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魔王の娘「よくも父上をころしたな!」死にかけ勇者「…。」改訂1

シリーズ
魔王の娘「よくも父上をころしたな!」死にかけ勇者「…。」改訂1
魔王の娘「よくも父上をころしたな!」死にかけ勇者「…。」改訂2
魔王の娘「よくも父上をころしたな!」死にかけ勇者「…。」改訂3



1: 名無しさん@おーぷん 2015/06/29(月)22:35:38 ID:4ry


勇者(最後の戦いで力を使い果たしてしまった…
自分が殺した仇敵の子どもに殺されるのか…
仕方ない…子どもにとっては、親は親だもんな)

魔娘「おいおまえ…勇者と言ったな
父上のかたきだ!
のどをかっ切ってはらわたを引きずりだしてやる
それとも生きたままじごくのごうかであぶってやろうか」

勇者(ん…この子の目…似てる…)

勇者「…姫様…」

魔娘 「!?
何故お前が母上の名前を知っている!?」

勇者(姫様の…娘…?)

勇者「姫様は…私の…妻だ…
君は…姫の…娘なのか…?」

引用元:open2ch
4: 名無しさん@おーぷん 2015/06/29(月)22:42:35 ID:4ry

魔娘「母上は、私を産んで死んだ!
母上は、父上の奥さんだぞ!!
人間ごときがウソをつくんじゃない!!」

勇者(姫様…さらわれてから8年…
必死で救おうとここまで来たが…魔王の慰み者に…
すでにこの世を去ってしまったのか…)

魔娘 「!!な…なぜ泣く!?」

勇者「…。」
(姫様、間に合わずすまなかった…私も、もうすぐそなたの元へ行こう)


7: 名無しさん@おーぷん 2015/06/29(月)22:48:39 ID:4ry

魔娘「答えろ!!」

勇者 (子どもには話せん…
1番助けたかった人も死んでしまっていたし…
世界は救われた、もういい、ここで死のう…)
「君の父親を奪ったのは…確かに私だ、殺すと…いい」

ガクリ

魔娘 「…死んだのか…?」

トクン…トクン…

魔娘「虫の息だけど、まだ生きている…
こいつは父上のかたき…!!
……。」

魔娘 (なぜ泣いたか聞いてから殺そう)


8: 名無しさん@おーぷん 2015/06/29(月)22:52:14 ID:4ry

勇者「ッ…!!」

勇者(まだ生きている)

魔娘「起きたか」

勇者「君は…。!手当てしてくれたのか」

魔娘「かんちがいするな、あのままころすのはつまらなかったからだ」

勇者「…」
(本当に、見れば見るほど姫様にそっくりだ)

魔娘「なんだジロジロ見て!
今からお前は魔娘にころされるんだぞ!
わかってるのか!」

勇者「ふ。」

勇(勝気な性格も、生き写しだな)

勇者「ああ…。最後に、君に会えてよかった、魔娘」

魔娘「!?!?」

勇者「君の父の仇だ、私を殺すのは構わない…だが、私を殺した後、君に頼みがある」

魔娘(??変なこというやつだな…)

勇者「人間を恨まず、静かに暮らして欲しい…」


9: 名無しさん@おーぷん 2015/06/29(月)22:53:50 ID:4ry

魔娘「ばか!そんなことできるわけないだろ!お前が神官とか強い幹部みんなころしちゃったから何千年かかるかわからないけど、そのうち魔娘が大きくなったら、人間根絶やしにしてやる!!」

勇者「…。」

涙目で魔娘を抱き寄せる

魔娘「!!?…や、やめろ!!」

ドンッ

魔娘(なんだ…あったかくて…懐かしいような匂いがしたぞ!!)


11: 名無しさん@おーぷん 2015/06/29(月)22:54:52 ID:4ry

魔娘「…。気が変わった。」

勇者「?」

魔娘「こんな死に損ないを殺しても、父上は喜ばない」

勇者「…。」

魔娘「お前をおいつめて苦しめて、不幸のドン底に突き落としてから、なぶりごろしにしてやる!」

勇者(姫様の死を知った今が1番のドン底だが…この子を放っておくわけにもいくまい)

魔娘「これからお前の人生には良いことなど一つも起きない。わがうらみの深さを思い知り、苦しみにのたうちまわって死ぬのだ」

勇者「…わかった、それでいいよ」
(この子の責任は、私が負おう)


16: 名無しさん@おーぷん 2015/06/29(月)23:16:39 ID:4ry

勇者(幸いまだツノも牙も生えていない子どもだ…愛情をもって育てれば、人間への憎しみを忘れて育つかもしれない)

勇者「…。」

勇者(それにしても、姫様にそっくりだ…)

魔娘「なんだよぅ、黙るな!」

勇者「あぁ、すまない。
ところで魔娘、腹は減っていないか?」

魔娘「減るわけない!今日もでっかいドラゴンを5匹も食べたんだからな!」

ぐぅ~…

魔娘「…//// ま、まだ腹の中でドラゴンが暴れてるんだ!!」

勇者「ふふ、そうか。
私は腹が減ったから、干し肉でも炙って食べよう」

カチカチ…ボッ…メラメラ…パチパチ

いい匂いフワ~

魔娘(めっちゃ美味しそうな匂い…)

勇者「あぁ、最後の食料だ…これを誰かに食べられてしまったら、困るなぁ…。」

魔娘「…!!よ、よこせ!!」

勇者「どうぞ。」

魔娘 ガツガツ

勇者 にこにこ


17: 名無しさん@おーぷん 2015/06/29(月)23:22:12 ID:4ry

魔娘(美味しすぎて全部食べちゃった。)

勇者 寝袋ゴソゴソ

魔娘(お腹いっぱいになったら、眠くなってきた…)

魔娘 ウトウト…

勇者(寝つきのいいのも、姫様に似てるなぁ…)

寝袋にそっと寝かせてやる

勇者(私も少し休もう、体力を回復させないと魔王の城からは出られまい)


18: 名無しさん@おーぷん 2015/06/29(月)23:27:57 ID:4ry

魔娘のペンダント コロー

勇者(おや?)

