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人魚姫編4(キモオタ「ティンカーベル殿!おとぎ話の世界に行きますぞwww」六冊目)

シリーズ
キモオタとティンクの旅立ち編
シンデレラ編
裸の王様編
泣いた赤鬼編
マッチ売りの少女編
桃太郎編
○○○○○○とアラビアンナイト編
人魚姫編1
人魚姫編2
人魚姫編3
人魚姫編4
人魚姫編5
人魚姫編6
人魚姫編7






420: ◆oBwZbn5S8kKC 2015/04/12(日)23:09:46 ID:vO0

王子「あれは我が国所有の船、被害が抑えられて本当に良かった。死人でも出れば我が国の沽券に関わるからな、本当に助かったよ」

赤鬼「いえ、役人の方々の迅速な対応があったからです……申し遅れました、私は赤鬼と申す者。こちらが赤ずきんと…我々と旅をしている姫です」

赤ずきん「…赤ずきんです」ペコッ

王子「赤鬼と赤ずきんか、私と話すときは楽にしてくれて構わないよ。そして、そちらの美しい娘さんが……?」

人魚姫『あたしは人魚姫。よろしくー!っていうか王子、思ったより元気そうじゃん!大きな怪我無くて良かったねマジで』ニヘラー

───

王子視点

人魚姫「……」ニコニコ

───

王子「……?彼女は、私に何か伝えたいのかな?」

421: ◆oBwZbn5S8kKC 2015/04/12(日)23:13:12 ID:vO0

人魚姫『あれ?……って、そっか。王子には声聞こえないんだっけ。じゃあ赤鬼、伝えてもらっちゃっていい?』

赤鬼「おう。ええっとだな…姫は声が出せない病を患っているんだ。元気そうで良かったですと言いたいみたいだな」

人魚姫 コクコク

王子「なんと、そのような病を……では苦労も多いだろう、困ったことがあれば私を頼るといい。君たちは私達の恩人だ、なんでも言ってくれ」ニッ

人魚姫『赤ずきん!聞いた?何でも言っていいってさ!あたしが「好きだから彼氏になって欲しい」って言ってるって伝えてくれない!?』バッ

赤ずきん「……そういうことは伝言だとしても口にするものじゃないのよ。それに何でもってそういう意味じゃないと思うわよ?どうしても伝えたいなら赤鬼に頼んで頂戴」

赤鬼「お前、オイラに振るんじゃあない……勘弁してくれ」

人魚姫『えー?二人とも固すぎるっしょ!じゃあさ、それはまたでいいからこれは伝えてよ「王子を助けたのはあたしだよ」って事』


422: ◆oBwZbn5S8kKC 2015/04/12(日)23:15:16 ID:vO0

赤ずきん「……そうね」

赤鬼「うむ、それはだな……なんというか、あれだ」

赤ずきん「……」

人魚姫『えっ?なになに?どーしたわけ?なんか都合悪いわけ?』

赤鬼「なぁ、赤ずきん……わかってはいたがマズいぞ。本来のおとぎ話【人魚姫】だと声を失った人魚姫は王子に自分が助けたと伝えるすべがない。だから自分が王子を助けたという真実が伝えられず、失恋した」ヒソヒソ

赤鬼「だが、オイラ達が干渉したせいで伝える手段ができちまってる…さっきみたいにオイラ達を伝言役に使えばいいんだからな」ヒソヒソ

赤ずきん「それでも……どうにかやり過ごすしかないじゃない。人魚姫が王子を助けたって伝えて二人が結ばれたら、このおとぎ話は本来の結末を迎えなくなる」ヒソヒソ

赤ずきん「本来は結ばれることがない二人が結ばれたら『失恋した人魚姫は泡になって消える』という状況にならない、それだとこのおとぎ話が消滅してしまうもの……」ヒソヒソ


423: ◆oBwZbn5S8kKC 2015/04/12(日)23:16:05 ID:vO0

赤鬼「むむ…友人の恋路を応援できないってのは…辛いが…」ヒソヒソ

赤ずきん「……仕方がないわよ、うまく誤魔化しましょう」ヒソヒソ

王子「なにを二人でヒソヒソと話しているんだい?姫は何と?何か伝えたようだが」

赤ずきん「いいえ、何でもないのよ。ところで……王子は海岸に打ち上げられているところを救助されたのだったかしら?」

王子「ああ、そのようだ。情けないが溺れて気を失っていてね……」

王子「そこを通りかかった優しい少女が助けてくれたんだ。ちょうどいい、君たちにも紹介しておこう」

赤鬼「紹介しておこうって……今、城にいるのか?」

王子「助けてくれたお礼に城の一室を貸しているんだ。まるで妹のように私によく懐いてくれてね、さっきもこの部屋の様子をしきりに気にしていたよ」ハハハッ

赤ずきん「通りがかった娘が現れるのはもっと先のはず……」ボソッ

王子「きっとまだ部屋の外にいるよ。さぁ、客人に挨拶しておくんだ。入っておいで、ドロシー」

ガチャッ


424: ◆oBwZbn5S8kKC 2015/04/12(日)23:18:51 ID:vO0

ドロシー「ぱんぱかぱーん♪ごしょーかいにあずかりましたドロシーちゃんでーす!」パンパカパーン


ゾクッ


赤ずきん「なん……ですって……?」

赤鬼「おい、どう言うことだ……!」

人魚姫『えっ?なになに?どうしたの?あの娘、二人の知り合いなわけ?』

王子「さぁドロシー、我が国の恩人たちを紹介するよ。一番背の高い彼が赤鬼だ。そしてずきんの娘が……」

ドロシー「あぁ王子、わざわざ紹介しなくても大丈夫だよん?あれだよ、部屋の外から聞き耳立ててたから」ニヤニヤ

王子「そうかい?君と赤ずきんや姫は歳もそんなに離れていないだろう、折角だからみんなと仲良くするんだよ?」ナデナデ

ドロシー「はいはーい!わっかりましたー♪」ヘラヘラ

ガチャッ

兵士「失礼します!国王様が到着なさいました!まもなくこちらへ向かわれるとの事!」ビシッ

王子「そうか、では私は出迎えに参る。皆はここで待っていてくれ」スッ


425: ◆oBwZbn5S8kKC 2015/04/12(日)23:21:11 ID:vO0

赤ずきん「なんで、あんたがこの世界にいるのかしら?」キッ

ドロシー「ふふっ、行きたいところにはどこだって行くのがドロシーちゃんスタイルなのですよ。私にはこの魔法の靴があるからねー」ニヤニヤ

赤ずきん「王子に近づいて何を考えているの……?今度はこの世界を消すつもり?」ギリッ

ドロシー「クスクス、そんな怖い顔しないでよー?ねぇ、王子がさっきなんて言ってたか聞いたよね?仲良くしようよ!私達はおとぎ話の主人公だっていう共通点があるんだしさ」ヘラヘラ

赤ずきん「あんたは私の大切な人たちの仇よ、あんたなんかと仲良くするもんですか…!」キッ

ドロシー「そっかぁ、駄目かぁ……私はね、実は赤ずきんには仲間意識感じてるんだよ?だってさ私のおとぎ話【オズの魔法使い】も消滅しちゃってるの。わかるよー?自分のおとぎ話がなくなっちゃうのって辛いよね?」ションボリ

赤ずきん「……白々しいこと言わないで、誰が私のおとぎ話を壊したのよ…!」ギリッ

赤鬼「……もしかして、お前のおとぎ話も誰かに意図的に消されちまったのか?」

ドロシー「そうだよー、だから同じ境遇の赤ずきんと仲良くなりたかったんだ……でも嫌われちゃったよ、ふぇぇぇ」ポロポロ

人魚姫『ちょ、あの子泣いてんじゃん…何があったかしんないけどさ、赤ずきん友達になったげなよ』

赤ずきん「……いいえ、騙されないで人魚姫」

赤鬼「うむ、でもなぁ、あいつがやってきたことは許せねぇが……ドロシー、お前も辛い思いをしているんだな……」



ドロシー「……プッ…くくっ……あははっ!なんつってね!赤鬼はすぐに同情してくれるから騙しがいがあっておもしろいよ!あはははっ」バンバン


426: ◆oBwZbn5S8kKC 2015/04/12(日)23:23:34 ID:vO0

赤鬼「……っ!嘘泣き……!」

人魚姫『可哀想だと思ったらとんでもない子じゃん!チョー嫌な感じなんだけど!』イライラ

赤ずきん「…分かり切っていたことでしょう?あなた達は優しすぎるの、あいつがしてきたことに同情の余地なんてないのよ」

ドロシー「まーまー全部が全部ウソじゃないから許してよん♪【オズの魔法使い】が消滅してんのは本当だもんねー。まぁ、私が自分でブチ壊したんだけどさ!」ゲラゲラ

赤鬼「自分で自分のおとぎ話を消しちまったっていうのか…!?」

ドロシー「そうそう、くっだらないおとぎ話だったからね!オズに頼んで欲しいもの貰うためにブリキとライオンとカカシと頑張って旅したってのにさぁ、唯一の希望だったオズが魔法使いじゃなくてただの詐欺師だったんだよ?」

ドロシー「私、すごく頭来てさぁー…だって私と親友を騙しやがったんだよあのオッサン。だからボコボコに蹴り殺してやったらおとぎ話も消えちゃった!クスクス、まぁあんな奴に頼らず、あたし達は欲しいものを探し出すから良いけどね!」ヘラヘラ

ドロシー「でさ、おとぎ話の主人公とか言ってもさぁ、良い事なんて一つもないよね!嫌な目に遭ってばかりだよ。確か、言いつけ守らずに寄り道したせいでおばあちゃんとセットで狼に食べられた馬鹿な子のおとぎ話があったよね?ああ、あれは自業自得か!」ヘラヘラ

赤ずきん「……ええ、そうね。自業自得だと私も思う。でもあんたみたいな悪人に言われる筋合いはないわ。答えなさい、あんたは何をするためにここの世界にいるのか」ギロッ

ドロシー「だからさぁ、おとぎ話の主人公は嫌な目に遭ってばかりだって言ったでしょ?赤鬼だって親友と二度と会えなくなったし、人魚姫だって泡になって消えちゃう訳じゃん?」

人魚姫「はっ?なんでそんな事知って…っていうか泡になんかならないし!」イラッ

ドロシー「だからさ、私は可哀想な人魚姫に幸せになって貰おうと思ってこの世界に来たんだよ」ニヤニヤ

赤ずきん「幸せになって貰う為、ですって…?」ハッ


427: ◆oBwZbn5S8kKC 2015/04/12(日)23:25:28 ID:vO0

赤ずきん「……っ!赤鬼、あいつを捕まえてここを出ましょう……!」

赤鬼「ど、どうしたいきなり?」

赤ずきん「躊躇無くおとぎ話を消す奴が、人魚姫を幸せにするって口にしたのよ?私たちにはそれがどう言うことかわかるでしょう!」ダッ

赤鬼「……ああ、わかるぞ!そうさせちゃあマズいな!」ダッ

人魚姫『えっ?なになに?急にどうしたっての!?』

ガチャッ

王子「皆の者、待たせたね。国王の支度が整った。もうまもなくこちらに……」

ドロシー「王子王子!私、王子に言ってないことがあるんだよ、聞いて聞いてー!」ピョンピョン ギュー

王子「何だ、抱きついてきたりしてご機嫌だねドロシー。赤ずきん達と友達になれたのかい?」ハハッ

ドロシー「そういうんじゃなくてさ!今思い出したけど、昨日王子を海岸で見つけたときに海の中へ消えていく人影を見つけたんだ。きっと泳いで王子を海岸まで運んでくれたんだと思うんだよね!その人!」

王子「本当かい?それならその人こそ私の命を救ってくれた一番の恩人だな……是非礼をしたいが……」

赤ずきん「ドロシー!やめなさいっ…!」バッ

ヒョイ

ドロシー「でね王子!こっからがすごいとこ!その王子を助けてくれた女の人、なんとそこにいるお姫様なんだよ!私も王子を助けたけど……」



ドロシー「溺れていた王子を海岸まで運んでくれた王子の命の恩人はそのお姫様。そうだよねっ?お姫様?」ニヤニヤ


428: ◆oBwZbn5S8kKC 2015/04/12(日)23:28:12 ID:vO0

赤ずきん「……っ!」

赤鬼「マズいぞ…」ボソッ

王子「姫、それは…本当なのかい?でも確かにあの場に船で居合わせた赤鬼達と一緒にいたであろう君なら、溺れていた私を海岸まで運んだという事も可能だね。どうなんだい?」

人魚姫『そう!そうだよ!あたしが王子を助けて海岸まで運んだんだ!…よかった、ちゃんと王子に伝えられた…!』コクコクコク

王子「頷き…肯定と解釈していいんだね?そうか、君が私の命の恩人というわけだったんだな。気がつかなくて済まなかった」ペコッ

ドロシー「それにね、ドロシーちゃんの見立てによりますとー…ズバリ!お姫様は王子に恋してる!そうでしょ?もう好きだって言っちゃおうよお姫様!」ヘラヘラ グイグイ

赤ずきん「ドロシー!いい加減に…!」キッ

ドロシー「あれぇ?友達の幸せを邪魔すんの?」ニヤニヤ

赤ずきん「……っ!」

王子「こらこら、ドロシーからかうんじゃない。そんなデマカセを言っては姫も迷惑じゃないか。すまない、姫…気分を害しただろう」

人魚姫 フルフル

人魚姫『そんなこと無いって、むしろきっかけを作ってくれて感謝しなきゃね』ニヘラ

人魚姫『あたしは王子のことが好き、大好き。だから、王子の彼女になってずっと側にいたい』ニコニコ


429: ◆oBwZbn5S8kKC 2015/04/12(日)23:30:41 ID:vO0

王子「赤ずきん、姫は何と…?」

赤ずきん「……」クッ

人魚姫『赤ずきん、マジでお願い。これだけは、あたしの気持ちだけは王子に伝えて欲しいんだ。伝言、頼めない?』

ドロシー「ほらぁ、あんたには姫の気持ちが分かるんでしょ?気持ちを代弁してあげなきゃ、友達でしょ?」クスクス

赤ずきん(やられた。言えるわけ無いじゃない、伝えればきっと王子と人魚姫は結ばれる。おとぎ話が消えていくのを見るのはもう……)ギリッ


赤鬼「王子、姫は…王子のことを好きだと言っている。恋仲になってずっと側にいて欲しいと。そうだな?」

人魚姫 コクコク

赤ずきん「赤鬼…っ!どうして!?」

赤鬼「これ以上は不振がられる。ドロシーの発言を許しちまったオイラ達の負けだ、もう誤魔化しきれない……ドロシーが誘導してる以上、この結果は避けられない。もう次の手を考えるしかないだろう」ボソッ

