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人魚姫編2(キモオタ「ティンカーベル殿!おとぎ話の世界に行きますぞwww」六冊目)

シリーズ
キモオタとティンクの旅立ち編
シンデレラ編
裸の王様編
泣いた赤鬼編
マッチ売りの少女編
桃太郎編
○○○○○○とアラビアンナイト編
人魚姫編1
人魚姫編2
人魚姫編3
人魚姫編4
人魚姫編5
人魚姫編6
人魚姫編7





182: ◆oBwZbn5S8kKC 2015/03/03(火)22:04:37 ID:ciQ

旅の若者「どうやら海岸を散歩していた老人が打ち上げられた死体を見つけたらしいんだけどねー、海岸で死体が見つかるってこの町でも珍しいことらしいよ」

赤ずきん「それはそうでしょう。日常的に死体が打ち上げられたらそれはもう異常じゃないの」

旅の若者「まぁそうだけど、この町の場合はちょっと事情が変わってくるんだよ。君達もこの町に来たって事は知っていると思うけれどさ…ほら、年間にあれだけの数の海難事故があるんだから死体が毎日見つかってもおかしくないだろ?この町の場合はさ」

赤鬼「ん?海難事故?そりゃあどう言うことだ?」

旅の若者「…あれ?君達も『最新型の貨物船』を見に来たんじゃないのかい?」

赤ずきん「貨物船……?話が見えないのだけど……」

旅の若者「なんだ、僕の早とちりみたいだね。ごめんごめん」ヘラヘラ

赤鬼「海難事故だの貨物船だの…この町にはなにか事情があるのか?」

旅の若者「早とちりのお詫びに教えてあげるよ。この町はね、古くから漁業や貿易で富を築いてきたんだ。だから大きな港があるし船だって何隻もある。かつては世界でも有数の貿易港だったんだけど…確か10年ほど前かな、この港から出発した漁船が行方不明になったんだ」

183: ◆oBwZbn5S8kKC 2015/03/03(火)22:07:07 ID:ciQ

旅の若者「当時は大騒ぎだったらしいよ。それまでにも海難事故はあったけれど稀だったし、その船が出航してからは天候も良くて海も穏やかで難破したってのが信じられなかったくらいだったらしいよ」

旅の若者「それからはもう立て続けさ。この港から出発した船は漁船だろうと貿易船だろうと関係なくほとんどの船はもう帰ってこなかった。
それだけじゃない、余所からこの港へ到着する予定の船だって事故にあってしまうことがほとんどで、もうこの港を利用しようなんて物好きは稀さ。いつしかこの港町は海に嫌われた町だって噂になってる」

赤ずきん「好天候でも海難事故が頻発する海域……海に嫌われた港町、ねぇ……」

赤鬼「この近くの海流の問題なのか?それとも化け物が船を襲っちまうとか…」

赤ずきん「頻発する海難事故が化け物の仕業だとすれば海底に住む人魚も無関係ではないわ、大丈夫かしらね…人魚姫」


184: ◆oBwZbn5S8kKC 2015/03/03(火)22:07:29 ID:ciQ

旅の若者「人魚…?あはは、お嬢ちゃん喋り方はずいぶんと大人びているのに人魚の伝説は信じているんだね」ヘラヘラ

赤ずきん「伝説…どういう事かしら?」

旅の若者「いやぁ、夢を壊しちゃうけど人魚なんて作り話だよ?伝説なんてそんなもんさ。オーガとかゴブリンとかエルフとか、見たことある?この世には人間以外に種族なんていないのさ、僕はそう言うの夢があって悪くないとは思うけどさ」ヘラヘラ

赤ずきん「…あら、どうかしらね?私たちが見ていないだけで、海の底にはいるかも知れないわよ?」

旅の若者「ははっ、そうかもしれないね。その方が夢があっていいね」

赤鬼「おいおい、話がそれてるぞ?度重なる海難事故でこの港町は海に嫌われていると噂された。それからどうなったんだ?」


185: ◆oBwZbn5S8kKC 2015/03/03(火)22:11:29 ID:ciQ

旅の若者「もうこの港から貨物船は出ていないし、漁業も近海で細々とやってるみたいだよ。まぁ以前みたいにそれだけじゃやっていけないから牧場や農場の方に力を入れて今やこの国はそれで食べていってる感じらしいよ」

赤鬼「そこそこ豊かに見えるが港が閑散としていたのはそう言うわけか…」

赤ずきん「この港町が原因不明の海難事故でかつての栄光を失った事は分かったけれど、さっき言っていた貨物船だったかしら?あれはどういう事なの?」

旅の若者「ああ、ここから遙か遠くの国に造船技術を誇っている国がある、そこの国王が最新型の貨物船の性能を知らしめるためにこの港に向けて船を出したんだ」

赤鬼「なるほどな、海難事故の頻発しているこの海域を乗り越えて無事に港につけば最新型の貨物船がいかに優れているかいい宣伝になるってわけか」


186: ◆oBwZbn5S8kKC 2015/03/03(火)22:13:59 ID:ciQ

旅の若者「その通り、その到着予定が順調にいけばもうそろそろだからね僕は本当にこの呪われた港町に無事たどり着けるか見に来たのさ、旅行がてらね」

赤ずきん「それにしてもそこの国王も酷いものね、この港町は実際の被害で苦しんでいるでしょうに…その事故を利用するなんてね」

旅の若者「まぁ深く考えないことさ。でもこの町の人たちはどうせ無理だろうと思ってるみたいだけど。まぁ楽しみにしていようよ、最新型の貨物船が呪われた海域を突っ切れるか、はたまた海の藻屑と消えるか…」

オーイ!ヤドノヨヤクトレタゾー!

旅の若者「わかった!今いく!…じゃあ仲間が呼んでるから僕はこれで、お互いによい旅を送れるように…ああ、そうだ!港に王国が所有している豪華な客船があるらしいから見物してくるといいよ!」

赤ずきん「ええ、色々と教えてくれて助かったわ」

赤鬼「おう、ありがとな!お前さんも気をつけて」


187: ◆oBwZbn5S8kKC 2015/03/03(火)22:15:19 ID:ciQ

赤鬼「色々と聞けたな、しかし原因不明の海難事故に貨物船に…ちょっとごちゃごちゃしてきたな。えっと……」

赤ずきん「…少し話をまとめてみましょうか」カキカキ

【人魚姫】の世界について

・この国は有数の貿易港だったが現在はその機能を失っている
・その理由は近隣の海域で原因不明の海難事故が相次いでいるから…らしい
・近々、最新型の貨物船が来る予定(性能を示すため)
・この世界には人間以外の種族が居ない、というのが一般的

赤ずきん「こんなところかしらね?しかし、これは参ったわね…どうやって人魚の国を探そうかしら」

赤鬼「そうだな、海難事故の原因が分からない以上あてもなく船を出すのは危険だ」


189: ◆oBwZbn5S8kKC 2015/03/03(火)22:17:22 ID:ciQ

赤ずきん「でもそうなると困るのよね、人魚の国はおそらく海底にある。少なくとも近海の海底だと思うのよね…けれど探すにしても船を出せないんじゃあね……」

赤鬼「お前に聞いたおとぎ話の内容だと、人魚は人間に姿を見せたらまずいんだったよな?だったらそうそう姿も現さないよなぁ」

赤ずきん「ええ、それにこの世界で人魚は架空の存在扱いのようだから町で聞き込みをしても人魚の情報は期待できそうにないわね」

赤鬼「うーむ、となると人魚姫に会えるチャンスは一回だけだな」

赤ずきん「そうね、人魚姫の誕生日…この国の王子が王国の船で沖へ出る夜。その日取りさえわかればなんとかなるでしょうけど…でもそれだと」

赤鬼「難破する船に乗り込むしかないんだよな…」ウーム

赤ずきん「危険だけど仕方がないわね、まずは王子が乗船する日取りをなんとか探りましょう。けれどそれはあくまで最終手段、それと同時進行で人魚の国も探す。これでいきましょうか」


190: ◆oBwZbn5S8kKC 2015/03/03(火)22:26:03 ID:ciQ

赤鬼「うむ、それが妥当だな…じゃあ行動指針もまとまったところで買い出し前に腹ごしらえと行くか!」

赤ずきん「私、あまりお腹空いていないの。チョコレートだけで良いわ。それよりも赤鬼、食事が済んだらまた訓練の相手をお願いしたいのだけど」

赤鬼「こらこら!成長期の娘が飯を食わずに菓子だけで済ませるなんて駄目だぞ!きちんと三食しっかり食べてだな…」

赤ずきん「今はきちんとした食事よりも戦いに備えて訓練を積んでおきたいのよ。私がのんびり食事をしている間にもドロシーは新たな力を手にしているかもしれない、そう思うと食欲なんて湧かないわ」

赤鬼「いーや、駄目だぞ。きちんと飯を食うのも訓練のうちだ!お前がしっかり飯を食わないようならオイラはお前の訓練に付き合わないぞ?」

赤ずきん「ちょっと、それは困るわ。あなたが相手をしてくれないと実戦的な訓練が出来ないんですもの」

赤鬼「だったらしっかり食うことだ。しっかり食って栄養をつけて思い切り訓練する、それでこそ力が付くってもんだぞ?」

赤ずきん「…その通りね、あなたの言うとおりきちんと食事もとることにするわ。ただ訓練の量は増やして欲しいの。そうね、早朝の訓練を一時間ほど延ばしましょう。それならいいでしょう?」

赤鬼「構わんが、その上日中は情報収集するんだろう?起きられるのか?お前、朝苦手だろう」

赤ずきん「子供じゃないのよ?平気よ。せっかく海沿いの町にいるんだもの、砂浜での訓練なら足場の悪い場所での戦闘も想定できるもの」

赤鬼「よし、わかった!お前がやる気だってなら付き合おう!」

赤ずきん「では明日から開始ね。食事もだけど宿も探さなければね…もたもたしたくないわ、急ぎましょう」タッタッタ

・・・


191: ◆oBwZbn5S8kKC 2015/03/03(火)22:31:11 ID:ciQ

数時間後 沖 海中

スィー 

亀「……ふぅ、そろそろ泳ぎ疲れた。ここらで一休みしようかな」ザバザバ

亀「聞いた話だとこのあたりの海域に人魚がいるらしいけれど…」ザバザバ

亀「なんだか随分と遠くまで泳いできてしまった。人魚どころか魚もいない、せっかく人魚を一目見たくて泳いできたのに」ザバザバ

亀「一目で良いから見てみたい。いや、ここまで来たからには握手して貰いたいな。美しい姿に美しい歌声の種族、人魚!俺の故郷は田舎で人魚なんか居ないから、余計に憧れちゃうぜ」ザバザバ