勇者「これは…。」

勇者(私が姫様にあげた指輪…姫様は、大切にしてくれていたのだな…。)

ポロ…ポロポロ

勇者(魔王の娘とはいえ、私の妻が命をかけて産み落とした命。無下にはすまい。)

…グーグー


23: 名無しさん@おーぷん 2015/06/30(火)16:49:03 ID:NFY

勇者「魔娘、そろそろ起きなさい。城を出よう」

魔娘「んー?ふ、ふあ!?」

魔娘(あれ!?ね、寝ちゃった!!こいつが寝入ってる間、嫌なことをするチャンスだったのに!)

勇者「よく眠っていたな。私もだいぶ回復できた」

寝袋ゴソゴソ…

勇者「さぁ、出発しよう」

魔娘「うん」


24: 名無しさん@おーぷん 2015/06/30(火)16:49:29 ID:NFY

幹部「クソ、死にかけたぜ…けど、あの勇者はツメが甘いな…。
魔王は死んだようだが、こっちにはまだ魔王の娘がいるんだ」

配下「あ、幹部殿。生きておられたのですね!」

幹部「おお、配下。お前も無事だったか」

配下「はい、勇者のヤツ、幹部クラス以上の魔物しか殺さなかったようで…」

幹部「幹部クラスで生き残ったのは俺だけか…」

幹部(フン、その甘さが命とりだぜ。これは、好機!魔王の娘を喰らって、俺が次の魔王になってやるぜ)

幹部「生き残った配下たちは?」

配下「それが…魔王様の瘴気が薄れてしまったため、散り散りに逃げ出した者と、ボーッとして動かない者ばかりで」

幹部(クソ、やっぱ阿呆な魔物を統率するには魔王の瘴気が必要だな)

幹部「配下!お前魔王の娘の護衛だろ。あの娘はどこだ」

配下「は、魔王様が亡くなられてから、しばらくは一緒におりましたがいつの間にかはぐれてしまいまして…探してはいるのですが、私も、昨日からなんだかその…頭がボーッとして…」

幹部「魔王の血筋を失う訳にはいかねぇ。子どもの足ならそう遠くには行ってねぇはずだ。匂いをたどってみよう…何かあの娘の持ち物はあるか?」

配下「は!外套が…」

幹部「フンフン…こっちだ」

配下「さすが幹部様…!」

幹部「行くぞ!途中床でグダついてる配下どもには、蹴りをいれて俺についてくるように指示しろ」

配下「は、ハッ!!」


25: 名無しさん@おーぷん 2015/06/30(火)16:53:06 ID:NFY

勇者「だいぶ歩いたな。灯りもないし、ここらはまるで迷宮だからな、はぐれるんじゃないぞ」

魔娘「指図するな!魔娘は強いんだからn…モガ」

勇者「シッ…!強い魔物の気配がする…!一匹倒し損ねていたか」

魔娘(くーちーをーふーさーぐーなー!!)もがもが

幹部(見つけたぜ!魔王の娘…と、勇者…!?何故一緒にいるんだ?
腑に落ちねえが…勇者の方は血塗れで動きも緩慢だ、魔王との死闘でだいぶ弱っているな。
こっちはグダついてるとはいえ、魔王城に常駐することを許された配下が15人…負けるはずがねぇ!
よし、魔王の娘を喰らい、勇者をも喰らってやる…!そうすれば俺の経験値は一気に魔王レベルに…)

勇者(気配を察するに、あちらは幹部クラスが一匹と、雑魚が10匹以上…この子を取り戻しに来たのか?)

勇者(…この子が次の魔王になるまで何千年以上もかかるだろう…引き渡して魔物たちの王女として生きて行く方が、この子にとっては幸せなのだろうか?)


26: 名無しさん@おーぷん 2015/06/30(火)16:54:16 ID:NFY

幹部(配下ども!娘に当たったとしても息があれば構わねぇ、俺が合図したら勇者の気配に向かって一斉に射撃しろ!!)

配下((ハッ!!))

幹部(いいか、狙え……撃て!!)

ビシュッビシュッビシュッ

勇者(なっ…!?この状況で撃ってきただと!?この娘の命はどうでもいいのか?!魔娘、私の後ろに下がれ!!)

魔娘「うわっ!!」

ドドドッ!!

幹部(幾本もの矢と殺気に紛れて、俺の動きを読むことはできまい!その一瞬の隙が命取りだぜ!懐に飛び込んで喉を掻っ捌いてやるっ…!!)

ザシュウ!!


27: 名無しさん@おーぷん 2015/06/30(火)16:55:04 ID:NFY

幹部(なん…!だと…!?)