赤ずきん「……くっ」

ドロシー「ほらほら!王子はどうなの?姫は頑張って気持ちを伝えようとしたんだから、女の子に告白させておいて無碍にしちゃ王子どころか男として失格だよ?」クスクス

王子「そうだね。姫、まずは今一度謝っておこう。君が助けてくれたとも知らずにいた事を。君は海へ飛び込んでまで見ず知らずの私を救ってくれたんだ、君の美しさはその容姿だけではないことはよくわかったよ」


王子「私から、改めて交際を申し込ませていただきたい。心美しき姫よ、私の側にいてくれないか、そして一生を共にする伴侶となって欲しい」


430: ◆oBwZbn5S8kKC 2015/04/12(日)23:33:31 ID:vO0

王子「この申し出、受けてくれるかい?」

人魚姫『もちろん…!王子と恋人同士になれるなんて夢みたい、でもこれはマジで夢じゃない!そうでしょ?赤ずきん!赤鬼!』コクコクコク

赤鬼「おう……良かったじゃねぇか人魚姫」ニッ

赤ずきん「……そうね」

ドロシー「そうだよねー、赤ずきん!私も二人を結ぶキューピッドになれて嬉しいよ」ヘラヘラ


ガチャッ バターン


国王「いやはや!話は聞かせて貰ったぞ!いや、その前に待たせて済まなかった!客人よ!」ゼェゼェ

王子「父上!お待ちしておりました、唐突ではあるのですが実は……」

国王「みなまで言わずともこの目でしかと見た!我が息子が立派な男となった所をな…この娘さんがお前を助けてくれた恩人なのだな?」

人魚姫 コクコク


431: ◆oBwZbn5S8kKC 2015/04/12(日)23:34:55 ID:vO0

国王「うむ、芯の通った良い目をしている。それに本人同士が決めたことなら他人が口出すことなどできまい」ハハッ

人魚姫 ニコニコ

国王「客人よ、改めて礼を言おう。救助に協力して貰った上に、我が息子に相応しい女性に巡り会わせてくれた。お主達には…」

ドロシー「よかったよかった♪じゃー私は邪魔になったらいけないから部屋に戻ろっと!王子も姫もお幸せに、また後でね王子!」ヘラヘラ

スタスタ

赤ずきん「待ちなさいドロシー!あんたにはまだ話があるのよ!」タッタッタ

赤鬼「お、おい!赤ずきん!…国王に王子すまん、オイラ達はこれで失礼する!」

国王「むむっ!?そりゃあ構わぬが……」

人魚姫『ちょ、赤鬼!あたし喋れないからどっちかに残って貰わないとマジで困るんだけど…!』

赤鬼「すまねぇ!今はあいつをほおっておけねぇんだ!」ダッ

赤鬼(雪の女王のときもだが、あいつは意外とすぐに熱くなっちまうから…一人でドロシーの相手なんかさせられねぇぞ!?)


432: ◆oBwZbn5S8kKC 2015/04/12(日)23:37:38 ID:vO0

城 廊下

赤鬼「…居た!おい、赤ずきん!」

ドロシー「やっと来たよ、遅いじゃん赤鬼!せっかく気兼ねなく話せるように場所を移してやったんだからさっさと来てよさっさとね」クスクス

赤ずきん「ドロシーあなた…人魚姫の幸せの為なんてよく言えたもんね」ギリッ

赤鬼「ああ、王子と人魚姫が結婚しちまえばおとぎ話は消滅する。結局はお前はそれが目的だったんだろう!」

ドロシー「あったりまえじゃーん!何を今更言ってんのー?人魚姫が不幸になろうが泡になろうが私には関係ないしさ!」ケラケラ

赤ずきん「まだよ……人魚姫が泡になる条件は結婚できなかったとき、王子との結婚が絶望的になったとき。つまり、結婚してしまうまではまだおとぎ話は消えない」

ドロシー「だから?どっちにしろあのままじゃ結婚するでしょ、いい感じだったし!」

赤ずきん「私は諦めていないわよ、このおとぎ話の消滅をくい止めることをね」

ドロシー「それは好きにしたらいいけどさ、状況わかってる?」クスクス

赤鬼「厳しい状況だって言いたいんだろう、だがな…」

ドロシー「あー、違う違う!もっとお前達のメンタルにズカーンってくるタイプの状況じゃん。わかんないならドロシーせんせーが教えてあげようか?」クスクス

赤ずきん「……わかってるわよ、あんたのせいでどんな状況になったかくらい!」ギリッ


433: ◆oBwZbn5S8kKC 2015/04/12(日)23:45:46 ID:vO0

ドロシー「あんた達は人魚姫と友達になったみたいだけど、その友達とこのおとぎ話どっちを優先するのか教えて欲しいなぁ。ねぇ、答えてよ赤ずきんちゃん?」クスクス

赤ずきん「……」ギリッ

ドロシー「だよね!困っちゃうよね!そりゃそうか!人魚姫と王子が結ばれなきゃまだ諦めも付いたかな?結婚できなかった、でも元々の運命だからしかたないよねってなった?」クスクス

ドロシー「でも今は違うんだよね!人魚姫は王子と結ばれてる、恋人同士だよ!うらやましいよねぇ、ドロシーちゃん恋に憧れちゃいそうだよ、だってあんなに幸せそうな顔してたよ人魚姫」クスクス

ドロシー「で、どうすんの?結ばれちゃったからこのままじゃおとぎ話は消えるよ?それでいいじゃん!まぁあんた達の完全敗北だね?あの二人は幸せなまま消滅する世界に巻き込まれて死ぬけどさ!」

赤鬼「お前達は……おとぎ話が消せればそれでいいのか!」

ドロシー「うん、いいよ!それを阻止したいならそっちは頑張ったらいいよ!でもわかるよね?この状況で人魚姫を泡にするにはどうする必要があるかさ!」ヘラヘラ

ドロシー「赤ずきんちゃんには人魚の友達がいます!その娘とはいっぱいお話ししたり一緒にご飯食べたりして楽しく過ごしました!で、その友達は人間に恋をして自分の声を失ってまで彼に会いに行きました!」

ドロシー「素敵なおさげの女の子ドロシーちゃんのおかげでその友達は王子と恋人同士になりました!結婚できそうです!二人は幸せそうです!さぁ、赤ずきんちゃんはどうする?」ヘラヘラ




ドロシー「おとぎ話を救うために、大好きな人と恋人同士になれた人魚姫と王子の仲を引き裂いてあの幸せそうな笑顔を奪っちゃう?そのあと死んじゃうってわかってて、友達の幸せを奪っちゃう?」ニヤニヤ


434: ◆oBwZbn5S8kKC 2015/04/12(日)23:55:53 ID:vO0

赤鬼「……なんでそんな考えができるんだ、お前は俺たちを悩ませるために人魚姫を利用するのか!」

赤ずきん「悪魔…!あんたはなんでそんな事ができるのよ!」

ドロシー「私を罵る前にどうするか考えなくちゃね!もうちょっと時間はあるでしょ、せいぜい二人でよく話し合ったらいいよ」クスクス

ドロシー「もっかい選択肢を明確にしてあげるよ!あんたたちが選べるのは二つのうち一つだけ。このまま幸せそうな人魚姫と過ごして【人魚姫】を消しちゃうルート!」

ドロシー「それか友達を見捨てるどころか、幸せを潰してでもおとぎ話を守るルート!さぁ、選ぼう選ぼう!」ヘラヘラ

赤ずきん「……私は屈さないわよ、あんたなんかに……!」

ドロシー「その方が嬉しいね!楽しみが出来てさ!でもさ、これだけは言っとくよ」

ドロシー「おとぎ話を守ることを優先した場合、人魚姫を死に追いやるのは運命でも魔女でも作者でも現実世界の人間でもない……あんたたちだからね?」



ドロシー「さぁ私に見せてよ!苦労に苦悩を重ねた後、幸せな友達をどん底にたたきつけて殺す、無慈悲なあんたたちの姿をさ」クスクス


435: ◆oBwZbn5S8kKC 2015/04/12(日)23:57:37 ID:vO0

今日はここまでです
ちょっと解りにくいかな?説明不足だったら補足するよ

更新ペースあげたい(願望)

人魚姫編 次回に続きます


437: 名無しさん@おーぷん 2015/04/13(月)12:42:47 ID:8Nd


ドロシーはやろうと思えば海岸で王子殺せたのに、あえて赤コンビに苦渋の決断を迫るとかえぐい


447: ◆oBwZbn5S8kKC 2015/04/17(金)22:06:46 ID:EwW

ドロシー「あっ、ごめんごめん!もう一つ選択肢があったね、全部投げ出して人魚姫もおとぎ話も見捨てて逃げちゃう!それでもいいよ?そのほうが赤ずきんも楽でしょ?」ヘラヘラ

ドロシー「だって【赤ずきん】のおとぎ話からもみんな見捨てて自分1人だけ逃げてきたんだからさ!もうおとぎ話を見捨てることに関してはベテランだもんね!」クスクス

赤ずきん「言わせておけば…!」グッ

ドロシー「あれ?いいの?あんたのマスケットは預けてるんだよね?武器もないのにドロシーちゃんに挑む?いいよ、私は靴を打ち鳴らすだけだから、いつでも相手になったげるよん♪」ニヤニヤ

赤ずきん「マスケットがなければ戦えないとでも思ってる?舐めないで、そのヘラヘラした顔を殴りつけてあげる」ググッ

赤鬼「やめろ!あいつはお前を挑発してんだ!お前だって頭では解ってるんだろう?ドロシーは王子にとっては介抱してくれた恩人なんだ、殴ったりしたら面倒なことになるぞ!」ガバッ

ドロシー「よくわかってんじゃん!あんたに殴られたら私は王子に泣きつくよぉ?いくらあんた達も恩人だって言っても王子は優しいから絶対に私の味方してくれるけど、どうする?」

ドロシー「そしたらどうやって説明する?おとぎ話のこと話してみる?このままじゃこの世界がなくなっちゃうって?そんなの信じてくれるかなー?どーせ子供の言い訳だと思われちゃうよね」クスクス

赤ずきん「くっ……!」

赤鬼「今ドロシーを殴ったらあいつの思うつぼだぞ!あいつがただ【人魚姫】を消したいだけなら昨日海岸で王子の息の根を止めることも出来たはずだ、だがあいつはそれをしなかったんだ。オイラ達を精神的に追いつめるためにだ」

赤鬼「ヘラヘラしちゃあいるが…こっちが思ってる以上に策を練った上で行動をしているんだドロシーは。これ以上、あいつの策に乗っちまったらまずい。最悪、人魚姫もおとぎ話も両方とも救えなくなるかもしれねぇ、だから今は耐えろ!」

赤ずきん「……こんなに近くにいるのに、殴りかかれば届きそうなほど近くにいるのに……」ググッ

赤ずきん「私は家族の仇を討つこともできない…!」ジワッ


448: ◆oBwZbn5S8kKC 2015/04/17(金)22:14:55 ID:EwW

赤ずきん「私はおばあちゃんやママを殺したあいつを見過ごせない、私のおとぎ話…私の世界を消したあいつを…このままほおっておくなんてできないのよ!わかって頂戴、赤鬼!」ワナワナ

赤鬼「熱くなるんじゃない!いいか、ドロシーを殴るのは今じゃねぇ。オイラ達は何のために力を付けようとしているんだ?よく思い出せ。いいか、もう一度言うぞ、あいつを殴るのは今じゃない」

赤鬼「だそうだ、今じゃないだけだ…力を付けて万全な状態で挑んだとき、あいつにお前の感情の全てをぶつけてやれ。だから今は堪えるんだ」

赤鬼「これ以上状況を悪くする必要はないだろ?今はドロシーよりも人魚姫だ。なっ?」

赤ずきん「……」ギリッ

ドロシー「クスクス、その今度がいつか来ればいいけどね?じゃあ私は親友達が待ってるお部屋へ帰りまーす♪また会おうね二人とも!その時は友達を売った感想でも聞こうかな?それじゃーねー」クスクス

タッタッタ

赤鬼「…仇を見過ごすのは悔しかっただろう、だがよく耐えた。ひとまず、あいつは今は手を出してこないだろう」

赤ずきん「……」ドンッ

赤鬼「難題をふっかけられちまったが…今後どうするかは後でじっくりと話そうじゃねぇか。だが今は人魚姫の所へ戻るとしよう、急に部屋を飛び出して心配しているだろうからな」

赤ずきん「……わかったわ、戻りましょう。人魚姫のいる王座の間に」


449: ◆oBwZbn5S8kKC 2015/04/17(金)22:17:45 ID:EwW

王座の間

人魚姫『赤ずきん!どーしたわけ?急に飛び出していってびっくりしたじゃん!』

赤ずきん「……悪かったわ、何でもないのよ」

人魚姫『ふーん?まぁ良いけどさ、っていうか二人がいない間チョー大変だったんだかんね!国王とも王子とも話せないからとりあえずニコニコして凌いだけどさー』ヘラヘラ

王子「赤ずきん…もしや、ドロシーと喧嘩でもしたのかい?彼女は遠慮なく言葉を放つからな、私も初対面でタメ口を聞かれたのはドロシーが初めてだ、だが許してやってくれないか」

