇだろうが、そんなこと喚く時点で自分自身どこか納得してねぇんだろ」

鬼神赤鬼「正しいと思うなら黙って進んでりゃあいいだろうが。もっとも俺には貴様の王としての行動など興味がないがな」


675: ◆oBwZbn5S8kKC 2015/05/17(日)23:53:02 ID:YS4

今日はここまでです。いつもレスサンクス

曜日の目安はあれど基本出来たら投稿って感じです
先週は忙しくて遅くなったけどもう佳境だし頑張る

人魚姫編、次回に続きます


676: 名無しさん@おーぷん 2015/05/17(日)23:53:41 ID:fBc

乙です
鬼神さんかっけえ・・・


678: 名無しさん@おーぷん 2015/05/18(月)15:32:48 ID:kA8

乙!
人魚王をなんとかできて鬼神は厄介だなあ


687: 名無しさん@おーぷん 2015/05/24(日)06:43:36 ID:5jk

鬼神さん急に流暢に喋るようになったなwwwカッコいいから良いケドwww




次の話
人魚姫編6


キモオタ「ティンカーベル殿!おとぎ話の世界に行きますぞwww」六冊目
http://hayabusa.open2ch.net/test/read.cgi/news4vip/1424001836/
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