スィー

亀「それにしても、この辺りは本当に魚がいないな。食べ物も住処も豊富にあるというのに…ん?あれは…?ものすごい勢いでこっちに泳いでくる…まさか、まさか!あれは憧れの…!」

スィー

髪の美しい人魚「こんにちは」ニコッ

亀「あ、あ、ああ、こんにちは…!」ドキドキ

亀(に、人魚だ!なんて美しい髪の毛なんだろう、まるで星の光でも纏っているみたいだ!白い肌に吸い込まれそうな瞳…ああ、もう何処を見て良いのかわからない!そんな美しさだよ!あ、ファンですって言わないと!)ジロジロ


192: 名無しさん@おーぷん 2015/03/03(火)22:31:45 ID:icZ

赤ずきんちゃんの寝起き姿参考に

http://hayabusa.open2ch.net/test/read.cgi/news4vip/1419508000/294 より

no title


193: ◆oBwZbn5S8kKC 2015/03/03(火)22:34:19 ID:ciQ

髪の美しい人魚「あら、そんなふうに見られてしまうと恥ずかしいわね。あなた、人魚を見るのは初めて?」フフッ

亀「あ、はい!俺の故郷はずっと遠くの田舎の方で…人魚さんを実際に見るのは初めてで…あ、でも以前別の人魚だと思いますけどちょっとだけ歌声聞いたことがあって、それから人魚のファンなんです俺!」

髪の美しい人魚「うふふ、ありがとう。あなたは人魚の歌声を気に入ってくれたのね?でもごめんなさいね、私たちはあまり目立つことが得意じゃないから…」

亀「あ、そうらしいですね!実はこの海域に来たのも人魚に会うためなんです!なんでも『ディーヴァ』と呼ばれる特別な人魚がいるらしくて…」

髪の美しい人魚「あっ、それ私たち姉妹のことですね」ニコニコ

亀「えっ?そうなんですか!?」

髪の美しい人魚「ええ、私の父は海底にある人魚の国の王なんですが…その六人の娘、つまり私たち姉妹は少し特別な歌声を持っているんです。この国ではその特別な歌声で仕事をしている人魚をディーヴァって呼んでいるんです。私はその長女なんですよ」ウフフ

亀「じゃあすごい歌手さんって事じゃないですか!そんな人魚に会えて俺はラッキーだなぁ!」

髪の美しい人魚「うふふ、でも私の妹たちもみんな歌が上手いんですよ。特に末妹の人魚姫なんかは私なんかよりずっと歌声が美しいですよ、少し最近反抗期ですけど…あ、こんなこと初対面でお話しするのは失礼でしたね」ウフフ

亀(物腰の柔らかい優しそうな人だな、妹さんの話を嬉しそうにしているし…きっと優しいお姉さんなんだろうな)ホッコリ


195: ◆oBwZbn5S8kKC 2015/03/03(火)22:37:47 ID:ciQ

髪の美しい人魚「ああ、いけない。ついお喋りに夢中になってしまって…」

亀「あ、もしかして俺に声をかけてくださったのって何か用事ですか?」

髪の美しい人魚「そうなの、ここにはもうじき人間の船がやってくる。この海中にいると危ないから逃げるようにと声をかけたんです」フフッ

亀「あ、もしかして危ないからってわざわざ声をかけてくれたんですか?」

髪の美しい人魚「ええ、同じ海に住む仲間ですもの怪我でもしたら大変。今回は大きな船だからちょっと危険なの、私と一緒にきてもらえます?」

亀「はい、そう仰るなら……で、何処に?」

髪の美しい人魚「すぐそこの岩場です、そこからなら人間の船がよく見えるので」

亀「船がよく見えるって、見物するわけでもないでしょうし…なにをするんですか?」

髪の美しい人魚「お仕事をしないといけないんです、つまり歌を歌うんですよ。ただ、それだけ」フフッ

亀「えっ!歌を?俺も聞きたいです!」

髪の美しい人魚「ええ、どうぞ。少し雑音が入るかも知れないけれど…それでもよければ」ニッコリ


197: ◆oBwZbn5S8kKC 2015/03/03(火)22:42:42 ID:ciQ

・・・

沖 最新型の貨物船

船員「いやー、もうじきあの港ですね船長!俺、ワクワクしてきましたよ!きっと褒美もたんまり出ますよ!」ヘラヘラ

船長「これこれ、油断しちゃあいかんぞ!海では常に一寸先は闇じゃぞ!港に到着するまでが航海、決して油断しないことだぞ!」

船員「んもー!心配しすぎですよ船長ー!ここまで来たらもう余裕でしょう」ヘラヘラ

船長「お前のそういう油断が命取りなんじゃ!いいか?船乗りというのはいつでも油断せず緊張感を…ん?あそこの岩場に見えるのは……」


髪の美しい人魚「……」ニコッ


船員「せ、船長!人魚ッスよ!俺初めて見たッスわ!」ワクワク

船長「ふむ、私もだ…人魚など伝説に過ぎぬと思っていたが…」


髪の美しい人魚「アーアアーアーアーアー♪アアーアーアアアー♪」


船員「あ、なんか歌い始めましたよ船長!どうします?捕らえて町へ…船長?」


髪の美しい人魚「アーアアーアーアーアー♪アアーアーアアアー♪」


船長「……zzz」ドサッ

船員「ちょ…!いきなりなんで寝てるんスか!船長が寝てちゃ誰が舵を取……zzz」ドサッ

バターン!

副船長「大変です船長!船のあちこちで船員が突然の睡魔に襲われてしま……zzz」ドサッ



ユラユラユラ グラグラー


198: ◆oBwZbn5S8kKC 2015/03/03(火)22:45:15 ID:ciQ

沖 海上の岩場

髪の美しい人魚「アーアアーアーアーアー♪アアーアーアアアー♪」

亀(すごい、すごく美しい歌声だ!なんというかこう、心にぐっと来る感じで…)

亀「…?あ、あっ!船が突然ふらついて…岩場にぶつかるっ!」

ゴシャアアァァァァ ザバンザバーン

亀「あんな大きな船が…あっという間に転覆した……!船に乗っている人間はなにをしてるんだ!」


髪の美しい人魚「眠っているんですよ」フフッ


亀「えっ?」

髪の美しい人魚「私の歌声は人間を眠りに誘う。あの船の人間共は全員が深い眠りについていますよ、それこそ自分たちが溺れていることさえ気がついていないでしょうね。自分が死んだことすら気がつかない、そんな深い深い眠りの中にいるんです」

髪の美しい人魚「これだけの喧噪の中でもしばらく目が覚めることはありませんよ」


199: ◆oBwZbn5S8kKC 2015/03/03(火)22:46:03 ID:ciQ

亀「じゃああなたがあの船を転覆させたんですか!?あなたは歌手なんですよね?なんのためにそんなこと…!」

髪の美しい人魚「そうですよ?私はディーヴァです、ただその仕事を勤め上げただけですよ。なんのためにって…あの人間共が私たち海に住む者達になにをしたかなんて今更話すことでもないじゃありませんか」

髪の美しい人魚「人間共は我が物顔で海を突き進み、多くの魚や海に住む仲間を捕らえては無惨にも殺してしまうのですよ?それだけじゃありません、奴らは海がまるで自分たちの所有物であるかのように汚し放題荒らし放題なんですよ?」

亀「そ、その気持ちは分かりますけどなにも殺さなくても…」

髪の美しい人魚「亀さんは甘いです。先に私たちの仲間に危害を加えたのはあの忌々しい人間共なんですから。目には目を、殺された仲間の弔いには奴らの命が必要です」

亀「で、でもこんなのって……」

髪の美しい人魚「必要なことなんですよ?こうやって見せしめに殺してやらないと卑しい人間共は何処までもつけあがります。そのためなら私はディーヴァとして何度だって歌いますよ、そうやって人間共に教えてやらなければいけないんです」



髪の美しい人魚「この海の支配者が誰なのかを」


201: ◆oBwZbn5S8kKC 2015/03/03(火)22:54:31 ID:ciQ

亀「……あなたは…ディーヴァとはいったいなんなんだ…」

髪の美しい人魚「私は人魚です。そしてディーヴァとは海の平和を守るために人間を退治する人魚…歌声で人間共を駆逐する歌姫です」ニコッ

亀「……嘘だ、俺が憧れてきた人魚が人間を殺すような奴だったなんて…」

髪の美しい人魚「その言い方では私が悪者みたいじゃないですか、これは海の平和のためには必要なことなんですよ?」ニッコリ

亀「……俺、帰ります」

亀(憧れていた人魚があんな事をする種族だったなんて、正直ショックを隠せない…そりゃあ俺の仲間も人間に捕らえられたり海を汚されたりして腹は立つけれどなにもあそこまでしなくても…)

ザブンッ

髪の美しい人魚「危ないですよ、まだあの貨物船は沈みきってません!不用意に海に潜ると…!」ザブンッ

グラグラ ゴシャアアァァ

亀「……っ!壊れた船の残骸が…!まずい、よけきれない!」バッ

髪の美しい人魚「危ない…!」スイー グイッ

ガラガラガラーグシャアアァァァ

髪の美しい人魚「……っ!」ゴシャアアァ

亀「はぁはぁ…なんてことだ…!俺を庇って人魚が怪我を…!大丈夫か!おい、返事してくれ!」

髪の美しい人魚「……う、うぅ…海の仲間を守るのがディーヴァの……」グッタリ

亀「くそっ!俺にはどうにも出来ない…ここじゃあ危ない、どこか安全なところに…!」


203: ◆oBwZbn5S8kKC 2015/03/03(火)23:00:33 ID:ciQ

日の落ちた海上

・・・

カモメ「やべぇ、暗くなっちまったぜ…早く巣に帰って…ん?」



亀「ぜぇぜぇ、早くこの人魚をどこか安全なところへ…!」ザバザバ

髪の美しい人魚「……」ゼェゼェ

ヒュー

カモメ「おい、お前どうかしたのか?怪我した人魚なんか背中に乗せて!何か手伝ってやろうか?」

亀「おお、助かる!俺は余所者だからこのあたりの事を知らないんだ!この怪我をした人魚を助けてやりたいが人魚の国の場所もわからない!」

カモメ「うーん、俺もちょっとわからねぇな…とりあえずここをまっすぐいったところに港がある!そこをぐいーっと右側に泳いでいくと小さな入り江があるんだ、そこには人間は来ないからそこへ行くと良い」

亀「わかった!お前は誰か助けを呼んでくれないか!?」

カモメ「助けか…人魚は人間に姿を見られるのを嫌うからな…人間を呼ぶわけにも…しかし、うーむ」

カモメ「いや、緊急事態だ。急いで町の方へ飛んでいこう、いや海岸の方がいいか」

カモメ「おい、助けは俺が呼んでくる!お前はその人魚を入り江運んで安静にしてやれ、だれかに助けてもらわねぇとその人魚やべぇぞ…!」

亀「わかった!頼んだぞ!」


204: ◆oBwZbn5S8kKC 2015/03/03(火)23:05:46 ID:ciQ

今日はここまでです

書き始めて気がついたけどこの姉妹全員人魚で姫だから人魚姫なんだよな、紛らわしい
このssでは【人魚姫】の主人公のみ人魚姫と呼びます
髪の美しい人魚は長女、人魚姫の一番上のお姉ちゃんです

人魚姫編 次回に続きます


205: 名無しさん@おーぷん 2015/03/03(火)23:09:31 ID:icZ

乙!
これはどうなるんだろう


206: 名無しさん@おーぷん 2015/03/03(火)23:50:25 ID:zsx

乙!とりあえず人魚は人間嫌いぽいな(´・ω・`)


209: 名無しさん@おーぷん 2015/03/04(水)01:37:03 ID:0WA

乙です!
カモメの声が旧スネ夫ボイスで完璧に脳内再生される…w


214: 名無しさん@おーぷん 2015/03/04(水)23:31:30 ID:RCK

人魚と言えばおっぱいなわけじゃん?