赤ずきん「……王子、私は喧嘩なんかしていないから安心して頂戴」

赤鬼「ところで、国王の姿が見えないが?さっきはろくに挨拶もせずに飛び出してしまったからな…一言謝っておきたい」

王子「国王は少し前に出て行かれたよ、入れ違いになったんだろう。元々多忙な方だったが今回の事故で更にスケジュールに余裕がなくなったようだったから」

赤鬼「それは申し訳ないことをしたな、折角予定をあけて貰ったというのに」

王子「気にせずともいい、どうやら国王……いや、父上も姫の事を気に入ってくれたようだ」

人魚姫『国王の話は難しくてよくわかんなかったけどさ、優しそうな人だなってのはわかったよ。あとさ、少しだけどこの国のことも聞けたし』ヘラヘラ

赤鬼「この国のこと…何か話したのか?」


450: ◆oBwZbn5S8kKC 2015/04/17(金)22:20:52 ID:EwW

王子「あぁ、君たちも話には聞いているだろう?この国の港町は昔は大いに栄えていたという話さ」

赤ずきん「ええ、聞いているわ。確か、十年ほど前から急に海難事故が多発して船を出せなくなったのよね」

王子「そうだね、十年近く経過した今でも全くの原因不明さ。一時は国が傾きかけたそうだが、国王が自ら奔走してなんとか国民達が毎食食べていけるまでに経済は回復したけれど」

王子「依然として原因は不明。けれど国は以前のような賑やかな港を取り戻す事を諦めてはいないんだ。造船技術の向上や海域調査……私も主にこの方面で助力している」

赤鬼「ってことは、もしかして昨日の船もそれに関係してるのか?」

王子「そうだね、表向きには私が主催する貴族や王族を招待しての船上パーティ。だが本当の目的は別にあった。私は新たに作った船で安全に海を渡れば国民達に安心感を与えられると思ったんだ」

人魚姫『……でも、姉ちゃんが襲ったから失敗しちゃったんだ。ごめんね、王子…』ションボリ

王子「だが結果は知っての通り、裏目に出てしまったよ。私の見通しが甘かったんだ、逆に国民に不安を与えてしまった…王子としてあるまじき失態だ」

赤ずきん「王子は悪くない、国民のために港を再興したいという思いからの行動だもの。誰も責めたりしないわ」

人魚姫『そうそう!王子はむしろ立派じゃん!ちゃんと国の人たちのこと考えてんだからさ!さすがは私の彼氏だよ』コクコク

赤鬼「そうだ。姫も言っている、王子は国民の事を考えていて立派だとな。さすがは自分の恋人だと誇らしそうにしているぞ」ガハハ

人魚姫『赤鬼!そんなとこまで伝言しなくて良いっての!』ペシペシ

王子「そう言ってもらえるといくらか気が楽だよ。だが、私は諦めてはいないよ。かならずこの港町にかつての栄光を取り戻す!国民達のためにもね」キリッ


451: ◆oBwZbn5S8kKC 2015/04/17(金)22:21:59 ID:EwW

人魚姫『ねぇ、赤ずきん。王子に人魚のことどう思ってるか聞いてくれない?』

赤ずきん「……ええ、わかったわ。ねぇ王子」

王子「どうしたんだい?赤ずきん」

赤ずきん「あなたは人魚についてどう思う?そう姫が聞いているわ」

王子「人魚…というと、あの昔話や伝説で聞く人魚かい?」

赤ずきん「いいえ、実際の人魚よ」

王子「実際の……?」

王子(もしも実際に居たら、ということだろうか?)

王子「そうだなぁ……私は見たことがないけどもしも人魚がいるなら会ってみたいね。それに人魚は海に詳しい、この海難事故の原因も教えてくれるだろうしね」

王子「それに……もし本当にいるのなら協力して貰いたいな、安全に海を渡ることにね。人魚なら海の中の危険や危ない海流にだって対応できる。そのかわりに私たち人間は海では手には入らない物資などを提供する、そんな風に協力しあえたら素敵だね」

赤ずきん「あなたも、協力すべきという考えかしら?」

王子「そうだね、私はそう思うよ。お互いに幸せになれる、そんな素敵なことは他にないだろう?」


452: ◆oBwZbn5S8kKC 2015/04/17(金)22:24:45 ID:EwW

王子「とはいえ、人魚に会ったこともないのにこんな風に考えるのはおかしいかな?」ハハッ

人魚姫『そんなことない!王子、マジでかっこいいよ!そんな風に思ってくれるなんてさ!』ギュー

王子「や、やめないか姫!赤ずきんや赤鬼もいるんだ、急に抱きつくなど…!」ワタワタ

人魚姫『いいじゃん!あたしはさ、ものっすごく嬉しいよ!ちゃんと人間にも優しい人はいる、そしてそれがあたしが好きになった人なんだからさ!』ギューッ

赤鬼「……なんだったら、席を外そうか?」

赤ずきん「……」ジトー

王子「い、いや…二人とも居てくれて構わない」ワタワタ

人魚姫『…赤ずきん、赤鬼。マジで嬉しいよあたし!』ニコニコ

人魚姫『あたしはもう海の底には潜れないし声も出せない…けど王子が夢見る港の復興に協力したい!』

人魚姫『できるなら、人魚と人間の共存だってやっぱり目指したい。王子が…あたしの好きな人もそれを望むなら、あたしはマジ全力で手伝うよ』ニコニコ


453: ◆oBwZbn5S8kKC 2015/04/17(金)22:27:21 ID:EwW

王子「姫、もうそろそろ離れてくれないか…」ワタワタ

人魚姫『嫌だって伝えて!あたしは今、チョー幸せだからさ!』ヘラヘラ

赤鬼「嫌だとさ、王子。もう観念したほうがいいんじゃねぇか?」ガハハ

王子「やむを得ないか……わかった、ただし部屋の中だけだ。兵達に見られては示しが付かないからね」

人魚姫『仕方ないなー、王子は気にしぃだなー』コクコク

王子「どうもこういうのは苦手だ……赤鬼、君の国ではこういうのは普通なのかい?」

赤鬼「いや、人前では無いな。というかこりゃあ国どうこうより姫の性格だ」ガハハ

人魚姫『好きな人に抱きつくのに理由なんていらないっしょ?』ヘラヘラ

ワイワイ

赤ずきん「……」

赤ずきん(人魚姫、嬉しそう……)

赤ずきん(当然ね、ディーヴァの運命からも解放されて王子とも結ばれた。王子は人魚との協力にも前向き。人魚姫にとっては幸せな事ばかり)

赤ずきん(彼女が幸せならもちろん私も嬉しい、けれど…今の私は幸せそうな人魚姫を見るのが辛い)

赤ずきん(彼女の笑顔をまっすぐ見つめることが…私には出来ない)


454: ◆oBwZbn5S8kKC 2015/04/17(金)22:29:38 ID:EwW

赤ずきん(どうしたらいい……?)

赤ずきん(このままだとおとぎ話が消える。それを防ぐなら人魚姫を王子から引き離すことになる…そんなこと)

人魚姫『王子は意外と照れ屋だよねー、チョーうけるよー』 ニコニコ

赤ずきん(……できない)

赤ずきん(だったらどうすべきかしら……人魚姫の幸せを望めばおとぎ話が消える……私はそれも嫌)

赤ずきん(おとぎ話が消える…私の世界【赤ずきん】の時のように……)

──おばあちゃん「別の世界に赤ずきんだけでも逃げるんだ」

──狼「さっき喰ったの、お前の母ちゃんだったかもな」ゲラゲラ

──狩人「強く生きろ。お前の手で悲しみを振り払え」

フラッ

赤ずきん「……っ」ガタッ

人魚姫『赤ずきん!大丈夫!?』

赤鬼「うぉっ!?どうした!?どこか痛いのか?」

赤ずきん「……ただの目眩よ、大丈夫。考え事をしていたら…【赤ずきん】が消えた日のことを鮮明に思い出してしまったの。もう、平気」


455: ◆oBwZbn5S8kKC 2015/04/17(金)22:31:46 ID:EwW

王子「旅の疲れがでたのかな?今日は休むといい。城の客間をお貸ししよう、滞在期間中は是非そこを使ってくれたまえ」

赤ずきん「…そうね、折角だから姫はお城に泊めて貰いなさいな。その方が少しでも王子と一緒にいられるでしょう」

人魚姫『それは嬉しいけどさ、赤ずきん達はどーすんの?一緒に泊めて貰おうよ』

赤ずきん「私は赤鬼と話したいことがあるの、それにもう宿の予約をしているから……そうよね、赤鬼?」

赤鬼「あぁ、王子の好意は受け取らせて貰うが今日は町の宿に宿泊する事にする」

王子「そうかい?ならば止めないけれど……部屋が必要になったらいつでも言ってくれていいんだよ?すぐに支度をさせるから」

赤ずきん「ありがとう、王子。それと姫の事お願いね…あまり食事のマナーとか得意じゃないから大目に見てあげて頂戴」

人魚姫『残念なんですけどー、赤ずきん達と一晩中話できると思ってたんだけどなー?』

赤ずきん「いつだって話くらい出来るわよ。いつだってね……」

人魚姫『…?うん、まぁそれもそだね』

赤鬼「じゃあオイラ達はこれで失礼する。人魚姫、明日また城に来るからそれまで王子達に迷惑かけないようにな」

人魚姫『ちょっと、そんな子供に言うみたいに言わないで欲しいんだけど?人間のマナー分かってなくても空気くらいは読めるよ、だから心配しないでよね』ヘラヘラ

赤ずきん「……」

人魚姫『そんじゃ、また明日ね』ニコニコ

赤ずきん「ええ、また明日」

ガチャッ


457: ◆oBwZbn5S8kKC 2015/04/17(金)22:35:01 ID:EwW

港町 宿の部屋

赤ずきん「……どうしたものかしらね」

赤鬼「……そうだな、困ったことになっちまった」

赤ずきん「…だけど決断しなければいけないわ。私たちはどう動くか」

赤鬼「……おとぎ話を救うか、人魚姫を救うか……どちらにしても失う物がでかすぎる」

赤ずきん「ねぇ、赤鬼は……どう考えているの?」

赤鬼「……そうだな、まずオイラの考えを話そうじゃねぇか」

赤ずきん「えぇ、お願い」

赤鬼「オイラは昨日もお前に話したよな、人魚姫を助けたいと」

赤ずきん「ええ、そう聞いたわ」

赤鬼「今もその気持ちに変化はねぇ。昨日とは状況が変わっちまったが、むしろその気持ちは強くなってる。お前も見ただろう?あの幸せそうな人魚姫を……あいつを悲しませるなんて出来ねぇ」

赤鬼「オイラは人魚姫の好きなように生きさせてやりてぇ、それは何も過ぎた願いじゃねぇと思うんだ」

赤ずきん「人魚姫の幸せを奪いたくない。それは私も一緒、けれど人魚姫の幸せを願えばおとぎ話は消えてしまう…」

赤鬼「それだ、おとぎ話の消滅…」

赤鬼「実はな…オイラは常々考えていたことがあるんだ」

赤ずきん「考えていたこと…?」

赤鬼「ああ、おとぎ話という存在についてだ」


458: ◆oBwZbn5S8kKC 2015/04/17(金)22:36:09 ID:EwW

赤鬼「おまえはどう思ってるんだ?おとぎ話っていう存在を」

赤ずきん「どうって……キモオタの住む現実世界の人間に作られた物語でしょう?」

赤鬼「そうだな、おとぎ話は現実世界の人間に作られた物語。オイラ達はその登場人物」

赤鬼「オイラは鬼に生まれて両親に育てられて、青鬼と親しくなって、金棒を使った武術や薬学を学び、人間との共存を夢見てあの村のはずれに家を構えた」

赤鬼「だが村人から恐れられて…なかなか打ち解けられずにいた。それは紛れなくオイラの人生だとそう思っていた。だがあの世界から旅立った後に道中でお前は教えてくれたな」

赤鬼「オイラ達が生活している世界は…現実世界の人間達が創り出したおとぎ話の世界だと言うこと、そしてオイラはそのひとつ【泣いた赤鬼】の主人公だと言うこと」

赤鬼「オイラが現実だと思っていた世界は別世界の人間によって作った物語に過ぎなかったってわけだ」

赤鬼「人間に恐れられるのも、青鬼が一芝居打ったのも、自分の事を一番考えてくれた親友を失ったことも、それに涙したことも全て最初から決まっていたんだ」

赤ずきん「そうね…私たちは考えて行動し、幸せなときも辛いときもあるごく普通の日常を過ごしているつもりだけど…」

赤鬼「それでもやはりおとぎ話ってのは作りもんだ。オイラ達がどう考えてどう過ごしても結末は決められている」


459: ◆oBwZbn5S8kKC 2015/04/17(金)22:37:38 ID:EwW

赤鬼「その事にオイラはずっと疑問を持っていたんだ。じゃあオイラ達は何のために存在するんだ?結末が決まっている世界を生きるためか?それが例え辛い未来でもか?考えたが納得できる答えは出なかった」

赤ずきん「それは…私にも正しい答えは分からない。けれどキモオタとティンクは【マッチ売りの少女】の世界で一つの答えを出したじゃない」

赤ずきん「おとぎ話は現実世界の子供達を正しく育てるために必要な物語。楽しいおとぎ話は子供達を愉快な気持ちにさせ、悲しいおとぎ話で心を育て、厳しいおとぎ話で教訓を与える」

赤ずきん「【マッチ売りの少女】のマッチ売りも、現実世界の子供達の優しい心を育てるために自分のつらい境遇が役立つならと、自らの運命を受け入れた。そうでしょう?」

赤鬼「それはそれで構わない、オイラの【泣いた赤鬼】が現実世界の子供達の心を打つなら…それは素晴らしいことだ。オイラみたいな過ちを犯して親友と会えなくなるなんて事がなくなるなら、それはオイラも嬉しい」

赤鬼「だが、現実世界の人間にとってはお話の中の出来事に過ぎない事でもオイラ達には現実だ。そうだろう?」

赤ずきん「そうね…つまりこういうことでしょう?」

赤ずきん「現実世界では【シンデレラ】はお姫様になる貧しい娘のおとぎ話。【裸の王様】は愉快な王が恥をかくおとぎ話。【マッチ売りの少女】は可哀想な女の子のおとぎ話。【桃太郎】は勇敢な侍が鬼退治をするおとぎ話……」