勇者「この娘はお前たちの王女ではないのか…?敵と一緒くたに攻撃してくる奴らに、この子は譲れんな…!!」

切られて倒れる幹部 ドサッ

魔娘(暗くてなんだかよくわからないけど、勇者ヤバい強い…!!)

勇者「さぁ!リーダーの首をはねてやったぞ!!次に胴体とおさらばしたいのはどいつだ!?」

配下A(なんかヤバいよ~勇者全然弱ってないじゃん!!次誰行くの?)

配下B(オレやだよ、だって幹部殿についてきただけだし)

配下C(ぼく逃げよ)

配下D(じゃあオイラも)

配下E「あ、降参でいいです」

スタコラサッサ

魔娘「あっ!!こら!お前たち!!」

勇者「魔娘…、あいつらと行きたいか?」

魔娘「う、うん…。だって魔娘が面倒みてやらないと…あいつらアホだから世界征服なんて出来ないし…人間にも勝てないし…」

勇者(その考え方は…むしろ人間くさいのだが…)

勇者「わかった…君の人生だ、好きにするといい」

魔娘「うん、お前もの分かりがいいな。でも父上の仇だ。そのうち部下を従えて寝首をかきに行くから、それまで毎晩震えて眠るがいいぞ!」

勇者「あぁ。人間への恨みを晴らせるなら、私の首などいつでもくれてやる。…達者で暮らせよ」

頭ヨシヨシ

魔娘「…。」

勇者「それじゃ」

勇者(あぁ。私と姫様の間に産まれてほしかった…)

魔娘「…。」


28: 名無しさん@おーぷん 2015/06/30(火)16:56:14 ID:NFY

魔娘 ポツン…

魔娘(あれ?…どうしよう…)

魔娘(この辺来たことないから王の間への帰り道わかんない)

魔娘(…。)

タッ

袖くいくい

勇者「…?」

魔娘「あのさ、やっぱり、お前の首をおみやげにしてから、配下を集めようと思う」

勇者「そ…そうか」


29: 名無しさん@おーぷん 2015/06/30(火)16:56:41 ID:NFY

魔娘「だって、ほら…おみやげがあった方がカッコいいだろ」

勇者「ふふ。あぁ、そうだな」

魔娘「あ、それに、その方が父上もさすが我が娘って喜ぶと思うんだ」

勇者「うむ、そうかもしれんな」

魔娘「別に、帰り道がわかんない訳じゃないんだぞ、それは絶対違うんだ」

勇者「そうだろうな、自分ちだもんな」

魔娘「…うん」

魔娘(こいつはうちの父上と違ってもの分かりがよくて助かる。父上は厳しかったからな…)


36: 名無しさん@おーぷん 2015/06/30(火)23:28:16 ID:NFY

魔娘(ううー…あれから一日歩き詰め…魔城の外に出たのに…)

勇者「魔物がいないと、だいぶ進みが早いな。三週間後には魔王の城から1番近くの山里に着きそうだ」

魔娘(そんなにずっと歩けないよ~…でも人間に負けたくないしなぁ)

勇者「魔娘?顔色が悪いぞ」

魔娘「そんなことない、平気だ」

ぐぅ~

勇者「腹が減ったのか…一日歩いたからな」

魔娘「違うぞ、魔娘は平気だ」

ぐぅ~

勇者「もう少し歩いたら私が拠点にしていた仮小屋があるから頑張れ、そこになら食料がある」

魔娘「うん」


37: 名無しさん@おーぷん 2015/06/30(火)23:29:43 ID:NFY

魔娘「ここか」

勇者「うむ」

魔娘「ボロいな」

勇者「多分、城から逃げた魔物に荒らされたんだろう」

魔娘「食料はまだあるかな?」

勇者「見てみよう」

ガサガサ

勇者「…。ダメだ、すっかり無くなっている」

魔娘「人のもの勝手に食べるなんて行儀の悪い奴らだ」

勇者「はは、それが魔王の娘の言うことか」

魔娘「…?」

勇者「欲しいものはなんでも奪うのが魔物だろ」

魔娘「え…そうなのか」

勇者「?」


38: 名無しさん@おーぷん 2015/06/30(火)23:31:10 ID:NFY

魔娘「でも、父上や神官からは、人間が我々魔物からなんでも奪っていったって教わった」

勇者「それは…驚いたな」

魔娘「人間は嘘ばっかり吐くって」

勇者「まぁ、嘘を吐く人間もいるが」

魔娘「さてはお前嘘をついたな」

勇者「…。」

魔娘「食べ物なんて始めからなかったんだろ」

勇者「…。」

魔娘「今夜は小屋の中で眠れると思うなよ。ウトウトした途端のどぶえを噛みちぎってやるからな」

勇者「それは困ったな」

魔娘「当然の報いだ」

勇者「何か獣を狩ってくるから、小屋の中でちょっと休んでろ」

魔娘「えっ、うん。」


39: 名無しさん@おーぷん 2015/06/30(火)23:33:18 ID:NFY

魔娘(わーい、晩御飯何かな)

魔娘(こないだ食べた人間の食べ物はうまかったな)

魔娘(お城の食べ物は硬くて冷たくて、辛かったり苦かったりであんまし好きじゃなかったからな)

魔娘(父上たちはうまそうに食べてたけど…)

魔娘(…。)

魔娘「ふぁ~。眠くなってきた」

魔娘(あいつ遅いな)

ウトウト

魔娘(遅いなぁ…
あれ?もしかして…騙されたのかな…?
戻ってこなかったらどうしよう…)

ウトウト…

すやすや


40: 名無しさん@おーぷん 2015/06/30(火)23:35:33 ID:NFY

魔娘 ぱっちり


魔娘「やっぱりまだ、帰って来てない」

ポツン

魔娘「…。」

魔娘「あいつ、調子のいいこと言って…戻ってくるなんて嘘だったんだ。やっぱり、人間の言うことなんて信用しちゃいけなかったんだ」

ポロ…

魔娘「うぇえーん、父上…」

勇者「おー起きたか、外に出てこい」

魔娘「?」

パチパチ…いい匂いフワ~

魔娘「…。」

ぱあぁ!!

