スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

妹「くちゃくちゃくちゃ」3

シリーズ
妹「くちゃくちゃくちゃ」1
妹「くちゃくちゃくちゃ」2
妹「くちゃくちゃくちゃ」3
妹「くちゃくちゃくちゃ」4
妹「くちゃくちゃくちゃ」5



83: 名無しさん@おーぷん 2015/09/14(月)19:20:54 ID:Huu



妹『兄ちゃん、食べ物の好き嫌いよくないよ。』

妹『それに残したらお母さんに怒られるよ?』

兄『じゃあお前が代わりに食ってよ』

妹『そういう問題じゃないでしょ。なにより食べ物に失礼だよ』

兄『……』

妹『いいから食べなよ。兄ちゃんは背、ひくいんだし』

兄『うるさいしめんどくさい』

84: 名無しさん@おーぷん 2015/09/14(月)19:28:58 ID:Huu



兄「ただいま」

母「あれ、今日はえらい中途半端な時間に帰ってきたね」

母「ていうか、むかえの電話くれた?」

兄「ううん、歩いて帰ってきたよ」

母「歩いてって……かなりかかったでしょ?」

兄「2時間ぐらいだよ」

母「アホ。2時間も散歩するならバイトのひとつやふたつしてほしいね」

兄「ごめん」

母「明日は?」

兄「え?」

母「明日は病院行くの?」

兄「……いや、行かない」


85: 名無しさん@おーぷん 2015/09/14(月)19:34:07 ID:Huu

母「ここ最近、かなり足しげく通ってたのに」

母「明日はなにか用事でもあるの?」

兄「べつに。
たまにはアイツもひとりになりたいんじゃないかなって思ってさ」

母「そう。まあ、いいんじゃない」

兄「……なあ、母さん」

母「なに?」

兄「俺が大学受かったとき、母さんはうれしかった?」

母「今さら聞くことでもないでしょ」

母「覚えてないの? お父さんと一緒にはしゃいでたの」

兄「そうだったね」

母「それがどうかしたの?」

兄「いや……」


86: 名無しさん@おーぷん 2015/09/14(月)19:36:56 ID:Huu

兄「べつに。ただ聞きたかっただけなんだ」

母「変なの」

兄「変?」

母「普段、アンタからわたしに質問なんてほとんどないから。」

兄「……もうひとつ質問」

母「まだあるの?」

兄「うん」

母「なに?」

兄「アイツが大学落ちたってわかったとき……悲しかった?」


87: 名無しさん@おーぷん 2015/09/14(月)19:38:45 ID:Huu

母「……」

兄「母さん?」

母「今から話すこと、あの子には言わないでほしいの」

兄「……」

母「正直に言うとね、あの子が大学落ちたってわかったとき悲しくなんてなかったの」

母「どっちかって言うとかわいそうだなって思った」

兄「かわいそう?」


88: 名無しさん@おーぷん 2015/09/14(月)19:42:05 ID:Huu

母「だってあの子はずっと努力してきたんだよ」

兄「そうだな。俺がアイツの立場だったやる気なんて完璧になくしちまうわ」