赤ずきん「けれど私たちにとってそれはすべて現実。優しくて姉のような王妃がいる世界も、変わり者だけど頼れる国王がいる世界も、友達と一緒に一人の少女の為に過ごした世界も、どこか頼りないけれど根は勇敢な侍がいる世界も……」

赤ずきん「どれも紛れもない現実。どれも語り継がれた物語なんかじゃない、この肌で感じた実際の出来事。あなたもそう言いたいのね?」

赤鬼「そうだ、確かにおとぎ話は現実世界にの人間が子供達のために作ったものかもしれない。だが、その中に生きるオイラ達にとっては全てが現実だ」

赤鬼「人魚姫もそうだ。現実世界の人間にとって【人魚姫】は恋破れて泡になる悲しいおとぎ話だが、オイラ達にとっては作り話でもおとぎ話でもねぇんだ」


赤鬼「親しくなった人魚の娘が、泡になって消える。そんな現実だ」


460: ◆oBwZbn5S8kKC 2015/04/17(金)22:38:57 ID:EwW

赤鬼「おとぎ話の消滅を防ぐことももちろん大事なことだと思うぞ。だがここまでの状況になっちまったら……あいつを不幸にする必要があるくらいならオイラはおとぎ話より人魚姫を選びたい」

赤鬼「あいつがあの幸せな状況から一転して死んじまうのはオイラにとってもあいつにとっても物語じゃなく現実だからだ」

赤鬼「友達が苦しんで悲しみ恋破れ、泡になって死んじまうなら……おとぎ話自体が消えちまってもいいんじゃねぇかと思う」

赤ずきん「……」

赤鬼「おとぎ話か人魚姫かどちらかしか選べないなら、オイラは人魚姫の幸せを選ぶ。そいつが身勝手な選択だとしても…だ」

赤ずきん「私は……私の選択は」

赤ずきん「あなたとは違う。私はおとぎ話か人魚姫かどちらか選ぶなら…」

赤ずきん「おとぎ話を選ぶ」

赤鬼「……」

赤ずきん「…それが非情で薄情な選択だと罵られたとしてもね」


461: ◆oBwZbn5S8kKC 2015/04/17(金)22:42:22 ID:EwW

赤鬼「…お前を罵るつもりなんかねぇさ、だが理由を聞かせてくれ」

赤ずきん「……仮にあなたの選択の通り人魚姫を救ったとしましょう」

赤ずきん「彼女はどうするの?口も利けない足も不自由な人魚姫を旅に同行させられないわ」

赤鬼「【シンデレラ】の魔法使いに相談して新たな世界に暮らして貰う、王子も一緒にだ。ここではないどこかで結ばれる、悪くねぇ未来だと思うぞ」

赤ずきん「そうなるわよね……でも、例え王子が側にいたとしても彼女は辛い思いをするわよ。この世界のことを忘れきれないから」

赤鬼「この世界のことを忘れきれない?そりゃあどういう意味だ?」

赤ずきん「……ある女の子の話をしましょうか」

赤ずきん「その女の子はおとぎ話の主人公だった。けれど元居た世界を失って別の世界を旅することになったの、元の世界から生き残ったのは彼女一人」

赤ずきん「始めその女の子は孤独だった。でも一度家族や友達を全て失ったからもう友達は作らないと決めていた、人付き合いも最小限にするように心掛けていたの。もう家族や友達を失いたくなかったからね」

赤ずきん「でも、ある時…あるおとぎ話で出会った者と仲良くなってしまった。それでもその女の子は深い関係を築かないようにと思っていたの、辛くなるのが分かっているからね…でも無理だった」

赤ずきん「楽しかったのよ。もう孤独じゃなかった、嬉しかった。それまでも親しくなった人は居たけど、彼らはそれよりも特別な存在になった…けれど女の子には気がかりなことがあったの」

赤鬼「……」

赤ずきん「友達との楽しい日々を過ごしていくうちに元居た世界の記憶が少しづつ薄れていることに気が付いたのよ」


462: ◆oBwZbn5S8kKC 2015/04/17(金)22:48:33 ID:EwW

赤ずきん「元の世界は消滅した。そのおとぎ話は現実世界にはもう存在しない」

赤ずきん「別のおとぎ話にならおはなしの内容を知っている人物はいるかもしれないけれど…その世界のことを知っているのは彼女だけ」

赤ずきん「元の世界の空の色を知っているのも、あの村がどんな村でどこのお店のおばさんが優しくて、どこの畑を耕しているおじさんが気むずかしいとか…些細だけど確かにあの世界を作っていたものの記憶が曖昧になってきてる」

赤ずきん「そんな些細なものでもあの世界の記憶が消えかけていることが恐ろしかった。だってそうでしょう?」

赤ずきん「その世界はもうその女の子の記憶にしか存在しない。その女の子が忘れてしまえば……存在どころか記憶も無い、もはや証明できないのよ、その存在を」

赤ずきん「わかるかしら?無くなってしまうのよ」

赤ずきん「ママと一緒に食べた料理の味とか、森のどこどこに綺麗な花畑があるとか、おばあちゃんに教えて貰った村の成り立ちとか」

赤ずきん「大切な物も些細な物も無くなってしまう。もとからそんな世界が存在していなかったかのように」

赤ずきん「今はまだ鮮明に覚えて居ても…そのうち大好きなママやおばあちゃんの笑顔まで忘れてしまうんじゃないかと怯えて、眠れない夜もあった」

赤ずきん「そんな風に…消えてしまった世界に未練が残ってしまう。そしてきっと怯えてしまうわ…大切な物を忘れてしまうんじゃないかってね」

赤ずきん「人魚姫は悪態を付いたりもしていたけど姉のことを『姉ちゃん』って呼んでいる以上…まだ優しいお姉さんの部分も彼女の中には残っている。そんな人たちを残して別の世界へ生き延びたとしても後悔する」

赤ずきん「今を凌いだとしても、人魚姫は辛い思いをしてしまう。この世界を思い出す度に」



赤ずきん「自分のおとぎ話を失うって、そういう事よ」


463: ◆oBwZbn5S8kKC 2015/04/17(金)22:53:26 ID:EwW

赤鬼「たとえ人魚姫を助けても、この世界への未練があいつを苦しめる……そう言いたいんだな」

赤ずきん「そうよ」

赤鬼「……確かにお前の言うとおりかもしれねぇ」

赤ずきん「そうでしょう?だから私たちがするべき事は…」

赤鬼「だが、お前は……赤ずきんはおとぎ話を失っても強く生きてるじゃねぇか?」

赤ずきん「……」

赤鬼「そりゃあ、元の世界を思い出して辛い思いをしたこともあるだろうが…自分と同じ思いをさせないようにと他のおとぎ話を救おうとしてるだろ?すげぇ事じゃねぇか」

赤ずきん「……」

赤鬼「自分のおとぎ話を元に戻すつもりなんか今更無いって言っていたけどよ、そうやって過去を振り払って前を向いて強く生きているじゃねぇか赤ずきんは」

赤ずきん「やめて…」ボソッ

赤鬼「お前は強いよ。おとぎ話を失っても強く生きてる。だからお前と同じように人魚姫だって多少の苦難なんか乗り越えられると思うぞ?」

赤ずきん「……く…ない」プルプル

赤おに「赤ずきん?」

赤ずきん「私は強くなんかない…!」

赤ずきん「強く生きてる?前を向いて生きてる?…そんなこと言わないで、私は……」



赤ずきん「とても、とても弱い…あなたが思ってるような強い女の子じゃないのよ…!」ポロポロ


464: ◆oBwZbn5S8kKC 2015/04/17(金)22:58:25 ID:EwW

赤ずきん「以前少し話したでしょう…私が一人で旅をしていた頃の話」

赤鬼「お、おう……【泣いた赤鬼】の世界へ来る前は一人旅をしてたんだったな」

赤ずきん「想像できる?私みたいな女の子が一人で旅をしていると周りがどう接してくるか…」

赤ずきん「不憫がられるの、何か可哀想な事情があるだろうとね。そのくせまともに相手をしてくれない商人や店も少なくなかったわ」

赤ずきん「さらわれそうになったことも身ぐるみ剥がされそうになったこともあったわね。だから宿に泊まれず野宿をしなければいけないときは一睡も出来なかった」

赤鬼「……」

赤ずきん「だから私は舐められてはいけなかったの。弱いと奪われる、だから弱くても強い振りをしなきゃいけない。人前で泣かない、子供っぽいしゃべり方はしない、大人相手でも怯まない…」

赤ずきん「そうしなきゃ旅なんか出来なかった。だから本当は過去なんか振り払えてない……後悔してばかり、後ろばかり見て歩いてる。【赤ずきん】の世界だって本当は……」ギリッ

赤ずきん「鬼神病にかかったあなたを止められず…鬼に襲われて足を折られて…今回は目の前にいるドロシーを殴ることすら出来ず、挑発されて…だから、私は強くない…!」ポロポロ

赤鬼「お、おい…感情的になるな、気持ちは分かるがそれはなにもお前が悪いわけじゃねぇだろう」

「いいえ、何もかも持っているあなたには分からないわよ…私の欲しい物を何もかも持っているあなたには…」ポロポロ


465: ◆oBwZbn5S8kKC 2015/04/17(金)23:00:00 ID:EwW

赤ずきん「あなたは仲間を守れる丈夫な身体を持ってる、敵を退けるだけの強い腕力もある…」

赤ずきん「外套を羽織っていても周りの人はあなたを一人前として扱ってくれる、子供扱いなんて決してされない…!」

赤ずきん「強靱な身体も強い腕力も私は持っていない…けれど私が強ければ…もっともっと強ければ…なんだって守れた!ママやおばあちゃんだって…人魚姫だって…!」ポロポロ

赤鬼「おい落ち着こう、な?お前の気持ちは分かるが…今はいろんなことがあり過ぎてちょっと興奮してんだ、まず落ち着いてだな…」

赤ずきん「わかるわけない…わかるわけがないじゃない…!」ポロポロ

赤ずきん「あなたは自分の【泣いた赤鬼】を失っていない…自分の世界を失っていないもの…それに鬼のあなたは人間の私よりも遙かに強い…そう、わかるわけがないのよ…」

赤ずきん「だってそうでしょう…あなたは強い鬼で私は弱い人間だもの…」



赤ずきん「あなたに私の気持ちなんか…鬼に人間の気持ちなんかわかるわけないのよ…!わかりあえる訳なんかないのよ…!」ポロポロ


466: ◆oBwZbn5S8kKC 2015/04/17(金)23:08:45 ID:EwW

赤鬼「……っ!」グッ

赤ずきん「……あっ」ポロポロ

赤鬼「……」

赤ずきん「ご、ごめんなさい…違うの…赤鬼、私…!」ポロポロ

赤鬼「…確かにお前の辛さをオイラは分かってやってなかった。大人びた言動をするお前を見て、そんな苦しみを背負っているなんて考えもしなかった…だが」

赤鬼「おまえの気持ちを分かってやりたいと思う気持ちは嘘じゃねぇ…だがお前を傷つけたのは確かだ、すまねぇことをした。許してくれ」

赤ずきん「…違う、あなたは悪くない…悪いのは私よ、だって…!」

赤鬼「わかってるさ、お前はオイラの友達だ。本気で人間と鬼が分かり合えないなんて思っちゃいないんだよな?ちょっと感情的になっちまってつい言っちまっただけだろう」

赤ずきん「でも…私…あなたを傷つけて…!」

赤鬼「なに、オイラは気にしちゃいねぇよ。だが、お前があんな事を言っちまうってのは相当精神的に追いつめられてるからだろうな…」

赤鬼「今日の所は話し合いはここまでだ、今日一日お互い一人で考えをまとめよう。オイラも人魚姫を救った後の考えが甘かったって分かった、もう少し考えをまとめてくる」

ガチャッ

赤ずきん「待って頂戴!私も、私も一緒に…!」

赤鬼「いや、人魚姫の未来がかかった大事なことだ。お互い冷静になるまで少し時間をおこう、また明日に城で落ち合おう」

赤ずきん「……でも」

赤鬼「大丈夫だ、オイラ達は喧嘩してる訳じゃねぇだろ?時間を置いて冷静になって、もう一度話し合おうじゃねぇか。そしたら今まで通りだ。お前は少し疲れてるのさ、何も気にすることはねぇんだ。また明日会おう、な?」ポンポン

赤ずきん「待って頂戴、赤鬼…!」

バタン


467: ◆oBwZbn5S8kKC 2015/04/17(金)23:17:36 ID:EwW

赤ずきん「……私は、私はなんで…!」ポロポロ

赤ずきん「いろんな事がありすぎて…つい感情的になって…でも」

赤ずきん「あれだけは……言っちゃいけなかったのに、鬼と人間が分かり合えないなんて…」

赤ずきん「そんなこと…思っていないのに…八つ当たりで赤鬼に投げかけちゃいけない事なのに…!」ポロポロ


── …だがお前を傷つけたのは確かだ、すまねぇことをした。許してくれ


赤ずきん「違う、悪いのは私。赤鬼を傷つけたのは私の方だ……だから」

赤ずきん「私は、私は赤鬼に優しい言葉をかけて貰う資格なんて……泣く資格なんて無いのに……!」

赤ずきん「……うぐっ……うぅ……うぇぇん……」ポロポロ

・・・
・・


468: ◆oBwZbn5S8kKC 2015/04/17(金)23:19:56 ID:EwW

今日はここまでです レスありがとー!

優しい相手にはつい感情をぶつけてしまう、そして後悔するというね…

人魚姫編 次回に続きます


470: 名無しさん@おーぷん 2015/04/17(金)23:31:25 ID:y45

これは辛いな…
多分今までの話の中で人魚姫編が一番辛いかも


471: 名無しさん@おーぷん 2015/04/18(土)10:49:21 ID:9x4

本当に切なすぎる…
話の世界を取るか、友人を取るかの二択それだけじゃないから、赤ずきんちゃんがとてもとても切ない…
>>1さん更新ありがとうございます!