それを踏まえて>>1と絵師には期待してる


221: ◆oBwZbn5S8kKC 2015/03/08(日)20:49:57 ID:rQL

次回
人魚姫、ついに登場。
そしてあの日ノ本の侍も推参…!


226: ◆oBwZbn5S8kKC 2015/03/10(火)22:01:28 ID:Gkh

同じ頃 港町 宿屋

ガチャッ

宿屋のおっさん「はいー、いらっしゃ……」ビクッ

赤鬼「あー、すまない主人。昼に部屋を予約したアカオニだが…」

宿屋のおっさん「あっ…はいはい、そうでした!おかえりなさいませ!二人様でご予約のアカオニ様ですね。お部屋の支度、整っていますよ!二階の突き当たりのお部屋です。お食事はどうします?」

赤鬼「いや、軽く済ませてきた。すまないが明日の朝食も無しで頼む、野暮用があるんでな」

宿屋のおっさん「はーい、なんでしたら朝市で朝食というのも良いですよ!港町ですけど魚は食べられませんがね」ンナハハハ

赤ずきん「……赤鬼、私は少し夜風にあたってくるから。あなたは先に休んでいて頂戴」

宿屋のおっさん「あっ、22時には玄関閉めちゃうから遅くならないようにね。一応裏口は開けてあるから遅くなったらそっちから入ってね」

赤ずきん「ええ」スタスタ

赤鬼「おい、オイラも付き合うぞ。こんな時間に一人で出歩くのは感心しねぇぞ?」

赤ずきん「いいえ、一人がいいの。心配しないで、子供じゃあないんだから」スタスタ

赤鬼「……」

227: ◆oBwZbn5S8kKC 2015/03/10(火)22:04:21 ID:Gkh

港町 路地

赤ずきん「……」スタスタ

赤鬼(……)コソコソ

赤ずきん「……」キョロキョロ

赤鬼(つい後をつけてしまった。もしも見つかったら睨まれるだろうが…雪の女王とも約束したしなあいつが無茶しないように見てやらねぇと)コソコソ

赤ずきん「……」スタスタ

赤鬼(まったく、心配するなとは言うが赤ずきんの事だ…夜風にあたるなんてのは口実だろう。大方、俺に隠れて訓練でもするつもりに違いないぞ)コソコソ

赤鬼(焦るなと【シンデレラ】の魔法使いも言っていただろうに。アリスに敗北したのがよほど悔しかったか…だが明日も早朝から特訓するってのに、何事もやりすぎは逆効果だと言ってやらんとな)コソコソ

赤ずきん「……」スタスタ

赤鬼(ん?海岸か丘でも行くと思ったが、町からでる様子はないな…)コソコソ

赤鬼(何処に行くつもりなんだ…?もしや本当にただの散歩か?)


228: ◆oBwZbn5S8kKC 2015/03/10(火)22:10:20 ID:Gkh

港町 海辺の見える高台

赤ずきん「……」チラッ

赤鬼(高台か、こんなところになんの用事なんだあいつは)コソコソ

赤ずきん「……もう茶番はやめましょう。出てきなさいな、赤鬼」フゥ

赤鬼「ぬっ!?気が付いていたのか…!」

赤ずきん「なんでバレないと思ったのよあなた。まったく…こそこそ後をつけてくるなんていつからそんな趣味を持ったのかしら?」

赤鬼「…すまん。オイラはてっきりお前が秘密の訓練でもしようとしているのだとばっかり思っていてな。だとしたら止めなきゃならんと思って付いてきたんだ。いやいや、すまんことをしたな」ハハハ

赤ずきん「……」フイッ

赤鬼「ん?どうして目を逸らすんだ、赤ずきん」

赤ずきん「……」

赤鬼「もしかして、やっぱりお前は訓練するつもりだったんじゃないか!?」

赤ずきん「……結果的にはできなかったのだから大目に見て頂戴。勝手な行動をとったのは謝る、ごめんなさいね」

赤鬼「おいおい、焦るなと魔法使いも言っていただろう、焦ってやりすぎて怪我でもしたら元も子もないぞ」

赤ずきん「そうね…だけどドロシーのことを抜きにしても雪の女王との約束もあるもの。私は一刻も早く強くなって……」

赤ずきん「……いいえ、この話はやめましょうか。話せば話すほど私自身が焦りを感じてしまいそうだから」ギュッ


229: ◆oBwZbn5S8kKC 2015/03/10(火)22:13:02 ID:Gkh

赤鬼(アリスに敗北したことや仇がドロシーだと知ったこと、雪の女王との出会いで強くなりたいという気持ちが一気に膨れ上がったって所か。
しかし強さなんざ一朝一夕で手に入るもんじゃない…必要なのは日々の積み重ね、それはこいつもわかっているんだろうが…)