兄「それでも最初は浪人するって言ってがんばろうとしてた。アイツはすげーわ」

母「ホントにね。神様はなんであんなにがんばってた妹を……」

兄「……」

母「っと、べつにアンタが悪いわけじゃないから、そこは勘違いしないでよ」

兄「わかってるよ」


89: 名無しさん@おーぷん 2015/09/14(月)19:43:53 ID:Huu

母「まだご飯にはしばらくかかるから、その間勉強でもしたら?」

兄「そうだな。たまにはしようかな」

母「……あのさ」

兄「なに?」

母「なんか疲れてるように見えたから言っておくけど。アンタまで無茶して、その……」

兄「わかってるって。ていうか、大丈夫だよ」

兄「俺みたいないいかげんなグータラ男はさ」

母「……」


92: 名無しさん@おーぷん 2015/09/15(火)07:50:50 ID:JRL



友「今日はきちんと昼からの講義も出てるんだな」

兄「ていうか、お前が言うほどサボってないからな」

友「それよりお前、就活とかいいの? 周りはけっこうドタバタしてるぞ」

兄「……就活、か」

友「お前、ホントにそんなチョーシで大丈夫なの?」

兄「就きたい職業とかねえしなあ。お前だってべつにないだろ?」

友「はあ? バカにしてもらっちゃあ困るわ」

兄「あんの?」

友「いや、ない。やりたくない仕事ならけっこう浮かぶけど」

兄(……そういえば、アイツも夢について色々語ってたな)


94: 名無しさん@おーぷん 2015/09/15(火)07:57:20 ID:JRL



兄『パソコンでなにしてんの?』

妹『日本のことについて勉強してんの』

兄『日本のことなんて調べてどうすんだよ? 宿題?』

妹『……わたしさ、将来はコンセルジュになりたいんだ』

兄『なにそれ?』

妹『簡単に言うとホテルのプランナーかな。外国人向けのね』

兄『それが日本のこと調べんのと関係あんの?』

妹『外国の人に日本のこと聞かれたときとかきっちり答えれるようにしたいし』

妹『その地域の特色を知っておくことは、この仕事において大事なことなの』

兄『よくわかんねーけどすげーな、お前』

妹『まあね。兄ちゃんは夢とかないの?』

兄『ないな。全然ない。ニートになれるなら是非なりたいわ』


95: 名無しさん@おーぷん 2015/09/15(火)08:05:27 ID:JRL

妹『ニートになるなら家から出てってね』

兄『お前が養ってくれなきゃニートできねえよ』

妹『妹に依存するとか終わってる』

兄『まあ俺の分までがんばれってくれ。心の片隅で応援してるから』

妹『兄ちゃんは人のことより自分のことでしょ』

兄『吹き抜けの2階建ての一軒家が欲しい』

妹『仕事につかなきゃローン組めないからね』

兄『じゃああきらめるわ』

妹『情けないなあ。そんなんじゃあ大学も受からないよ』

兄『べつに、地元のおバカ大学行くからいいよ』

妹『ダメだこりゃ』


99: 名無しさん@おーぷん 2015/09/15(火)19:41:15 ID:JRL



兄(今日は行かないつもりだったんだけどな)

兄(気づいたらまたここに来てしまった)