472: 名無しさん@おーぷん 2015/04/18(土)14:39:48 ID:jFE

人魚姫読んだけどおとぎ話と人魚姫の幸せ
両方とれる道もありそうに見えたよ。

いずれにせよ2人の選択は楽しみ。


493: 名無しさん@おーぷん 2015/04/22(水)19:47:34 ID:YYg

>>1に聞きたいけど1の中では全体としての話しはまとまってる?

前好きだった長編SSの作者が途中で方向性がわからなくなったって言って打ち切りENDになったことがあって。
このシリーズ結構好きだからそうなって欲しくない・・・


>>493
纏まってるよ、オチも決まってる。大丈夫
ただ長いから終わるまでにみんなが飽きなければだけどwww


>>495
>そりゃあドロシーもキレる
うんうん。メタ視点(つまり読者視点)だとまさにそうだよね。
こっちの展開のほうが原作以上に自然っちゃ自然なんだが・・・

ただ、原作のドロシーはオズをあっさり許してしまう。
それを見て、初めて読んだ頃の俺は「えええドロシー怒らないの!?」って
思わずびっくりしちゃったんだけど、それで許せるというのもまた、
原作のドロシーの魅力であり器の大きさなんじゃないかと思うな。


>>530
ゴーテルは実際ちょっと不憫、だからあのキャラにしたんだけどね
原作の王子とラプンツェルの行動も誉められたものじゃないしねぇ…まぁラプンツェルは知らなかっただろうけども


494: 名無しさん@おーぷん 2015/04/22(水)20:53:16 ID:yQ5

普通に考えれば「自分のおとぎ話の世界ですら潰しちゃうドロシーさんマジこええ」って
言いたくなるところだけど、彼女らを騙したオズに腹が立つっていう気持ちは
何となくわからんでもない。
俺もオズの魔法使い読んでて、オズがドロシー達を騙していたことが分かったときには
「何これひでえww」って言いたくなったもん。

実際は魔法が使えないくせに「私は魔法使いだ」とか「魔女を倒してきたら
見返りに願いを叶えてやる」とか出まかせを言うんだから。


>>494
ドロシー視点だと一緒に頑張った友達がまんまと騙されてるからね
そりゃあぶち切れるよね


496: ◆oBwZbn5S8kKC 2015/04/22(水)22:34:27 ID:GfN

雪の女王の世界 雪の女王の宮殿

ビュオオオォォォォ……

ファサッ

雪の女王「やれやれ、出掛けたときに限って急に吹雪かれるとは……今日はついていないな」フゥ

ガチャッ

カイ「遅かったじゃねぇか女王」

雪の女王「ただいま。カイ、良い子にしていたか?」ギューッ

カイ「抱きつくな。それで?用事は済んだのかよ?」

雪の女王「ああ、いくつかのおとぎ話に顔を出してきたんだ。協力して貰うためにね」フフッ

カイ「そうかよ、ならいいけどよ…それよりあんたに客人だぜ、娘が一人。応接間に案内してやったからあとは頼む」

雪の女王「ああ、分かっている。突然彼女の気配を感じたからね…これでも急いで帰ってきたんだ」

カイ「ああ、そういやぁ、あの娘は飲み物いらねぇとか言っていたがどうする?何か持って行くか?」

雪の女王「彼女にはホットミルクを頼む、メープルシロップを多めに入れてやってくれ。私は…コーヒー以外で適当に」

カイ「ああ、後で持って行く…だから早く行ってやれ。事情はしらねぇがひどく落ち込んでたぜ」

雪の女王「そうだな、急ぐとしよう」ファサ

雪の女王「彼女が私の元に訪れるとは余程追いつめられているのだろう……早く話を聞いてやらないとな」スタスタ


497: ◆oBwZbn5S8kKC 2015/04/22(水)22:36:56 ID:GfN

雪の女王の宮殿 応接間

赤ずきん「……」ボーッ

ガチャッ

ファサッ

雪の女王「フフッ、ようこそ私の宮殿へ。よく訪ねてきてくれたね赤ずきん、こんなに早くキミと再会できるとは嬉しいな」フフッ

赤ずきん「急に訪ねたりして悪かったわね……」

雪の女王「気にすることはないさ、今日はどうしたんだ?ただお茶をするために来たわけでもないのだろう?どうやら赤鬼も居ないようだしな」

赤ずきん「ええ、赤鬼は……その……今日は別行動なの」

雪の女王「そうか、それはどうやら君の目が真っ赤に腫れているのと関係があるみたいだな。聞かせて貰おうか、何があった?」

赤ずきん「私たちは【人魚姫】の世界で……どこから話したらいいかしら……」

雪の女王「全て聞かせて貰おう、ゆっくりでいいさ。そのうちカイが温かい飲み物を持ってきてくれる、少しは時間あるんだろう?落ち着いて話すといい、どんなに長い話になっても私は聞いているよ」


498: ◆oBwZbn5S8kKC 2015/04/22(水)22:38:21 ID:GfN

・・・
・・


赤ずきん「それで……──私は……──だから……──」ポツポツ

雪の女王「……ふむ、なるほどな」

ガチャ

カイ「邪魔するぞ、飲み物持ってきたぜ女王」

雪の女王「ああ、すまない。折角だから紹介しておこう、彼は私が預かっている少年カイだ。彼女は赤ずきん、二人とも仲良くするようにな」

カイ「ふーん…あんたが赤ずきんか、この宮殿寒いだろ?あいつの趣味はどうかしてるからな。ほらホットミルクだ、少しは暖まるぜ」コトッ

赤ずきん「えぇ……ありがとう、カイ」

雪の女王「フフッ、どうかしているとは随分だな。それでもシャンデリアの代わりがオーロラというのはシャレているだろう?」フフッ

カイ「どーだかな?ほら女王は熱いの駄目だろ、アイスティーだ」コトッ

カイ「じゃーな、俺は書庫にいるから用事があれば呼んでくれ。気が向いたら手伝ってやるから」

ガチャッ

赤ずきん「彼が、カイ…【雪の女王】の主人公ゲルダの友達であなたがさらってきたという少年ね」

雪の女王「そうだ、今はこの宮殿で私と共に暮らしている。悪魔の鏡の破片が突き刺さっているせいで性格がねじ曲がっているが……良い子だよ、少々口は悪いがな」フフッ


499: ◆oBwZbn5S8kKC 2015/04/22(水)22:39:50 ID:GfN

雪の女王「さて、それはいいとして……君が今話してくれた事が【人魚姫】の世界で起きたこと全てだと言うんだな」

赤ずきん「……ええ、話した通りよ。人魚姫との出会い、ディーヴァの存在、疑問が残る人間と人魚との確執、王子を助けたドロシー……そのあげくに私は赤鬼を傷つけてしまった……」

雪の女王「世界を取るか友人を取るか悩んだ挙げ句別の友人を傷つけてしまい、それでいたたまれなくなってここに来た……か」

赤ずきん「……」

雪の女王「私は構わないが、何故ここに来た?話を聞いて貰うのならキモオタ達の方が適任だろう?そうでなくとも裸の王やシンデレラとも親しいのだろうキミは。彼等なら私よりも優しく接してくれると思うのだが」

赤ずきん「あなたなら……私を叱ってくれると思ったの」

雪の女王「あぁ、そういう事か……」

赤ずきん「彼等ならきっと私を優しく慰めてくれる。けれど私には優しくして貰う資格なんて無いもの……」

雪の女王「フフッ、私が優しくないみたいな言い方だな?」クスクス

赤ずきん「そういう意味ではないわ、あなたには聞きたいこともあったの。ただ、今の私はきっとひどい顔をしているから…彼らに合わす顔がないというのもあるわね」

雪の女王「そうか。だがキミはもう反省しているように見える、私があえて叱責する必要もなさそうだが……」

雪の女王「それでも私が言葉にすることで君の気持ちが引き締まるというのならあえて言うが、やはり話を聞く限りではキミが悪いな」

雪の女王「キミが精神的に追いつめられていていたのは分かるがそれは赤鬼だって同じだ。それで赤鬼に八つ当たりするのはお門違いだ」

赤ずきん「そうね、その通りよ……本当にね……」


500: ◆oBwZbn5S8kKC 2015/04/22(水)22:41:45 ID:GfN

雪の女王「自分の過ちに気が付いて反省している点は認める。だがそれでも吐き出した言葉は無かったことには出来ない。人間と鬼の共存を目指す彼にとってそれを否定する言葉がどれだけ胸を刺すか…キミなら想像できるな?」

赤ずきん「えぇ、きっとひどく傷つけてしまった。絶対に、絶対に口にしてはいけなかったのに」

雪の女王「それも旅を共にしている友人に言われたんだ、その衝撃は計り知れない。赤の他人に言われるよりもずっとだ」

赤ずきん「私……彼の信頼を裏切っちゃったかしら」ボソッ

雪の女王「どうだろうな…?明日会うのならばその時に謝罪の気持ちを伝えなければいけないな。以前と同じ関係でいられるかはわからないがな」

赤ずきん「ええ、必ず謝る……」

雪の女王「そうか、おそらく大丈夫だろう。彼はキミとは違って大人だ、子供の八つ当たりに傷つくことはあっても反省したキミを突き放したりはしないだろう」フフッ

赤ずきん「子供だと言われても今回ばかりは…何も言い返せないわ」


501: ◆oBwZbn5S8kKC 2015/04/22(水)22:42:19 ID:GfN

雪の女王「これに懲りたら今後は注意することだ。」

赤ずきん「……許してくれるといいのだけど」

雪の女王「なんだ、随分と弱腰なのだな?【裸の王様】の世界で私に啖呵を切ったのはどこの娘だったかな?」クスクス

赤ずきん「…余りの子供っぽさに自分で呆れてしまうわ。本当に傷ついているには彼なのにね。私は落ち込んでいてはいけない、しっかりしないと…」ググッ

雪の女王「…しかし、よかったじゃないか赤ずきん」

赤ずきん「よかったって…何がかしら?」

雪の女王「赤鬼のような仲間が側にいる事がだよ。キミが熱くなったら止めてくれる、八つ当たりをすれば受け止めてくれる。キミは彼の存在に大いに救われている筈だ」

赤ずきん「そうね…彼には感謝している。鬼ヶ島でも、ドロシーに挑発されたときも私をいつも助けてくれるから。でもだからこそ…何も出来ない自分が強調されるようで…彼を妬ましく思ったこともあったわ」

赤ずきん「実を言うとね、強くて頼れる彼の側にいることがたまらなく辛いときもあったのよ。自分の弱さを見つめてしまうから……」


502: ◆oBwZbn5S8kKC 2015/04/22(水)22:43:40 ID:GfN

雪の女王「フフッ、彼からしたらキミの事が羨ましくてたまらないだろうに、おかしな話だ」フフッ

赤ずきん「赤鬼が…私の何を羨ましがるのかしら?私は彼とは違って何も持っていないのに」

雪の女王「あくまで私の想像に過ぎないが……キミは人間だ、それは赤鬼がどんなに努力しても手に入らない。赤鬼が人間なら、村人に恐れられることもなかっただろう。身を隠して旅をする必要だってない…人間であることを羨ましく思うこともあったんじゃないか?」

赤ずきん「そんな事……考えたこともなかった」

雪の女王「物事は視点が変わればまるっきり違う物に見えるものさ。それは君たちが悩んでいる事でも一緒だ」

赤ずきん「視点が変われば…違うものに見える…」

雪の女王「そうだ。おとぎ話を選ぶか、人魚姫の命を選ぶかという選択…赤ずきんはおとぎ話を選んだ。それはキミが過去に自分自身のおとぎ話を失っていて、その苦しみを知っているからだ」

赤ずきん「…ええ、私も人魚姫には生きて欲しいけれどあんな苦しい思いはして欲しくない」

雪の女王「一方、赤鬼は人魚姫の命を選んだ。鬼と人魚、種族は違えども二人とも人間と共存したいという気持ちは同じ。赤鬼はきっと人魚姫の姿に自分を重ねているんだろうな」

雪の女王「人間の王子に恋をしてそれが叶った人魚姫。人間の友人を欲してそれが叶った赤鬼…難しく思えた共存への一歩を踏み出して未来に希望が見えてきた。だからこそ同じ境遇の人魚姫を幸せにしてやりたいんだろう」

赤ずきん「それじゃあ……私の選択も彼の選択もどちらも間違っていなくて、正解なんて無いって事になってしまうわよ?」

雪の女王「実際、その通りさ」

赤ずきん「……」

雪の女王「『世界を選ぶか友達を選ぶか』なんて正解の存在しない問題だ。どう感じるかは人それぞれ、正解も不正解もない…模範解答を探そうという方が間違っている」


503: ◆oBwZbn5S8kKC 2015/04/22(水)22:47:12 ID:GfN

赤ずきん「……だったら私達は一体どうすればいいのかしら?いつまでも答えのない問題をただ追いかけているわけにもいかないのに……」

雪の女王「それを決めるのは君たちだ。大方、ドロシーも君たちに答えのない難問を突きつけてひっかき回したいだけだろうな」

赤ずきん「本当に嫌らしい事をする娘よ、悔しいけれど」

雪の女王「では改めて聞くが、キミの選択は変わりないのか?」

赤ずきん「えぇ……私は、それでもやっぱりおとぎ話を選ぶ。人魚姫にあんな辛い思いをさせたくない。いつまでも消えたおとぎ話に未練を残してる私のようにはしたくない」

雪の女王「なるほどな……キミはそれで平気なのか?」

赤ずきん「平気かって……どういう事かしら?」

雪の女王「おとぎ話を守ると言うことは、友人である人魚姫を失うということだぞ?」

赤ずきん「……わかっているわ。私は最善を尽くして、人魚姫がなるべく苦しまないよう悲しまないようにするつもり…楽しい思い出を作ったり人魚姫の願いを叶えたり…」

赤ずきん「そして、私が王子と人魚姫を引き離す、そうして私が彼女に恨まれても仕方ないとも思ってる」

雪の女王「それだとキミが自ら悲しい結末へ物語を進める事になるが……そのことがずっとキミにのし掛かって…その心をへし折ってしまわないか?」

赤ずきん「本当に辛いのは人魚姫だもの、それを選んだことで私が弱音を吐いてはいけないの。平気よ、耐えてみせるわ」

雪の女王「決心が固いことは良いことだが本当に耐えられるか?私にはそうは思えない」

赤ずきん「……どうして、そう思うのかしら?私が子供だから出来ないと思っているの?」

雪の女王「そうじゃない。私は以前、おとぎ話を救った事で苦しみを抱えた少年を見ている」

雪の女王「だから、キミも【人魚姫】を救うことで苦しみや悲しみを背負うんじゃないかと思っているんだ。私の可愛い家族の一人…ヘンゼルがかつてそうだったようにな」


504: ◆oBwZbn5S8kKC 2015/04/22(水)22:48:49 ID:GfN

赤ずきん「それって…もしかしておとぎ話【ヘンゼルとグレーテル】の主人公?」

雪の女王「ああ、そうだ。事情があって彼はしばらく前までこの宮殿に住んでいたんだ。だがある日とある目的で宮殿を後にしたよ、妹のグレーテルと共にね」

赤ずきん「その、おとぎ話を救って…苦しむってどう言うこと?」

雪の女王「ヘンゼルとグレーテルはある日、別のおとぎ話に迷い込んでしまった。そのおとぎ話はある国の民話だ、現実世界で忘れられ始めていて今にも消えてしまいそうな状態だった」