赤鬼「そうだ、赤ずきんに良いものをやろう。昼に市場あたりを聞き込みしてたときに見つけてな、お前にと思って買っておいた」スッ

赤ずきん「コルク栓の瓶詰め…中身はキャンディかしら?」

赤鬼「オイラの世界の飴といえば水飴だったが、お前達の世界では飴玉なんだろう?ハーブとかいう薬草を使っていて気持ちが落ち着くと店の娘が教えてくれたんだ」

赤鬼「まぁ、なんだ。あれこれごちゃごちゃ考えてると動けなくなっちまうからな、そんなときはいっそのこと全部置いといて落ち着いてみるのも手だぞ」ニッ

赤ずきん「そう、心がけてみるのも悪くないわね。…なんだか心配かけてしまったみたいね。ありがとう、赤鬼」

赤鬼「いいってことよ!さぁ今日はもう休もう、明日からまた気合い入れて人魚姫を探さないとな!」ガッハッハ


バサバサー

カモメ「くそっ、夜飛ぶのは苦手だぜ…なんて言ってらんねぇ!早く助けを呼んでやらねぇとあの人魚がやべぇ!」スイー


230: ◆oBwZbn5S8kKC 2015/03/10(火)22:17:12 ID:Gkh

カモメ「どこだ…どっかに信用できそうな人間いないか!?」スイー

カモメ「この町の人間じゃない方がいいか…あっ、あの人間…外套を羽織ってるしきっと旅人だぞ…!」

カモメ「なんかあの金髪の子供と仲良さげに話してるみたいだし、悪い奴じゃ無さそうだな…あの二人に賭けてみるか…」

スィー

カモメ「おーい!そこの二人、ちょっと俺の話を聞いてくれ!」バサバサッ

赤鬼「ん…?なんだ、オイラ達に何か用事か?」

赤ずきん「慌てているようだけど何かあったのかしら?確か…鳥は夜に飛ぶのが苦手だと聞いたけれど」

カモメ「緊急なんだ!怪我をした奴を助けたい!でも俺たちじゃあどうしようもできねぇ、お前達が心優しい旅人だと信じて頼む!そいつを助けてやってくれねぇか!」

赤鬼「お前の仲間が怪我してるのか!?よし!任せろ、何処にいるんだ!?」ガバッ

赤ずきん「落ち着きなさいな、赤鬼。怪我をしているのは鳥なの?魚なの?人間なの?人間なら私たちより医者を呼んだ方がいいと思うのだけど」

カモメ「むむむ……他言無用で頼めるか?この事は誰にも言わないで欲しいんだ」


231: ◆oBwZbn5S8kKC 2015/03/10(火)22:17:45 ID:Gkh

赤鬼「なんだ?何か事情があるのか?言ってみろ、誰にも言いやしねぇ」

カモメ「怪我しているのは…人魚なんだ。お前達人間にはなじみのない種族だと思う、俺の言うことが信用できないかも知れないが…本当なんだ!頼む、助けてやってくれ!」

赤ずきん「人魚が怪我をしているですって…?」

カモメ「ああ!意識はあるみたいだったが自力で泳げそうにねぇんだ、人魚の国の場所はわからねぇし他の人魚に頼めねぇんだ…頼む!」

赤鬼「大丈夫だ、任せろ!それでその人魚はどこにいる!?」

カモメ「ここから少し離れた場所にある入り江で安静にさせてる、そこに行くには船を出して貰わないといけないが…」

赤ずきん「…赤鬼、急いで船を借りましょう。夜釣りだと口実付ければ怪しまれないでしょうから」

カモメ「じゃ、じゃあ助けてくれるのか!?ありがてぇありがてぇ!」

赤鬼「もちろんだ!困ってる奴に人間も鬼もカモメも人魚も関係ねぇ!お前はオイラと港へ来てくれ、船を手配する!赤ずきんは…」

赤ずきん「私は彼に治療して貰うよう頼んでくる。相手が人魚なら人間の医者で対応できるかどうかはっきりしないものね…けれど生まれ持った治癒能力を備えている彼なら…」


赤ずきん「桃太郎なら、なんとかできるはずですもの。彼の世界へ行って…それからすぐに合流するわ。急ぎましょう、人魚が待つ入り江にね」

・・・


232: ◆oBwZbn5S8kKC 2015/03/10(火)22:21:23 ID:Gkh

海上 貸し船

ギーコギーコ

桃太郎「しかし、人魚が実在したとは…拙者も噂を耳にしたことはあるが実際に会うことなど今まで無かった。一体、どのような種族なのだろうな……」

赤ずきん「悪いわね、遅い時間に連れ出してしまって。理由も聞かずに協力してくれて助かるわ」

桃太郎「我等は共に戦った仲間……遠慮することなど無い。むしろ拙者の能力を必要とされているのならば……男として武士として助けなければなるまい」

赤鬼「桃太郎よ、今日は旅の共はいないのか?」

桃太郎「なにやら急ぎの用事との事だったのでな……故に彼等には留守を任せてある。拙者が居なくとも何ら問題はなかろう、なぜなら彼等もまた歴戦の武士なのだからな……」

カモメ「あ、見えたぞ!あの入り江だ!ちょうど月明かりが射してるから見えるだろ!?」

赤ずきん「……遠目だけれど、確かに下半身が魚のようね」

桃太郎「あれが人魚……なんと面妖な」

赤鬼「よしっ、船を着けるぞ。桃太郎!手伝ってくれ!」

桃太郎「うむ、承知仕った…!」ファサッ


233: ◆oBwZbn5S8kKC 2015/03/10(火)22:25:28 ID:Gkh

秘密の入り江

赤鬼「よし、じゃあお前達は先に人魚の方へ行ってくれ。船を固定できたらオイラも行く」

桃太郎「かたじけない。行くぞ、赤ずきんよ」スタッ

赤ずきん「ええ、急ぎましょう」スタッ

赤鬼「さて、人魚の様子を見ている間に船が流されでもしたら大事だからな。しっかりと固定して……」グッグッ

鬼神『……赤鬼、コノ場ニイルトイウ人魚……ドノヨウナ輩カ知ラヌガ用心シテオケ』

赤鬼「ん…?どういう事だ?」

鬼神『我ト同様ノ匂イガスルノデナ…先程カラ凄マジイ憎シミノ感情ヲ感ジルノダ』

赤鬼『憎しみの…感情…』

・・・

亀「わあああぁ!待ってたよ!助けを呼んでくれたんだな!」

カモメ「待たせたな!こいつらは人間だが、この事は他言しないと約束してくれた…安心してくれ。それで人魚は…」

髪の美しい人魚「……」ゼェゼェ

赤ずきん「苦しそう…酷い怪我……ねぇ、桃太郎大丈夫かしら?」

桃太郎「人魚を治癒したことはないが問題はないだろう……しかし、思ったより外傷が酷いな。亀よ、拙者が治療を引き受ける。今どのような状況なのか聞かせてもらおう……」

亀「少し前に難破していく船の瓦礫を受けてしまって、全身を強くぶつけたみたいなんだ…多分頭も強く打ってる。呼吸はしてるみたいだけど、目を覚まさないんだ…!」

桃太郎「承知した。人魚よ、拙者の声が聞こえるか?今から治癒を行う……では」パァー

髪の美しい人魚「……」ゼェゼェ

桃太郎「……」パァァァァー


234: ◆oBwZbn5S8kKC 2015/03/10(火)22:26:31 ID:Gkh

桃太郎「……」パァァァァー

亀「おお、傷が見る見る塞がって…元通りの綺麗な肌に!」

カモメ「凄いな、人間にはこんな能力を持っている奴もいるのか」

赤鬼「すまん待たせたな。それでどうだ?治療はうまくいっているか?」

髪の美しい人魚「……う、うぅっ……私は……」

赤ずきん「どうやら意識はとりもどしたみたい……一安心ね」

桃太郎「よし、このまま治癒を続けていくとしよう…」パァァァー

髪の美しい人魚「……ぅう、ここは……?」

カモメ「気が付いたみたいだな、ここは港町の近くの入り江だ」

髪の美しい人魚「あぁ、あの入り江ですか……私は確か……仕事中に瓦礫の下敷きになって……それで……」ボーッ

亀「人魚さん!よかった、意識が戻ったんですね!すいませんでした、俺を助けようとしてあなたが犠牲に…!」

髪の美しい人魚「あ、あぁ…そうでした、亀さんを助けようとして……そのまま動けなくなったんですね、私。亀さん、怪我はないですか?」

亀「はい、俺は平気です!本当に迷惑かけてしまって…あ、でもこの方達が怪我をしたあなたを治療してくれたんです!」

髪の美しい人魚「まぁ、それはお礼を…………」クルッ

桃太郎「意識がはっきりしたようで何より……治癒を続ける故、もうしばらくそのままにしていてもらおう」パァァァー

髪の美しい人魚「人間…っ!」ババッ


235: ◆oBwZbn5S8kKC 2015/03/10(火)22:27:44 ID:Gkh

桃太郎「どうしたのだ…?それよりまだ治癒は終わっていない、じっとしていることだ。動いてはきちんと治癒できn」

髪の美しい人魚「私に触れるな……この卑しい人間め!」ヒュッ

桃太郎「何を…っ!落ち着け、拙者はお主の傷を治すべくここに来た、敵ではない…!」パシッ

赤鬼「なっ…!?いきなり平手打ちだと…!?」

赤ずきん「受け止めなかったらそのまま叩かれていたわね、けれど突然攻撃してくるなんて……」

桃太郎「拙者とて日ノ本の武士。易々と隙など見せぬ……が、よもや怪我人に叩かれそうになるとは思わなかった」

髪の美しい人魚「何故、人間なんかに…!亀さん、あなたは何故人間なんかに助けを求めたのですか!?」

亀「そ、それは…カモメに彼等が信用できそうだと聞いたので……」

カモメ「……なんかやべぇ空気だな、じゃあ人魚も無事だし俺はこれで失礼する!」ソソクサー

亀「あっ!ずるい…!」

髪の美しい人魚「人間などに助けを乞うくらいなら海の藻屑と散った方が遙かに良かった…!」

髪の美しい人魚「人間の手で生きながらえるなどこのような屈辱、私はディーヴァとして耐えられない…!先程の件といい、あなたは私たち人魚より人間共を信用するんですね?それならば私たちにも考えはあります…!」プルプル

亀「あ、あ、そんなことないです!すいませんでした!うわあぁぁー!」ザバザバー


236: ◆oBwZbn5S8kKC 2015/03/10(火)22:28:34 ID:Gkh

髪の美しい人魚「待ちなさい…!話はまだ終わって……うっ!」ズキッ

桃太郎「ど、どういう事情か知らぬが落ち着いてくれ。まだ完全に傷が癒えた訳じゃn」

髪の美しい人魚「私に触れるなと…何度も言わせるな!」ヒュン

桃太郎「…くっ!一体なんだというのだ…!」バシッ

赤鬼「今度は尾ビレで叩きつけてくるとは…おい、桃太郎!一度離れろ、治療は続けられそうにないぞ!」

赤ずきん「そうね、どうやら彼女は私たち人間に良い感情を持っていないようですもの」

髪の美しい人魚「何を今更…!お前達が私たち人魚に何をしたのか忘れたのか!」

桃太郎「あいにく拙者は余所者故、お主達の確執など知らぬ……だが怪我をしているお主を治癒すると決めたのは拙者だ、完治するまでは治癒を諦めぬ」

赤鬼「お、おい、桃太郎…」

桃太郎「悪の権化をねじ伏せることが戦いならば、善良な民の病や傷を癒すこともまた拙者にとっては戦い。拙者の刀が魔を断つ刃ならば、邪を払い穢れを打ち払う治癒の力もまた拙者の刃なり」


桃太郎「この桃太郎、お主の怪我を完治させることに一切の妥協などせぬ」


237: ◆oBwZbn5S8kKC 2015/03/10(火)22:30:19 ID:Gkh

髪の長い人魚「私は人間などに助けてくれ等と言った覚えはない!むしろ勝手な事をされて酷い屈辱を受けた!大方、恩を売ろうとでもしたのだろうが無駄だ、私は騙されない」ギリッ

桃太郎「拙者は恩を売るつもりなど毛頭ない……」パアアァァァ

赤ずきん「あなた達とこの世界の人間に何があったのか知らないけれど、怪我に耐えてまで意地をはる必要があることなのかしら?」

桃太郎「くっ…!離せ…!いますぐにその得体の知れない能力を私に使うのはやめろ!」

赤鬼「なぁ、人魚よ。誤解しないでくれ、オイラ達は本当にお前さんを助けるためにここに来たんだ!」

髪の美しい人魚「やかましい人間め…!お前達の言葉を信用する人魚なんかいない!」キッ

赤ずきん「どうやら、随分と嫌われているみたいね。……彼女がとりあえず無事になったのならもういいでしょう。私たちは町へ戻りましょう、これ以上は無意味よ」

髪の美しい人魚「帰す訳ない…!人魚の姿を見た以上、生きては帰さない!お父様の為にも私は…!」ググッ

髪の美しい人魚「今宵、人魚の姿を見た人間は一人として居なかった、さぁ卑しい人間と言葉を交わすのもおしまい…!永久に覚めることのない眠りへ落ちていけ…!」スゥッ

桃太郎「何かするつもりだぞ…!赤鬼殿、赤ずきん!用心せよ!」

髪の美しい人魚「アーアアアーアアーアアアー♪」


238: ◆oBwZbn5S8kKC 2015/03/10(火)22:32:14 ID:Gkh

髪の美しい人魚「アーアアアーアアアーアーアアー♪」

赤鬼「歌…か?突然歌なんか歌ってどうしたというんだ…?」

赤ずきん「なんなの…この、歌声…ものすごい眠気が…襲ってくる……まさかあの人魚……zzz」トサッ

赤鬼「赤ずきん!どうした!?」

桃太郎「……赤鬼殿、これはおそらくあの人魚の妖術のようなもの…!」ググッ

赤鬼「妖術…魔法の類か…!」

桃太郎「おそらく……。だが、すまぬ…!拙者もこれ以上は耐えられぬ……無…念……zzz」ドサッ

長い髪の人魚(なんだ…この男、どうして私の歌声で眠らない…!)アーアアアーアアー♪

鬼神『ドウヤラ人魚ノ女ハ相当ナ憎シミヲ人間二向ケテイルヨウダナ…ドウスルンダ赤鬼?得意ノ講釈ヲ述ベ、説得スルノカ?我ニハ無意味二思エルガナ…クックックッ』

赤鬼「おい人魚…!お前が人間に恨みを持つ理由は知らないが、こんな事をしてなんになる!オイラたちを殺せばお前の無念は晴れるのか!?そうじゃねぇだろう!」

髪の美しい人魚「黙れ!貴様のような人間に何がわかる…!」

赤鬼「……こんな諍いに意味がないって事は今まで何度も見てきたから知っている!それにオイラは人間じゃない」ファサッ

髪の美しい人魚「赤い皮膚に…角…!人魚と人間以外にこんな種族が…!?」

赤鬼「鬼だ。この世界には存在していないのかもしれない。お前の妙な魔法の歌が通じないのも、オイラが人間じゃないからだろう」

髪の美しい人魚「……っ!」ギリッ

赤鬼「お前と同じく人間じゃないオイラならお前の話を聞いてやれる、もう種族間での争いはたくさんなんだ…!」


239: ◆oBwZbn5S8kKC 2015/03/10(火)22:33:19 ID:Gkh

髪の美しい人魚(鬼?私の歌声が利かない種族?そんな事は今までになかった…)