勇者「飯だぞ」

魔娘「ホントに帰ってきたのか!」

勇者「?」

魔娘「なんでもない!」

勇者「さぁ、たんと食え」

魔娘「うん!」

勇者 にこにこ

魔娘「ズズッあっちぃ!ハフハフあつ、ングッ!!うっまー!!」

勇者「ふーふーして食え」

にこにこ


41: 名無しさん@おーぷん 2015/06/30(火)23:37:04 ID:NFY

魔娘「ぷはー!腹いっぱいになった!」

勇者「それはよかった」

魔娘「お前もたくさん食ったな」

勇者「うむ」

魔娘「人間の食べ物はうまいな」

勇者「…うむ…」

魔娘「お前獣獲るのうまいんだな」

勇者「…ん?…この旅に出る前は…狩人だったんだ…」

魔娘「へぇー。なんで勇者になったの?」

勇者「…。」

魔娘「…?」

勇者「…ぐぅ…ぐぅ」

魔娘(寝てる)


42: 名無しさん@おーぷん 2015/06/30(火)23:38:29 ID:NFY

魔娘(すごい早さで寝た…そんなに疲れてたのか…)

勇者 すやすや

魔娘(ぐっすり寝てる…座ったままなのに)

魔娘(あ、今なら簡単に殺せそう)

ドクッ…

魔娘(父上の仇…)

ドクン…ドクン

魔娘(殺さなきゃ…)

ドクン…ドクン…!

勇者 すやすや

魔娘「…。」

魔娘「どうしよう…」

魔娘(なんか殺せない)


44: 名無しさん@おーぷん 2015/06/30(火)23:40:00 ID:NFY


魔娘(結局朝になっちゃった)

勇者「おはよう、魔娘。よく眠れたか?」

魔娘「…あんまり」

勇者「そうか。私の寝袋使ってよかったんだぞ」

魔娘(そういうわけじゃないんだけど)

勇者「?」

魔娘「ばーか」

勇者「はは、元気そうだな。今日もガッツリ歩くから頑張れよ」

魔娘「うん、わかった」

勇者「よしよし」


45: 名無しさん@おーぷん 2015/06/30(火)23:42:28 ID:NFY


歩くこと3週間

魔娘「あのさ、その、里村ってあとどのくらい歩くの?」

勇者「この丘を越えたら見える、もうすぐだ」

勇者「ホラ」

魔娘「わぁ…」

勇者「すっかり活気を取り戻してるなぁ」

魔娘「早く行ってみよう!!」

勇者「うむ」


村の子どもA「あっ!!勇者様だぁ!!」

村の子どもB「勇者様が帰って来たぁ!!」

勇者「おお、ぼーずたち元気だったか」

村の子どもC「魔物が出なくなったから、いっぱい外で遊んでるよ!」

村の子どもA「勇者様ありがとう!!」

村人A「おーい!みんな!勇者様がお帰りだぞ!!長に伝えろ~!」

村人B「お祝いの宴を準備しろ!」


46: 名無しさん@おーぷん 2015/06/30(火)23:43:01 ID:NFY

長の家

長「勇者様、本当に…よくぞご無事で」

占い婆「20日ほど前から空を覆っていた瘴気が晴れてきて、勇者様が世界を救って下さったに違いないと、お帰りを待っておりました」

村の女A「作物も実るようになりました。どうぞ、たくさん召し上がってください」

勇者「ありがたい。頂きます。ほら、魔娘も頂きなさい」

長「そちらの娘さんは…」

勇者「魔王の城で保護しました。王宮へ連れて行きます」

長「おお、そうか。可哀想に、恐ろしい目に遭ったろう。でものう、勇者様とおれば、安心じゃ。三国一の剛気の者じゃから」

魔娘「うん、勇者は確かに強い。父上を倒したし…」

勇者「あっあの、この娘に何か代わりの服を用意してくれませんか」

長「もちろん、お安い御用ですじゃ。おーい、この娘に旅の服を用意して差し上げなさい」

村の娘AB「「はーい」」

魔娘「…。」

村の娘A「あらあなたすごい汚れてるわ、お風呂焚いてあげるから入ってから着替えたら?」

魔娘「えっ…お風呂って?」

村の娘B「きれいにしたら気持ち良いわよ、こっちこっち」

勇者(よかったよかった)


47: 名無しさん@おーぷん 2015/06/30(火)23:44:35 ID:NFY


アワアワ、ゴシゴシ、ジャバジャバ

バシャー

村の娘A「あらあなた、洗ったらすっごい綺麗な肌してるのね!」

村の娘B「髪の毛もガビガビだったけど、すごいツヤツヤになったわ!」

魔娘「ありがとう!」

村の娘AB(まぁ可愛い…)

村の娘A「あったまったら出ておいでね、髪の毛乾かしてあげるから」


ちゃぽーん


魔娘(なんか人間て思ってたより悪くないぞ)