雪の女王「そうとも知らず、ヘンゼル達はそのおとぎ話の主人公の女の子と父親と親しくなった。その女の子の家は貧しくて見知らぬ子供二人を養う余裕など無かったが、その父親はヘンゼル達を家族として向かえてくれた」

雪の女王「そして、その世界でヘンゼルがとった行動が偶然にもそのおとぎ話の消滅を防ぐことになってしまったんだ」

赤ずきん「消滅寸前のおとぎ話を…そうと知らず偶然救ってしまった。結果的に何かの代役をする形になったのかしら?」

雪の女王「その通りだ、彼の行動は些細なことだったが…それがきっかけとなった」

赤ずきん「彼は…ヘンゼルは一体何をしたというの?」

雪の女王「病気の女の子のために盗みを働いた。一掬いの米と一握りのあずき、それだけを地主の倉から盗み出したんだ」


505: ◆oBwZbn5S8kKC 2015/04/22(水)22:49:44 ID:GfN

赤ずきん「そんな小さな盗みでおとぎ話が救われたというの?」

雪の女王「ああ、小さな盗みだがそのおとぎ話では重要な出来事だった。ヘンゼルの行動がきっかけとなって、消えるはずだったおとぎ話は本来の筋へと軌道修正された。そして、そのまま結末へと物語は進んでいった」

雪の女王「途方もない悲しみと理不尽な苦しみが主人公の女の子に襲いかかる、悲しい結末へとね」

赤ずきん「悲しい結末…?それじゃあヘンゼルは…」

雪の女王「悔やんでいたよ、知らなかったとはいえ自らの行動でその女の子を苦しめてしまったとね。自分を責めていた、彼女を苦しめたのは自分だと」

赤ずきん「……」

雪の女王「彼と違ってキミは事情を理解した上でおとぎ話を救うことを選択している。人魚姫を失う決断はキミにとっても苦渋の選択だったと思うが、それでもキミはそれを選んだんだ。キミなりの覚悟もあるのだろうだが…」

雪の女王「…キミは本当に耐えられるか?抱える苦しみが大きすぎて身動きがとれなくならないか?」

赤ずきん「決断した以上は私はその選択に責任を持たなければいけないわ。だから、私は耐えてみせる。耐えなければいけないのよ」

雪の女王「私は、キミが望むのなら今からでもキミの代わりを手配できる。キミの住む所もだ。それでも…こんな辛い選択を強いられても旅を続けると言うんだな?」

赤ずきん「…もちろん。それ以外の答えはないわ」

雪の女王「……いいだろう。もうこの件では私は口を出さない、キミの覚悟というものを見させて貰うことにするよ」フフッ


506: ◆oBwZbn5S8kKC 2015/04/22(水)22:51:36 ID:GfN

赤ずきん「雪の女王、参考までに聞きたいのだけど…あなたならどうするの?私や赤鬼と同じ選択を強いられたら」

雪の女王「おとぎ話【人魚姫】か友人の人魚姫どちらかを選ぶ状況になったら…という事だな?これはあくまで私の視点での考えになる、参考にならないと思うが?」

赤ずきん「聞かせて頂戴、あなたは様々なおとぎ話に協力を求めてくれている。私より何倍も経験を積んでいるもの、是非聞きたいわ」

雪の女王「そうだな…結論を言えば、私はおとぎ話を救う」

赤ずきん「その理由はなんなの?」

雪の女王「簡単だ、人魚姫は泡になって消えても幸せになれる余地があるからだ。泡になった後彼女はやがて空気の精になるのだから」

赤ずきん「空気の精になることは知っているけれど……幸せになれるってどう言うこと?空気の精になってたとしても彼女は人間には見えなくなる、そんなの居ないも同然じゃないの?」

雪の女王「フフッ、子供のキミにはわからないさ」フフッ

赤ずきん「はぐらかさないで、泡になって消えるのに幸せになれるなんてそんな事、信じられないわ」

雪の女王「空気の精は人間には見ることが出来ない。そのあたりの空気に溶け込むように宙をさまようだけだ。しかし空気の精は人間が見える、彼女には周りが見える」

赤ずきん「でも、見えても…触ることも話すことも出来ないなら…意味なんかないんじゃないかしら?」

雪の女王「それでも愛する男の側にいることは出来る。例え永久に恋が叶わなくても、永遠に想いが届かなかったとしても…愛する者の笑顔をずっと近くで見ていられるならそれだけで幸せになれる……そういう恋もあるという事さ」


507: ◆oBwZbn5S8kKC 2015/04/22(水)22:54:08 ID:GfN

赤ずきん「例え実体を失って空気の精になったとしても、王子の側にいられるなら幸せ…という事?」

雪の女王「ああ、そのとおりだ。人魚姫はそれに幸せを感じるだろう。それこそがアスナンが彼女に与えた救いなのだから」

赤ずきん「アスナン…?どちらにしても私にはよくわからないわね……だって言葉を交わすことも触れることすら出来ないのに…本当に人魚姫はそんなことで救われるの?」

雪の女王「わからなくて良いさ、子供のキミには大人の恋愛は少し早いからな」フフッ

赤ずきん「…そうね、でも問題ないわ。いつかは私だって知ることになるでしょうから」ムッ

雪の女王「フフッ、まぁともかくだ…これが私の選択とその理由。もっともこれはあくまで私の考えだ、正解でも不正解でもない」

赤ずきん「参考にはさせて貰うわ。人魚姫が消えてしまうまでに私は出来るだけ彼女を幸せにしてあげたいから」

雪の女王「確か彼女は種族の共存を願っているのだったな?だが人間と人魚の間には不可解な確執がある…そうだったな?」

赤ずきん「ええ、人魚は人間に襲われたと主張していて人間を恨んでいるけれど人間は人魚の存在を知らない、王子ですら知らなかったから王族が隠しているとかではないと思うのだけど…どうもこの矛盾が拭えないの」

雪の女王「そうか、私には事の顛末が想像できたがな。人魚を襲っているのが何者か」フフッ

赤ずきん「……私があなたに話した情報だけでわかったというの?」


508: ◆oBwZbn5S8kKC 2015/04/22(水)22:57:07 ID:GfN

雪の女王「あくまで想像だがな。人魚は人間に襲われていると思っていること、しかし人間は人魚を知らない…その矛盾を解くことが出来れば全ての黒幕を突き止めることは簡単さ、キミにも出来る」

赤ずきん「簡単に言うけれど、あなた……」

雪の女王「人魚を襲っている黒幕が誰か…それが解れば共存の道が開けるかもしれないぞ?だったら人魚姫のためにキミが頑張らなければな」フフッ

赤ずきん「……けれど、結構考えたのよ?自然災害の可能性とか海に未知の怪物が居るとか…いろんな可能性を」

雪の女王「さっきの話ではないが、視点を変えて見ろ。それと先入観には捕らわれないこと」フフッ

赤ずきん「……」

雪の女王「さぁ、今日はもう帰った方がいい。あとは宿に戻ってゆっくりと考えてみると良いさ。赤鬼になんと言って謝るかも考えなければいけないだろう?」

雪の女王「それにあまりここに長く居ると、キミをつい凍り漬けにしてしまいそうだ」クスクス

赤ずきん「……それは嫌ね、おとなしく帰ることにするわ」スクッ

雪の女王「そうしてくれ、まだキミを飾る台座を造っていないんだ」フフッ

赤ずきん「あら、それなら作らない方がいいわよ。作っても無駄になるんだから」

雪の女王「フフッ、また来ると良い。次はキミ好みのうんと苦いコーヒーをご馳走するよ」

赤ずきん「それは楽しみね。それじゃあ私は帰る。それと、雪の女王……ありがとう」

雪の女王「ああ、相談事程度ならいつだって受けてやるさ。そのかわりしっかりとやっている姿を見せてくれよ?私がキミから旅を取り上げなくても良いようにな」クスクス


509: ◆oBwZbn5S8kKC 2015/04/22(水)22:58:43 ID:GfN

雪の女王の宮殿 女王の間

雪の女王「……いつになったらこの騒ぎは収まるのだろうか」フゥ

雪の女王「こんな騒ぎが起きているせいで彼女のような子供が友人を失う事を選択しなければいけない状況になっている。狂っているとしか思えない。子供達はもっと自由に暮らしても良いはずだ…」

雪の女王「そうだろう、アスナン…?」ボソッ

雪の女王「おとぎ話は子供達を苦しめるために存在するものじゃないのだからな……」

コンコンッ

???「女王様ー!ただいま戻りました!入ってよろしいか!?」

雪の女王「ああ、キミか…入って構わないぞ」

ガチャッ

白鳥「デンマークの美しき翼!この白鳥、ただいま任務を終えて帰還しましたー!」スワーン


510: ◆oBwZbn5S8kKC 2015/04/22(水)23:00:51 ID:GfN

雪の女王「相変わらず賑やかだなキミは」クスクス

白鳥「えっ!?やめてくださいよ女王様!『相変わらず美しい翼だなキミは』とか言うのは!当然ですからね、僕が美しいのは!なんたって白鳥ですから!ンナハハハッ!」スワーン

雪の女王「フフッ、それは失礼したな。それで、有事の際に協力して貰えるよう別のおとぎ話に向かって貰ったが…どうだったんだ?協力は得られそうか」

白鳥「バッチリでした!【金太郎】の金太郎さんと【ジャックと豆の木】のジャック君、それと【卑怯なコウモリ】の鳥類一派に協力をお願いして約束してくれました」

雪の女王「成果は上々だな、やはりキミの美しさのおかげか?」クスクス

白鳥「でしょうね!それはそうでしょうね!僕は白鳥ですからね!」スワーン

ブスリッ

白鳥「痛っ!美しい僕に針を突き立てるとか…どういうつもりだよ!?」

???「黙れ。貴様の手柄にしようとするからだ、殆ど私が交渉しただろう。貴様はただ軽口を叩いていただけだ」

雪の女王「あぁ、キミも一緒だな。お疲れさま」フフッ

親指姫「はい、この親指姫。女王様からの任務、一生懸命遂行いたしました。騎士道に恥じぬように!」ニコニコ


511: ◆oBwZbn5S8kKC 2015/04/22(水)23:02:48 ID:GfN

白鳥「女王様の前だと良い子ぶるんだもんなー、縫い針振り回してるだけのどこが騎士道だよ。一寸なんとかっていう奴に憧れてるんだかなんだか知らないけどさー」ブツブツ

親指姫「黙れ!騎士である私を侮辱するならば、この場で八つ裂きにしてくれるっ!」ブスリブスリッ

白鳥「おいやめろ!あんまり刺すと血で羽根が染まっちゃうだろ!僕のチャームポイントは美しい白さなんだよ!チャームポイントは美しい白さなんだよ!」

親指姫「二回言うな!私だけならいざ知れず、一寸法師様まで馬鹿にするとは…!恥を知れ、このアヒル!ナルシスト鳥類!」ブスリブスリッ

白鳥「言ったな!僕は正真正銘の白鳥だ!このエセ女騎士め!このままじゃピンクになっちゃうだろ!……あれっ?ピンクでも僕いけるんじゃね?女王様!ピンクでも美しいかな?どう?」

親指姫「クソッ…ポジティブな馬鹿は相手にしてられない……っ!」クッ

雪の女王「フフッ、君たちにお願いして正解だったよ。しばらくはゆっくり休んでくれ。そして、その後に行って欲しいところがある。頼めるか?」

白鳥「まっかせてください!僕がひとっ飛びいってきますよ!この美しき翼で!」スワーン

親指姫「はいっ!小さくとも女王様のお役には立ちます、なんだって申しつけてください!」

雪の女王「私は少し野暮用がある、だから君たちにはある人物に挨拶をしてきて欲しいんだ、この女王の代理としてね」



雪の女王「キモオタという現実世界の男の所だ。頼めるね?」フフッ


513: ◆oBwZbn5S8kKC 2015/04/22(水)23:06:36 ID:GfN

今日はここまでです

【雪の女王】ざっくり内容
悪魔が作った鏡の破片が刺さって性格悪くなった少年カイ。
主人公ゲルダはカイを取り戻すため旅をします。
目的地はカイを連れ去った雪の女王の宮殿。

このssではゲルダに出番はおそらく無いので
性格悪くなったカイと女王が一緒に暮らしてるって事だけ認識しててください

人魚姫編 次回に続きます


515: 名無しさん@おーぷん 2015/04/22(水)23:25:15 ID:Vb4

おつおつ!親指姫きたー!