髪の美しい人魚(相手は人間の肩を持つ敵だ。けれど、まともに戦って勝てる相手じゃない、この体格差だ)

髪の美しい人魚(私はディーヴァであって兵士じゃない。けれど、こいつはここで殺しておかなければいけない。ディーヴァが太刀打ちできない相手なんか居てはいけない)

髪の美しい人魚(なら、ここは屈辱を噛みしめてでもやり過ごして…確実に…)

髪の美しい人魚「……鬼といいましたね?私も突然の出来事に動転して、少々やりすぎてしまいました」

赤鬼「わかってくれたか人魚よ…!だったらこの二人を元に戻してくれ、種族の違いで差別したりするような奴じゃないんだ」

髪の美しい人魚「ええ、では一度人魚の国へ戻り…あの二人を元に戻す薬をお持ちします」

赤鬼「おお、元に戻るんだな?そいつは助かる!」

髪の美しい人魚「では、少しの間ここで待っていてくれますか?あの二人は今深い眠りについていますからあなたは決してここから離れないように」

赤鬼「おう、二人が戻ったらお前の悩んでることも全部聞く!お前達の抱えている問題をみんなで解決しようじゃねぇか、な!」ニッ



髪の美しい人魚「この憎しみが容易く消えるものか…!」ボソッ



赤鬼「ん…?」

髪の美しい人魚「いえ、ではしばらく待っていてくださいね」ニコッ



ザブーン


240: ◆oBwZbn5S8kKC 2015/03/10(火)22:36:44 ID:Gkh

海底 珊瑚で出来た王宮


執事魚「なるほど…状況は把握いたしました。さぞかし悔しい思いをされたことと……」

髪の美しい人魚「私が人間に命を救われたことは私と貴方だけの秘密です。他言は無用、特にお父様の耳には決して入らないように」

執事魚「心得ております。貴方様を失う事は国に不利益しかもたらしませんので。それでは、この薬をその入り江にいる鬼という種族の男にわたせばいいのですね」

髪の美しい人魚「ええ、私が赴く必要はありませんから。眠っている二人の回復薬だと言ってください、そしてあの男には不老不死の薬といえば騙せるでしょう。ただ、必ずあの男が薬を飲むのを見届けてから立ち去るように」

執事魚「まさか毒薬だとはそやつも思わないでしょうな」ハハハ

髪の美しい人魚「声が大きいですよ。くれぐれも内密に事を進めなければいけないんです」

執事魚「はい、お任せください!では行って参ります!」ザバザバ


ドンッ


241: ◆oBwZbn5S8kKC 2015/03/10(火)22:45:04 ID:Gkh

人魚姫「あいたた…」

執事魚「うぐっ!いたたた…あっ、これは失礼しました姫様!突然飛び出してしまった私の不注意でして!」

人魚姫「ううん、へーきへーき。あたしも寝不足でぼーっとしてたからさー。なんか慌ててるけどどっかいくの?」

執事魚「いえいえ、ちょっとそこの入り江までです!それでは失礼して、ごきげんよう!」

人魚姫「ふーん…あー、それにしてもチョー眠い…マジで寝不足…」ファァア

髪の美しい人魚「人魚姫…またあなたはそんなだらしない姿をして…!」

人魚姫「げっ…姉ちゃん、もう帰ってたんだ……」ウゲー

髪の美しい人魚「なんですかその言葉遣いは…せめて『お姉様、お帰りになられていたのですね』でしょう。ちょっとこっちへ来なさい、人魚姫。お話があります」

人魚姫「いーよ…あたしは姉ちゃんに話なんか無いし」

髪の美しい人魚「いいから来なさい、それともお父様に叱っていただきますか?」

人魚姫「……わかった、姉ちゃんの話聞くよ」ハァー





人魚姫「……チョーだるい」ボソッ


242: ◆oBwZbn5S8kKC 2015/03/10(火)22:51:20 ID:Gkh

髪の美しい人魚「寝不足だと言っていたけれど、あなたは一体何をしていたの?歌のレッスンは進んでいるの?」

人魚姫「…別に姉ちゃんにはカンケー無いじゃん」

髪の美しい人魚「そうはいきません、私は長女として末妹のあなたを導く義務があるんですよ?言いなさい」

人魚姫「……姉ちゃんが仕事で居ないって聞いたから、ちょっと沖までアクセサリーの材料を探しに行ってただけ。綺麗な珊瑚がある穴場みつけちゃったんだよねー」ニヤニヤ

髪の美しい人魚「ヘラヘラするんじゃありません。まったく、あなたはまだアクセサリー制作なんか続けているのですか?あんなものなんの役にも立たないというのに」フゥ

人魚姫「『あんなもの』ってなんなの?いーじゃん、別に姉ちゃんに迷惑かけてないんだし。それにあたしが作った奴、結構評判いいんだかんね?」ムッ

髪の美しい人魚「あなたももうすぐ海上へあがる事が許される年齢でしょう?いつまでもそんなくだらない趣味にうつつを抜かしていてはいけません」

人魚姫「くだらないかどうかはあたしが決める事じゃん!姉ちゃんにそんな事言われる筋合いないんだけどー!」ムカムカ

髪の美しい人魚「あなたはディーヴァになるんだからそんな趣味はもうやめなさい。必要ないんだから」

人魚姫「またでた……それにもうただの趣味じゃないんだけど?あたしはアクセサリー作って生活していくって決めたの!そのための勉強もしたし技術だって磨いた、それが私の夢なんだから!」


243: ◆oBwZbn5S8kKC 2015/03/10(火)23:08:13 ID:Gkh

髪の美しい人魚「いつまでも子供のような夢を語らないで、人魚姫」

人魚姫「子供のようなって…あたしはマジなんだけど?」イライラ

髪の美しい人魚「あなたにはディーヴァの才能があるの。必ず私や他の姉妹なんか比べものにならない圧倒的なディーヴァになる、あなたの歌声が人間に与える影響は私たちのそれとは格が違うのだから」

人魚姫「……その話はやめてよ、聞きたくないんだけど」

髪の美しい人魚「あなたがディーヴァになることはもう決定事項です。反抗することは許しませんよ。お父様もあなたに期待しています。あなたがディーヴァとなる日を待ち望んでいるんですから」

人魚姫「お父様は『娘としてのあたし』に期待してなんかいない。あの人は『兵器としてのあたし』に期待してるだけ!あの人は私の歌声なんか興味ない、興味があるには私に歌声でどれだけの人間が殺せるかだけでしょ!?」

髪の美しい人魚「人魚姫!あなたお父様に失礼なことを…!」

人魚姫「あーもう!うるさい!あたしは絶対にディーヴァになんかならないから!」



人魚姫「姉ちゃんみたいにあの人の言いなりになんか絶対なんないから!人殺しのために歌を歌うなんて、もう二度とやんないから!」スィー

髪の美しい人魚「こら!待ちなさい!人魚姫…!」


244: ◆oBwZbn5S8kKC 2015/03/10(火)23:08:41 ID:Gkh

今日はここまでです

人魚姫編 次回に続きます


245: 名無しさん@おーぷん 2015/03/10(火)23:11:56 ID:UBS

人魚姫、まさかのデコ姫系女子☆彡でしたか…!!!


……姉ちゃんと姫ゎ……ズッ友だょ……!!


247: 名無しさん@おーぷん 2015/03/11(水)02:24:57 ID:BWW

>>1さん乙です!
果たして赤コンビは奔放な姫とズッ友になれるか…ですね。
次回が楽しみです!!


249: 名無しさん@おーぷん 2015/03/11(水)12:52:13 ID:fe2

(人魚姫の乳スペックが気になります)


>>249
(ご想像に任せます)


250: 名無しさん@おーぷん 2015/03/11(水)15:09:46 ID:Xgi

桃太郎「くっ…!離せ…!いますぐにその得体の知れない能力を私に使うのはやめろ!」
ここミス?


>>250
すまん、ミスです。そして早々に崩れ去る誤字脱字0の目標


252: 名無しさん@おーぷん 2015/03/11(水)21:20:09 ID:IeL

ラプは今回来ないか。ローラっぽくて好きなんだよ(´・ω・`)

いや、桃さんも好きですよ?
ギャグマンガ日和っぽくて


253: 名無しさん@おーぷん 2015/03/12(木)02:33:33 ID:bfi



人魚に人間への凄まじい憎しみをもたらした出来事とは何だったんだろう・・・


>>253
人魚の肉を食べると不老不死になるとかいうしな

鬼の時と同じようにそれ目当てで襲われたとかしたんじゃないの?


256: 名無しさん@おーぷん 2015/03/12(木)20:40:14 ID:yTe

おい!すごいこと気がついたぞ!



人魚姫ちゃんパンツはいてないんじゃね?