魔娘(むしろお城より居心地いいぞ)

魔娘「はふー」

魔娘(お風呂ってあったかくていい匂いがしていいな…。)


48: 名無しさん@おーぷん 2015/06/30(火)23:45:28 ID:NFY


長「今夜はどうぞこちらでおやすみ下さい」

勇者「かたじけない」

勇者「魔娘、おやすみ」

…ぐぅ…

魔娘(カビ臭くない、ふかふかの布団)

魔娘回想中

(村人A「勇者様のおかげで、世界に平和が戻りました!」)

(村人B「瘴気が晴れて、魔物たちもやがてはただの獣に戻るでしょう」)

魔娘回想終了

魔娘(父上の言ってたのと反対…)

魔娘(人間が嘘をついてるのかな?)

魔娘(なんだか悲しい、眠れない…)


49: 名無しさん@おーぷん 2015/06/30(火)23:47:11 ID:NFY


勇者「では、世話になりました。馬まで用意して下さって」

長「なんのなんの、勇者様のなさったことに比べたらささいなものです。」

村の子どもA「勇者様、またこの村に来てね!!」

村の子どもB「獣の捕り方教えて!」

勇者「ああ、いつか。それまで父さん母さんの言うことをよく聞いて、元気に暮らせよ」

村の娘A「魔娘ちゃんも、元気でね」

村の娘B「お城までの旅が安全に行くように、祈ってる」

ギュ

魔娘「////…ありがと」

勇者「行こう」

村人たち「「さようなら~お気をつけて~」」


50: 名無しさん@おーぷん 2015/06/30(火)23:47:59 ID:NFY

パカパカ

魔娘「馬って初めてだ」

勇者「そうか、よく乗りこなしてるから慣れてるのかと思った」

魔娘「…ふふ、馬ってなんか可愛いな」

勇者(半分は魔物なのに、馬は全く怯えていないな…。
魔娘は、魔物より人間に近いのだろうか)

魔娘「馬、よしよし」

勇者「ふふ。」

勇者(いいことだ…)


51: 名無しさん@おーぷん 2015/06/30(火)23:49:21 ID:NFY


パカパカ

魔娘「うおー!!なんか見えたぞ!!」

勇者「港町だ」

魔娘「うわ~なんだあれ、すっごい青い!でかい!!」

勇者「海だ。晴れてキラキラしてるな」

魔娘「キレイだー…」

勇者「ここまで来れば、あとは船で行ける。ひと月もすれば、王宮に帰れるぞ」

魔娘「へぇ、今度は船ってやつに乗るのか」

勇者「馬を売って、船代にしよう」

魔娘「え!売っちゃうの!?」

勇者「船代は高いからなぁ…」

魔娘「勇者なのにお金ないんだな。魔娘のお城には金貨いっぱいあったのに」

勇者「重いからな。少しは持ってるが、どのみち馬は陸にいた方が幸せだ」

魔娘「馬ぁ~!2週間もいーっぱい歩いてくれてありがとうなぁー!!お別れだぁ」

馬 ブルル

勇者(どっちも可愛い)


52: 名無しさん@おーぷん 2015/06/30(火)23:50:20 ID:NFY


勇者「さて、馬を売ったり食料を買ったりするのに、バザールへ行こう」

魔娘「バザール」

勇者「珍しいものもたくさんある。欲しいものがあったら、これで買いなさい」

チャリン

魔娘「わーい!」

勇者「もしはぐれたら、この入り口で落ち合おうな」

魔娘「大丈夫だ。手を繋いでるからな」

勇者「…。そうか」

魔娘(勇者の手は、あったかくてゴツゴツしてるな)

魔娘(父上の手は…繋いだことないな…)

勇者「では行こう」

バザール ガヤガヤ


53: 名無しさん@おーぷん 2015/06/30(火)23:52:55 ID:NFY


ガヤガヤ

勇者「すまん、馬を売りたいのだが」

馬屋「あいよー」

馬屋「あぁっ!!旦那ぁ!!勇者の旦那じゃないですかぁ!!」

勇者「しばらくぶりだな」

馬屋「もー、人が悪いなぁ!!旦那の帰りを街中の商人が待ってたんですよ~」

勇者「そうか、ありがたいことだ」

馬屋「もーね、瘴気が晴れてどこの街も活気に溢れてますよ!!旦那のおかげさー!!で?馬は?」

勇者「バザールの入り口に留めてある」

トコトコ

勇者「この二頭だ」

馬屋「おー、若くはないけど良い馬ですよ~。こんなもんでどおです?」

勇者「二頭でこれは少し安いな」

馬屋「まさか~!一頭の値段ですよ!世界を救った男から、ぼったくれるわけないです」

勇者「売った」

馬屋「毎度!」

魔娘「なぁ、この二頭良い子達なんだ。良い飼い主に売ってくれよ」

馬屋「へ?旦那、この子は?」

勇者「保護した。王宮へ連れて行く途中なんだ」

馬屋「へへ、そうかぁ~。お嬢ちゃん、任せなよ。勇者の旦那が乗った馬なんだ、大切な顧客にしか売らねぇよ」

魔娘「よかった!」

勇者「よろしく頼む」

馬屋「任しとくれよ」


54: 名無しさん@おーぷん 2015/06/30(火)23:53:50 ID:NFY


勇者「さあ次は生活用品だ」

魔娘「勇者、これなに?」

勇者「干しイチジク飴だ」

魔娘「勇者、これは?」

勇者「ピスタチオ入りのキャラメル」

魔娘「へ~!知らんな!買っていい?」

勇者「どうぞ」

魔娘「これとこれ売ってくれ!」

菓子商人「いらっしゃいませ。おや…?そちらのお連れ様は勇者様じゃございませんか!」

勇者「しばらくぶりだ」

魔娘(なんかどこ行っても勇者は顔見知りばっかだな…)