看護師「毎日毎日、ご苦労だねえ」

兄「どうも。ちょうど夜ご飯終了の時間ですか?」

看護師「うん。ちなみにキミの妹ちゃんなんだけどさ」

兄「妹がどうかしましたか?」

看護師「あの子、昨日の夜からご飯に手をつけてないんだよ」

兄「……!」

看護師「なに、なんか心当たりでもあるの?」

兄「いえ……」


100: 名無しさん@おーぷん 2015/09/15(火)19:45:19 ID:JRL

看護師「まっ、鬱病になって食欲がなくなるのはめずらしいことじゃない」

看護師「それから一つ忠告しておくわ」

男「なんですか?」

看護師「わたしが言うのもなんだけど、うちの病院はいいかげんだから気をつけたほうがいいよ」

看護師「半年前にも手首の骨を折った患者の対応が悪くて、手首が半分しか動かなくなった人もいるし」

兄「それ、裁判ざたなんじゃ?」

看護師「まあね」

看護師「その患者さんは訴えたりしなかったから、表立って問題にはなってないんだけど」

兄「……」

看護師「とにかく、妹さんのことは極力気にかけたほうがいいよ」

兄「わかりました」


101: 名無しさん@おーぷん 2015/09/15(火)19:46:58 ID:JRL



兄『やあやあお二方。いい話があるんだけど聞いてくれない?』

妹『気持ち悪いぐらいニヤニヤしてるね』

母『百万円でも拾った?』

兄『ちがうんだなあ。ある意味それよりすげえことが起きたんだよ』

妹『百万円拾うよりすごいことなんてあるの?』

兄『それがあるんだって』

兄『なんと、大学受かっちゃいました!』

母『マジで?』

妹『ウソでしょ?』


102: 名無しさん@おーぷん 2015/09/15(火)19:48:25 ID:JRL


兄『ウソじゃない。これを見てみろ』

母『……ほ、ホントに合格してる!』

妹『に、兄ちゃんがわたしの目標にしてる大学に合格した……!』

母『超バカでグータラのアンタがこんな有名大学に合格するなんて……!』

兄『信じられないよなあ?』

妹『……うん』

母『……』カチカチ

兄『なにしてんだよ、母さん』

母『お父さんにアンタが受かったってメールしてんの』


103: 名無しさん@おーぷん 2015/09/15(火)19:49:52 ID:JRL

母『メール見て仕事中にたおれたりしてね』

兄『うはは、明日学校の奴らにも自慢してやらなきゃな』

母『今日はご飯、いつもよりがんばって作っちゃおうかな』

妹『……』

妹『わたしも兄ちゃんに負けないようにがんばらなきゃな』ボソッ

兄『どした? お前も俺をもっと敬え、讃えろ、褒めちぎれ』

妹『調子のりすぎだし。……まあ、今日ぐらいはいっか』

妹『兄ちゃん、大学合格おめでとう!』


104: 名無しさん@おーぷん 2015/09/15(火)19:51:23 ID:JRL



兄『大学に落ちた? アイツが?』

母『……うん。まさか落ちるなんて思ってなかったからわたしもビックリしちゃって』

母『あの子、相当ショック受けてるみたいだから』

母『部屋から出てきたら励ましてあげて』

兄『……わかったよ』

妹『誰がショック受けてるって?』

兄『うわっ!? いつのまにいたんだよ?』

妹『大げさだなあ。前期は落ちちゃったけど、まだ後期だってあるんだよ?』

兄『それもそうだな。お前なら今度こそ余裕で受かるだろ』


105: 名無しさん@おーぷん 2015/09/15(火)19:52:36 ID:JRL


母『まあ、どっかの誰かと違っていつもがんばってるからね』

兄『うるせえなあ』

妹『まかせなさいって。それに……』

兄『ん?』

妹『……後期が落ちたとしても浪人すれば……』

兄『え?』

妹『なんにも』

妹『さてと! こんなとこで兄ちゃんとダベってないで勉強しなきゃね』

兄『おう。がんばれよ』


107: 名無しさん@おーぷん 2015/09/15(火)19:54:20 ID:JRL



兄(でも、アイツは結局大学には落ちてしまった)

兄(そして一ヶ月も経つころにはおかしくなった)

兄(大学に落ちたからアイツはおかしくなった……?)

兄(いや、きっとそれだけじゃないんだろうな)

兄「おーい、入るぞー」

兄(あれ? 誰かいる?)