518: 名無しさん@おーぷん 2015/04/23(木)00:19:00 ID:DUw

デンマーク読みの重要人物の名前間違ってますよー
もしアナグラムとかでわざとならすみません。

親指姫とティンクが会ったら楽しそう。体のサイズ的な意味で。


>>518
これは恥ずかしい。すいません、普通にミスですね


524: 名無しさん@おーぷん 2015/04/23(木)12:41:40 ID:yop

登場タイトルまとめ

ピーターパン→消滅
シンデレラ→無事
裸の王様→無事
王様の耳はロバの耳→消滅
こびとの靴屋→無事
泣いた赤鬼→無事
赤ずきん→消滅
一寸法師→消滅
かぐや姫→無事
舌切り雀→不明
蛙の王子→無事
石のスープ→無事
わらしべ長者→無事
桃太郎→無事
マッチ売りの少女→無事
眠り姫→無事
人魚姫→赤コンビいまここ
おやゆび姫→無事
幸福な王子→無事
青い鳥→不明
オズの魔法使い→消滅
不思議の国のアリス→無事(ミチルが代役)
ハーメルンの笛吹き男→消滅
狼と七匹のこやぎ→消滅
雪の女王→無事
アラビアンナイト→無事
ラプンツェル→無事
三匹のくま→消滅
三匹のこぶた→不明
船乗りシンドバッドの冒険→無事
アリババと40人の盗賊→無事
ヌレンナハール姫と美しい魔女→無事
アラジンと魔法のランプ→無事(強力な結界有り)
三枚のお札→無事
ヘンゼルとグレーテル→不明
かもとりごんべえ→無事
???(ヘンゼルが救ったおとぎ話)→無事
金太郎→無事
ジャックの豆の木→無事
卑怯なコウモリ→無事
みにくいアヒルの子→不明


525: 名無しさん@おーぷん 2015/04/23(木)12:51:48 ID:yop

乙。アンデルセン童話の主人公キャラが濃い奴ばっかりでワロタwww

でもヘンゼルが救ったおとぎ話が明らかにあの日本の昔ばなしでワロエナイ……


529: 名無しさん@おーぷん 2015/04/23(木)23:04:41 ID:F1k

一寸法師インスパイアの女騎士親指姫とか胸熱
勇ましい女キャラ居なかったなそう言えば


531: 名無しさん@おーぷん 2015/04/24(金)20:57:03 ID:Qgv

ヘンゼルの救ったそのおとぎ話、子供の頃にテレビで見てトラウマになったわ。


532: 名無しさん@おーぷん 2015/04/25(土)19:23:48 ID:cOg

鴨とりごんべえやわらしべ長者みたいな日本のおとぎ話がでるなら俺の地元のしっぺい太郎とかだしてほしいなあ、なんて チラ


>>532
ググったらおもしろそうだったw


534: 名無しさん@おーぷん 2015/04/25(土)23:31:03 ID:sPu

個人的にはキモヲタ一行に人魚姫が加わる展開を期待してる


535: 名無しさん@おーぷん 2015/04/26(日)15:22:10 ID:0rb

赤まんまじゃないか?ヘンゼルが救ったのは。
日本むかしばなしで見て鬱になった思い出。
夜にやるには重い話が結構多かったにほんむかしばなし。


537: 名無しさん@おーぷん 2015/04/26(日)16:27:55 ID:yj6

【キジも鳴かずば】だと思う
知らない人はググると良いと思う
ヘンゼルがどれだけ精神ダメージ受けたかわかるはず


>>535,537
民間伝承だからタイトルはばらつきがあるよね、多分メジャーなタイトルの方で行きます。一応、回想で登場予定なので


540: ◆oBwZbn5S8kKC 2015/04/26(日)22:15:28 ID:pti

人魚姫の世界 宿屋

赤ずきん「もう、十分泣いた。反省もした。落ち込むのはもうおしまい…」スクッ

赤ずきん「私達は前に進まなければいけないもの。雪の女王に話を聞いて貰ったおかげで少しは落ち着いて考えられそう…しっかりしないと」ペチンペチン

赤ずきん「明日には赤鬼に会うんだから今日しっかりと考えなければね、時間はあるように見えるけれど…もたもたはしていられないわ」

赤ずきん「まずは…状況の整理をすべきね。メモに書き出すと……」カキカキ

・ドロシーの干渉で【人魚姫】が消滅の危機
・私の主張は代わらず、おとぎ話を救うこと
・そのためには人魚姫は泡にならざるを得ない
・しかし、赤鬼は(私も可能なら)人魚姫を救いたい
・私が赤鬼を傷つけたことをちゃんと謝る

赤ずきん「それに加えて…雪の女王の言っていたこれね」

・人魚と人間の確執。人魚を襲ったのは誰か?(雪の女王は犯人が分かった?)

赤ずきん「…うん、こんなところね。これについて…女王が言っていたように違う視点から洗い出してみましょう」


541: ◆oBwZbn5S8kKC 2015/04/26(日)22:17:35 ID:pti

赤ずきん「……」ウーン

赤ずきん「……おとぎ話を救った上で人魚姫を救う方法、私と赤鬼の意見を両立するためには代役を立てるしかないけれど…それで人魚姫以外の誰かを泡にして消すのは間違っているし、赤鬼も納得しないでしょうね」

赤ずきん「かといって他に方法も思いつかない…それならまずは答えが出せそうなことから考えてみようかしら」

赤ずきん「確か…雪の女王は人魚を襲った犯人が解ったと言っていたわね。あくまで想像だとは言っていたけれど…私ももう一度よく考えてみましょうか」カキカキ

赤ずきん「視点を変えて…よく考える…あり得る可能性は…」ウーン

・人間が襲った
・人間以外の種族が襲った
・事故や災害
・海獣に襲われた

赤ずきん「人間が犯人という線はやっぱり無いでしょうね、王子も町の人も人魚の存在を知らなかった。隠している風でもない…」

赤ずきん「人間以外の種族の可能性もない、あの旅人がそう言っていたことと…それに鬼の存在を人魚は知らなかった。もし鬼や他の種族が居るのなら人間にしか効果がない歌意外にも戦う術を持つはずだものね」

赤ずきん「海難事故はその存在を知らずに長い間一定数の人魚が被害に遭っている理由が説明できないし…海獣はもっと無いわね、海に詳しい人魚が存在を知らないなんて…」

赤ずきん「…やっぱり、どれも矛盾がある。理由としては……決め手がないわね」


542: ◆oBwZbn5S8kKC 2015/04/26(日)22:20:04 ID:pti

赤ずきん「……」

赤ずきん「女王のアドバイスの通り……視点を変えて逆に見てみようかしら、誰が襲ったとしても矛盾がありそうなら逆に人魚を襲っても矛盾がない人物を考えてみるとか……」

赤ずきん「そう、例えば…人間以外で人魚の存在を知っていて、なおかつ海中の人魚を襲える力や技術を持っていて、人魚を襲うことで何か利益がある者……」

赤ずきん「そんな都合のいい人物が居るわけ……」


──みんな人間を恨んでるから人魚同士の争いなんて滅多にないしさ


──人間という共通の『敵』がいるから団結できるというわけか


赤ずきん「……っ!」

赤ずきん「……居るじゃない、人間以外で人魚を知ってて人魚を捕まえることが出来る種族…!利益がある人物が…!」バッ

赤ずきん「もしこの想像が正しければ…きっとそいつは早い段階でこの町に何らかの行動をとる……もしもそいつがこの町に来たら……」

赤ずきん「そうなると人魚姫が危ないわ…王子や町の人たちも…!対策を…手を打たないと…!」ガタッ


544: ◆oBwZbn5S8kKC 2015/04/26(日)22:22:11 ID:pti

赤ずきんが雪の女王の宮殿に訪れる少し前
海底 珊瑚で出来た王宮

ザワザワ ザワザワ

人魚王「……騒がしい、実に騒がしいな。そう思わぬか?」

髪の美しい人魚「……はい、お父様」ビクビク

人魚王「無理もあるまい。ディーヴァが任務をしくじり多くの人間を逃がすなど前代未聞。それもディーヴァとして強大な力を持つ妹に妨害されてな、そのうえアレは行方を眩ましているときた」

人魚王「妹に出し抜かれ、管理も出来ず逃がしてしまう……貴様はどういうつもりだ?私の足を引っ張る奴は必要ない、違うか?」ギロリ

髪の美しい人魚「……(お父様、相当苛立ってらっしゃるみたい)」ビクビク

人魚王「私が欲するのは静かな海底の世界。このような騒ぎは望んでいない、任務をしくじるような役立たずを私は欲してはおらん。解るな?」グイッ


545: ◆oBwZbn5S8kKC 2015/04/26(日)22:24:04 ID:pti

髪の美しい人魚「……うぐっ、苦しいです…お父様…!」ウググッ

ガゴッ

髪の美しい人魚「……ゲホッ!ゲホゲホ……」ドサッ

人魚王「貴様は…アレの能力を理解しているのか?アレの歌声は人間を眠らせるなどと言う貴様の半端な能力とは段違い」グイッ

人魚王「アレの歌声があれば私は人間共を支配することも可能だ」

人魚王「人間共を支配するべく神がアレに与えた歌声…いや、支配者たる私に与えられた世界の全てを統べる為の…私に必要な道具だというのに…!」ギリッ

髪の美しい人魚「確かにあの子の行動は許せません…ですが道具だなんてそんな言い方をなさらなくとも…!人魚姫はお父様の大切な娘では…」

人魚王「大切だとも。だが生物としてのアレに興味はない。アレは選ばれし私が手にした、最も優れた対人兵器だ」ギロッ

髪の美しい人魚「……っ!」ゾワッ


546: ◆oBwZbn5S8kKC 2015/04/26(日)22:27:25 ID:pti

人魚王「だというのに、みすみすアレを逃がすとは……貴様のような役立たずが血縁であることを汚らわしくすら感じるわ!」ビュオッ

ゴスッ

髪の美しい人魚「ガッ……!ゲホゲホゲホッ…!」ボタボタ…

執事魚「姫様!血が出てるじゃないですか…!こ、国王様!姫様も反省しておられます!どうか、どうか!このあたりで勘弁していただけませんか!?」

人魚王「ならん。国家の有力兵器を紛失したこいつの罪は本来処刑に値する。だがこいつが姫だからという理由で部下共が『慈悲を』などと抜かす…故に、私が直々に罰則を与えているだけだ」バシッ

髪の美しい人魚「……ゼェゼェ、執事よ……問題ありません…これは私の罪……」ボタボタ…

執事魚「しかし、もう見ていられません…姫様!」


人魚兵「国王様!お話中失礼いたします」スィー

人魚王「騒がしい……アレは見つかったのか?」

人魚兵「いえ、人魚姫様はまだ…あたりの海域全てを捜索いたしましたが依然行方不明のままでして…」

人魚王「……私はそのような報告は望まぬ。下らぬ事で時間を取らすな、アレを捕らえたことのみ報告せよ」ギロリ

人魚兵「し、失礼いたしましたっ!」

──クックックッ スゥー

海底の魔女「クックック、失礼するよ?」クックック

執事魚「と、突然人魚が…一体どこから!」

人魚王「…何者だ、貴様は?」スッ

海底の魔女「噂に違わぬ苛烈ぶりよ、お主が国王だな?」クックック


547: ◆oBwZbn5S8kKC 2015/04/26(日)22:29:07 ID:pti

海底の魔女「苛烈は苛烈。だが国は至って平和…人間を憎んでいる種族だ、取りまとめる者が厳しいくらいがちょうどいいのかもしれないねぇ」クックックッ

人魚王「貴様、海底に住むという魔女か…目的は何だ?いや、だいたい察しは付くがな…魔女などという者は自らの利益のためにしか動かんと相場が決まっている」フン

海底の魔女「いいのかい邪険に扱っても?私は海底のことなら何でも知っているんだ、襲われた人魚…それが誰の仕業なのかもね」クックック

人魚王「人魚殺しは人間共の仕業だ。まさかそのような分かり切ったことをわざわざ言いに来たわけではあるまい?」

海底の魔女「まぁよい、お前達は人魚姫を探しているのだろう?だがお前達が見当違いな捜索をしているようだったからな。一つ助言をしてやろうというわけさ」

人魚兵「なっ…見当違い!?我々は近隣の海域をくまなく…!」

海底の魔女「駄目だそれでは永久に見つからん、人魚姫だってお前達に捕まらないように必死なんだ。逃げるのならお前達が追えない場所へ逃げるさ…例えば海の外とかねぇ」クスクス

人魚王「……貴様、まさかアレを陸に逃がしたのではあるまいな…?」

執事魚「えぇっ!?で、でもですよ!?人魚は陸には上がれませんよ?陸に逃げるなんて…」

人魚王「たわけが、こいつは魔女……アレを陸に逃がすなど容易いだろう」

海底の魔女「そうさ、私はこの海一番の魔女だ。人魚を人間にするなんて容易いこと。今頃陸地の城にでも居るだろうさ」クスクスクス

人魚王「……なるほどな、この卑しい魔女は自ら人魚姫を陸へ逃がした…その上でそれを捕らえる術を我々に与えるつもりだ。膨大な代償と引き替えにな」


548: ◆oBwZbn5S8kKC 2015/04/26(日)22:30:56 ID:pti

海底の魔女「流石、察しがいいねぇ」クスクス

人魚王「言ってみろ、私にどれくらいふっかけるつもりだ?貴様は何が狙いだ?」

海底の魔女「特に狙いなんてないさね、だが相手は国王だからな素敵な宝物の数々を期待している。さて、お前は対価に何を支払えるんだ?」

人魚王「アレは我が国に必要だ、連れ戻す為なら金に糸目はつけぬ」

海底の魔女「そりゃあ豪気だね。だがあの娘はもう歌は歌えない、願いの代償としてその声を私に渡したからねぇ。あの娘を取り返してもこの歌声がなきゃあ意味がないだろう?」

人魚王「なんと愚かな選択を…アレは自らの歌声を捨てたというのか!ならばアレを奪還したうえで貴様から声を取り戻さねばならんではないか…!」ギリッ

海底の魔女「その通り。今、この声の所有者は私だ。譲るのは構わんが安くはないぞ?」クスクス

人魚王「……足元をみる奴だ、いいだろう。宝物庫にある宝は全てやる、それでその声を貰う。そして…出来るだけの兵と私に足を与えろ」

人魚王「自在に陸を駆ける事が出来る足をな」


549: ◆oBwZbn5S8kKC 2015/04/26(日)22:33:04 ID:pti

人魚王「だが人間になるなど御免だ。我々は事をなしたら人魚に戻る、足を得るのは一時的で構わん」

海底の魔女「いいだろう、時間がたてば効果が消えるようにしてやる。交渉成立だ」ニヤリ

人魚王「アレの奪還は明日の早朝、襲撃の直前に魔法をかけろ。ちょうど良い、そのままあの町を襲撃し私の支配下に置く。アレを取り戻すまでは貴様が歌え。眠らせるしかできない屑のような歌声でも足しにはなるだろう」