勇者「この子に菓子を売ってくれ」

菓子商人「よしてくださいよぉ、今日あなたから金を取る商人がいたら、そいつはとんでもないモグリでございますよ」

魔娘(マジか)

菓子商人「はい、お嬢さん。当店の人気商品の詰め合わせです」

魔娘「うわ~っ!ありがと!!」


55: 名無しさん@おーぷん 2015/06/30(火)23:54:45 ID:NFY


お菓子あむあむ

魔娘(人間の菓子、めっちゃ美味い!好き!)

ペロペロ

勇者「よかったな。あとは塩漬け肉と、ライムを買おう。」

魔娘「うん」

勇者「水と替えの衣類も何枚か…」

魔娘「ねぇねぇ勇者、あれキレイ」

勇者「あぁ、宝石商だ」

魔娘「おいちゃん、これキレイだね」

宝石商「やー、可愛いお嬢ちゃんやな!
おーきに。飴ちゃんあげたろな。
大きくなったら、また来てな!」

魔娘「わーい、飴もキラキラしてるな!!」

キラッ

宝石商「うん?お嬢ちゃんその指輪は…!?ちょっと見せてみ?」

魔娘「ん?いいよ」

宝石商「や、やっぱり…これはホンマもんの大粒ダイヤモンド!
しかもこんな透明度…そしてカットも素晴らしい…!!
長年宝石屋を営んどるけど、これは滅多に見れないお宝やわ」

魔娘「そうなの?母上がしてた指輪をネックレスにしてつけてくれたそうなんだけど、魔娘以外が触ると火傷みたくなっちゃうの。お守りなんだよ」

勇者(ああ…そうか。姫様は、この子にありったけの加護の魔法をかけて、息を引き取ったのだ…)

宝石商「お嬢ちゃん、これは世界に二つとない幸運のお守りやで。どんだけお金を積まれても、売ったらあかんよ」

魔娘「わかった」

勇者(姫様…、そなたが命と引き換えにしてまで守ろうとした娘だ。私が守ってゆこう)


82: 名無し◆5kCZD0UbLM 2015/07/01(水)19:53:48 ID:EPk


勇者「さて、必要なものは揃った」

魔娘「次は何するの?」

勇者「船便のチケットを買う」

魔娘「ふうん!じゃあ行こー!」



帆船会社

勇者「王国行きの便を、大人と子供1枚ずつ」

案内係「はい、ちょうど明日の便が
ございますがそれで宜しいですか」

勇者「うむ」

案内係「70万ゴールドです」

チャリンチャリン

魔娘(本当にすごく高いんだな)

案内係「出港は明朝九時です。荷物の積み込みがありますので、八時には埠頭14番ゲートにお越しください」

勇者「分かった」

魔娘「船楽しみだなー」

勇者(大丈夫だろうか…)


83: 名無し◆5kCZD0UbLM 2015/07/01(水)19:55:10 ID:EPk


海の上

魔娘「うぷっ…ヴ…/#&@―$?%°#」

勇者(やっぱりダメだった)

さすさす

魔娘「ぎぼぢばるい…」

勇者「しばらくすれば慣れる」

魔娘「慣れるばえにじぬ…ヴっ…☆―%$°#?*」

勇者「つらいよな、とりあえず全部出してしまえ。ほら、水で口すすぎなさい」

ぶくぶく…べー

魔娘「だんで…」

勇者「?」

魔娘「…だんでゆうじゃばへいぎなの…」

勇者「私はもともと北部の諸島地方の出だから。島で狩った獲物を王国本土で売るために、よくガレー船に乗っていたんだよ」

魔娘「へーそうなング…@&*→$#%?」

勇者(姫様に会ったのも、毛皮商人に鹿の毛皮を売りに行ったときだった)


84: 名無し◆5kCZD0UbLM 2015/07/01(水)19:55:55 ID:EPk

勇者回想中

毛皮商人「ダメだねぇ、ここに毛並みの乱れがあるから、3000ゴールド以上は出せないね」

少女「そこをなんとか…」

毛皮商人「あ、ここにも引っ掛けた傷が」

少女「…。」

毛皮商人「うーんやっぱり2500ゴールドかな」

少女「そんな値段じゃ弓の弦も買いかえられないよ…お願いします、もう一声」

毛皮商人「しつこいねぇ、ところでお嬢さん、狩猟許可証持ってるの?ちゃんと顔見せてくれる?」

少女「そ、それは」

カランコロン

毛皮商人「あっ、狩人の旦那!毎度ご贔屓にありがとうございやす」

ドサ

狩人勇者「これ全部でいくらで買ってもらえる?」

毛皮商人「うーん、相変わらず美しい仕事ですねー!
ちょっと色つけさせてもらいやす、3万ゴールドでどうでしょう?」

狩人勇者「売った」

毛皮商人「毎度ありー」

少女「…。」

カランコロン

少女「ねぇ!そこの狩人さん!」

狩人勇者「?何か用」

少女「私に毛皮の剥ぎ方教えてくれませんか?」

勇者回想終了


85: 名無し◆5kCZD0UbLM 2015/07/01(水)19:56:07 ID:EPk



さすさす

魔娘「…#&?$3―#%*…げほっげほっ」

勇者「あーあー。喉いためるから、咳き込むよりうがいした方がいいぞ」

さすさす

魔娘(うう…恥ずかしい…)