>>256
そこに気づくとは・・・天才か


>>256
女を外見や胸で判断するのは女の敵って赤ずきんちゃんが言ってたぞ


>>256
コーラ吹いたwww


264: ◆oBwZbn5S8kKC 2015/03/17(火)22:55:57 ID:NZS

スィー

人魚姫「あーもう!姉ちゃんはあたしの顔見たらディーヴァになれなれってそればっかり!」イライラ

人魚姫「昔はもっと優しかったのに、近頃マジで口うるさいし」イライラ

人魚姫「ディーヴァの仕事だってそーだっての、姉ちゃんがあんな仕事しなくたっていいのに…!」ムカムカ

人魚姫「人魚を守るためってのはわかるけどさー…」

人魚姫「人魚を守るために人間を殺すのってなんか違うじゃん。頭悪いあたしにだっておかしーってわかるのに、なんであんな仕事があんだろ…意味わかんない」

人魚姫「……あー!もう気分変えなきゃやってらんない!」バンッ

人魚姫「あっ、そーいえば姉ちゃんの執事が確か入り江に行くって言ってたっけ。あたしも行ってみよっかなー、あそこキレーな貝殻取れるし気分転換に海上に出てみるのもいいかも」

人魚姫「それにあの執事なんか慌ててたから、姉ちゃんから命令されたナイショのおつかいかもしんないし」

人魚姫「もしかしたら姉ちゃんのヒミツとかがわかって…うまくいけば弱みとか握れるかも!そしたらもう説教されないんじゃん?」ニヤニヤ

人魚姫「うんうん!テンション上がってきた!そうと決まったら急いで追いかけなきゃね!よーっし!全速力で泳いでくしかないっしょ!」

スイスィー


266: ◆oBwZbn5S8kKC 2015/03/17(火)23:00:20 ID:NZS

秘密の入り江

赤鬼「おい、赤ずきん。聞こえるか?」ユサユサ

赤ずきん「……」スヤスヤ

赤鬼「…ダメか。声をかけても揺さぶっても起きないな…おとなしく薬を待つしかないか」

赤ずきん「……」スゥスゥ

桃太郎「……」グゥグゥ

赤鬼「聞いた人間を眠らせる歌……か。桃太郎の治癒能力にしろ雪の女王の評決能力にしろ余所の世界は未知のことだらけだな」

鬼神『フム、実ニ奇妙ナ能力ダ』

赤鬼「鬼神…」

鬼神『眠リトイウ無防備ナ状態へ誘ウトイウノハ、ナカナカニ侮レヌ。見ヨ、赤イ頭巾ノ娘モ…桃ヨリ生マレシ侍モ死ンダヨウニ眠ッテオルデハナイカ』クックック

赤鬼「死んだようにとか縁起でもないこと言わないでくれ、じきにあの人魚が二人にかかった魔法を解く薬を持って来てくれるんだ。二人はすぐに目覚めるさ」


267: ◆oBwZbn5S8kKC 2015/03/17(火)23:01:32 ID:NZS

鬼神『……フンッ、甘イ甘イ。ダカラ貴様ハ青二才ナノダ』

赤鬼「どういうことだ?」

鬼神『アノ人魚ハ薬ナド渡スツモリハナイダロウ。モトヨリ…全員殺ス算段ダッタガ鬼ニ自分ノ歌ガ通用シナイトワカリ、次ノ手ヲ打ツ事二シタノダロウ』

鬼神『ドノヨウナ手ヲ使ウカワカラヌガ、気ヲ抜クナヨ赤鬼。アノ娘ハ貴様ヲ殺ス為二一度海ヘ消エタダケダ、殺ス手筈ヲ整エテ我等ノ前二再ビ現レルダロウ』

赤鬼「待て待て、なんでそう疑ってかかるんだ!人魚が言っていただろう?気が動転していただけなんだあいつは。我に返ってやり過ぎた事に気が付いた、だから薬を手配してくれるんだ」

鬼神『滑稽ダナ赤鬼。アノ娘ハ凄マジイ憎悪ヲ抱エテイタ、歌声ヲ上ゲル娘ノ瞳ハ確カナ殺意ヲ纏ッテイタゾ?』

鬼神『我ハ憎悪カラ生マレシ鬼神。憎悪、悪意、殺意……負ノ感情ヲ察知スルナド容易イ。アノ娘ノ抱エル憎シミハ青二才デアル貴様ノ説得デ緩ムヨウナモノデハナイ』

赤鬼「……」


268: ◆oBwZbn5S8kKC 2015/03/17(火)23:05:04 ID:NZS

赤鬼「認めたくはないが、憎しみから生まれたお前が言うのなら、きっとそれは真実なんだろう……だが!考えを改めることはできるだろ!憎しみ殺し合って種族間でいがみ合うより共存するほうがいいに決まってる!」

鬼神『我ニハ人間ト人魚ノ確執ヤ共存ナドニ興味ハナイ。アノ二人ガ二度ト目覚メヌトシテモ知ッタコトデハナイ。ダガ貴様ノ肉体ハイズレ我ノモノトナル、コノヨウナ場デ易々ト命ヲ落トサレテハ迷惑ダ』

赤鬼「……ただ少しだけ外見や習慣が違うだけで何故こうもわかりあえないんだ…人間も人魚も鬼も争う必要なんか無いだろ!」

鬼神『無理ナ話ダ、種族ガ存在スル数ダケ諍イハ必ズ起キル……』

ザバザバー

鬼神『ヌッ、ドウヤラ何者カガ近ズイテイルヨウダナ……赤鬼、油断セヌヨウニスルノダ。相手ハドノヨウナ手ヲ打ッテクルカワカラヌノダカラナ』

赤鬼「……油断はしない、だが敵視もしないぞオイラは」

鬼神『好キニシロ……ダガ圧倒的破壊力ガ必要ナラバ我ヲ出ス事ダ。尤モ借リウケタ肉体ヲ返スツモリハ無イガナ』クックック

赤鬼「……」

ザバザバー

執事魚「すいません、あなたが鬼さんですか?」バシャバシャ


269: ◆oBwZbn5S8kKC 2015/03/17(火)23:10:46 ID:NZS

赤鬼「ああ、そうだが……お前さんは何者だ?」ザバザバ

執事魚「あっ、申し遅れました!ワタクシ、人魚の国の執事を勤めております。先程、姫様があなたにお世話になったとお聞きしまして」ペコリ

赤鬼「姫…?あいつ姫なのか!?」

執事魚「? えぇ、はい、6人いらっしゃる姫様のうちの一人でございます。長女らしくしっかりしたお方で、姉妹の中で尤も美しい髪の毛を持っていると言われておりまして」

赤鬼(そうだった、人魚姫には姉がいるんだったな。そしておとぎ話【人魚姫】の主人公は末妹。桃太郎が治癒した人魚は人魚姫の姉だったという事か)

執事魚「本来ならば姫様が出向くはずでしたがまだ傷が完治しておりませんのでワタクシがお礼の品をお持ちしました…どうぞお納めください」スッ

赤鬼「いやいや、礼なんていいんだ。それよりも人魚の歌声で眠らされたあの二人を目覚めさせる薬を頼んだんだ、すまないがそれを先にくれないか?」

執事魚「え、ええ、それはそれとして…先に貴方様にこの薬を飲んでいただきたい。なんと不老不死の薬ですよ!すばらしい秘薬です!」

赤鬼「いや、すまんが不老不死には興味がないんだ」

執事魚「えぇっ!?不老不死ですよ!?」

赤鬼「すまん、お前の主人には気持ちだけ受け取っておくと伝えてくれるか」

執事魚(不老不死が目的で多くの人魚が捕らえられているというのに、こいつは興味ないというのか!?バカな!)


270: ◆oBwZbn5S8kKC 2015/03/17(火)23:12:52 ID:NZS

執事魚「ですが、キチンとお礼を受け取ってもらったか確認するように厳しく言いつけられておりまして…」アセアセ

赤鬼「まいったな…オイラ達は礼が欲しくてあの人魚を世話したわけじゃないんだ。だから不老不死の薬はいらない。それよりも友達があの歌声で眠らされたままなんだ、目覚めさせる薬さえ貰えればそれでいいんだが」

執事魚「う、うぅ、参りましたね…いや、ここはもう飲んだことにしてください。じゃないと報告できませんので!」グイグイ

赤鬼「な、なんだ…お前さん強引だな……っ!」

ザバー

人魚姫「飲んじゃダメだよ、その薬」


赤鬼「なんだ…さっきの人魚より随分と若い人魚だが…お前さんの知り合いか?」

執事魚「に、人魚姫様…!?ど、どうしてここに…!?」ビクビク

人魚姫「気をつけなねお兄さん、そいつウソついてるからさ」

赤鬼「なにっ?嘘だと?」

人魚姫「そっ、この薬が不老不死の薬ってウソだよ。人魚の国にそんなの存在しないしさ、たとえあってとしてもチョーレアな薬じゃん。姉ちゃんの判断であげたり出来ないっしょ?」パシッ

執事魚「あっ、お返しください!人魚姫様!」


271: ◆oBwZbn5S8kKC 2015/03/17(火)23:14:30 ID:NZS

人魚姫「なんだかそのお兄さんにやたらと飲ませたがってたけどさー、なんなのこれ?まっ、だいたい想像つくけどー…試しにあんたが飲んでみてよ、ほら」グイグイ

執事魚「えぇっ!?ワタクシがですか!?お、恩人へのお礼をワタクシが口にするなんてできませんよ!」

人魚姫「できるっしょ?お兄さんもともと要らないって言ってたし、あんたが飲んでも姉ちゃんにはバレないバレないー。それに不老不死だよ、やったじゃーん」ニヤニヤ

執事魚「わかりましたわかりました!本当にやめてください!まだ死にたくないんです!不老不死というのは嘘なんです!」ウワアァァァ

人魚姫「ほらやっぱりそーじゃん。で?どーせこれ毒薬っしょ?」

赤鬼「なっ、毒薬…!?そうか、だから先にオイラに飲ませようとしていたのか…!」

執事魚「うぅ……その通りです」

人魚姫「ねー、お兄さんどーする?こいつあんたに毒薬飲ませようとしたわけだけどさ」

鬼神『鬼ヲ騙ソウトシタ報イハ受ケテモラウ。無論、焼魚ニシテ喰ラウ他アルマイ』

赤鬼「いや…逃がしてやってくれ。そいつもあの人魚に言われてやっただけだろうからな、それにオイラは生きてる。なんの問題もない」


272: ◆oBwZbn5S8kKC 2015/03/17(火)23:15:57 ID:NZS

人魚姫「そっか、ありがとね。だってさ、よかったね優しい人で。でも姉ちゃんにはごまかしておいた方がいーかんね?失敗したってバレたらあんたもまずいっしょ?」

執事魚「うぐ、わかりました…姫様にはうまく誤魔化しておきます…」

人魚姫「じゃーあたしもナイショにしとくね!そのかわりあたしがここに来たこともナイショだかんね?」シーッ

執事魚「わ、わかりました…くれぐれも内密に…!では失礼します」

ジャボーン

赤鬼「…うむ、助かった。危うく殺されてしまうところだった、礼を言おう」ペコッ

人魚姫「んーん…謝るのはこっちっしょ?ゴメン…なんか命狙われちゃって。もう大丈夫だと思うからさ、マジゴメンね?」

赤鬼「いや、お前さんが悪いわけではないだろう…まぁ、衝撃は受けたがな…」

人魚姫「姉ちゃんと知り合い…なわけないか、何があったか詳しく聞かせてちょーだいよ……えっと?」

赤鬼「赤鬼だ、旅の途中で近くの街まで来ている」

人魚姫「おっけー、赤鬼ね。あたしは人魚の国の人魚姫!6人姉妹の末妹だよー、好きなよーに呼んでね赤鬼」

赤鬼「うむ、わかった。実はだな……」カクカクシカジカ


273: 名無しさん@おーぷん 2015/03/17(火)23:16:25 ID:01T

執事魚って半人半魚の人魚なのか・・・?