執事魚「お、恐れながら……姫様はこのようなお怪我をされているのに、無理ですよ!」

髪の美しい人魚「いいえ、大丈夫……私は行きます」ヨロッ

人魚王「私はもはや貴様に期待はしておらん、だが最低限の仕事だけはしろ。いいな?」

人魚王「それよりも問題はアレの方だ…連れ戻したら厳しく拘束せねばな。今まで自由にしていたのが間違いだったのだ。人魚に戻した後は尾ビレに金属の重しでも打ち込み、鎖で縛って拘束する。アレを歌うだけの兵器にするのだ」

人魚王「道具は所有者が管理するものだ、それがあるべき姿なのだからな」

髪の美しい人魚「……」

人魚王「兵達を集めよ。アレの奪還に加え、我ら人魚が人間を駆逐し住処を奪う良い機会だ。この機を逃すわけにはいかぬ」

海底の魔女「では国王、詳しい話をしようではないか。どのような宝があるかまず見せて貰いたい」クックック

スゥー

髪の美しい人魚「……」


550: ◆oBwZbn5S8kKC 2015/04/26(日)22:35:39 ID:pti

・・・

髪の美しい人魚「……明日の夜明けと共にお父様と軍隊は陸地の人間へ奇襲をかける。私も人間を眠らせる役目を担って同行するので、留守はあなたに任せます」

執事魚「はい…でも国王様は人間の住処を奪うと言ってました、これを機会に陸地へ領土を拡大するおつもりでしょうか」

髪の美しい人魚「わかりません……ただ一つ確実なのは、人魚姫が……私の妹が危機に晒されるという事です」

髪の美しい人魚「あの子の言うとおりでした、お父様はディーヴァを兵器としてしか見ていないのかも知れません。そうでなければ尾ビレに重し打ち込むなど考えないですからね……そんな姿の妹を私は見たくありません」

執事魚「……国王様の振る舞いは、国にため姫様方のためと思っていましたが……」

髪の美しい人魚「私もそう信じていましたが……いいえ、過ぎたことを悔やんでも仕方がありません。そこで、あなたに頼みたいことがあります」

執事魚「はい、姫様の頼みであれば何でも」

髪の美しい人魚「人魚姫に会う機会を作って欲しいのです。私はあの魔女に人魚姫を人魚に戻す方法を聞いてみます、あの子が自発的に人魚へと戻りきちんと謝罪すればお父様の怒りも少しは収まるでしょう。多少の慈悲はいただけるはずです」

執事魚「…解りました、難しいかもしれないですが空を飛ぶカモメにでも伝言をお願いしてみます」

髪の美しい人魚「お願いします。あの子には手を焼き、何度も言い争いになってしまいましたが…それでも私の妹です」

髪の美しい人魚「明日の夜明けまでにあの子に危機を知らせなければ…人魚へ戻ってお父様の許しを得なければ…あの子は一生を兵器として扱われることに……」

・・・


551: ◆oBwZbn5S8kKC 2015/04/26(日)22:37:37 ID:pti

人魚姫の世界 海岸

ザザーン ザザーン

赤鬼「……」

鬼神『グワッハッハッハ!ガーッハッハッハ!』

赤鬼「……」

鬼神『クハハ!滑稽!アマリニ滑稽!笑イガトマラヌワ!グワッハッハッハ!』

赤鬼「おい、鬼神。何がそんなにおかしいかしらねぇが少し黙っていてくれ、オイラは今集中して考えているところなんだ。どうするのが人魚姫の為か」

鬼神『クックック!笑ウシカナカロウ!アノ頭巾ノ娘ハナントイッタ?人間ト鬼ハワカリアエヌ!ソウ言ッタノダ!』クックック

鬼神「アマリニ哀レ!貴様ハ人間トノ共存ナドクダラナイ夢ヲモッテイタガ、ソレヲ否定サレテイルデハナイカ!貴様ガ信ジル仲間トヤラニナ!」グハハ

赤鬼「あれは本心じゃないだろう。大人ぶっていてもあいつはまだ子供なんだ、感情的になってつい口に出しただけだ。オイラはあんなの気にしちゃいねぇよ、驚きはしたがな」

鬼神『ソコガ青二才ダトイウノダ、思ッテイナイコトガ口ヲツクカ?スクナクトモアノ娘ハ普段カラソウ思ッテイタノダ。貴様ハ裏切ラレタノダ!』


552: ◆oBwZbn5S8kKC 2015/04/26(日)22:39:38 ID:pti

赤鬼「考えが極端すぎねぇか?そりゃあまぁ、あいつはドロシーに初めて会ってから強さにやたら固執していたからな…オイラのような鬼を羨むこともあったかも知れねぇ、腕力の部分ではな」

赤鬼「あいつは人間の少女、オイラは鬼の男だ。身体能力に差がでるのは当然だ…まぁ、それはあいつも解っていただろうが…」

赤鬼「鬼ヶ島で足を潰されたこと、ドロシーの策に為す術がないこと…自分の弱さを痛感しているところに自分より強い奴に『お前は強いよ』なんて言われたらそりゃあな…オイラも軽率だったんだよ」

鬼神『デハナニカ?貴様ハアノ娘ヲ許スト?アノヨウナ事ヲイワレナガラカ?』

赤鬼「許すもなにも怒っちゃ居ないぞ?オイラも配慮が足りなかったな、とは思うが」

鬼神『貴様、甘イ性格モ大概ニセヨ!ドノヨウナリユウガアレドモ、アヤツハ貴様ヲ裏切ッタノダゾ…!』

赤鬼「だから別に裏切ってねぇだろうが、無理してまで自分を大人に見せようとするあいつが泣きながらわめくなんて相当だぞ?それだけ精神に来てたんだよ」

赤鬼「察してやるのが大人ってもんだ、だからあいつを一人にしたんだ、このまま話しても変に気を使ってしまうだろうからな」

赤鬼「あいつには頭巾がある、今頃キモオタ達にでも相談して……いや、あいつはキモオタに弱みを見せるのを嫌うからな。シンデレラあたりに相談でもしてるさ。明日になれば落ち着いているだろう」

鬼神『アキレテ物ガ言エヌワ…』

赤鬼「何だ?お前、やたら突っかかってるが…オイラを心配してくれんのか?」ガハハ

鬼神『戯レ言ヲヌカスナ…!アヤツガワカリアエヌト言葉ニシタコトハ事実ダロウ!我ハ貴様ノメヲサマサセテヤロウトダナ…』


553: ◆oBwZbn5S8kKC 2015/04/26(日)22:41:33 ID:pti

赤鬼「そりゃあ種族の違いは事実なんだ、受け入れがたいことや分かり合えにくいことはあるだろう。オイラが熊肉を生で食ったときあいつは明らかに冷めた視線を送ってきたからな」ガハハ

赤鬼「まぁ、あいつには言ってないが…オイラもあいつの寝起きと寝相の悪さには辟易してるんだ。オイラは何度ベッドから落ちたあいつを元に戻すんだって話だろう?」

鬼神『…ナラバ共存ナドアキラメテシマエバヨイ、ワカリアエヌノナラバ無理ヲスルヒツヨウナドナカロウ』

赤鬼「まぁ、でもなぁ、それでもあいつはオイラの食生活に口出ししねぇだろう?それにオイラも黙ってあいつに布団をかぶせるさ。そりゃあお互いが全て理解し合えたら一番良いかも知れねぇが……」

赤鬼「なにもかも全部理解できねぇと仲間じゃねぇのか?オイラはそうは思わないぞ。多少理解しがたいところがあっても良いじゃねぇか、大事なところが解り合えていたらそれでいいだろ」ガハハ

鬼神『……フンッ、クダラヌ。人間ハ敵ナノダ、折角貴様ガ共存ナドアキラメテ我ニ協力スルトオモッタノダガナ』

赤鬼「そりゃあ残念だったな、オイラは諦めちゃいねぇよ。あいつとの旅だって続けるさ、もちろんお前ともな」

鬼神『……フン、モウイイ。無駄ナアガキヲツヅケロ、ソレガ貴様ニハオニアイダ』


554: ◆oBwZbn5S8kKC 2015/04/26(日)22:46:21 ID:pti

赤鬼「それにしても…人魚姫、どうしたらあいつが幸せになれるんだろうな」

鬼神『……』

赤鬼「思ってもいなかったが、赤ずきんの体験を聞くと確かに別世界で暮らすのも辛いかも知れねぇよな、とはいってこのままってのも可哀想だろう。そうだろう?」

鬼神『我二トイカケルナ、我ノシッタコトデハナイ』

赤鬼「そうかも知れねぇが、オイラと赤ずきんだけじゃ答えが出そうにねぇんだ。お前の意見が参考になればと思ったんだがな」ガハハ

鬼神『……』

赤鬼「明日、とは言ったがな…オイラも答えをまとめるのに苦労しそうだぞこりゃあ…おとぎ話か人魚姫か…むぅ…」グヌヌ

鬼神『……貴様等ガドレダケナヤモウト、ソレハ他人事ニスギヌ』

赤鬼「どういうことだ?オイラ達と人魚姫は友達だ、他人なんかじゃ…」

鬼神『貴様、ソモソモ死トハナンダ…?肉体ガクチルコトカ?物ヲ考エラレナクナルコトカ?ソシテ…幸セトハ?不孝トハナンダ?答エテミヨ』

赤鬼「そりゃあお前…一言じゃあ言えねぇけど……」

鬼神『青二才ニハワカラヌダロウ…ソレラノコタエガデヌノナラ、人魚ノ娘ノ幸セナドトウテイ無理ダ』

赤鬼「おい、それってどういう…」

鬼神『……貴様ガ考エヨ。ドウヤラ貴様二客ノヨウダカラナ』フン

ザバザバ

赤鬼「……あいつは」

ザバザバ

執事魚「ハァハァ…あ、あなたはあの時の……!」ボロボロ

赤鬼「人魚姫の姉の使いの魚…!なんでここにきた…!」

執事魚「……こんな事頼めた義理ではないですが、私の話を聞いて欲しいのです!姫様の願いなんです、どうか人魚姫様に伝えてください!」

執事魚「姫様…姉上様が人魚姫様に会いたがっていると…!」


555: ◆oBwZbn5S8kKC 2015/04/26(日)22:48:41 ID:pti

今日はここまでです

人魚姫死なないでレス多いね…
鬼神のセリフ読みにくいし打ちにくいぜwww

人魚姫編 次回に続きます


556: 名無しさん@おーぷん 2015/04/26(日)23:09:24 ID:eJO

乙!
これは本当に難しいわな
しかし、人魚の王は一体なんなんだ!非道にも程があるぞ


557: 名無しさん@おーぷん 2015/04/26(日)23:40:00 ID:RNJ

人間でも人魚でもないのって海の魔女のことか
それより、赤ずきんちゃん寝起きが悪いだけじゃなく寝相も悪いのかwww
可愛いのお


558: 名無しさん@おーぷん 2015/04/27(月)02:37:31 ID:0Aq

乙です!

人魚王には腹が立った!!
後、赤鬼のセリフが深かった


560: 名無しさん@おーぷん 2015/04/27(月)21:57:28 ID:Swo

乙!
マッチ売りの国王、アラビアンナイトの国王、人魚王・・・国王のクズ率の高さは異常。アラビアンナイトはまあ、改心するからあれだけど

それより赤鬼が羨ましい、可愛い女の子と二人旅しつつ寝室も同じとは
辟易するなら俺と変われ


561: 名無しさん@おーぷん 2015/04/28(火)20:05:55 ID:LDX

もしかしたら黒幕は海底の魔女じゃないんじゃないか説
をとなえておく


564: 名無しさん@おーぷん 2015/04/28(火)22:08:37 ID:rMv

赤鬼が役得すぎてもうね…

人魚姫も気になるが雪の女王が自分の作者と関わりあるみたいな雰囲気なのが気になるなー


565: 名無しさん@おーぷん 2015/04/28(火)22:36:33 ID:euK

作者の存在が大きく出るのってもしかして初めてじゃないかな?
今回の初登場キャラも作者が共通してるのが気になる。


566: 名無しさん@おーぷん 2015/04/29(水)08:28:47 ID:c5D

ドロシーって海底の魔女と人魚姫のやり取りを知ってるし、もしかしたら人魚王が来るのを予測しといて、出会ったら魔導具で操り、魔女を不利な状況にさせて服従させるかな…と思ったけど、今は無いかな?

ドロシーが更にパワーアップしそうで怖い。そこが狙っていたりして…。

ドロシー達は元々やたら魔導具や魔力を欲しがっていて、赤コンビとの出会いは偶然であれ、【人魚姫】の世界にも何か目的を持って来ているはずだから、本当に怪しい…。


570: 名無しさん@おーぷん 2015/04/30(木)11:55:52 ID:pHO

ドロシーはマッチ1本で世界を変えられるから、単純に話を壊しに来ているだけなのか?やはり目的があるのか?

無計画は恐らく無いはずですし。
続きがとても気になります…。

まずは赤コンビの復活に期待してます!!


572: 名無しさん@おーぷん 2015/05/02(土)00:00:38 ID:ldm

雪の女王が言ってたアナスンって誰だよと思って調べたら作者なのね
マッチ売りと人魚姫も書いててなんかネガティブな話書く人だなと思ったら裸王の作者でワロタwww


574: 名無しさん@おーぷん 2015/05/02(土)21:15:21 ID:IpR

調べたらキモオタの友達では赤ずきんとラプンツェルが同じ作者だな。赤ずきんはグリム版だよな?多分

ラプちゃんが赤ずきんちゃんにお姉さん風吹かせてるイラスト誰かオナシャス!





次の話
人魚姫編5




キモオタ「ティンカーベル殿!おとぎ話の世界に行きますぞwww」六冊目
http://hayabusa.open2ch.net/test/read.cgi/news4vip/1424001836/
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