魔娘(父上にもしこんな情けない姿を見られたら、雷落とされるだろうな…)

勇者「出切ったか?この薬草の匂い嗅いでなさい、少しは楽になる」

さすさす

魔娘「うん…」

すーはーすーはー

勇者「それでも辛いときは親指の第一関節を噛みなさい。痛みが気持ち悪さを騙してくれるから」

さすさす

魔娘「うん…」

魔娘(勇者は、優しいな…)


86: 名無し◆5kCZD0UbLM 2015/07/01(水)19:56:54 ID:EPk


翌日

魔娘「勇者ぁ!お腹すいた!」

勇者「おお、もう慣れたのか。早いな…」

魔娘「お腹すいた!肉食べたい」

勇者「よしよし、食堂に行って飯にしよう」

魔娘「え…塩漬け肉は?」

勇者「あれは食堂の飯に飽きた時のためだ。船便の食堂はほぼオートミールと魚だからな」

魔娘「ふーん」



魔娘「オートミールうまい!」

勇者「よかったよかった」

魔娘「魚のトマト煮もうまい!」

勇者「えらいぞ。野菜食べないと壊血病になるからな」

魔娘「よし、腹がいっぱいになったから部屋で塩漬け肉食お!」

勇者「…。」


87: 名無し◆5kCZD0UbLM 2015/07/01(水)19:57:33 ID:EPk


魔娘「船の上ってなんにもすることないんだな…ひと月もこんななの?」

勇者「ああ。でも王国に着くまでに幾つか中継港があるから、あまり退屈はしないぞ」

魔娘「もう退屈だよ」

勇者「船の中を探検しに行くか」

魔娘「いいのー!?」

勇者「水夫の仕事の邪魔しなければな」

魔娘「しないよ!」

勇者「本当か?水夫たちを怒らせたら海にドボンだからな、気をつけろよ」

魔娘「わ、分かった」

勇者「では行こう」

魔娘「うん!」


88: 名無し◆5kCZD0UbLM 2015/07/01(水)19:59:17 ID:EPk


3日後

トタトタトタ

魔娘「水夫のじっちゃーん」

老水夫「おお、魔娘ちゃんか。おはよう」

魔娘「おはよ!何してんの?」

老水夫「帆の修繕じゃよ。
帆船ていうのは帆に風をはらんで進むから、傷んだところをこうやって縫うんじゃ」

魔娘「へー!」

チクチク…しゅっ…チクチク…しゅっ

魔娘「…。」

クルクル、しゅっ、チョキン

魔娘「!!」

魔娘「じっちゃん、上手いなー」

老水夫「ほっほ、まぁ70年も船に乗っておればこのくらいは」


89: 名無し◆5kCZD0UbLM 2015/07/01(水)19:59:35 ID:EPk



勇者「あ、魔娘。最近退屈してるところ見ないと思ったら…」

魔娘「勇者、魔娘このじっちゃんと友達になったんだよ」

勇者「友達って」

老水夫「ええよ、邪魔にはなっとらん」

魔娘「じっちゃんは、ロープも結べるし海図も読めるし、星の位置で今どこにいるかわかるんだー」

老水夫「おう魔娘ちゃん、その辺にしとけ。じっちゃん照れちまう」

魔娘「なーじっちゃん、今日は釣りすんだって言ってたじゃん」

老水夫「うむ、夕方からイカを釣る当番じゃ。」

魔娘「魔娘もやりたい」

勇者「魔娘、それは…」

老水夫「今夜のシーフードカレーがかかっとるからなぁ。真剣にやれるか?」

魔娘「うん!」

勇者「魔娘、こういう時はよろしくお願いしますと言え」

魔娘「よろしくお願いします」

老水夫「任せんしゃい」


90: 名無し◆5kCZD0UbLM 2015/07/01(水)20:02:25 ID:EPk


魔娘「じゃあ魔娘はもう少しじっちゃんの仕事見てるから、勇者は部屋に戻ってていいよ」

勇者「そうか、じゃ。邪魔はするなよ」

勇者(あれ?ちょっとサミシイ…)



部屋に戻る途中の勇者、甲板にタールを塗る仕事の水夫たちが会話しているところに通りすがる

水夫A「なー今回女の子が乗ってるの知ってる?」

勇者(…魔娘のことかな?)