>>273
ちょっとでかい魚のイメージ?でも人魚だとしても問題は無いよ


274: ◆oBwZbn5S8kKC 2015/03/17(火)23:17:49 ID:NZS

・・・
・・



人魚姫「あいつ…!信っじらんない!!」バーンッ

赤鬼「お、おい人魚姫落ち着け!」

人魚姫「なんで赤鬼は怒んないの!?大怪我した姉ちゃんを助けて手当してあげたのに友達を眠らされたあげくあんたのこと騙して殺そうとしたんだよ!?あいつ!」イライラ

赤鬼「怒っていないと言えば嘘になるが、しかしここで憤ってもしかたないだろう。それにどうやら人魚は人間との間に因縁があるようだし…詳しく知らないオイラが口を挟むわけにもいかんだろう」

人魚姫「…まぁうん、人間とはちょっとねー…でもあたしはそんなに気にしてないけど、姉ちゃんはディーヴァだから特に人間嫌いなんだよねー」

赤鬼「ディーヴァ?…ああ、ところで事情は話したとおりだ。あそこで眠っている友達を目覚めさせたいんだが、何か方法はないのか?どれくらい眠ったら目覚めるとかないのか?」

人魚姫「あー……その金髪の女の子とイケメンのお兄さんか、姉ちゃんの歌声聞かされちゃったって言ってたっけ。だったらもう二度と目は覚めない、どんなおっきな音でも無理。姉ちゃんなら解けるけどそれは期待できないしー」


276: ◆oBwZbn5S8kKC 2015/03/17(火)23:21:14 ID:NZS

赤鬼「二度と覚めないって…どうしても方法はないのか!?」

人魚姫「うー…方法がないわけじゃないけどさ。あれはちょっとなぁー……」ウーン

赤鬼「どうすりゃいいんだ!?薬が必要なのか?なんでもするぞオイラは、だからこいつらを助けてやってくれ」

人魚姫「…なんでも?」

人魚姫「なんでもっつったよ今!じゃあ助けたらなんでもお願い聞いてくれんの?」ワクワク

赤鬼「う、うむ!出来ることならなんだって聞いてやる」

人魚姫「じゃああの金髪の女の子に…よしっ!」

赤鬼「……?」

人魚姫「じゃあやっちゃいますか!あーっ、うんうん…喉の調子はそこそこって感じ?」アーアー

赤鬼「何をするつもりだ?まさかお前も歌でなんとかできるのか!?」

人魚姫「まぁそゆこと、あたし達人魚の王族は女だけ歌声に特別な能力が宿るの。姉ちゃんが人間を眠らせたようにね…私はちょっと特別だけどね…よし、じゃあいくよ」



人魚姫「今、あたしの歌を聴いた人間はみんな…『眠りから覚める』!いっくよー…ラーラーララーラララー♪」


277: ◆oBwZbn5S8kKC 2015/03/17(火)23:23:48 ID:NZS

人魚姫「ラーラーララーラーラララー♪」

桃太郎「グゥ…………はっ!拙者は……」ガバッ

赤鬼「桃太郎!目が覚めたみたいだな、よかった!」ウオォォ

桃太郎「そうか…拙者はあの人魚の歌を聴いて眠りに落ちてしまったのだったな…そうだ、赤ずきんはどうした?あいつも人魚の歌を聴いていただろう」

赤ずきん「スゥスゥ……スゥスゥ……んっ……んん……」ムニャムニャ

桃太郎「どうやらまだ半分眠っているようだが……無事のようだな、赤ずきん起きるんだ。赤鬼殿が拙者達を助けてくれたのだ、さぁ目覚めよ」ユサユサ

赤鬼「おい、桃太郎…赤ずきんを無理に起こそうとすると」

赤ずきん「……わたしはもう……おきてる……zzz」ヒュッ

桃太郎「……っ!」ペチン

赤鬼「寝ぼけてるから平手打ちされるぞ、気をつけろ」

桃太郎「……次は早めに教えてくれると助かるのだが」ジンジン

人魚姫「あははっ!イケメンが平手打ちくらってるとかチョーうける!」ケラケラ


278: ◆oBwZbn5S8kKC 2015/03/17(火)23:26:47 ID:NZS

人魚姫「ねっ、ねっ!あんたもう目ぇ覚めたっしょ?だったらさ、早く起きて欲しいんだけどー」オーイ

赤ずきん「んっ……ねえ赤鬼、あの人魚…だれ?」グシグシ

赤鬼「ああ、オイラ達が助けた人魚の妹らしい。末妹だって言っていたからな【人魚姫】の主人公だろう。あいつがお前達を助けてくれた」ボソッ

赤ずきん「ああ、そうなのね……運が悪かったのか良かったのかわからないけれど……」グシグシ

赤ずきん「初めまして、私は赤ずきん。あなたが目覚めさせてくれたんですってね、助かったわ」

桃太郎「うむ、かたじけない。拙者は桃太郎。よろしく頼む」スッ

人魚姫「おっけーおっけー!赤ずきんと桃太郎ね、あたしは人魚姫。よろしくね」ニヘラー

赤鬼「オイラからも改めて礼を言おう。友人を助けてくれてありがとうな人魚姫」

人魚姫「いやーいいって、結局は恩知らずな姉ちゃんが眠らせちゃったのが原因だしね。あっ、でも赤鬼!約束は守って貰うから!」

赤鬼「お、おう…お手柔らかにな」

赤ずきん「約束…?赤鬼、あなた何を約束したの?まさか、私たちを救うために無茶な要求を飲んだんじゃ…!」バッ

人魚姫「大丈夫だいじょーぶ!赤鬼が何かする訳じゃないし、っていうか実際にやるのはあんただよ~赤ずきん」ニヤニヤ


279: ◆oBwZbn5S8kKC 2015/03/17(火)23:27:32 ID:NZS

赤ずきん「……私に何をさせるつもり?」ジリッ

人魚姫「そんな身構えなくたっていいって~、ちょっと私の夢の手伝いをして欲しいだけだからさ。今日はもう時間も遅いし続きはまた明日にしよっ!あたしももー眠いし」

赤ずきん「待って頂戴、あなたには他にも頼みがあるのよ」

人魚姫「じゃあそれも明日聞くよ、時間はたっぷりあるからさ!じゃあ明日の昼前にはここに来ててよ、そーだ…赤鬼、明日ここに来る前に買ってきて欲しい物があんだよね」

赤鬼「ん?おう、何を買ってくるんだ?」

・・・

桃太郎「何というか、姫にしては随分と奔放な娘だな。拙者の国の姫君と比較するのも違うのかも知れぬが……」

赤ずきん「そうね、でもきっと悪い人魚ではないでしょう。それに助けてもらったわけだから出来る限りの事はしなければね、ところで桃太郎はどうするの?すぐに戻りたいなら送るけれど…」

桃太郎「そうだな…折角の機会だ、犬猿キジ達に珍しい土産の一つでも用意したい。拙者を元の世界へ送り届けるのは明日にしてもらえるか?」

赤ずきん「そう、それなら明日にしましょう。あなたの世界ではお目に掛かれない物がたくさんあるからきっと彼等も喜ぶでしょうね」

桃太郎「そうだな、たまにはきび団子以外の菓子も食わせてやりたいものだ」ハハッ


280: ◆oBwZbn5S8kKC 2015/03/17(火)23:29:28 ID:NZS

翌日
秘密の入り江付近

ギーコギーコ

桃太郎「街で買い物をしていたら昼を過ぎてしまったな……もう赤ずきん達は入り江に着いているだろう、急がねば」ギーコギーコ

桃太郎「しかし、拙者の国とは街の様相から人々の風貌まで何から何まで違っていたな……よい経験となった」

桃太郎「同じものは空の青さと海の広さ…そして店先で売られている菓子がなんとも旨そうに見えてしまうことだ。つい買いすぎてしまったな…街の童達にも分けてやるとしよう」フフッ

桃太郎「さて、入り江が見えてきたぞ……」

桃太郎「……ん?」

桃太郎「……赤鬼殿と人魚姫、と赤ずきん……のはずだが」



桃太郎「何をしているのだあいつら……」


281: ◆oBwZbn5S8kKC 2015/03/17(火)23:32:41 ID:NZS

秘密の入り江

人魚姫「いーねいーね!やっぱり実際に着けてみないとアクセサリーの善し悪しなんかわかんないんだよ、赤ずきんチョーかわいいよー」ヘラヘラ

赤ずきん「……そういうのいいから早くして頂戴」

人魚姫「ふんふん、じゃあねー今度はそっちのピンクのフリフリの洋服と…そうだなぁ、あれなら…これかな、このネックレス合わせてみてよ」スッ

赤ずきん「……また着替えるの?もうどの洋服だって同じじゃないかしら、あなたは自分の作ったアクセサリーが人間にも似合うのかどうか見たいでしょう?」

人魚姫「わかってないなぁ赤ずきんは、違うっしょ?アクセサリーってのはそれだけ身につけるわけじゃないじゃん、人間はさ」ハァー

人魚姫「人魚と違って人間は服を着るっしょ?だからアクセサリーも毎日同じってわけにいかないじゃん、今日の服にはぴったりだけど明日の服にはイマイチってなるじゃん?」

人魚姫「だからさ、いろんな服との組み合わせをチェックしておきたいわけよ、アクセサリーを作るプロを目指すあたしとしてはね?」

赤ずきん「……わかったわ、これに着替えればいいのね?」

人魚姫「そうそう、あっそのまえにちょっと笑顔でクルッと回ってくれるといいなぁ、そしたら赤ずきんが欲しがってるあたしの鱗もバッチリキレイに取れそうなんだけどー」ニヤニヤ

赤ずきん「……随分と足元を見るじゃないの。こんなのはもうこれっきりよ」クルッ

人魚姫「うん、やっぱりあのブレスレットは何にでも合うなぁ……ほら、赤鬼もちゃんと可愛いって言ってあげなきゃ寂しいっしょ?」

赤鬼「いや、もう、オイラに振るのはやめてくれ人魚姫。めちゃくちゃ睨まれてるんだよ」

赤ずきん「言わなくてもあなたならわかってくれるわよね?」キッ

赤鬼「ああ、雪の女王にもキモオタ達にも言わんから安心しろ、それに気にするほど恥ずかしいことか?」

赤ずきん「浮かれてると思われるのが嫌なのよ…」

桃太郎「……何をしているのだお前達は」ザッ

赤鬼「おお!いいところに来た桃太郎!こっちでオイラと茶の支度でもしようじゃねぇか!何とも耐え難い空気だったんだよ」


282: ◆oBwZbn5S8kKC 2015/03/17(火)23:34:12 ID:NZS

桃太郎「赤鬼殿、差し入れの菓子だ。皆でつまんでくれ。それで…何をやっているのだあの二人は」スッ

赤鬼「ああ、すまんな頂こう。あの二人はあれだ、人魚姫が…なんつったかな、アクセサリーだったか?首飾りや腕輪を作る職人になるのが夢らしくてな、自作のそれを試しに赤ずきんにいろいろと着けてもらって具合を見ているらしい」