兄「……え?」


108: 名無しさん@おーぷん 2015/09/15(火)19:57:02 ID:JRL


母「……」


兄「母さん?」

母「今日は来ないんじゃなかったの?」

兄「いや、その、ヒマでヒマで……来ちゃった」

母「そう。じゃあアンタが来たんならわたしは帰るよ」

兄「……そうか」

母「じゃあね。アンタもあんまり帰り時間が遅くならないように」

兄「……うん」


109: 名無しさん@おーぷん 2015/09/15(火)19:58:08 ID:JRL



兄「……」モジモジ

妹「……」

兄「……昨日は……その、ごめん」

妹「……」

兄「昨日のことはお前がわざわざ気にすることじゃないから。忘れてくれよ、な?」

妹「ねえ」

兄「……なんだ?」

妹「お母さん呼んだの、兄ちゃん?」

兄「……いや。母さんが勝手に来ただけだろ」

妹「……ふうん」


110: 名無しさん@おーぷん 2015/09/15(火)19:59:35 ID:JRL


兄「母さんとなにか話した?」

妹「……」

兄「なにもしゃべってないのか?」

妹「……うん」

兄「そ、そういえばお前、ご飯食べてないんだって?」

妹「……」

兄「べつに怒ってるわけじゃないんだ。ただ、お前のことが心配で」

妹「ごめんなさい」

兄「謝んなくていいよ。だからご飯だけはしっかり食べてくれ」


111: 名無しさん@おーぷん 2015/09/15(火)20:02:09 ID:JRL


兄「ちゃんと栄養とらないと元気になれないぞ?」

兄「そうだ、今からお前の好物でも買ってきてやろうか?  ほら、あの……」

妹「食べたくない」

兄「どうしてだよ?」

妹「だって……クチャクチャ言って兄ちゃんを不快にさせるから」

兄(……! やっぱり俺の言葉を気にしてたのか……)

兄「……昨日はちょっと気分が悪かったんだよ。それでつい」

兄「普段の俺は、あんなこと全然気にしないよ」

妹「気分が悪かったのはなんで?」

兄「べつに理由なんかはない」

妹「わたしのせいでしょ?」


112: 名無しさん@おーぷん 2015/09/15(火)20:03:24 ID:JRL

妹「わたしが兄ちゃんの気分を悪くさせるんでしょ? そうなんでしょ?」

兄「ちがう。そんなことはない」

妹「ウソだっ!」

妹「ホントはわたしのお見舞いだってイヤでイヤで仕方ないんでしょ!?」

兄「……めんどくさかったらお見舞いなんかしねえよ!」

妹「……!」ビクッ

兄「あっ……」

兄「ご、ごめん。ちがうんだ。怒鳴るつもりなんてなかったんだ」

妹「……うぅ……っ……」

兄「……」


113: 名無しさん@おーぷん 2015/09/15(火)20:04:54 ID:JRL

妹「わたしなんて……わたしなんていないほうがいいんだ……」

兄「そんなことないだろ」
  
兄「今日だって母さんはお前のこと心配して見舞いに来たんだ」

妹「……」

兄「お前に早く元気になってほしいって、ずっとそう思ってんだよ」

兄「俺も、お前に早く元気になってほしい……」

妹「……どうして?」

兄「え?」


114: 名無しさん@おーぷん 2015/09/15(火)20:06:07 ID:JRL


妹「どうして、お母さんはわたしを叱らなかったの……?」

兄「……?」

妹「わたし、お母さんの期待を裏切っちゃったんだよ……? 」

妹「なのに……なんでわたしを怒らなかったの?」

妹「わたし、受験落ちちゃったのに……!」

妹「お母さんたちの期待を裏切ったのに。普通なら怒るでしょ?」

兄「それは……」

妹「意味わかんないよ……。わかんないんだよ……」

兄「……怒らなかったのは、母さんや父さんはお前が人一倍努力してたのを知ってたからだよ」

妹「……ちがうよ。どうせそんな理由なんかじゃない」

兄「ほかにどんな理由があるんだよ?」


115: 名無しさん@おーぷん 2015/09/15(火)20:10:01 ID:JRL



妹「兄ちゃんがわたしの志望大学に受かったから……」

兄「……」

妹「だから。だから、わたしのことなんてどうでもよくなったんだよ……」

兄「そんなわけないって。そんなことでお前のことを……」

妹「……だから、じゃあ、なんで、わたしを……わたしを叱らなかったの!? 」

妹「失望したんでしょ!?」


妹「自分の目標も達成できない娘なんかどうでもよくなったんでしょ!?」

兄「そんなわけっ……!」

妹「……イヤだよぉ……もうわけわかんないよ……ツライんだよぉ……」

兄「……」

妹「生きてると……起きてると……ツライんだよぉ……」

兄「……」




次の話
妹「くちゃくちゃくちゃ」4



妹「くちゃくちゃくちゃ」
http://hayabusa.open2ch.net/test/read.cgi/news4vip/1442149033/
関連記事

コメントの投稿

非公開コメント

上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。