水夫B「あー、あの子な。たまにチョロチョロ見かける」

水夫A「話したことある?」

水夫B「ないけど」

水夫A「俺昨日話しかけられたんだけど、すげー可愛いんだよ。なんかやっぱ女の子っていいなーって思ってさー」

水夫B「俺熟女好きだから」

水夫A「いやそういうことじゃなくてさ、妹みたいなさ、癒しっていうか」

水夫B「ロリコン乙」

水夫A「ちげーって!てかみんな可愛いって言ってるから!」

勇者「あの、すまんが」

水夫AB「?」


115: 名無し◆5kCZD0UbLM 2015/07/01(水)23:28:26 ID:EPk


魔娘「わー!なんだこれ」

勇者「水夫の服」

魔娘「なんで?くれるの?」

勇者「予備の服を売ってもらった。丈は詰めておいた。夕方の釣りはこの服で行きなさい」

魔娘「やったーじっちゃんたちとおそろいだ!」

勇者「うんうん」

魔娘「でもなんで?」

勇者「…。
あー…。
女の子の服はヒラヒラしてキビキビ動きにくいからな」

魔娘「そうか!」

勇者「頑張って具だくさんシーフードカレーにしてくれ」

魔娘「アイアイサー」

ガチャ!パタン!トタトタトタ…

勇者(男親の気持ちって複雑なんだな…)


116: 名無し◆5kCZD0UbLM 2015/07/01(水)23:29:13 ID:EPk


老水夫「おお、来たか。なんかいい格好になったな」

見習い水夫「お、なんだガキンチョ、おめーも釣りすんのか」

魔娘「うん。釣れてる?」

見習い水夫「ボチボチだな」

魔娘「あ、じっちゃんの生簀はもうたくさん入ってるけど、見習いのはあんま入ってないな」

見習い水夫「うるせー今からガンガン釣るんだよ」

魔娘「魔娘にも出来るかな」

老水夫「大丈夫じゃ、釣れるじゃろ」

見習い水夫「ガキンチョ、俺の釣り糸と結婚させんなよ」


117: 名無し◆5kCZD0UbLM 2015/07/01(水)23:29:57 ID:EPk

老水夫「この竿を使う」

老水夫「重りをこうしてつけて、疑似餌で釣る」

老水夫「手応えがあったら、力いっぱい引かずに、竿を立てるだけでいい」

老水夫「やってみい」

魔娘「うん!」

ヒュッ…

老水夫「お、わりと様になっておる」

老水夫 ヒュッ…


118: 名無し◆5kCZD0UbLM 2015/07/01(水)23:30:31 ID:EPk

老水夫「お、来た」

グッ…ビチッピチピチ

魔娘「おお~さすがじっちゃんだ」

老水夫「前は漁師だったからのう、あ、下ろすときは優しくな、スミを吐かせるともったいないから」

老水夫「針から外すときは、足の奥のくちばしに噛まれないよう気をつけての」

ポチャン

魔娘「うん、わかった!」





魔娘「なんかちょっと重くなった」

老水夫「あげてみ」

グイッ…ピチピチ!

魔娘「うわーっ!イカだ!やったー!!」

老水夫「上手いぞ!」

魔娘「へへ」

ポチャン

見習い水夫「やるじゃん」


119: 名無し◆5kCZD0UbLM 2015/07/01(水)23:31:24 ID:EPk

次々釣り上げる老水夫

魔娘「なんだーじっちゃん釣りの天才だな!なんで漁師やめちゃったの」

老水夫「魔王が勢力をのばしてからじゃな。海も魔物が出るようになって、魚が獲れんくなってのぅ」

魔娘「あ…。そうなんだ」

魔娘「…。」


120: 名無し◆5kCZD0UbLM 2015/07/01(水)23:32:44 ID:EPk


魔娘「それからな、魔娘は、5匹釣った!」

勇者「すごいじゃないか」

魔娘「うん。でもじっちゃんは一人で生簀がいっぱいになるまで釣ってた」

勇者「じっちゃんすごいなぁ」

魔娘「見習いもまぁまぁ頑張ってた」

勇者「そうかそうか」

魔娘「今日のカレーうまいか?」

パクッ

勇者「…。」

勇者「うまいっ!」

魔娘 ぱあぁっ!!

勇者「魔娘も食え」

魔娘「うん!」

パクッ

勇者「うまいな」

魔娘「うまいっ!」

魔娘「…。」


121: 名無し◆5kCZD0UbLM 2015/07/01(水)23:34:13 ID:EPk


その夜

魔娘「なー勇者?」

勇者「…ん?なんだ」

魔娘「もしかしたら…」

勇者「…?」

魔娘「…。」

勇者「…。」

勇者 …ぐぅ…ぐぅ…

魔娘(悪いことばかりしてたのは魔物の方だったのかもしれない)

魔娘(でも…そんなの…)

魔娘 グスッ


122: 名無し◆5kCZD0UbLM 2015/07/01(水)23:36:09 ID:EPk


航海8日目

魔娘「なー勇者」

勇者「うん?なんだ」

魔娘「あの向こうの方でピカピカしてるのなんだろうな」

勇者「あー、あれは」

勇者「灯台だ」



魔娘「灯台?」

勇者「霧が出て見通しが悪い時や、星のない夜なんかに、港の位置や岩礁の有無を教えるための明かりを灯す建物だよ」

魔娘「へー」

勇者「この辺りは春と秋に海の暖流と空の寒気団がぶつかる海域なんだ。岩礁も多くて、潮の流れが複雑だ。濃霧が発生すると、海難事故が多発する」

魔娘「ふうん」

勇者(そこまでの濃霧になるのは、魔王の発する瘴気が1番の原因だが…)

魔娘「誰が明かりをつけてるの?」

勇者「灯台守りだよ」

魔娘「夜中ずっと、遠くにいる困ってるかもしれない誰かのために明かりをつけてるのか」

勇者「そういうことだな…。」

魔娘「えらいなぁ」




次の話
魔王の娘「よくも父上をころしたな!」死にかけ勇者「…。」改訂2



魔王の娘「よくも父上をころしたな!」死にかけ勇者「…。」改訂
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