桃太郎「なるほど、どこの国でもおなごがそういった物に興味を持つのは同じと言うことか…にしても意外だな、赤ずきんはどこか冷めているところがあるからこのような事は嫌がりそうなものだが」

赤鬼「まぁなぁ、乗り気ではないだろうがあいつも律儀だからな。助けてもらった恩があるってのと、必要な『人魚姫の鱗』の事もあるしな……それになによりも」

・・・

人魚姫「じゃあ今度はこの髪飾り頼める?でね、なんというかこう無邪気な感じでくクルッと回ってくれっといい感じなんだけどなー」

赤ずきん「無茶言わないで頂戴…ほら、こう?」クルッ

人魚姫「やっぱり海中と陸だと色の映え方が全然違うなぁ、これは調整の必要あり…って感じ。人間の服って肩や胸元が隠れる服が多いからネックレスはもっとシンプルに……」ブツブツ


283: ◆oBwZbn5S8kKC 2015/03/17(火)23:36:13 ID:NZS

・・・

赤鬼「人魚姫の奴、ヘラヘラしてふざけてそうに見えるけど相当真剣にやってるんだよ。赤ずきんもそれをわかってるから協力してやってるんだろうな」

桃太郎「人魚姫にとってはそれが戦いなのだろう、戦いとは悪に立ち向かい断ち切ることのみにあらず。己の夢を追い、その道程にある障害を自ら乗り越え夢へと近づく…これもまた戦いなり」

赤鬼「違いない、まぁオイラ達はそれに協力するだけだ……っと茶を沸かそうにも薪がないな」

桃太郎「ならば拙者が拾い集めてこよう、奥の藪に入ればすぐであろう。一時、拙者の刀を見ていて貰えるか?このような場所に盗人など現れぬだろうが一応な」ガチャッ

赤鬼「そりゃあ構わんが……いいのか?大切なものだろう?」

桃太郎「だからこそお主になら任せられるのだ、この船縁に立てかけておくから時折見てくれ。ではしばし待っていてくれ…赤鬼」スッ

赤鬼「…おう、任せたぞ桃太郎!」


285: ◆oBwZbn5S8kKC 2015/03/17(火)23:46:40 ID:NZS

人魚姫「じゃあちょーっと疲れただろうし、ひとやすみしよっかー」

赤ずきん「ええ、そうね……赤鬼、水を一杯貰えるかしら」フゥ

赤鬼「なんだ、休憩か?すまんがまだ湯が沸いていないんだ、茶はもう少し待ってくれ…ほら、水だ」スッ

赤ずきん「ありがとう。悪いわねお茶の準備を任せっきりで」

赤鬼「今日はシンデレラに教わった紅茶っていう奴に挑戦するつもりだ、いつも緑茶だと飽きるだろう?人魚姫もこっちに来るといい、海底に住んでるなら茶も菓子も珍しいだろ?」

人魚姫「あーっと、すごく興味あるんだけどね?お茶っていうの海中にはないしさ、でも陸には上がれないんだ。ほら、あたしにはあんたたちみたいな足がないんだよね。人魚だししょーがないけどさー」

赤鬼「ああ、そりゃあ気がつかなかったな。すまん…」

赤ずきん「でも船縁に腰掛けるくらいはできるんじゃない?船の近くで準備すれば一緒にお茶できるでしょう?」

赤鬼「そうだな!船が燃えない程度に近づけば問題ないもんな、よし移動するか」

人魚姫「いいの?サンキューね、赤ずきん、赤鬼!じゃあ船縁に座って待ってますかー……っと」

ゴトッ

人魚姫「これって……桃太郎の持ってた奴だよね、確か刀とかいう……」





人魚姫「いーこと思いついちゃったんだけど…!」ニヤニヤ

ゴソゴソ


286: ◆oBwZbn5S8kKC 2015/03/17(火)23:55:45 ID:NZS

・・・

ガサガサ

桃太郎「薪に使えそうな木を拾い集めてきた、これだけあればいいか?」ドサッ

赤鬼「ああ、十分だ!ありがとな桃太郎。じゃあちょっと待ってろよー」ガチャガチャ

赤ずきん「赤鬼から聞いたわよ、お菓子まで差し入れてくれたのね。どう?お供の彼等にいいお土産は見つかったのかしら?」

桃太郎「うむ、旨そうな焼き菓子があったのでな、それにした。いつもきび団子か柿だからな」

赤ずきん「キチンと多めに買っておいたかしら?彼等のことだからまた喧嘩するわよ?」クスクス

桃太郎「抜かりはない、この間も犬と猿がどっちが何個多くきび団子食べた食べてないで大喧嘩してな…」

赤ずきん「相変わらずなのね、賑やかでいいじゃない」クスクス

桃太郎「まぁそうだがな…しかし、賑やかといえば人魚姫はどうした?えらく静かだが?」

赤ずきん「あら?さっきはそこの船縁にいたけれど?」


人魚姫「おー、帰ってきてたんだ!オツカレー、差し入れくれた桃太郎にお礼代わりにいいものプレゼントしてあげるよ、はい」ヘラヘラ

ガチャッ

桃太郎「……ん?これは……!」


287: ◆oBwZbn5S8kKC 2015/03/18(水)00:08:35 ID:y6H

キラキラキラ

桃太郎「これ……なに?」プルプル

赤ずきん「桃太郎の刀じゃないかしら?随分とキラキラしているけれど」

桃太郎「いや、それはわかるよ!なんでこんなにキラキラしてんの!?」

人魚姫「桃太郎の刀ってなんかデザイン地味じゃん?だからあたしがデコってあげたよー、ちょうど道具も持ってきてたし。かなりキレイっしょー?あたしデコるのもチョー得意なんだよねー」ヘラヘラ

赤ずきん「確かに、細かい貝殻や綺麗な石が規則的に配置されているわね。これは手先が相当器用じゃないとできないわよ?」

桃太郎「そういうのは聞いてないんだよ!なんで!?なんでそんなことしちゃったの!?」

人魚姫「いつも持っているってのは、持ち主のセンスがでるっしょ?だから桃太郎の刀もかわいくデコってセンスを示せるようにしたってわけ、なかなかっしょ?」ヘラヘラ

桃太郎「拙者の刀が……帝よりその名を賜りし『名刀・鬼屠り』が…!」

キラキラキラ

赤ずきん「随分と大仰な名前ね…」

桃太郎「どうすんだよこれえぇぇ!!拙者もう帝にあわせる顔がないわ!帝になんて言うのこれ!?人魚の友人にデコられましたって言えばいいのか!」

人魚姫「自慢しちゃえばいいじゃん?うまくデコれてるっしょ?って言えばいいよ、なんなら桃太郎が自分でデコったって言っても良いけど?」

桃太郎「なんの気遣いだよそれ!なこと言ったら打ち首になるだろ!もおおぉぉぉ!!勘弁してよマジでええぇぇ!!」


289: ◆oBwZbn5S8kKC 2015/03/18(水)00:09:58 ID:y6H

今日はここまで!

新ジャンル・デコ刀

人魚姫編 次回に続きます


293: 名無しさん@おーぷん 2015/03/18(水)00:47:37 ID:r7S

ギャルな人魚姫…良いね!


295: 名無しさん@おーぷん 2015/03/18(水)02:19:35 ID:9BA

桃さん素に戻ったw可愛いwww


298: 名無しさん@おーぷん 2015/03/18(水)23:14:05 ID:3jb

同い年の桃太郎、シンデレラ、ラプンツェルの会話が見たいなー(チラチラッ


>>298

ラプンツェル「ねぇねぇ桃太郎!桃太郎の刀はなんで『鬼屠り』って名前なの?」ニコニコ

桃太郎「うむ、拙者が鬼ヶ島に巣くう大悪鬼を征伐した折、帝よりその名を賜ったのだ。悪鬼を断ち切る刃、という意味を持つ」

ラプンツェル「へぇー、鬼ってそんなに強いの?私の世界にはいないからよくわかんないや」

桃太郎「強き種族だ。見上げるほどの巨体に無双なる怪力…そして岩の如き強固な皮膚を持つ…易々と倒せる相手ではない」

ラプンツェル「岩みたいに硬いんだ…!じゃあそんな鬼を斬れちゃう刀なら岩でも斬れちゃう!?」ワクワク

桃太郎「いや、待てラプンツェル。あくまで例えであってだな、実際に容易く岩が斬れるわけでは……」

ラプンツェル「私、試してみたい!ちょっと借りるね…おぉー、結構重たいね」ガチャッ

桃太郎「よ、よせラプンツェル!素人が振り回したら危ないかr」

ラプンツェル「大丈夫!よーし、じゃあこの岩斬っちゃうよー!ていっ!」ヒュッ

パキーン

桃太郎「うわあああああぁぁぁ!!拙者の『鬼屠り』がああぁぁ!!」ウワァァァ

ラプンツェル「ありゃー…桃太郎、ごめんね?」

桃太郎「いやもうちょっと考えようよ!?こんなの折れるに決まってんじゃん!なんか柿とか切るのにちょうどいい長さになっちゃったじゃんもおおぉぉ!!」ウワアァァ

シンデレラ(……ガラスの靴はラプちゃんに見せないようにしとこうかな)




こうですねわかります


299: 名無しさん@おーぷん 2015/03/19(木)07:32:20 ID:TkW

執事の姿で大きな魚や人魚でも良いってことはさトータルするとパプワ君に出るタンノ君おもいだしたらいいのかな…

人魚姫も網タイツ履いてるのかなぁタンノ君の姿で…


>>299
ぱぷわくん知ってる年齢層がいるとはwww懐かしすぎるwww
タンノ君スタイルの執事だともうそっちにしか目がいかないwww


305: 名無しさん@おーぷん 2015/03/19(木)23:05:24 ID:RqZ

パプワくん世代なのかwww
同年代の匂いがする


306: 名無しさん@おーぷん 2015/03/20(金)10:17:16 ID:z8x

執事「桃太郎がシンタロー様にみえてきました…」ジュルリ


307: 名無しさん@おーぷん 2015/03/20(金)12:26:42 ID:Ds8

ギャルな人魚姫のイラストも楽しみだけど
絵師さんには「ていっ!」で刀へし折るラプンツェルもお願いしたい

お願いしたい(切実)




次の話
人魚姫編3


キモオタ「ティンカーベル殿!おとぎ話の世界に行きますぞwww」六冊目
http://hayabusa.open2ch.net/test/read.cgi/news4vip/1424001836/
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